2010-03-06

たった一つの命の為に

たったのそれだけの為に

一人の人間は死ぬ事も、何か為す事も出来ず

臨終のその時まで、数十年もの間

苦痛に耐え、目を開け

現を見て、心を、削る

生まれるべきでは、なかった筈の命が、今日も生まれている

明日も、明後日も、その次も、不幸はひたすらに出でる

可哀想に

人生は、生き方さえ、才能さえ、運命さえ、意味がないほどに不幸なのに

せめて、せめて、先が短くあって下さい

決して常の世の幸いに惑われないように、気をつけて

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