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2021-02-08

月姫リメイク発表で私は型月に失望信頼度は0になった。

先に言っておきます、これは長いただの吐き出しです。


2020年大晦日Fate特番最後最後月姫リメイクPVが流れた。

PVが流れ始めた瞬間は素直にうれしかった、キャラ紹介が始まるまでは。

PV見終わった時の感情失望だった。タイトルへの失望TYPE-MOONへの失望の両方。

FGOの初期ですら信頼してたTYPE-MOONというメーカーへの信頼は0になったよ。


TYPE-MOONというメーカー奈須きのこ氏の(凝り性な)シナリオによる

世界観キャラクターを売りにしている。

学生時代に「Fate/stay night」を初めてプレイした時はシナリオ

キャラクターの魅力に夢中になったし、友人から借りた月姫歌月十夜同人とは

思えない魅力が満載でそれ以降追っかけ続けるメーカーになった。


一方でTYPE-MOONは自社作品が別媒体になるとき、余計なことをして「コレジャナイ」と

思うことが多い。


DEENFateアニメでは桜がボンテージで出てきて「ええ・・・?」と困惑した。

出番が少ないからといって元々評価のいいシナリオを改変しなくてもよくない?


ufoUBWでは1期ラストLisaさんの「THIS ILLUSION」が流れた時。

なんで原作OP版じゃないんだ?「ドラゴンボールZ 神と神」でEDFLOW版の

CHA-LA HEAD-CHA-LA」聞いた時と同じがっかりした気分だったよ。私が聞いて

盛り上がるのは影山ヒロノブ版だよ。急にカバー版流されても思い入れあるわけないでしょ。


Extraのアニメが放映された時。

せっかく現状気軽にプレイできないPSP版Extraの代わりになったのに、なんで

設定も展開も変えちゃったの?ネロメインなのはわかってたんだからゲーム

どおりの展開そのままで良かったでしょ。


・・・でもこの「やらかし」はTYPE-MOON自身製作しているゲームの話じゃない。

本職であるTYPE-MOONが作っているゲームではFGOの初期の不具合祭りくらいで、

やらかし」はほとんどなかった。だから安心していた。


少し疑念が生まれたのは月姫リメイクビジュアルが公開された時だった。

アルクェイド代名詞だった「特徴的な四角い髪形」「紫のロングスカート」、

シエル先輩の特徴的な「もみあげ」が変更されていたとき


リメイクの発表自体は本当にうれしかったが、正直ビジュアルにはがっかりした。

どうしてぱっと見でそのキャラ判断できる貴重な特徴を消すのか。特に髪形。

ぶっちゃけ前の方が特別感あってよくない?みんなその特別感出すために

キャラデザに頭悩ませてるんじゃないのか・・・

リメイクキャラデザ変更して不評を買っている作品は多々あるのに。


疑念は晴れなかったが、そもそも原作プレミア化している「月姫」だし、

TYPE-MOONへの信頼もあって「まあ、もしかしたらパッチで旧作っぽい感じのとか

実装されるかもしれないし・・・。」と淡い希望自分をだましていた。まあ

労力やばすぎて実現性0だけど。


そこからリメイク10年以上寝かされた。

正直FGO完結までは動きがないだろうなと思っていた。

けど2020年12月月姫20周年であり「Fate特番だけどなんかあるかも・・・。」

番組を見ていた。月姫のことは期待しないで(村正実装はうれしかった)。そしてPV放送

前述の通り、PVの序盤、見覚えのあるテキストが出てきた時は画面に釘付けになった。

鼓動は早くなり感情は高ぶった。

そしてキャラ紹介が始まると同時に落ちたテンション


キャラクターの声優が全部違う。


速攻で同好の士LINEを入れた。

月姫リメイク声優変わってるんだけど。きちー。これはひどい。」


私は声優オタクというわけではないし、声優が変わったことでよくなる作品もあるし、

リメイクから声優変わることも・・・。と思う人がいることは理解できる。

しかしながら「設定やキャラクターを売りにしている」TYPE-MOONを追いかけていた私は看過できなかった。

というのも、月姫は少し特殊な状況だったから。


