身なりがきれいなら気持ちをわかってくれるのか?
分かってやろうと思いたくなる。 汚い奴には何もしたくない。そのまま視界から臭いも残さず消えてもらいたい。
ふむ、よくわからないが、臭いことがお前にとっては悪なんだな。 だが、老人になれば誰でも臭くなる。 お前は自分が臭くなっても同じことが言えるかな。
そうだ、だから人間は汚くなって死んでいくんだ。何もおかしいことはない。 汚い老人には手を貸してやろうとも思わないが、比較的綺麗な老人には席を譲りたくなる。
きれいな老人はお前が手を貸さなくても生きていけるさ。 だが、汚い老人はそうじゃない。
僕は平等なんぞ重んじていない。 正確に言えば、綺麗な人が綺麗であり続けるために、汚い人はずっと汚いままであってもいいだろうとさえ思っている。
いや、オレも平等がどうとか言うつもりはないさ。 苦しんでいる、困っている、劣っている人間は、 そうでない人間よりも救われるべきではないのか、と考えているだけだ。
そうだろうか。 自分で生きていける力がないなら死んでもやむを得ないだろう。
そんな馬鹿な。 赤ん坊には自分一人で生きていける力が備わっているのか? お前だって一人で生きているわけではあるまいに。
自分の子供を育てられないような弱い親にはなりたくないからな。
今は親の話をしているわけではないんだが。