2010-01-06

俺版ゼロ年代抜きゲー10選

d:id:pub99:20100106

教えてね!と書いてあったんで、俺の10作を挙げてみる。

ブログ持ってないんで増田で申し訳ないが……。

選考基準は、「記憶に残る」こと、またpub99氏が挙げていないこと。

実用的にどうなのか……ってのはまあ他をあたって調べてほしいところ。

・魔法少女アイ+(Colors)

どう見ても伝奇モノなのに魔法少女と言い張る強引さと、それに負けないヒロイン造形が印象的な一本。

触手系にしては異例なほど商品展開がされており、今でも同人誌が作られているのがその人気を物語っていると思う。

2は割と「魔法少女」要素が強く1作目とは大分テイストが異なり、これは好みが別れるところだろう。

個人的には1のが好きだったんで、再び伝奇系寄りになった3には割と期待していたんだが……。

・超昴天使エスカレイヤー(アリスソフト)

エロゲー業界初……かどうかは分からないが、とにかくメジャーどころにしてはかなり初期にDVD-ROMによる発売をしたため、多くのエロゲーマーを「そろそろDVDドライブを買うべきか?」と悩ませた一本。

内容自体は割とヌルい感じであまり特筆すべき点もないが、あの「ついにエロゲにもDVD化の波が……!」という時代感覚は割と強く俺の脳裏に焼き付いている。

・人形の館(アトリエかぐや)

これはなんというか、特にどこが印象に残るというわけでもないんだけど、色々な要素が全部入っていて、しかもそれらが高いレベルでまとまっているという正に「名作」。

ドールハウスを動かすと、それに合わせて現実が変容するというギミックも怪しさがあって良い。

・聖奴隷学園(Liquid)

内容的には特段語ることのない、まあよくある抜きゲーなんだけど、とにかく印象的なのがシナリオライターを務めるまえだ絵馬の文章。

頻出するてにおはの間違いや視点の不統一、言葉の関係性の無茶苦茶さなど、冷静に読むとマジで日本語としておかしい文章が目白押しなんだが(意味を成していない文さえある)、これが何故か異常にエロい。

「言葉の意味は分からんが、取りあえずエロいことだけは分かった」みたいな。

キャラクターが、(特にそれがキャラづけというわけでもなく)「○○なんだよ」という独特の口調で喋るのも作家性が出ていて面白い。

まえだ氏は遅筆らしく、その後はファンディスクでしかシナリオを担当していないのが残念。

・恋姫無双 ~ドキッ乙女だらけの三国志演義~(baseson)

(これは抜きゲーなんだよ!文句は言わせねえ!)

とにかく圧倒的な物量で、話題や賞をかっさらっていった一作。

良くも悪くも、ある種のエポックメイキングだったことは間違いないだろう。

個人的にはあまり好きではないが、プレイしながら「よくもまあこんなに……」と感心したのは事実だし、とにかく押さえておくべき作品なのは確か。

・姫騎士アンジェリカ(シルキーズ)

pub99氏はヴァルキリーを挙げているようだが、俺が推すのはこっち。

エロゲ業界全体で卑語表現が段々と過激化していく中、それを一気に推し進めてギャグの領域まで到達した、ある意味ジャンル破壊者な一作。

シナリオの暴走に応えるサトウユキの熱演も凄まじく、結構これでイメージ固定化されちゃった部分もあるんじゃねーかという罪作りな面もある。

・女体狂乱~これが私の望んだボディ~(わるきゅ~れ)

人間のエロ想像力の極北に挑んだような一作。

ロープライスだが、これがフルプライスだったら多分プレイヤーのSAN値が保たないと思われる。

こんな発想を、絵として表現しきった原画家も凄い。

・堕落将校クラリス ~白濁のグローリエ~(ninetail)

調教SLGは基本的に、「エロを見るためにパラメータを上げるのが楽しい」という発想に基づいてデザインされている。

しかしninetailゲーのデザインの根幹にある発想はその逆で、つまり「調教スコアアタックで高得点を出したご褒美として、エロシーンが入る」という発想なのである。

調教によって(インフレ気味に)溜まっていくスコアは、最早ヒロインの情動やら性向とは無関係にゲーマーの高得点欲を煽るための機能でしかなく、それ故に「ゲームのヒロイン」という存在の虚構性が結構露骨に浮き上がってくるのは個人的にドライで面白いと思っている。

ちなみに、そういったninetailの調教ゲーの中でクラリスが特に完成度高いっつーわけでもないんだが……そこはまあなんとなく好みで。

・魔法戦士レムティアナイツ(Triangle)

パンツを下ろす立ち絵って新しくね?っていう。

また、抜きゲーでここまで一人の人物(メッツァー・ハインケル)がしつこく主人公を務めるのも珍しく(あとは村越あたりか)、本作を含むシリーズ後半になるとヒロイン以上に主人公が制作者にもユーザーにも愛されているというちょっと不思議な展開がある意味面白い。

・ジェイルブレイク(ALL-TiME)

このメーカーは、シナリオがやりたいのかエロがやりたいのかイマイチ定まらなくてフラフラしている印象があるんだが、それ故に(?)たまにジャンル表現を越えた、いやーな後味を残す描写が入ってくるのが面白い。

この作品で言えば、監禁・強姦される主人公達がその仕打ちに段々と慣れていき、それが日常になっていく描写が(呑気なBGMと相まって)なかなかに剣呑で、かなりいやーな後味を残す。

また、あるエンディングでは、監禁生活から逃げ出せたかのように見えた主人公を再び不幸が襲うのだが、その時主人公が叫ぶ世界への呪詛は結構マジで辛辣で、一見の価値ありと思う。

*こうしてみると、最近の作品が多い結果になった。

*ジャンルとして煮詰まってきて、必然妙な方向に特化された作品が出やすくなったからかもしれない。

*他では、「公衆快楽施設」の創作意欲という骨格だけで自立しているようなシナリオとか、「触装天使セリカ」の「声優は酸欠で倒れたじゃないだろうか?」と心配になる熱演などが記憶に残っている。

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