大きな地震があった。たくさん人が死んだ。
まだ困っている人々がいる。
遠くのできごと。
ひどく長く感じた。
5分はあったと思うのに、あとで聞けば2分半だという。
あの半分の時間はどこにいったのだろう。
揺れながら、ちょっとだけ「死」について考えた。
なぜか妻の顔は思い浮かばなかった。
ただ、ぽっかりとした「死」を感じていただけ。
それ以外は何も思い浮かばなかった。
むかしは「対岸の火」と思っていたできごと。
それが、ここから150キロしか離れていないできごとになった。
けど、やっぱり遠くのできごと。
遠くで、貧しい人々がたくさん死んだ。
僕には関係ない。
僕には関係ない。
水を寄付した。
使っていない服を寄付した。
遠くのできごと。