2020-08-29

バスケ好きが見るBLM

はてブで大坂なおみのボイコットの件がいくつかホッテントリ入りしてたから、NBAもBリーグもガッツリ見るバスケ好きの自分がBLMをどう見ているか、備忘録も兼ねて少し語らせてくれ。


NBA≒黒人コミュニティ

まず、NBAというリーグが他のスポーツやリーグと大きく異なるのは、リーグ≒黒人コミュニティという点だ。

リーグのトップであるコミッショナーこそ現在のアダム・シルバー、先代のデビッド・スターン共に黒人ではないが(ちなみに2人ともユダヤ系)、

2019-2020シーズンリーグに所属する選手の80%以上が黒人選手になっている。


コロナ中断からの再開

コロナの影響で4月から中断していたNBAは、

オーランドのディズニーリゾート内に通称「バブル」と呼ばれる選手・スタッフを隔離しその中だけでゲーム運営可能な体制を整え8月からリーグを再開し、

優勝チームを決定するプレーオフに突入したばかり、4試合先取のプレーオフ1回戦の途中(大体GAME5〜6くらい)だった。


ミルウォーキー・バックスのボイコット

現地時間23日にウィスコンシン州ケノーシャーで警官によるジェイコブ・ブレーク氏の発砲があり、26日NBAに動きが起きた。

ケノーシャーから20kmほどの距離にあるミルウォーキーに本拠地を置くミルウォーキー・バックスが突如そに日に予定されていたプレーオフ1回戦GAME5をボイコット。

リーグに対してはもちろん、対戦相手のオーランド・マジックへの事前連絡も無い突然の行動だった。

それを受け、リーグは当日全試合の延期を発表。このまま今シーズン終了か? という話も流れる中、昨日、現地時間29日からのプレーオフ再開をリーグと選手会が発表した。

このミルウォーキー・バックスのボイコットが、MLBやテニス等スポーツ界の連鎖的ボイコットの発端だと今のところ言われている。



さて、前置きが長くなってしまったがここからが、自分がNBAに見たBLMの話になる。

先に結論を言ってしまうとNBAやそれに関連する人々におけるBLMは恒久的な平和や平等、人権のための活動ではなく、あくまで黒人のための活動であるということ。

その要因と考えられる出来事をいくつかあげていく。


ハレルのドンチッチに対する人種差別発言

現地時間8月21日、ロサンゼルス・クリッパーズの黒人プレーヤーであるモントレズ・ハレルが

対戦相手のダラス・マーベリックスに所属するスロベニア人プレーヤーのルカ・ドンチッチに対して人種差別発言をした。

これはすぐにメディアで問題視されBLMへの積極的取り組みを行うリーグには多くの意見が寄せられることになった。

しかし、結果から言うとリーグや所属チームであるクリッパーズはハレルに対して一切の処罰を与えなかったのだ。

これには後日ハレルが直接謝罪しそれをドンチッチが受け入れたというエクスキューズはあるが、

仮に白人が黒人に向けて同じことを言っていればリーグ追放も免れないような状況下だけに、ダブルスタンダードだという大きな批判を招いた。


さらに、NBAの元スターで現在はご意見番として定着しているシャキール・オニール、チャールズ・バークレー(2人とも黒人)は

彼らが出演するTNTの「Inside the NBA」にて、ボイコットの問題について取り扱った時のこと。

バークレーはハレルの行動やそれに対する処分が無いことについて「これではダブルスタンダードだ」という発言を行ったのだが、

最後まで言うことを出来ずシャキール・オニールや司会のケニー・スミスに遮られることとなった。


香港の人権問題についての傍観、二枚舌対応

現在では香港国家安全維持法が発行されてしまったが、民主化デモが最も拡大していた2019年10月にヒューストン・ロケッツのGMダレル・モーリーが香港のデモを指示するTweetを行った。

それに対してリーグは即座に「リーグを代表する意見ではないが、自分にとって重要なテーマについて意見を表明する自由がある」と表明を出した。

しかしこれには裏がある。先程のメッセージは英語でリリースされたもので、中国向けには中国語で「モーリーの発言は適切でなく、リーグは失望している」と二枚舌の外交を行ったのだ。

さらに、他の球団幹部や選手などからもモーリーに批判が集まり、結果「香港の民主化デモを支持する」という発言を削除し取り消すことになった。


この裏にはヒューストン・ロケッツにはかつてヤオ・ミンというアジア史上間違いなくNo.1プレーヤーである偉大な中国人選手が所属しており、現在もスポンサーに中国企業が多くいるチームであること、

