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2024-03-26

味の素、そして次は国産論争へ

いずれ味の素と同じ構図で「国産問題が起きるだろう。

これに言及している料理人専門家は皆無なのでここに記録しておく

後年話題になったときに、

「あぁそれね、俺は大昔から言うてたけどね」鼻ツーン

颯爽とこの日記エビデンスとして出すのだ

 

さて、本題、結論、「今や国産よりも外国産の方が安全です」ドーン

 

消費者の大半は漠然と「国産」が安全安心だと思い込んでいる

味の素と同じ、情緒

 

輸入食材と言えばオレンジ牛肉から始まった

国産業者抵抗キャンペーンを張り、輸入品ヤバい宣伝消費者に刷り込んだ

これが未だに生きている

 

古いんです、知識が古いんです

 

オリンピック国産食材は使えなかった

2023年東京オリンピック選手村では選手たちに日々の食事提供されるのだが

主催者IOCリスクのある食い物を世界トップアスリート達に提供できない

IOCは厳格なレギュレーション要求しており、その一つがGlobal-GPA取得。必須事項。

国際的農業認証農業ISO、内容はググレカス

世界食品流通はこの認証を取得していなければ事実上国境を超えられない、スーパーには卸せない。日本を除いて。

日本はG-GAP取得率が極端に低いのでオリンピック供給できなかった。

 

苦肉の案で、選手村の外に日本レストランを作りIOC管轄外で選手自己責任で食うてくださいという屈辱的な施設が作られた。

選手選手村しかメシを食えないわけではない、勝手に出歩いて自費でそこらでメシを食うても構わないのだ。そういう建前

 

なぜ日本だけG-GAP取得が進まないか

理由は「輸出しないから」、だって食料自給率5割だもん

 

Global-GAPを取得している農家世界で20万経営

日本のG-GAP取得農家は750経営体、ちなみに日本全農経営数は100万経営

 

世界基準で言えば日本農作物は、正当な認証下で生産されてない、安全性が担保されてない、得体のしれない食い物、です。

 

そんな認証なくても日本農家は善人しかいないので問題ない、厚労省だか農林水産省ちゃんとやってるもん、日本は凄い国だもん

ふーん

 

農薬

耕作面積当たり農薬使用量という国際データがある。

日本イスラエル台湾の次の3位

中国の50倍の農薬を使っている

日本は高温多湿で欧米とは主要作物が違う、散布方法農薬の成分も違う、と言うのだが

かにその通りで、日本よりも劣悪な高温多湿の国でも日本よりも使用量は少ない国は多い

水田の米と乾田の小麦では流出する農薬の量が違うため多めに散布しなきゃならないというが

タイ日本よりも高温多湿は酷い、稲作をやっているが、農薬日本の100分の1

 

使用成分に関しても欧米では早々に使用禁止制限されたグリホサート、ネオニコチノイドなど日本では規制どころかむしろ緩和をした。

2015年、この時期欧米規制が始まったにもかかわらず日本

ロチアニジンアセタミプリドチアトキサムの残留基準値を緩和、フルピラジフロンを追加承認している。

欧米でまったく使えないわけではないが残留基準値は厳しかったり、成分規制があったり(クロチアニジンはほぼ使えない)、使用用途も葉物ではなく果樹、穀類に制限されていたり、散布方法制限されている。

日本はなーんの規制も無い。

ドローンを使った空中散布希釈倍数なども年々緩くなっている、農家から要望があれば議員はすぐに動く。

 

日本お話にならないほど酷いんです

 

農薬検査

年々検査を減らしてる、そもそも日本農水省検査意味を履き違えてる

「長年検査しているが検出限界以下が続いているのでこの成分検査辞めます

 

おーい

あ ほ で す か?

日本のお百姓さんは善人しかいないので規制成分を勝手に使わない

検査されないからと言ってそれを使わない、そんな悪人いませんキリッ

こーゆー前提なの。ナメてる?

