■見えない魚の思うこと
美味しそうな餌が付いた釣り針が投げ込まれるたび、複雑な心境になる
言うまでもなくその餌は、俺以外の誰かを釣るための物だが、目の前をチラつけばやはり気にはなる
そこまで気になるような物ならハナから見なきゃいいのに、つい見てしまう己の愚かさよ
思い返してみれば、あの釣り人は元よりそういう人だった。何も変わらず、いつものようにいつもの釣りを楽しんでいるだけなのだ
それをどうこういう謂れも筋合いも関係性も持ちあわせてはいない。でもあれはたぶん、疲弊してんだろうな
俺みたいな外道じゃなく、癒しが得られるいい魚が釣れるといい
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