どんよりとした雲に、嫌悪に似た予感を感じて家へと駆け込むと、図ったかのように雨が降ってきた。
パソコンが立ち上がるまで、屋根を濡らす音が室内に溶け込む。
ウィンドウズの起動音とハードディスクのノイズ。
水滴の響きはやがて薄れてしまった。
メールチェックを終えて窓の外を見る。
勢いが衰えたのか、ぱたぱたという音は聞こえなかった。
かわりに耳に入ってきたのは、リリリと甲高い音。
虫の鳴き声は、なぜこんなにも存在感があるのだろう。
体はあんなに小さいのに。
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