 

外国はどんどん検査項目を増やします、検査は抜き打ちランダムにやります

日本のように農協通じて事前通告なんてしません。

海外不正がバレたらG-GPA認証を取り消され事実上出荷不可能となるので詰みます

 

農林水産省は「国内産農産物における農薬使用状況及び残留状況調査の結果について」という調査を毎年行っている。

古いもの平成15年から令和最新まで開示されているので見比べて欲しい。

年々調査対象作物を減らしているのがわかる。

さらに詳しいデータもあるのだけど調査項目、成分も毎年減らしていってるんです。

あんまりクロが出ないからやってもツマラナイ」だそうです。

 

小規模農業

日本の1農家あたりの経営面積は2ha

ヨーロッパ30ha

アメリカ100ha超え

生産作物が違う?

農家比較すると

日本、1ha

カリフォルニア、161ha

オーストラリア、51ha

中国、10ha(国営

日本は極端に経営面積が小さい。

不正ミスが起きやすい、高齢化も進んでおり近代化も進まない

日本農業経営」になってない、家庭菜園の延長にすぎない。

行政が厳しく指導しようとしても議員に泣きつかれる、大票田なので議員も動く

この悪循環日本農業近代化が遅れている

品質農業などできるわけがない、実際できてない。

時代的な農薬ジャブジャブの農業を続けている

経営単位が小さいので農業地域全体の面制御がしずらく農薬は過剰に使いがちになる

 

さな単位で暖かく目配りの効いた丁寧な農業、みたいな漠然としたイメージもある。

現代農業科学です、統計です、経営です。

その方が安全で安いんです。

 

でもでも、海外モノカルチャーで単調な食生活じゃん

これも幻想欧米外国スーパーマーケットにいってごらん。

日本よりも遥かに豊富で多品種です。

 

罰が甘い

2008年に発覚した中国ギョーザ中毒事件犯人無期懲役を食らっている。

その他にも、特に国際問題になった信用毀損に関して中国共産党は厳しく短期間の裁判判決を出し見せしめ的に死刑執行されるケースもある

 

海外農家はG-GAPで縛られているので不正は即認証取り消しで経営が詰む。

取り消しは容赦ないです。だから不正やらんです、検査も抜き打ちだからすぐにバレる

 

一方日本は、例えば熊本偽装アサリ事件、確かに健康被害は出ていないもののこの事件で訴追された人は一人もいない、軽い行政処分が出ただけ。

毎年なにかしら食品偽装不正が起きるが逮捕、訴追されることは皆無。

魚沼産コシヒカリ流通量が生産量30倍と言われ続けているが、何十年も行政放置したまま。認証制度罰則が整備されてないのでやりたい放題。

 

ここまで書いてやっても、

国産農薬とか少なめで善良なお百姓さんが心を込めて作っているので安全安心

味の素は毒

 

いいんだけどねw

2024-03-24

anond:20240324205420

農水省経産省OKって言ってるのに厚労省は難色示す、みたいなもんか

2024-03-19

anond:20240319170748

自分で書いておいてわからないとは不誠実だなあ

ISOに沿わないこと=デマとすると、農水省も危うい(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2204/spe1_03.html)。著者の主張はそうだろうが、生活の中での言葉でもあり厳密さだけが正解でもないのでは。/書いたhttps://anond.hatelabo.jp/20240319133056

anond:20240319140140

私自身は自分が書いていることがゴミじゃないなんて確信したこといかあなた反論にもなるべく付き合うよ。それでも、あなたよりJAS農水省ゴミだとは思えないかな。

紅茶緑茶の違いは発酵の程度ではないのか

というタイトルに対する答えではなく、門外漢自分がどう考えるかというのを吐き出してみたい。

私自身の前提知識としては、世界史の小話的に、東インド会社によって茶の中国からイギリスへの輸出が確立する中で、ウーロン茶よりもさらに「発酵」をさせたお茶が人気となり、それが紅茶起源となったというものがあった。そのため、茶が発酵の程度によって分類されるというのは誤りという情報を見て、①そもそも自分の知っていた小話が間違っていた、②根拠となっているISOの分類はあくまでも統一規格として分類上の正確性を必要としているだけ、という2通りの可能性が思い浮かんだ。

