世間は正しい、異性に誇れるものが何一つない私が女性から相手にされない程度には。
世間は正しい、何の努力もせずにひとかどの人物になれると信じていた男の底の浅さを見抜く程度には。
世間は正しい、自意識過剰の男が吐く言葉にひとかけらの価値も置かない程度には。
世間は正しい、女性と縁がない理由を「顔面の造詣」のみに向ける男に価値を置かない程度には。
でもね、やっぱり顔面の造詣が全てだと思うんだ。
「「おまえには努力が足りないんだ」って、みんながそう言う。
努力ならしたさ! ルックスを向上させるため、こまめに洗顔をした!
でも、ベースとなる顔面が歪んでた!
僕の顔面を美しくするために必要なものは、化粧品なんかじゃない!
あえて言うなら、そう、パテだ!」
(蓮海土竜『蒼色輪廻』)