育美ちゃんは小学校に上がる前にお父さんを亡くしてしまい、お母さんはその後再婚もせずに働きまくって育美ちゃんを高校はもちろん、大学にまで入れてくれました。
でも、無理がたたって倒れてしまいました。
それでも身体が良くなるとまた働きはじめて、そしてまた倒れて。
そんなことを繰り返しているうちについに起き上がれない身体になってしまいました。
そして自分がもう長くないと悟ったお母さんはお守りを1つ育美ちゃんに手渡し、
「ごめんね育美。ひとりでも頑張るんだよ。
でも、どうしても辛かったり耐えられなくなったら
このお守りを開けなさい」と言いました。
しばらくしてお母さんは亡くなってしまいました。
育美ちゃんはお母さんに貰ったお守りをお風呂に入るとき以外は肌身離さず持ち歩いていました。
お守りの事を思い出して、中を見てみようということになったそうです。
するとそこには1枚の紙がまるめて入っていました。
なんだこれだけ?と拍子抜けした育美ちゃんがその紙を取りだして開いてみると。
そこには・・・
育美よ
万文の山はいくつはばまおうとも
戦陣の谷に何度も落ちようとも
前え 進め