2009-08-24

自民党、統制派復帰を宣言する。

民主党の政策には、地球温暖化対策と矛盾する自動車優遇政策とか、

税源の問題とか、資本主義制度の一部否定(公開会社制度)とか、

いくらでも「ボロ」がある。

なので、その部分に堂々とツッコミを入れるのが王道なのに・・・

一部のブロガー内で

「自民党のネガティブキャンペーンチラシ」が話題になっていたのは知っていたが、

「遠い世界の話」と思っていたら、今朝ポストに投函されていた。

内容を見ると、はっきり言って「酷い」の一言。

「ミンスへの投票はやめよう」と自分は宣言していたが、これでは「もとい」である。

章立てからして

「第一章 民主党と労働組合の革命計画」

「第二章 日教組 教育偏向計画」

「第三章 日本人尊厳喪失進行中」

ブロガーで「幸福実現党のビラかと思った」という感想が出るのも無理はない。

全文章ツッコミどころ満載なんだが、とりあえず3点に絞っておこう。

【ツッコミ1】

「年金制度においても、日本の大切にしてきた『家族』制度を否定し、

 世帯単位から個人単位とする制度への見直し論を展開。

 さらに『子ども手当』の財源確保として『配偶者控除』『扶養控除』の廃止を主張するなど、

 自助・共助の精神を否定し、すべて公助にする制度を主張しています。

 民主党の言う『取り組み』を実現すると、日本の歴史や伝統・文化、調和のとれた

 地域社会や家族の絆は次々と破綻し、殺伐とした社会を誕生させることになります。」

要は

「社会福祉は、家族制度や自助の意識を破壊する。ほどほどに抑えなければいけない」

という主張である。

社会福祉への「反論」としては、

「そうは言っても財源が・・・」という主張は納得できる話だし、

自民党もNHKなんかの党首討論では、そのように主張していたはずだ。

自民党の「ホンネ」は、

「社会福祉は、財源問題じゃなく、イデオロギー的に抑制しないといけない。

 (財源が仮に確保できたとしても、社会福祉を行うべきじゃない)」

ということなのか?

もっと判りやすく言えば、

「高福祉国家は、即ち半社会主義であり、国体(左翼語に翻訳すると天皇制)の危機に

 つながるから、イデオロギー的に容認できない。」とでも言いたいのか?

戦前には皇室を奉じながら格差是正を目指した「皇道派」なんてのもいたのですが、

自民党のこの主張は、「我々は戦前の統制派を目指します」という宣言なんだろうか?

【ツッコミ2】

「民主党は、靖国神社問題、従軍慰安婦問題等、戦争責任にまつわる問題についても、

 日教組や自治労をはじめとする労働組合の主張に沿った意見を展開しています。

 一方的にわが国を貶める国家観、歴史観の押し付けが、民主党の主張のいたるところに

 見受けられます。」

・・・だったら、村山談話否定を堂々とマニフェストに載せればいいんじゃないですか?

公明党との選挙協力は見込めなくなりますが、それでいいのかな?

どうも、最近の自民党の中では

「靖国原理主義を、国民の7割程度は信じている」と妄想してるんじゃないか?

だから、「靖国原理主義的主張を訴えていれば、国民の7割は戻ってくる」と

根拠レスな戦略で保守回帰キャンペーンを始めた。

実際のところは、「1割が靖国原理主義、1割が反靖国主義、8割はノンポリ」てなところです。

8割のノンポリ層の意識は、中国や韓国が謝罪要求するのにいささかウンザリしているが、

他方それを事大視する靖国原理主義者にも「ウンザリ」しているのです。

8割の靖国ノンポリ層は、霞ヶ関改革とか年金改革とかを本来は「アジェンダ」にしてほしいのに、

「頼みもしないのにアジェンダに靖国へ勝手にすり替えしようとしている」自民党にあきれている。

【ツッコミ3】

「その結果、地方議員はもちろん知事や市長までが労働組合の息のかかった人たちに

 占領されてしまうことになります。

 労働組合が自分たちの思惑通りに進めるための革命計画に、民主党は加担しているといえます。」

名古屋市長に当選した、民主党出身の河村たかしは、労組の息が掛かっているのか?

冷戦時代の1970年代までなら、社会党は「マルクス・レーニン主義」を綱領に掲げていて、

暴力革命を模索していた。

その背後には、暴力革命への支援をいとわないソ連邦の存在があったため、

暴力革命は「そこにある恐怖」であった。

逆に言えば「暴力革命を口実とした外部勢力の侵入が懸念されていた。」

しかし、現代においては、社民党ですら暴力革命路線を放棄している。

(日本共産党は放棄しているかどうか知らないが。)

加えて、「世界革命を輸出する」というソ連邦は消滅しており、中国共産党は世界革命路線は

取ってない。

なので、「暴力革命を口実とした外部勢力の侵入」は、「杞憂」である。

まあ公開会社法導入は「資本主義の否定」ではあるが、流血もいとわない「暴力革命」ではない。

というか、今の20代30代は勿論のこと、40代とかでも「暴力革命への恐怖」は

あまり存在していないのではないか?

日本赤軍とか中核派とかをリアルタイムで知っている50代以上にしか、

「過激派の恐怖」は通用しないと思う。

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