2009-06-06

 200人くらい受講者がいる講義に僕の友人が遅刻して入ってきたので、「今日プリントは一番前の席に置いてあるよ」などと誰も得をしない嘘を言ってみたら、彼は「マジか、サンキュ」などとのたまって、あるはずもないプリントを教室の最後列から教卓の前まで探しに行った。最初、僕は頬杖をつきながらなんとなくそ光景を眺めていたのだけど、その友達は総勢200人が見守る中、教室の一番前でプリントを求めてキョドリ出し、終いには先生にまで確認を取り出したので、僕は至極冷静な思考の末に素早く荷物をまとめて教室を出た。教室を出る時、振り返って友達を見てみたら、彼は顔を真っ赤にしてプルプルと震えていた。僕は、「いやでも人生って失敗の連続だからな、うん」などと勝手自分を納得させて家路に着いた。

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