■僕は最低だ。
夢を見た。
夢の中で、僕は冴えない容姿の女子高生になっていて、ひびの入った眼鏡越しに相手を見ていた。
ぶつけられたバケツの水でブレザーは重く、じっとりと肌に張り付いていたが、問題はそこにはなかった。
僕はあろうことか同性に愛の告白をされていた。
たったひとり目の前にいる、いじめグループのリーダーが、僕の返事を待っている。
眼鏡の水滴を払ってかけ直すと、泣きそうに歪んだ顔。
僕はうつむいて押し黙る。前髪から水滴が落ちる。
歩み寄る足が見える。後ずさる僕の背に壁があたる。
息のかかる距離。
「増田さん、僕は、」
目が覚めた。
僕は最低だ。色々と最低だ。助けてフロイト先生。
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