■悲しくなったときは
海を見に行くと寺山某が言っていたのでわたしも海へ行くことにした。
千葉稲毛海岸の汚い、汚い、汚い海へ柵を乗り越えて飛び込んでビールを飲んだ。
高校生のグループがこの寒空の下海岸に座り込んで話していた。
『ああ 海よ!大きな肩とひろい胸よ!』
なぜこんなに悲しいのか分からない。
でもきっと、何もかもうまくやり終えることなどなく何時か必ず死んでしまうことが悲しいのだ。
海の広さに救われるはずが、余計に悲しくなって帰ってきた。
高校生はわたしがいた二時間ずっと喋り続けていた。
羨ましい目を彼らに向けるのを止められなかったことが、また悲しかった。
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