2008-06-11

IT偽装派遣は人命を(ry

秋葉通り魔について言及しているニュースやブログを見て思ったこと。

派遣者の心境をこのようにしてしまったのは…といった内容について、だ。

IT業界では派遣どころか、

A社(元請)>B社(2次)>C社(3次)>所属会社(自分の会社)

ていう多重構造になっているのは広く知られてるだろう。

派遣社員も、偽装請負の中小IT企業の正社員も人売りされている。

エンドユーザが1人月額100万円として契約して上の構造では自分の会社から、

給与として支給される額は20万くらいしかないんだ。

当然残業代なんて支給されない会社もあるし、昇給なんて1年で年収プラス1万円未満はザラ。

また、現場だと当然のように人間扱いされない。

4次請けの人間が毎日終電で帰って、土日も出社するのにも関らず、

元請けの人間は奴隷商売するだけ。あとはエクセルで線引っ張るだけ。

そして元請けの気に障る行動をすると、「使えねえ!」連発される。

気に障る=思い通りに動かない ね。兵隊以外は不要な世界だ。

うつ病で離脱者が出ても、人を入れ替えるだけ。

人が倒れて救急車で運ばれても、重要なメンバーなら出社させる。

もちろん、将来性なんてものはない。

こんなんでモチベーション上げろ、というのが無理。

もちろん、仕様にバグがあっても元請けの仕様書通り作る。

卑屈と言われようとも、責任感がないと言われても、それが仕事だから。

そして技術者の質はご察しの通り。

英語という言葉に拒絶反応を示す人、勉強は会社で業務中にしかしない人、確率すら計算できない(高校の数Aの確率)人

こんな人ばかり。

将来性のなさに影響されて、彼らのモチベーションが低空飛行なのが原因の1つなんだろう。

もっと恐ろしいのはアウトソージング。

某国に、アウトソースして失敗した事例はネットに幾つかある。

経営レベルでの話、マネージャーレベルでの話、その粒度のものが大半だから、

今まで見た、聞いた(伝言ゲームではなく、実際に会社の同期が体験した話、自分が体験したもの)ものを挙げておこう。

まず、基本情報技術者試験を持っていて、一通りJavaやCが書ける人間が、

仕様書を見て、「何も考えずに」といっていい程簡単にコーディングできるような、

詳細な仕様書を某国に投げる。

帰ってくるのは、type1, type2, type3といった連番の整数で、理解するまでに何時間もかかるソース。

当然コメントなんてない。

コンパイルは一応通る。でもセマンティクスエラーは考慮されてない。

更にはコンパイルが通らないものもある。

極めつけは、機能が丸ごと1つすっぽ抜けているもの。


そして奴隷として人身売買される、会社の同期や私自身が関ったプロジェクトは、

発電所(もちろん、メルトダウンする方)、航空、医療機器、金融、証券、交通システム

など。

アウトソースするものが大半だ。

あんなソフトウェア使ってるとか恐ろしくて考えたくない。

これらの社会インフラがクリティカルエラーで障害発生したら、

一体どれだけの人間が生命の危機に晒されるんだろう?

とまぁ、これが実情な訳。

今はまだ「致命的な」障害は出ていないかも知れない。

だけど、これからは分からないよね。

明らかに現場のソフトウェアの品質は下がり続けてるよ。

みんなが仮想世界・現実世界で啓蒙思想すること、改善活動、

業界体質の改善(のつもりのベンダ・SIの動き、法による規制)

による品質の向上は、

不人気のIT業界、次々と脱出する優秀な人材、変わらないトップの意識、

広がる格差と底辺層の意識、何が何でもコスト主義

による品質低下を上回ってるんだろうか。

(他にも要因があったり、数字を出すのが正統な論議をする為の条件なんだろうけど、

所詮匿名日記なので省略する)

最後にひとつだけ言えるのは、こう、底辺で作業していた身として感じた事は…

もう手遅れだ、という事。

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