月姫2000年に同人ゲームとして頒布され、2003年に関連作品がまとめられたベスト版「月箱」が

頒布されたことによりシリーズが終わった作品だ。

しかし、実際のところそれよりも長く月姫コンテンツは続いていた。

それを担ったのが漫画版真月譚月姫」、そして2002年に同人ゲームとして

フランスパンから頒布された「MELTY BLOODシリーズだったと記憶している。


特に格闘ゲームとして頒布された「MELTY BLOODシリーズ2010年まで続編が作られ、2011年の

続編のアプデで新キャラが追加されパッチが終了するまで月姫キャラクターコンテンツ

供給元となっていた。

キャラが増えれば一人用モードシナリオも追加されていた。

同人からアーケード移植された際も当時の新規タイトルとしては異例のヒットを記録していた。

さら2016年まで漫画版、そしてその続編も連載されていた。

からたかぎり月姫コンテンツ

直近まで引っ張ってくれていたのは「MELTY BLOODシリーズだった。


そして現在月姫キャラクターの声が固定されたのも「MELTY BLOODシリーズだった。

当時からしても同人ゲームとは思えない声優陣にて構成されていたし、何よりも

どれも完璧キャスティングだった(奈須きのこ氏も絶賛してた記憶がある)。


でもファン(私)にとっては悩ましい状況になった。

なぜなら「MELTY BLOODシリーズあくまで「月姫」の外伝立ち位置作品であり、月姫本編は

既に完結していたためボイスがない。

さらに「MELTY BLOOD」が同人からアーケード移植されたあたりから

「MELTY BLOODからキャラクターに興味を持っても「月姫自体がすでにプレミア化しており

勧めづらい状況になっていたからだ(漫画版はあったが当時は連載途中かつ内容は一部しかからない)。


こういった状況と、当時TYPE-MOONが手掛けていた「Fate/hollow ataraxia」後の奈須きのこから

「次は月姫リメイクしたい」と発言もあったので(そのあとも事あるごとに言っている)、

MELTY BLOOD」の声優陣でプレイできる月姫リメイクをずっと熱望していた。


TYPE-MOON2012年の自身10周年フェスで「MELTY BLOODシリーズ声優の目の前で

月姫リメイク」の新規PVをお披露目していたし(サプライズ声優さんもすごく喜んでた)。


でもTYPE-MOONこの声優陣を切った。

「本編が完結した以降も、長年月姫コンテンツに貢献してくれていた

外伝で、長年演じてくれていた声優陣を前に、月姫リメイク製作を発表していたにもかかわらず、

その方々が絶対月姫本編を演じれない状況」を作り出した。


そしてその変更に対しての奈須きのこ氏の声明が知りたくて、同氏が書いているブログを見に行った。

そこでの声優陣へのコメントが「なにより20年間、先だってキャラクターたちに命を吹き込み、

イメージを作り上げてくれた今までのキャストさんのおかげです。」これだけ。


まりにも不義理だ。


アホかと言いたい。


正直これでキャラクターを大切にしてますと言われても信じられない。

エヴァでもFF7Rでも声優継続してる昨今で。

まだほとんど声優陣現役なんですけど。

せめて声優変更について公開と同時に公式サイトでもなんでもいいか意図説明を出してよ。

やむを得ない事情声優さんが辞退したから一部変更、とからならまだ納得する。

TYPE-MOONエース月姫声優にこのキャラあなたしかいない!とか特集記事作ってたのは何だったんだ。

年明けの1月30日Fate劇場版BD座談会であった声優の選定などの質問に対して

「(声優が)一度決定してしまえば、キャラクターは半分その人のものです。」とか声優変更した後に言うか普通


これが昔、一回月姫リメイクしていて、今回再始動します!なら理解できる。

でもこのリメイクFateシリーズが「hollow ataraxia」で一区切りついた後も言及されただけで

展開されることがなく、本当にやっと動いた待ち望んでいたリメイクだった。


正直月姫リメイクについて、私は過度な期待は当時からしてない。

MELTY BLOOD」で使用されているキャラクター絵くらいのグラフィックで、

そのグラフィックで一枚絵を作り直してちょっと増やして、

