給食が食えなくて一人で残されたわが友。いつまでも待つと言った我々の心知るや知らざるや。君は5時半まですわっていた。
お前の頑固さに耐えかねて私たちは帰ろうとした。
そして彼は言った「早まるな!」
僕たちは当然言う「少しは早まれよ!!」
とても、とても馬鹿馬鹿しい集まりだ。明日も早いのだからさっさと帰ろう。おいていった。
そして今日お前の葬式だった。早まることのない遅まることのない。自分はこうしか思わなかった。
「早まるな!」
自分は追憶の中でだけ生きるのかもしれないが、その思い出は自分を急がせることはないだろう。
昔、私が友達の心を急かしたようには。
恋心を物に感じた。教室、スプーン、お盆、木の色と銀の色、今は見ようとしても見えない。
恋人よ帰れ。一度でいいから帰れ。それが冷めた食事と一緒でも構わないから。