そこで、ざっとweb検索する限り、比較信頼度が高いサイトでも少なくとも日本語情報では発酵程度を分類の指標にしているものが多くみられた(サントリーなどの大企業サイト農水省コラムJAS紅茶飲料の分類など)。他方で、ISO以外に紅茶の分類を発酵程度で行うことを否定する公的情報はパッとは見当たらず、この時点で、少なくとも、日本国内においてそのような分類で考えることで法令等に違反することはなさそうだという考えに至った。紅茶起源の小話については、定説はなさそうだが、概ね自分認識と同じような話が多くみられ、これを積極的否定するような話はなさそうというところでいったん腑に落ちた。

もちろん、国際規格での定義がある以上、それに反しかねない情報問題がないとは言わないし、実際にかなり発酵の程度が弱いものであっても紅茶とする例がある以上、日常用語としても完全発酵茶=紅茶とするのは問題を含んだ用語法ではあるだろう。もとになったサイトでは、「発酵させるか、途中まで発酵させるか、しっかり発酵させるか『のみ』が異なります。」としていて、さすがに修正必要になる記載だろうとは思われる。しかしながら、これをデマ拡散とまで断ずるかのような反応もあり、その点は、どこまで意識してそのような強い反応をしているのかが気になるところではあった。そもそも紅茶という言葉定義が先にあったわけではなく、歴史の中で使われてきた言葉を現状に合わせて分類することで定義づけられたに過ぎない。日常生活において、完全発酵茶=紅茶理解していて困る場面がそうあるとは思えず、むしろ世界史ダイナミズムを感じる一つのエピソードにも繋がるものである。どういう意味で、なぜ誤りであるのかということまで含めた理解が大切で、ISOという根拠を示されただけでそれ以外を全否定するという姿勢も、やや極端に過ぎるもののように思われた。

2024-02-15

anond:20240215031305

自給率めっちゃ低かったはず…って思ってググったら農水省の「大豆のまめ知識」とかい豆しばみたいなタイトルのページに行き着いた。

2024-01-24

anond:20240124132552

朝食を食べなくてはいけない科学的根拠についてちょっと調べてた。厚労省文科省農水省に朝食に関する記述があった。大雑把に言うと

とのこと。また、子ども場合は朝食を食べている子のほうが成績が良いらしい(交絡因子めっちゃありそうな気がするが…)。

ちなみに朝食を食べていない自分は痩せてるし、生活習慣病兆候も一切ない。中性脂肪は正常値下限に近い。

朝食を食べない人は絶食時間が伸びることで太りやすくなるだとか、昼と夜にドカ食いしてしまうとか、夜に食いすぎることで朝食欲がなくなるってことを前提にしてるんじゃないかな。

自分は昼も夜も腹八分。朝食べると明確に体調不良になる。

なので、科学的根拠を踏まえたうえでも朝起きたときによっぽどお腹が空いてる日(そんな日はないが)以外は食べない。

2023-11-06

anond:20231102120719

生活用品を基本通販で済ませるってのかなり特殊だと思うぞ

例えば農水省調査によると、最も購入している先がネットスーパーだと応える人は3%だそうですよ。しかもこれネット調査っぽいので、実際には更に少ない。

2023-10-28

刑務所のことについて呼ばれたので出てきたよ

〇この増田褒め称えてたブックマーカーが哀れすぎるわね。学者崩れをメディアに出して世論操作に使う理由を納得。 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231019135239

というわけで当該増田とその追記https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231020183410)を書いた増田です。呼ばれたようなので出てきました。

前のニュースから進展があり、「受刑者ホタテ殻むき「困難」と判断 米などに輸出できず 」と記事になり、そのブコメとして「格安受刑者使うとか人権感覚が」という趣旨のものが多数あった(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/010/047000c)ので改めて書いてみようと思う。

