2007-07-04

匂いの記憶

ハンドソープがなくなったから、深夜営業のドラッグストアに買いに行く。

檸檬石鹸とか普通に売っててなんか懐かしいなーなんて思いながら、泡の詰め替え用がなかったので違う物を買って帰った。

その日から使い出したのだけど、なんだかそわそわしたような気になって落ち着かない。

特に、不都合があるわけじゃないのに。なんでだろうと思ってた。

しばらく使っていて、やっと思い当たった。

これは、おばあちゃんの家の石鹸と同じ匂いだと。

それから、そわそわした気持ちも理解できた。

おばあちゃんの家は、夏休みにいられる特別な場所だったからだ。

こんな風に思いがけず、懐かしいものに出会ってしまった。

大人になる途中に色々あって、あの場所は人手に渡ってしまい家は取り壊されて、今はもうない

ハンドソープも使い終わり、今は普段通りに泡の詰め替え用を使っている。

それなのに、あの夏に一人だけかえってきてしまっている。

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