私は昔、接客業のアルバイトをしていたことがある。田舎の店なのであまり忙しくもなく、結構のんびりした職場だった。
しかしある日、電話がかかってきた。
私「もしもし、××店○○です」
相手「○○さんですか?」
私「はい、そうですが」
相手「あ、あの、ぼ、僕、あなたのことがずっと…でした…」
私「?、申し訳ございません、もう一度お願い出来ますか?」
相手「ぼ、僕、あなたのことがずっと好きでした!」
私「…、申し訳ございません、当店ただ今非常に忙しいので失礼します」
最初はただの悪戯だと思った。その店では電話に出るときに店名とともに自分の名前も名乗れと指導されていたので、それを悪用されたと思ったのだ。そこで、バイトの同僚さんたちにこんな悪戯電話がかかってきたと話したら、その人は前から何度も私に向けて電話をかけてきていたことが分かった。今までは同僚さんたちがその都度私はいない、勤務時間は教えられないなどとその電話を突っぱねてくれていたらしいのだ。
正直、怖かった。
幸いその電話の一件以外は特に何事もなく働くことが出来たのだが、後で冷静になってから色々と考えてみた。もしかしたら電話をかけてきた人は一世一代の大勝負に出るつもりで勇気を出して電話をしてきたのかもしれない、それをすげなく断って悪かったかもしれない…、なんてわけがない。電話をかけてきた人は馬鹿だ。
そもそも店員と客という関係で一アルバイト店員がお客様の顔をいちいち憶えているわけもないのに、名前も名乗らずに告白なんかしても、仮に名乗ったとしても成功する可能性など欠片もないということにどうして思い至らなかったのだろうか?他の店員さんたちにブロックされたときに多少冷静になったりはしなかったのだろうか?
結局この人の敗因は自分のことしか勘定に入れて考えられなかったということだろう。自分の好きな相手は自分のことをどう思っているのかということに欠片も考えが至らない視野の狭さが何よりも悪かったのだ。相手のことを思いやらない恋など、恋愛失格だ。
この電話をかけてきた人は、今で言う非モテだったに10000カノッサ。
http://anond.hatelabo.jp/20070122235125 ごめんね。
自分の好きな相手は自分のことをどう思っているのかということに欠片も考えが至らない、つまり自分が拒否されるなんて欠片も考えない(もしくは拒否されても気にしない)その人はモテ