「GVHD」を含む日記 RSS

はてなキーワード: GVHDとは

2019-01-10

anond:20190110135828

説明不足で恐縮です。骨髄移植ではなく、末梢血幹細胞移植でしたので、

痛みやリスクはそれほど大きくはありませんでした。

骨髄移植であれば、GVHD発症可能性はやや低かったかもしれませんが、

当時の兄と私は体重差が大きく、骨髄移植は難しいと言われていました。

お父様を同じ病気で亡くされていること、お悔やみ申し上げます

白血病だった兄の造血幹細胞移植ドナーになってから10

10年前、兄が白血病発症しました。兄は当時大学生で、私は高校生でした。

家族親族ともに私以外の適合者はなく、唯一私が適合したこと奇跡のように喜び、

造血幹細胞移植ドナーになったことを覚えています

移植成功し、兄の命は助かりました。

それから10年経ち、兄は今も続く慢性GVHDに苦しんでいます

造血幹細胞移植による皮膚や粘膜のただれや消化器の不調などの多岐にわたるデメリット総称です)

食べることが趣味だった兄は、思うように食事がとれないストレスが甚大のようで、

痛み以上に精神的に苦しんでいることがわかります

この10年で、兄は変わっていきました。

年々、私への当たりが厳しくなり、少しでも気に入らないことがあると大声で怒鳴り、

壁を殴り、私を威嚇します。暴力を振るわれたこともあります

去年、癌で父が亡くなり、兄の横暴はよけいにひどくなりました。

兄は私を性格破綻した人でなしとたびたび罵倒します。

思い当たる節がなく、兄と同居している母に「私は自分が気づかないだけで人でなしな性格をしているのか?」と聞くも、

「そんなことはないと思う。兄が何に怒っているのかわからない。自分もよくあのように怒鳴られることがある」と言っています。「たぶん、兄の性格や気性の変化は、ステロイドによるものだろう」と。

おそらく、兄には心のどこかで「お前のせいでこうなった」という思いがあるのだと思います

それと同じく、「お前のおかげで助かった」という思いもあるので、

私を責めるようなことは言いません。

(何度か、冗談交じりで「お前のおかげで常に口内炎あるから飯が食べづらいわw」と言われたことはありますが、心配かけさせまいとする軽口と思います

同情はしても、兄がどれだけつらいのか、私には推し量ることができません。

この10年間で私も変わったと思います

10年前、兄の命が助かって、あんなに嬉しかったのに、

今はあのとき兄が死んでいたら良かったのにと考えています

私は心の狭い、さもしい人間です。

兄が本当に移植副作用のために私を憎んでいるのかはわかりません。

上記のことは全て私の想像に過ぎないので、もっと別の理由で、

自分でも自覚のないうちに兄に憎まれるようなふるまいをしているのかもしれません。

私は確かにできた人間ではないので、暴力で私を貶める正当性が兄にあるのかもしれません。

理由はもはやどうでもよく、私はいま、どこでカッとなるかわからない兄のことが恐ろしいし、

家族ストレスを発散するしかない兄のことを、心底から軽蔑し、憎いと思っています

M。お兄ちゃん。今までありがとう

子供の頃は本当にお兄ちゃんのことが好きでした。

自慢の兄でした。これを機にあなたのことをもう兄とは思いません。

私に兄はいません。10年前に死にました。

実家ももう帰りません。

帰るたび、私を憎む兄によく似た男性が、どうしても苛立つようなので。

2017-11-12

骨髄移植の話

骨髄移植話題になっている。

ボランティア骨髄バンク経由で骨髄を提供したドナーさん

https://anond.hatelabo.jp/20171110125209

過去に別のドナーさんから提供された骨髄を移植したレシピエントさん

https://anond.hatelabo.jp/20171110205203

どちらも普通に生活をしていると全く知り得ない出来事で、マンガドラマの中によくある「ドナーさえ見つかれば万事解決」的な描かれ方とは程遠い、圧倒的で重くて細かい現実が良くわかる。

いい機会なのでここで骨髄移植について書いておこうと思う。

まず移植というと腎臓移植とかを思い浮かべるだろうし、コメントにもちらほら手術とあるから誤解を受けやすいのだが、骨髄移植に限っては、手術はしない。

ドナーが見つかったら移植日を設定し、そこに合わせて致死量を超える抗がん剤放射線移植処置)により、レシピエントの免疫を完全にゼロに持ち込む。これは一旦Goとなったら止めることはできない。

