http://deztec.jp/design/09/08/17_event.html
を読んでついかっとなって書いた。
東京の埋立地。海岸の大きなイベント会場が混雑していた。
コミケット準備会のスタッフが女装コスプレで大量の一般参加者を誘導していた。
そのイベントはなんとも生きがいい。
それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしいイベントだね。どれくらいの金額が、利益として上がったの」
と尋ねた。 すると参加者は
「そんなにたいした利益じゃないよ」
と答えた。
旅行者が「もっと人に優しいイベントにしていたら、参加者の幸福の総量が増えたんだろうね、惜しいなぁ」
と言うと、参加者は、サークル参加者と一般参加者がお祭りとしてやって行くにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、このイベントは具体的にいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、参加者は、
「日が高くなるまでゆっくり並んで、それから大手新刊狩りに出る。戻ってきたら知り合いサークルに挨拶して、島中をひやかして。
閉会時間になったら友達と拍手やって、アキバで打ち上げして、コタツでみかんでも食べながら新刊読んで…ああ、これでもう一日終わりだね」
すると旅行者はまじめな顔で参加者に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。いいかい、コミケは毎年、もっと長い期間、イベントをするべきだ。
入場チケットは有料化、カタログは別売り。お金が貯まったら大きな警備会社の社員を買う。そうすると売上高は上がり、儲けも増える。
その儲けで開催日数を2日、3日と増やしていくんだ。やがて理念優先で経済合理性を欠いた組織構造が是正されるまでね。それができたら中小サークルと大サークルを平等に扱うのはやめだ。サークル参加はオークション制。ビッグなサークルだけを集めてコミケをもっと拡大させるんだ。
マナーが悪いお客様は自前の徹夜組収容施設を建てて、そこにマナー違反者を入れる。
その頃にはコミケはこのちっぽけな国を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
コミケ準備会はマンハッタンのオフィスビルから世界のエリートオタクたちの指揮をとるんだ」
参加者は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「二〇年、いやおそらく二五年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、コミケ準備会は億万長者になるのさ」
「それで?」
「日が高くなるまでゆっくり並んで、それから大手新刊狩りに出る。戻ってきたら知り合いサークルと挨拶して、島中をひやかして。
閉会時間になったら友達と拍手やって、アキバで打ち上げして、コタツでみかんでも食べながら新刊読んで…。
そんな趣味の同人イベントを作るんだ。
どうだい。すばらしいだろう」
ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として そこは「高校の文化祭で文藝部の冊子を売った人間として」だろw