2007-07-06

異国の夜

ずいぶん久しぶりにカラオケに行った。

カラオケと書くよりKARAOKEのほうがいいか。

KARAOKEは異国の地に根付いていた。

古ぼけて破けたカタログをめくって、僕は「サボテンの花」を歌った。

パラパラと、拍手が鳴った。

隣の白人が「北酒場」を歌った。

コブシが効いていた。

アリガトゴザイマス、と彼は言った。

客に女をあてがいながら、僕はこう思った。

僕は、こうして生きていくんだな。

ボディーガードに金を払い、酒臭い息で家に帰った。

うちでは妻が起きて待っていた。

少しだけ、話をした。

客が女をホテルに連れ出して、そのまま寝てしまったらしいんだよ。

彼は何もしていないのに、100ドル払ったらしいんだよ。

妻と、二人で笑った。

僕は、これで充実していると。

たぶん、社長も喜んでくれていると。

妻も、わかってくれていると思う。

今朝、会社に来てみるとボーナスの明細が届いていた。

手取りで74万円。

高いのか安いのかわからない。

遠く、日本の口座に振り込まれているだろうと。

また、MSマネーのグラフが少し、伸びているだろうと。

僕は、こうして生きていくんだな。

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