演出は「Fate/stay night」くらいのクオリティで、

同人版として頒布された月姫シナリオ販売できなそうな問題あるとこだけ修正して、

BGMちょっと増やして、SEFateのを使いまわして

ボイスは「MELTY BLOOD」の声優陣で収録して、

同人版には入ってなかった弓塚さつきルートを入れて。


今でもこれだけでいいと思ってる。これでさっさと出してほしかった。

これだけでよかったのにもう叶うことはない。

マジで原作自身が一番余計なことをしてくれた。正直しんどい

15年以上信じて待っていたのに。

なんでこんなにリメイク成功例が多々ある世の中でこんな選択をしたのか理解できない。


いや、おそらくTYPE-MOONはもう、昔のファンを切りたいんだと思う。

FGOから新規ファンの方がもう母体が大きいし、過去作品との設定の矛盾

キャラクターの扱いに突っ込みを入れたりしないファンしかいらないんだろう。


でもそもそも設定やキャラクターを売りにしているのはTYPE-MOON自身だ。

だったら最初から売りにするなと言いたい。

そういう緻密で凝り性なところが受けた要因の一つでしょ。

あと声を出さないだけで、古いファン思ったよりまだいっぱいいると思うよ。

そして同じように感じた人もまあまあいると思うよ。

今年になってから月箱の中古価格2倍くらいになってるし。


あとこうなったら自分TYPE-MOONにハマるきっかけになったFateシリーズでも

警戒しなきゃいけないこともしんどい

stay nightのアニメHeaven's Feelで一応完結したし、「MELTY BLOOD」の声優陣と

Fate/stay night」の声優陣も年齢が近い。

Fate20周年、いや25周年?どこかで声優変更もあり得ない話ではないことを月姫証明してしまった。

FGOも完結後しばらくはないだろうが、正直わからない。

魅力的なキャラクターも大切にしてくれてたから、設定とかも調べたくて

今まで書籍やグッズとかもいろいろ買ってたけど、もういいかな。


万に一つの可能性としてTYPE-MOON古参向けにクラウドファンディングとかで資金を集めて、

同人月姫を全年齢用にちょっと手直しして現行PC用に移植して「MELTY BLOOD声優陣の

ボイス入れるくらいしか残された道はなさそうだけど無理だろう。

もし万が一PC版出るなら痕リニューアル版みたいに原作収録くらいはしてくれるかもしれない。

まあだいたいのキャラデザ変わるリメイクとか出たら、リメイク前は関連商品含め、

触っちゃいけない腫れ物みたいな扱いになるけど。


なんか最後とっちらかったけど許して。

正直自分失望吐露たかっただけなので。

ツイッターとかやってないサイレント勢だけど、

文章に起こすと多少気がまぎれるね。


最後にこれを読んでくれた人へ

読んでくれてどうもありがとう

ダメージ受けた私から言えることは、相手が今信頼できてもあんまり入れ込まない方がいいよ。

人じゃなくても信頼してた物から裏切られるときついよ。

2021-02-01

anond:20210131173923

関係ないけどアダルトゲームメーカーで最大手って本当に今でもアリスソフトなのかな

TYPE-MOONFate/stay nightFate/hollow ataraxiaの二作だけでも洒落にならない本数売れてそうだけど

2020-10-14

anond:20201013155752

 あまりに同世代ヲタク過ぎて笑ってしまった。スルーするつもりだったが、いいものを読ませて貰ったので俺も勝手に当時のことを語ろうと思う。


 といっても、大筋の所では同意するし否定するようなところもない。

 「ネットに対する信頼があったから」なんてのは、まさにそんな感じだよなぁというところだ。

 だからまぁ、あんたよりもう少しだけ型月の方にいたヲタクとしていくつかの補足をしようと思う。


 まず抑えておきたいのは、月姫からFate/Snの間にいくつかファン流入してくる導線があるところだ。

 言及されているうちの一つとしては、空の境界。これがライトノベル同人小説を読む層、つまり小説読みのヲタクリーチしていた。参考リンクとして以下。ttp://maijar.jp/word/serifu/ka-1.htm#kara

