今日のゼミ、発表の担当だったやつがなんにもやってきてなかった。
しかも発表することについてほとんど理解してないのでアドリブでも話せない。
前に出て消え入りそうな声でホワイトボードにちょろっと数式を書いて、そこで止まった。
やってきてなかった、すみません、とも言わないし、適当な事を言ってごまかすわけでもない。
ただ黙って立っている。
気持ちは分かる。そういう状況に立たされれば頭が真っ白になるかもしれない。
ただこの状況は昨日の時点で、少し考えれば容易に予想できたはずで、
彼には想像力があまりにも欠如していたとしか言えない。
何かよけいな事をしてことごとく失敗するダメ人間は好きだが、何もしないダメ人間は嫌いだ。
何もしてないなら何もしてないで、デタラメをでっちあげてメチャクチャな理論を展開するとか
逆ギレしてみるとか、なんなら逃げ出してしまってもいい。
だまって突っ立っているよりはそのほうがマシだ。
屈辱は大きなエネルギーである。良くも悪くも人間を変化させる力を持っている。
彼は変化できるだろうか。