結論

結論としては前の2つで書いたもの基本的には変わらない(理由は前掲記事記載したとおり)。

受刑者を使って利益を得ようとしても、国庫的には負担の方が大きい。

 ⇒受刑者刑事施設収容することに要する国庫負担の方がはるかに大きく、国庫的また国民経済的には受刑者再犯せず、社会に出て仕事をして貰う方がはるかメリットが大きい。

民間事業者側にとっても利益は小さい。

 ⇒今でも格安の労賃で刑務所作業発注できるのに必ずしも受注量は潤沢とは言えない。作業によっては採算が取れないものがないわけではないが、少なくとも大々的に展開できるようなものではない(できるのであればやってみればいい。法務省が大喜びするはずだ。)

格安労働力のために受刑者を増やそうなんて端緒も見られない。

 ⇒半官半民の刑務所が出来てから日本受刑者数は右肩下がりが続いており、また、制度的にも、近年可能な限り刑務所収容するのではなく社会処遇を充実させる方向で動いており、そこに変化は見られない。

受刑者社会に近い内容で処遇することの効果法務省も、それ以上に研究者肯定的であるものの、取り組みは大きくは進んでいないし大きく広がりそうもない。

 ⇒受刑者はいずれ社会に戻っていくので、必要以上に施設慣れ(施設適応)されると困る。しかし、脱獄リスクを嫌がる法務省側、受刑者を受け入れることに積極的ではない民間企業側とハードルが高く、外部通勤作業は広くは進んでいない現状である

これを前提として今回の件少々付言していく。(この前提から納得いかないという方は申し訳ないが刑事政策をご自身で紐解た上で、データと突き合わせてもらう他ない。穏当な参考書としては「刑事政策学」(武内本庄)や「刑事政策概論」(藤本)なんかが良いと思う。これ以外にも参考書はあるが刑事施設についてはあまり触れられていないことが多いので。)

ではまず記事を見ていこう。

宮下農相は「刑務所外での派遣作業などの仕組みが活用可能検討していたが、輸出先の転換を推進する観点からは困難であるという結論に至った。受け入れ事業者周辺地域理解といった課題もあり、作業環境の整備などの課題も多い」と説明した。農林水産省によると、少なくとも米国英国カナダニュージーランドでは、受刑者労働による産品について輸入できない規定がそれぞれの国の法律にあることが分かったという。

はっきり言って完全に前回の記事勘違いしていた。海外輸出用だったものを、今回の事案で国内流通用の工場受刑者作業する話だと思っていた。

何故かというと、そもそも法務省は刑務作業がかかわった製品について、アメリカを始めとした数か国に対して輸出ができないのを理解しているはずからだ。根拠はある。法務省局長名の文書において

GATT(ガットというやつだ)加盟国は、刑務作業製品に対して輸入規制を設けることができ、イギリスアメリカカナダニュージーランドは実際に輸入規制を行っている。」

「刑務作業契約にあたっては、民間企業に対して、輸入規制が行われている国があること、その他の国もそうなる可能性があることをよく説明すること。」

規定しているからだ。(確かリンク先の「刑務作業製品の輸入規制対応について(通達)(平一八矯成三三三四)」てやつ。(https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/029326246.html))

それが何で前回報道のような形になったのか、正直言って外部からは全く分からない。官僚劣化とかリサーチ不足などというブコメもついており一理あるなぁと思いつつも、法務省側は元々この要件を知っているはずなので、農水省法務省コミュニケーション不足で条件が正確に法務省に伝わっていなかったように感じる。

余談1(こっちが本論)

刑罰論まで踏み込むとキリがないので、刑務作業強制労働)の捉え方に限定して説明しておこうと思う。

(前提1)1930年ILO条約では強制労働禁止しているものの、刑罰による労働条約上の強制労働には当たらないとされている。(懲役刑自体国際法違法ではない)

(前提2)アメリカでは1935年前後に刑務作業製品一般販売禁止した(輸入禁止もこの流れからと思われる)