 文脈簡単解説するが、当時Webにあったライトノベルクラスタのうち最大規模の感想サイトで取り上げられていた、という理解をして欲しい。もちろん規模は"当時としては"だ。ユニークユーザは今とは比べものにならないくらいの身内感だった。が、そういう層にも確かに届いていたし、そこのファン層がFateを買った、というのは事実だ。

 次に、格闘ゲーム。つまりMelty Bloodだ。

 当時何故かPCで出来る同人格闘ゲームが大流行していた。主要タイトル年代別に並べると、QOHEFZパブレ、そしてメルブラ、というところになるだろうか。昼はゲーセン格ゲーをやり、夜に集まってはPC対戦格闘ゲームを繰り返していたような層にもリーチしていた、という理解をしてくれればいい。クラスタとしては近いようで割と遠いのだが、そういう層にも届いていたのを観測した記憶がある。

 ここのところはあまり詳しくないので別の誰か補足してくれてもいい……が、本題から外れるか。

 もう一つは、2次創作同人誌やSSというところになろうか。

 感覚的には月姫からFateにかけてで一気に同人ショップの棚が型月で埋まったような記憶はあるが、流行廃りもあるしあくまで印象の域を出ない。というわけで探してみたところ、コミケジャンルコードサークル数を記録しているところを見つけた。ttp://myrmecoleon.hatenablog.com/entry/20071227/1198710524

 TYPE-MOONジャンルコード独立したのはC68(2005年夏コミ)。その時点で葉鍵に近いサークル数が参加していた、といえば当時の人気振りが分かるだろうか。

 また、SSでは全自動月姫Linksというものがありかなりの利用者がいたはずだが、記録が残っていないため登録されていたSS数やアクセス数というような指標を見つけることは出来なかったことのみ記しておく。


 上記のような流入公式作品の発売時期と集めてまとめると以下のようになる。

 2000年8月 月姫半月版)

 同12月 月姫(完全版)

 2001年8月 歌月十夜

 同12月 空の境界上下/同人書籍版)

 2002年12月 Melty Blood無印

 2003年4月 月箱

 2004年1月 Fate/Stay night

 2005年10月 Fate/hollow ataraxia

 こうしてみると、関連商品コンスタントに出ており着実にファン数を増やしていった、という風に見えるのではなかろうか。Sn発売日にはかなりに騒ぎになったが、そこまでに「これは確実に売れる」という感触ユーザーにも小売店にもあったのだろう。

 そういえばこんな広告も出ていた。ttps://twitter.com/kai_morikawa/status/1292650932866408453


 また、いくつか補足をしておくと……

 書籍版の空の境界はかなりの数が出たようだ。俺の手元にある物を確認すると、02年の5月に第4版が発行されている。その後、講談社ノベルス講談社文庫と発刊されていることも記しておく。

 月箱も、あくま月姫+歌月十夜+PlusDisc(厳密にはPLUS+DISC)という既に発表済みの物をまとめただけのこともあり、当時の雰囲気は「いやみんなバラでもってるからわざわざ買わんでしょ……」という感じだったのだが、最後に括弧書きで(まぁ俺は買うけど)とついていたのか、当時の時点で思ったより裾野が広がっていたのか、同人ショップ店頭に山積みになっていて「いやこんなに売れるんか?」と思ったはずの月箱が気付いたら売り切れてプレミア価格になっているのに首を傾げた記憶がある。つまり今思えば、そのくらい売れていたのだ。