また、本土アメリカを除くと、中国はバスケ人気・市場規模共に大きなNBAにとっての最重要なマーケットであることがあり、

有り体に言ってしまえば他国・他人種の人権などよりビジネスマーケットを優先したのである。


BLMはあくまで黒人に関する運動

自分はBLMに対して、なぜアジア系やヒスパニックなども含めたAll Peopleで無いのかが疑問だったが、その分かりやすい答えがこの言葉だ。

All lives can't matter until Black lives matter

これは何名かの選手たちがこのワードをプリントしたTシャツを着ているものだ。

BLMとはあくまで黒人コミュニティが自らのために声を上げている活動で、

白人や黒人以外のコミュニティの人々はこの活動を支援するのではなく賛同するのであれば自分たちのためにこそ声を上げるべきなんだとやっと気がついた。

このBLMに対しての是非は置いておいて、黒人でない自分がBLMに自分の権利や平等を投影すること自体がズレていたというわけだ。


ジョージ・フロイドの死以来ずっと抱いていた違和感、もどかしさがやっとスッとした。

  • 「BLMとはあくまで黒人コミュニティが自らのために声を上げている活動」これを分かってない人多いよね。

    • BLMにおいて、アジア系が果たした役割は決して小さくないというのに、「これは黒人の問題です」というのは、実に滑稽である(BLMにおいて、重要な役割をもたらしたLetters for Black Livesと...

      • アジア系が「黒人の問題」を支援してくれたからといって 「黒人の問題」が「黒人とアジア系の問題」になるわけではなかろ アジア系が「アジア系の問題」を立ち上げれば黒人も支援す...

    • じゃあ協力しないどころか反対するね そもそも警官に殺される黒人より、黒人が殺す警官の和の方がずっと多いので アメリカの白人警官の黒人に対する発砲を団子支持するよ

    • フェミなんちゃらと一緒か。

  • All lives can't matter until Black lives matter KKO理論じゃないっすかこれ

  • 日本にいる非黒人が「沈黙は暴力」とか言われても知らんがなって態度でいいってことですか

    • 全然OK むしろ言ってきたやつに黒人はアジア人差別をやめろって文句言えばいい

  • 今シーズンもうやめちゃえばいいのにな。 西の2強が再開すべきじゃないという意思を見せたんだから。

  • 増田は、こうゆう一連の流れを見てNBAに対して今までと同じ熱で見てられる? 自分はテニスファンだけど、全米オープンに対する盛り上がりがものすごい勢いでなくなっている。 9月に...

    • その程度の愛情だったんだろ

    • 正直言うと、1日間くらいは強い失望があった。 NBAのスタープレーヤーである黒人たちは自分にとってのヒーローだったから、ヒーローってのは自分も含めた全員のために戦ってくれるも...

      • 大坂なおみが言ったように、彼らもスポーツ選手である前に黒人なんだが。 何がヒーローなら、だよ ヒーローなら何をされても我慢しなければならないし、憤りを感じても己を出しては...

    • 車椅子テニスの賞金低いまま放置してる偽善者のテニスに何を期待してるの?

    • 自分も同じです。 去年はGS 500 1000 のQF以上はほとんど全部みたし、ATPファイナルはほぼ全試合みたくらいだけど、 コロナでここまで試合なかったのもあってUSOpenもうすぐだというのに全...

  • 今はもう権利のぶんどり合いの時代なんだ 自由とか平等みたいな美しい言葉は相手を殴るための武器でしかない 俺らもぼやぼやしてると黒人に全部もっていかれるぞ

  • 黒人の見世物を楽しんでた奴がよく言うよ

  • 流石アジア人がプレーする度に差別審判の餌食になるNBA やね 黒人が差別主義者なんだから黒人が差別やめるまで警官はガンガン差別黒人を撃ち殺していくべき

  • 典型的なwhataboutismばかりで頭が痛くなるね まずお前が問題にしてるTシャツの文言は"All lives matter"を批判するためのグッズ(同じような文言のステッカーが反レイシズムステッカーとし...

  • そんなこと言ったら Webpackの利用者を全員巻き込んで 「世界よ、これがBLMだ」 みたいなことやっちゃったバカマヌケゴミクソハゲの立場がないじゃないの

  • BLMが批判されてるのは基本的に活動が無軌道でほとんど暴徒化してるからでしょ

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