よけいなことは、しないほうがいい。
自分の利益になるもののほかに手を出せば、損だし、時間の無駄。
それにもし、そのよけいなことでトラブルが起これば、責任問題にもなる。
そうやって、自分の周りに結界を作って、やるべきことだけをやる。
街の中に、誰も手を出さない空虚な場所ができる。
暗がりにあって、誰のものだかわからない。
水がたまり、猫の死骸が腐っている。
でもある日、誰かが勝手に猫の死骸を葬った。
きっとだれかの私有地だから、それは不法侵入なのだ。
別の人が勝手に雑草をむしり、また違う人が勝手に花の種をまいた。
誰かが水をまき、誰かが柵を作った。
みんながよってたかって少しずつよけいなことをしたおかげで、花壇ができた。
でも、花壇は俺の妄想で、猫の死骸が転がる空き地はまだそこにある。