 あとは何だろうか。

 個人的にはハブになるようなニュースサイトサイト運営者のようなインフルエンサーの影響もそうだが、口コミの影響というのはやはり大きかったなぁという印象がある。げんしけんのようなヲタサークル話題だったり、通っていたサイト日記だったり掲示板常連書き込みだったり、あるいはチャットソフト揶揄されたオンラインゲームの中の雑談だったり。自分としても、そういうなんとなく知っているくらいの人達から口コミで知った作品というのは数多いし、きっとそうやって月姫を、あるいはFateを知った人というのも数多くいたのではないかと思う。


 俺も葉鍵からこの世界に入ったクチだが、学生から社会人になって忙しくしてエロゲーがあまりできなくなったりしているうちに気がついたら祭りが終わっていた、という感じで妙に寂しくなったのを覚えている。でもまぁ、こうやって見も知らぬ誰かと当時のことを語り合えるのだから、案外まだ捨てたもんじゃないさ。

2018-01-02

FGOが気に食わない

これは、典型的な「自分でやっていない、なにやら盛り上がっている作品を、気に食わないと上から目線批判する文章」だ。

本文は『月姫』と『Fate/stay night』のネタバレを含む可能性がある。特にFate/stay night原作を未プレイで、劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]』の続きを楽しみにしている人は、ネタバレを含むため読まないでほしい。

Blue Blue Glass Moon, Under the Crimson Air.

私が奈須きのこ作品出会ったのは2003年月姫月姫PLUS+DISC、歌月十夜の3作が収められた『月箱』であった。いわゆる型月ファンとしてそれほど古参というわけではない(型月における古参とは、竹箒に連載されていた時代の『空の境界』読者――とまでは言わないものの、最低でも2001年には『月姫』に触れたレベルを指すものだろう)。当時『ONE』『Kanon』『AIR』に心酔する所謂鍵っ子」であった私は、もちろん月姫の噂は聞いていたものの、手を出すきっかけを掴みかねていた。月箱が頒布されたのは、そんなときである歌月十夜まで一揃えで化粧箱に収められたそのパッケージは、初めてのTYPE-MOONとしては最適であった。同時期、彼らが商業へと移行し、次回作Fate」は商業ゲームとしてリリースすることを発表したことも背中を押した。群雄割拠エロゲ界についに鳴り物入りで乗り込んでくる新進気鋭の代表作を、体験しておかねばならぬと考えたのだ。

果たして、私はTYPE-MOONの虜となった。

月姫』は衝撃であった。連綿と積み重ねられてきたビジュアルノベル恋愛アドベンチャーゲーム文法に沿っていそうに見えながら、しかし決定的に異なる「それ」は、私に新しい刺激を与えてくれた。私はシエル先輩が好きになった。この文章を打っている2018年に至ってなお、人生オールタイムベストシエル先輩だと胸を張って言える。もちろんそれだけではない。ファーストインパクトとなったアルクェイドが醸し出す寂しさを、そして、ひまわり畑で微笑む琥珀さんの愛おしさを、今なお昨日のことのように思い出せる。

月姫の魅力のひとつに、不思議ノスタルジーがあると思っている。あの文章グラフィックと音楽には、懐かしいナニカを思い出させるものがある。去り行く少年時代を描いた作品だからだろうか。遠野邸の遠い記憶がそうさせるのかもしれない。

PLUS+DISC、歌月十夜まで一気にプレイした私は、そのまま『MELTY BLOOD』も楽しんだ。シエル先輩を動かせるのが楽しかった。弓塚さつきの話が出ると抜き身のナイフのようになる志貴を思うと切なくなった。琥珀さんが楽しそうで涙が出た。G秋葉ゲラゲラ笑った。

したらばのTYPE-MOON板にも入り浸った。それまで葉鍵板が主戦場であった自分が。当時、すでに「月厨」は鬱陶しい存在として認知されていた。私は努めて無関係な場ではTYPE-MOONの話をしないようにし、型月板でその分、目一杯、楽しんだ。たくさんのアンソロジーコミックにも手を出した。武梨えり佐々木少年磨伸映一郎……(そういえば特に好きだったこのお三方はみな現在商業作家として活躍中であり、同時に、シエル先輩ファンであった。当時、武内崇は「シエル先輩が好きな作家さんは漫画力が高い人が多い」というような趣旨の発言をしていた記憶がある)。

