そういう感じの記事をいくつか読みましたけど、そもそも「文章を書く」というのは文系特有の能力なのでしょうか。そんなところにまで文系は関係ないだろうと思います。「本を読む」も同様に。
文系の学問の論文で数式や化学式を書く人はあまりいないと思いますが、理系の学問の論文で文章を書かない人はまずいません。というか、文章を書かない論文なんて論文ではありません。専門書も読まないで書く論文も然り。
大学の授業でも、「文章を書く」能力を身に付けるための文系の科目はまずありません。じゃあ何をやっているかといえば、文学に限定すると特定の人の書いた小説や評論がどんな思想に基づいているかとか、そういう内面的なものです。
文章そのものが研究材料の場合が多いので、普段からそういうものに読んでいる分だけ「文章を書く」下地もできているのかも知れませんけど。毎日数多くの人間を見ているのに人間の絵を描くことは難しいように、文章を読んでいるから文章を書けるなんて単純なものでもないはずです。
「文章を書く」「本を読む」能力は、文系理系に関わらずある程度は必ず身に付けておくべきなのではないですかね。一般教養と言えるかは分かりませんが、少なくとも理系だからといって持たなくていい能力じゃないし、逆にいえば文系だからといって勝手に取得できている能力でもない。
まあ結局、それが重要だということに関しては同じ考えですけど。肯定の意味でも否定の意味でも、そういう部分に「理系」「文系」という言葉は使って欲しくないなあと思うのです。