そしていよいよその日、day0に移植となる。移植自体はむしろ輸血に近い。血管から提供された幹細胞を輸注するのだ。そして生着を待つ。

ここで幹細胞が入れられないと当然レシピエントは死ぬ移植が受けられなければ、移植処置とは単なる殺人行為からだ。ドナー提供前に危険を伴う行為制限される理由はこのことに他ならない。

ただし、やはりドナーにおける負担は現状、相当重い。自身健康を損なう危険がある上、仕事を休んで検査をし、入院して痛みを伴う処置に耐えなければならない。

また、レシピエント側の問題として、ドナーの上記の準備を待つ時間がない、ということもある。その間、少なくともがん細胞コントロールし続けなくてはならないのだ。

そういう意味骨髄バンク経由の移植というのは最もハードルが高い。

そこで、骨髄のマッチングに関して様々な対策がとられている。

まず知名度もあり、利用も多いのが臍帯血バンクだ。出産ときに廃棄される臍帯血を保管し、移植使用するものだ。骨髄バンクとは違い、もともと捨てるものを保管管理するだけなのでドナー側の負担はほぼゼロだ。(出産前に提供意思表示をするくらい。)

問題点としたら、得られる造血幹細胞が限られており、レシピエントの体格が良いと足りない場合がある、再発した場合効果が期待できるドナーリンパ球輸注が使えない、臍帯血を採取できる施設が限られており、なおかつ出産はいつ何時始まるかわからないため、週末や年末年始など、採取できないケースが結構ある、などだろう。

次にハプロ移植だ。

骨髄移植白血球の型(HLA)が全て合うことが望ましいが、これが一致するのが非血縁者間(骨髄バンク)だと一万分の一以下である

この合致率を下げて、血縁者をドナーとしようではないか、というのがハプロ移植である血縁だけあって、兄弟なら50%の確率で、親子ならほぼだいたいドナーになることが可能である。縁もゆかりもない他人のためにドナーになるのは負担が大きいが、兄弟子どもであればどうだろう。しかも、抗がん剤放射線で叩ききれない残存がん細胞に対する抗腫瘍効果も高いと言われている。

こう書くとまるで夢の治療だが、実際行われているのは日本でも数施設である。なぜか。移植をするということは、他人免疫細胞を招き入れ、定着させるということである。そして、免疫細胞役割とは、自己でないもの攻撃することである

移植された免疫細胞にとって、レシピエントの身体は非自己しかないため、当然攻撃対象となる。これが移植片対宿主病(GVHD)だ。

プロ移植GVHD重症化しやすい。

消化管に出れば1日何リットル単位での下痢になるし、吐き気が出ることもある。皮膚がぼろぼろになったり、肝臓がやられる場合もある。

そして、何より問題なのが、GVHD有効な薬剤があまり市販されていないことだ。免疫反応がその実態であるので、免疫抑制剤が主力になる。当然、移植から全身性の免疫抑制剤は綿密な血中濃度コントロールを行いながら投与されるのだが、強力な免疫抑制感染と表裏一体だ。局所GVHD 制圧のためにはその場所にさえ薬が届けば十分なのだが、なかなかそういう薬はないのだ。

ではどうするか。

作るのだ、病院で。

この、2017年日本において、薬剤師が、カプセルに、手動で粉薬を、つめている!

また、健康な人の腸内細菌移植する、と言えば聞こえは良いがその実態ちょっとここでは書けないような、そんな治療医師が自ら犠牲犠牲?)になって行われていたりもする。

骨髄移植、それもハプロ移植となれば最先端医療であるしかし、最先端であるが故、市場規模が小さすぎ、まだまだ製薬会社を始めとする企業が手を出しにくい状況であり、医療スタッフ手弁当で補わなければならない部分も多々あることは記しておきたい。

レシピエントの方が書いていた、骨髄移植が生きるか死ぬかぐるぐるポン!というのは確かにその通りであるが、移植後の生存率とQ O Lを少しでも上げるために、現場はいろいろ、本当にいろいろ、試行錯誤を重ねている。

ほとんどの人は関係ない話だとは思うが、現場からは以上です。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん