まだ学生の頃。狭いワンルームに住んでいた時、1匹のゴキブリがいた。
そいつは毎晩同じ時間、同じ場所に現れる。
触角が片方ちぎれていたので、他のゴキとははっきり識別できた。
そのせいかなんとなく親しみを感じてしまって、殺す事ができなかった。
一人暮らしで友達もいなかったので、部屋に自分以外の生き物がいるという安心感があったから…かもしれない。
毎晩そいつが現れるのを眺めるだけ、という一方的な交流は2〜3ヶ月続いた。
しかしいつの間にかそいつはいなくなってしまった。
あれから5年以上経つ。
ワンルームから引っ越して次に住んだ部屋には4年もいたのだが、そこではゴキブリを全く見かけなかった。
その次に越した部屋…今の部屋も、もう1年半住んでいるがゴキブリだけは見かけない。
特に部屋を綺麗にしているわけでもないし(むしろ汚い)、ハエや蚊はどんどん入ってくるのに。
もしかしたら、あのゴキブリの恩返しか何か?
この先ゴキブリに悩まないようにでもしてくれたのか?
とりあえずはそういう事にしておこう。良い話みたいになるからw