友人と暮らし始めて三回目の夏がやってくる。付き合いも九年目に入って、思ってたよりも二人暮らしは上手くいっている。それでも気になることは気になる。喧嘩するほどでもない。ちょっと気になるところ。そういうのを意識する度に、ああ暮らしてきた環境って全く違うものだなあと思う。
例えばコップの使い方。まとめて洗えばいいじゃん派VS使うたびに洗おうよ(というか次々に新しいの出さずになるたけ一個で済まそうぜ)派とか、ガラスのコップはできるだけ使いたくない派VS使いたいもの使えばいいじゃん派。
あるいは、洗濯物の干し方と畳み方。ハンガーの外し方。掃除の頻度と許容値。分別のこだわり。照明の色。エアコンか扇風機か。オムライスをトマトソースで作るか、ケチャップで作るか。鳥は胸肉か腿肉か。バターかマーガリンか。牛乳か低脂肪乳か。卵焼きは醤油か砂糖か。白味噌か合わせ味噌か。
……食べ物の嗜好の違い、というのは結構大きい。結婚って意外にここで躓くんじゃなかろうか。
とりあえず低脂肪乳の代わりに腿肉を、バターとマーガリンは両方買って、エアコンは私が贅沢に慣れ、洗濯物の畳み方は教育された。こうやって結婚もうまくいくんだろう。この生活が心地よすぎて、結婚できるかが心配だけども。