一生懸命に掃除などした後は手を洗う。そう、手を洗えば大抵の汚れは落ちるものだ。
大便器に一物を転がし、ケツを拭いて水に流す。そう、大抵のことは水に流れるものだ。
振り返ってみれば思いのほか流れてないものがあり、手は薄汚れている。それでも幸いなことに他人からは細かい汚れは見えない。気になるのはどちらかといえば自分自身だ。
キレイなうちはずいぶんと無茶を言った。大きなウンコが流れない奴を指差して嘲笑したりした。悪い奴は個室の壁をよじ登ってウンコをしてる奴を困らせたりしたものだ。逆にどこででもできると客でも無いのに高級ホテルのトイレでだって垂れた。
年上の人はだいたい自分を自覚している。だから寛容だった。小さな声で諭されたかもしれない。覚えちゃいないがね。
そんなこんなで気が付けばイボを患っちまってた。イスにばかり座ってる暮らしが悪いんだってな。そうやって夜中に自分について考えているとなんだか情けなくなってくる。
いや、手を洗えば大抵の汚れは落ちるものだ。そして大抵のことは水に流れるものさ。
時には止めておきたい物語もあるようだ。