だが。不思議もので、このとき私は『空の境界』にはハマらなかった。もちろん原作は読んだのだが。当時、マルチシナリオ形式のビジュアルノベル未来を見ていたためか。あるいは、純粋に趣味に合わなかっただけなのか。後年、空の境界アニメ映画化され大ヒットを飛ばすことになる。

――――――体は剣で出来ている。

2004年、ついにTYPE-MOON商業作品第一弾『Fate/stan night』がリリースされる。もちろん発売日に予約して買った。事前の雑誌での情報を見ていて、藤ねえお気に入りだった(まさかあんなことになるなんて)。ライダーさんはビジュアルだけ見て絶対アサシンだと思っていた。体験版の段階でクオリティが大幅に上がっていることは明らかだった。心が躍った。世界が変わる瞬間が、目の前にあった。

魔術師英雄跋扈する本作を終えて、私は思った。私は優秀な魔術師でも高潔英雄でもなく、なんでもない、取るに足らない、醜い人間が好きなんだと。だから私は、間桐桜衛宮士郎物語が好きになった。

桜は魔術師ではあるが、本作においては魔術師としてよりも、もっと違う存在として描かれる。衛宮士郎もまた、魔術師ではなく魔術使いとして描かれる。そしてラストシナリオであるルートでは、桜は家族呪縛から解き放たれて人間として生き始め、士郎は正義の味方に憧れたロボットからひとりの人間に生まれ変わる。魔術師英雄が闘い続けた果てにたどり着いたのが、ふたり人間の、人間としての歩みであったことは、とても感動的で、同時にこれが、奈須きのこが幻の弓塚さつきルートで実現しようとした未来なのではないか想像した。

そして絶望する。ご存じの通り、桜ルート批判された。当時の型月板は荒れた。セイバールートと凛ルートが絶賛されるとともに、桜ルートは徹底的に批判されたのだ。

イリヤスフィール物語オーバーラップして主題が分かりづらいという主張には一理ある(一説にはイリヤルートを作るリソースが間に合わず、桜ルートに混ぜた、と言われている)。描写不足であるという批判も、ある意味では仕方ないだろう。だがそれ以上に、ファンたちは、「多くの人間を殺しながら幸せなエンドを迎える桜」と、「正義の味方であることを諦めてセイバー犠牲にした士郎」を批難した(正確には、彼ら2人に対してというより、そのようにある物語を避難した)。私は憤慨した。衛宮士郎の、何を見てきたというのだ。

正直に言うならば、私はセイバールートや凛ルート衛宮士郎が嫌いだ。凛ルート遠坂凛も苦手である。はっきりと言ってしまえば、物語として楽しみながら、登場人物たちに対しては苦々しい思いを抱き続けてプレイした。そんな彼らが、桜ルートで丸ごと好きになった。桜ルートでは、みな、人間として生きている。それが愛おしかった。

同時に、TYPE-MOON作品のふたつの側面のうち、ファンに望まれる側と、望まれない側が見えた気がした。考え過ぎかもしれないけれど、私がより好む側は、望まれていないように見えた。

それは、未来を取り戻す物語

これ以降、私はTYPE-MOON作品と少しずつ距離を置くようになっていく。厳密に言えば『Fate/hollow ataraxia』は心から楽しんだ(アンリマユとカレン・オルテンシア物語はとても好みだ)。だが、『DDD』は未読、『Fate/Zero』は同人誌として頒布された際に1巻だけ読んで断念、『Fate/unlimited codes』『Fate/EXTRA』には手を出さず、期待した『魔法使いの夜』はプレイしたものの、それほど心惹かれなかった。この間、各種メディア展開で楽しんだものは、佐々木少年による漫画版真月譚 月姫』のみであった。パスタ先輩のことは一生許さないよ。

