すごくおもしろくて、それから藤原伊織の他の著作を、乱歩賞受賞作品を読み漁った。
『テロリストのパラソル』を超えるものには当たらなかったように思う。
その数年後、私にはすごくすごく好きな人ができた。
私は仲良くなりたくて、その人に大好きな『テロリストのパラソル』を貸した。
「すごく面白かった! いい人を教えてくれてどうもありがとう」
それから3年たって、今ではその人とは離れてしまった。それでもまだ、私は彼のことを忘れられないでいる。
いろいろあったからこそ、いい思い出も、胸が痛むような思い出もある。振り向いてもらえることは永遠にないであろう彼との、最も幸せな思い出。
もちろんそれがなくとも藤原伊織は大好きな作家だっただろうけど、私にとってはとりわけ特別な作家である。
いまはただ、お疲れ様といいたい。
ありがとうございました。