送って行くか迷ってたらその子が
「一人寂しいなぁ、暗いなぁ」と言いながら、
ちらちら見てきたので、
「送ろうか?」と誘ってみたら、
「うん」と満面の笑みで返してきた。
その子は徒歩で、僕は自転車だったので、
「乗る?」と聞いたら、
「すぐ着いちゃうじゃん」と拗ねたように言う。
そして他愛もない話をしながら歩いていた。
すると家まであと少しのところで急に立ち止まった。
「どうしたの?」と尋ねると、
僕のすぐ傍までやってきて、
頬をほんのりと染めながら言った。
「ありがとう、もうここでいいよ」
僕は「さよなら」と別れの挨拶をして帰ろうとすると、
ふいに頭をつかまれた
と同時に唇に感じる
やわらかくて温かい感触
僕が固まっていると
彼は
「しゃぶれよ」
といって突っ込んできた。