時は流れ、2014年7月27日。もうTYPE-MOONに何の期待もしなくなった私は、それでも「Fate Project 最新情報発表会」をニコ生の中継で見ていた。そこでUBWのテレビアニメ化や『Fate/strange fake』の正式出版化に並んで、ひとつの新作が発表された。『Fate/Grand Order』。通称FGO。ついにソーシャルゲームをやるのか、と私は冷めた目で眺めていた。むしろ発表会本編終了後のサプライズHeaven's Feel劇場版制作決定の発表の方が魂が震えた(今でもあの瞬間の、観客席からの絶叫と、涙を流しながら挨拶をする下屋則子さんの姿をよく覚えている)。

私はソーシャルゲームほとんどやらなかった。手を出してみたことはあるが、純粋に楽しみ方が分からなかった。というよりそれ以前に、私はいわゆるオンラインゲーム全般が合わなかった。だからFGOが楽しめるかどうか不安だった。2015年サービス開始に合わせてダウンロードし、序盤をプレイした。だめだった。まったく合わなかった。どう頑張っても楽しむことができなかった。私はFGOをアンインストールし、Twitterタイムラインに流れてくるFGOプレイヤーたちの悲喜こもごもを眺めるだけになった。年を重ねてしまった、と感じた。

やがて、現実人間関係の中でも、FGOの話題が上がることが増えてきた。2016年末のイベントの様子はTwitterでも見ていたが、彼らはとても熱っぽくFGOがいか面白く、衝撃的で、とてつもないかを語った。私は羨ましかった。もうTYPE-MOON作品でこんなにも熱く語れることはないだろう。そう思った。

私はFGO本編をプレイしていない。いろいろと明かされたアレやソレを、なんとなく知識で知っているだけだ。そうした立場評価するのは御法度であろう。それでも私はFGOが気に食わない。これは負け惜しみだろうか。それともただの老害しかないのだろうか。私が好きだった奈須きのこTYPE-MOONの描く取るに足らない人間たちの物語は、もしかするとFGO本編でも繰り広げられているのかもしれない(琥珀さんルートや桜ルートが好きで、かつFGOのシナリオがそれと同様に面白い、という人がいたら、ぜひ魅力を語ってほしい。皮肉ではなく、ぜひ知りたい)。だけれども、数多くの英雄スマートフォン上で戦い続け、それをプレイするファンたちが嬉々としてお気に入り英雄が引けたことをTwitter上に報告する様子を、どこか冷めた気持ちで眺めてしまう自分に気付く。私がTYPE-MOONに求めていたものは、これだったのだろうか? 幾度となく繰り返されてきた、単に自分が望むような創作から外れていってしまった存在を寂しく思うという、これはきっとただそれだけのことなのだ。つまり、八つ当たりと取ってもらって構わない。

劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower』は、公開初日に映画館に観にいった。素晴らしかった。須藤友徳監督の、間桐桜と桜ルートに対する圧倒的な「理解」に目眩がした。アバンで桜と士郎の「それまでの日々」をたっぷり描いた時点で、完全に勝利だった。FGOで得た利益でこんなにも素晴らしい映像作品が作れるのなら、FGOに感謝すべきであろう、などと思った。第二章も楽しみだ。

なんて無様だ。意味もなく生きてるのはおまえのほうだろ

聞くところによると、FGOの世界には死徒二十七祖(という概念)は存在しないそうだ。私が好きだった奈須きのこワールドとは違う世界がそこにあるのだな、と改めて思った。繰り返すが、これはただの八つ当たりだ。

2017年末も、FGOは盛り上がっていた。きっと酸っぱいに違いないと、私は新年からこのような文章を打っている。2008年4月、月姫リメイク制作決定が発表された。今年、ついに発表から10年が経過する。優先順位があることくらい私だって理解できる。だからもう「月姫リメイクはよ」とは言わない。そのようなファンに耳を貸す必要だってない。FGOを楽しむ人々に向けて頑張っているスタッフの皆さんに、おつかれさまです、と声をかけたい(年始メンテおつかれさまです)。FGOという作品批判する気もない。そもそも批判できるだけの素地すらない。何しろプレイしていないのだから。本当に申し訳ない。

