2009-05-11

 わたしは、うつだ。

 一週間前、会社の上役に「君が休んでる間に他の子が徹夜で働いてるんだ」と言っていた。その通りだ。休んでるのに、お金が入るという仕組みはおかしい。

 「抗鬱状態は、病気じゃないんだよ。やる気の問題なんだ。」

 「医者の言う通りばかり聞いてて、やる気が感じられないんだよ。しがみ付く位のやる気を出してみろ。」

 「別に死ぬってわけじゃないだろう?」

 「時間が解決する?じゃあ、医者に3ヶ月で完全に治せるように言ってやれよ。」

 彼のいうことはもっともだ。ただ解せないのは、わたしと彼の温度の差だった。わたしは黙ったまま聞いていた。時には頷き、「はい」「そうですね」と答えるしかなかった。感情はわかなかった。真っ白い紙に文字が書かれていくようだった。

 空っぽだった。

 帰る途中、大きな雲が太陽を覆っていた。何事もなく流れて行く現実しか見えなかった。

 わたしは、言葉を失っていた。

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