何年か前の成人式のように何事もないように過ごしても良いのだけれど、
成長というものは面白いもので、自然と実家に向けて僕は中古車を走らせていた。
案の定、陵辱的な気分を味わうことになり、すぐに帰休を後悔した。
己がつけた名前ではなく、筆名で僕を呼びつける両親の顔は嫌らしく歪んでいて、
親戚の前で持ち上げられるたびに、僕の気分は落ち込んだ。できれば怒鳴り散らしてやりたかった。
壁に貼った「いつか見返してやる」の紙は、一時の達成感で勢い余って破り捨てたけど、
世間に対する捻じ曲がった視線っていうのは、数日の満足感ごときじゃ簡単に矯正されないようで、
次から次へと口から出てくる悪態は止まりそうにない。
心地よささえ感じるのだから、たぶんもう治らないのだろう。それで良いと思っている。
「成人式」「筆名」「いつか見返してやる」というキーワードが変にミスマッチで気になる話だね。 ただの吐き出しならいいのだけど。