結局のところ、私はTYPE-MOONが、奈須きのこ世界が好きだったのではなく、ただ『月姫』という作品が好きだっただけなのだろう。あるいは、月姫が生まれた、あのころが。

これは八つ当たりだ。私はFGOが気に食わない。ただそれだけの、書き初めである

2017-04-08

FGOについていけなくなった

初めて買ったゲームは, Fate/stay nightコンシューマ版だった. その頃はまだ中学一年生で初めてのゲーム, それも美少女ゲームということで元々アニメが大好きだった私は夜通しプレイした. そして初めてFate/stay night出会ってから1週間後, ついにEDを迎え予想していなかったエンディングシーン, Fate/stay night[Realta Nua]のEDで感動して泣いた.

それから直ぐにFate/hollow ataraxiaプレイし, カレンヒロインっぷりにまた感動した.

fateプレイ前に空の境界を読んでいたこともあり空の境界 未来福音劇場まで足を運んだ.

型月ファンの従姉妹に頼み込んで月姫も少しだけプレイさせてもらった.

お小遣いを貯めて魔法使いの夜やEXTRAもプレイした.

そしてfate出会ってから3年後, Fate/Grand Orderサービスを開始した. 久しぶりにfateの新作. またあの世界を味わえるんだ, という幻想を抱いていた.

プレイしていてまず思ったことは「つまらない」. キャラクターを成長させるにはある曜日にそのキャラクターを成長させるために必要な素材を獲得してつぎ込む必要がある. 確かにストーリーは多少面白かったと記憶しているが戦闘パートが何にも増してつまらない. ただの作業であった. 確かにfate/EXTRAアリスソフトゲームなんかでもストーリーの要所要所に戦闘パートや育成シミュレーション的要素がある. しかし何故だかFGOと呼ばれるこのスマホアプリには熱中できなかった. そうして公開されているシナリオ分を終えると同時にやめてしまった.

Twitterでは好きだったはずのfateの, 知らないキャラクター達の二次創作ガチャスクショたくさん投稿されている. あぁ, 私は型月において行かれたのか. そう思っていた. しかし他のソーシャルゲームに目を向けるとどれも同じようなものだった. FGOが特別なわけではなくどのゲームも, ガチャでいいキャラクターを当てたり, 戦闘パート苦痛に耐えてストーリーを進めることが求められていた. もしかしてたら戦闘パートが耐え難いものですら無いのかもしれない. 最近では「メンテで喜ぶ」や「ガチャでの課金に自慢」なんかの見たこともない文化までも芽生えていた. つまり私は型月に置いていかれたのではなく時代についていけなくなっただけだった. ストーリー目当てに何度もFGOを再開することがあったが, いつも続かなかった. いずれまた時代の流れが変わりFGOのコンシューマ版が出てくれないものか.

2017-01-17

Fate/hollow ataraxiaWineプレイ

Mac上でもWineを使えばプレイできたのでメモ。一応アダルトゲームなので、こちらに書いておく。

多分インストーラは動かないので、手動インストールになる。https://www.typemoon.com/users/faq/FHAT/#17 に従えば良い。要はsetup以下を適当場所コピーすればOK。

FateFD.exe本体なので、"wine FateFD.exe"をコマンドラインで実行すれば起動する。起動に時間がかかることはあるが、待っていれば大丈夫

初回起動時にディスクチェックがあるが、これはドライブDVDを入れておきさえすれば、他に準備も要らず通った(MacBook Airで外付けBlurayドライブ確認)。

ADV部分のフォントゲーム内の設定でMac側のフォントが使える(ヒラギノは表示されてないので無理そう)。フルスクリーンにするとおかしくなるので、これはできなさそう。エンジン設定」でフルスクリーン切り替え方法を「ChangeDisplaySettings API」にすればフルスクリーンにもできる。最後までプレイできるかは確認していないが、今の所問題なし。

魔法使いの夜もできればいいのだが、体験版が動かないので厳しそう…

 
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