2008-10-22

チカンが男性が怖いので引きこもります

またチカンに遭った。

チカンの見本のようなチカンだった。

路面電車の車内で。

勃起したものが私のお尻にあたる。真後ろの男性だ。

勃起が故意に起こるのか不可抗力なのか、私には分からない。

わざと当ててるのか揺れのせいなのかも、分からない。

これで騒いで冤罪だったら申し訳ない、とか。

恥ずかしい、とか。

面倒くさい、とか。

そういう理由で放っておいたら、今度は手でお尻をなで始めた。

気持ち悪い。これは間違いなくチカンだ。

お尻に当たるものが、荒い息とタバコのにおいが、不快。

声を出す?

周りの人に知らせる?本人に文句を言う?

チカンは私に密着している。

チカンの手と下半身と私のお尻の状態は、たぶん誰からも見えない。

騒いだところで、本人が否定したら、それ以上は追求できない。

その人がチカンだという証拠がない。

みんなが信じてくれなかったら。

逆に濡れ衣だと責められたら。

躊躇った。

そのあいだにチカンはますます調子に乗ったようだった。

私の腰を掴んで下半身を押し付けている。リズミカルに。

ああ気持ち悪い。しねばいいのに。

私はチカンを捕まえるのを諦めて、心の中でチカンを男性を世界を自分を呪いながら、電車が電停に着くのを待った。

しねばいいのに。しねばいいのに。みんなしねばいいのに。

次はたくさんの人が降りる電停だったから、それに混ざってチカンから逃げた。

情けないやら腹立たしいやらで、泣きそうだった。

電停には「チカンに注意!」というポスターが何種類か貼られていて、余計に腹が立った。悲しかった。

不安定な精神状態だったせいか、「お前に落ち度があるからチカンなんかに遭うんだ」と責められている気がした。

私は長袖のニットにジーンズという露出のほぼない格好だったし、ここらへんでは午後3時ごろの路面電車は普段は混んでいない。

私はどう気をつければチカンに遭わずに済んだのだろう。

完全にチカンを回避する方法が分からないので、私は路面電車での通学をやめた。

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