2007-09-10

ひと夏ってやつ

過去を振り返ったら楽しいことばっかりで、

あんなに楽しかったのになんでだろうとか思ってしまう。

あの人があのとき言ってた一言一言を吟味してしまう。

このときはまだ私のこと好きだよな。

あのとき態度はもう微妙なのかな。

この間に何があったっけな。

あ、でもこのときの二人の会話も楽しかった。


過去を振り返ったら楽しいことばっかりで、

自分を追い詰めてこんなに辛くなってしまう。

だから、昔を引きずらず、引きずられず、

ちゃんと今を見ようと思う。

それがこの夏に学んだこと。



今年の春、二年間の冬が過ぎようやく春がやってきた。

人見知りな私が、合コンでちゃんと喋れることすら珍しいのに、

そんな中に、私の話で意気投合してくれる人がいた。

何度か誘いがあったりで、会って4回目で付き合うことになった。

すごくマジメな人だった。

一緒にいて落ち着けるし、やすらげる人だった。

でもどきどきすることは無かった。


夏に蝶々がとんできた。

突然、7年前に付き合っていた恋人から連絡があった。

その人は蝶々みたいな人だった。

いつもふわりと飛んでくる。

何だろう、と思いつつも、借りてた本を返したい、って言うので会うことにした。

その人とは3ヶ月しか付き合っていない。その人が私の友達と付き合うことになったので私とは別れた。

でも年月のおかげでその人とはたまにご飯を食べにいくぐらいの仲にはなっていた。

でも恋人ができてから会うのは初めてだった。

こちらに恋人がいないときならまだしも、こっちに相手がいて、その人になびくはずはない、

と思っていたのだが・・・

実際会うと、どきどきした。

二人で朝までお酒を飲んだ。

そうなると肉体関係を断ることはできなかった。

もう今の恋人とは別れるしかない。

もう一度この人の側にいようと思った。

例えまたどこかに飛んでいってもそれでいいと。

でも願わくばずっと泊まっていてほしい。


恋人に全部話して別れを告げた。

やめたほうがいい、という説得をされた。

でも駄目になってもいいからそっちに行くっていうと、

「じゃあ頑張りな」

って言ってくれた。

蝶々がどっか飛んでいったら戻ってきてもいいよ。駄目になったら連絡してよ。

連絡がなかったらうまくいってると思ってるから。」

って言ってくれた。

なんで私はこの人と別れるんだろう、でももう戻れない。


夏が終わってやっぱり蝶々はどこかに飛んでいった。

こうなることは考えていた。

でもこうならないでほしいと考えていた。

分かっていたのに何でこうなったのかと過去を振り返った。

自分の行動を振り返った。

振り返ると楽しいことばっかり思い出してくる。

だからやっぱり辛かった。

あんなに楽しかったのに何でって思ってしまう。

だからもう過去を振り返るのはやめよう。


蝶々と前の恋人の連絡先を削除して夏を終わることにした。

前に進むために。

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