薄暗い室内に横たわる長大なテーブル。
蝋燭の揺らめく炎が、居並ぶ十一の顔を照らし出す。
嗚咽交じりに、彼氏が非モテで、非モテで、と呟く彼女の腕は、既に切り取られている。
腹のあたりが大きく切り開かれ、そこに肉塊が詰まっている。
増田が呟く。
「つまらん餌だ、こんなものは安い魚に食わせてやれ」
「食べないの? 僕は好きだけど、こういうの」
笑いながら、増田が箸を伸ばす。
躊躇なく、眼球に箸を突き刺し、そのまま抉り取る。
増田は、コリコリと、口の中で転がすように舐めている。
「まあ悪くはないが味が濃すぎるな」
「儂もいただくか」
「俺も」
「足の裏なんてよく食えるね」
「しゃっきりぽん」
「臀部が美味い」
「にゃー」
「汚い臓物だな、普段なに食ってるんだ」
晩餐は続く。
女の声は、もう聞こえない。