2009-08-01

やる気に頼るな、仕組みに頼れ

やる気に頼るな、仕組みに頼れ

私がやってきたことのなかで、うまくいったことと、うまくいかなかったことを区別したとき、この言葉がひらめきました。長期的にはいい結果を得られるが、短期的には辛抱が必要なことを続けるには、やる気に頼らない仕組みを作れるかどうかが鍵だと気づかせてくれた言葉です。

例えば、毎日運動を続けることの難しさを経験している人は多いはずです。一番失敗しやすいと私が感じるのは、「がんばるぞ」と決意して、そのやる気だけで目標を達成しようとするときです。

毎朝6時に起きてジョギングをしようと決意した、としましょう。最初の数日はうまくいっても、そのうち前夜の帰宅が遅かったとか、天気が悪いとか、風邪気味だからなどと理由をつけて、あっという間に運動しなくなります。そして、ダンベル体操など新しいことを次々と手がけては、またもや続かなくなる。その繰り返しなのです。

なぜそうなるのか。「やる気だけでは、結果が出るまで続かないから」なのです。

運動を続けて、体調がよくなるのを実感できるのは数週間後からでしょう。しかし、その間にさまざまな「いいわけ」トラブルが出てきます。すると例えば、毎日続けられる確率が70%なら、10日連続して続けられる確率は0.7の10乗=0.028、つまり2.8%。ほとんどの人は途中でくじけてしまうのです。

これを防ぐには「意志の力に頼らなくても、続けられる仕組みを作ること」に尽きます。運動を続けたいなら、家の場所を最寄りの駅から歩いて15分かかるところにすれば、毎日、30分は歩くことになります。あるいは、スポーツクラブに入るときのコツは「家か職場か、どちらかに必ず近いところにすること」と「極力、手ぶらで行けること」、さらに「固定レッスンや予約などをとってスケジュールを確保すること」。どんなに意志が弱い人でも、続けられるようにするのです。

仕事も勉強も、意志だけに頼ると結局、中途半端に終わり、自己嫌悪に陥るという悪循環が生じます。そうではなくて、どうやったら続けられるようにできるのか、その仕組みを考え抜いていくと、成果が出やすくなります。

あなたに欠けていたのはやる気ではなく、仕組みです。

http://www.asahi.com/business/topics/katsuma/TKY200905170070.html

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