(前提3)2015年国連拘禁処遇最低基準規則でも作業があることを否定していない(苦痛を与える目的作業否定されている)

(前提4)1957年ILO条約では「経済的発展の目的のための労働力の動員」が禁止されており、日本は近年までこれに批准してこなかった。

     ここから、「日本懲役刑経済的発展を行うための奴隷労働だ」などとの批判もあり、ブコメ批判も当たってそうに思えるが、結局懲役刑が残ったまま日本はこれに批准した(去年)。つまり懲役刑について、経済的意味での強制労働ではないとされたわけだ。では何が問題だったかというと、この条約には「政治的・・・見解を抱き、もしくは発表することに対する制裁」に対して強制労働を行わせることも禁止している。日本場合法令上一部公務員がスト等を行った場合懲役刑強制労働あり)になりうるため、ここがネックだったというわけだ。結論として、公務員のスト等を懲役から禁錮(捕まっておくだけ)に法改正し、条約批准している。

このあたりを前提として論じていきたい。ブコメから

〇別の所でも書いたけど日本人は人権理解していないという実例でしたね案件。ちょうどタイムリー廃業の自由がない労務奴隷制からね。

このあたりは全く違うことが分かる。前提1と前提3に照らした場合国際法上全く合法で、ただ、それにより出来上がった製品国内法で流通拒否している国がある(条約拒否することも認めている)という話だ。

これは日本アメリカ(というか特に英米系)の国で刑務作業に対する捉え方が全く違うことに端を発している。

ざっくりというと、そもそも規則正しく生活させ、労働させることは社会復帰に有用であると考える日本と、自由刑拘禁さえしておけばよく、その他は受刑者自由意志に任せれば良いとする国々との差異になる。

これは人権感覚問題というよりも(それを言うなら自由剥奪することも十分すぎるくらいに人権侵害だ)、勤労が美徳なのか罰則なのかという宗教観の話になってしまうので結論を出すのは容易ではない。

また、刑務作業の他にも、日本では性犯罪者には性犯罪者向けに、薬物事犯者には薬物事犯者向けになど再犯防止のための指導を行えるが、これも拘禁するだけが刑罰の国だと、刑罰の内容は拘禁までであり再犯防止に向けた取り組みへの参加は受刑者自由意志に任されるということになる。個人的にはどっちが上とか下とか人権感覚が優れているとかの問題ではないように感じている。(ちなみにアメリカと比べて日本の方が再犯率は圧倒的に下でそこを評価する人もいるだろうし、"教化"に強制的に参加させるなんてありえない、とする人もいるだろう。)

これは懲役刑がなくなって拘禁刑に変わっても同様で、これまでは「作業義務」とされていたところ、「社会復帰のために必要な働きかけを行う」(つまり作業社会復帰に有用と思われる者には作業をさせる)ということなので、今後も変わらない。

作業の捉え方の変遷(古典的な低廉な労働力の確保や労働自体苦痛を伴わせることから現代までの変遷はここでは記しきれないので興味ある人はぜひ)

余談2

前のブコメでも受刑者もっと金が出ればなぁというもの結構あった。それに対して前の記事でこう書いた。

受刑者給料はでないよ。法律上の賃金ではないので。企業法務省国庫お金流れる受刑者にはこの流れと完全に別枠でお気持ち程度のお金が国から出る。この額が少なすぎるとする研究者は多いが、「受刑者に月10万円出します!衣食住保証!」なんてのが国民感情として認められるはずもなく。

増額することに反対する研究者は多分ほとんどいない。ネックは完全に国庫からの持ち出しになることと、国民理解だろうか。

法務省によると現在民間から刑務作業で受け取っている労賃がおおよそ28億円だ。受刑者数は約4万人だが、民間との契約従事している受刑者をざっくりその半分の2万人として考えた場合受刑者1人当たりで受け取っている労賃は年間14万円程度になる。(民間からの刑務作業従事せず、刑務所内で給食を作ったりしている受刑者も多数いるためざっくり半分とした。この割合根拠はない。)

この労賃でさえ刑務作業を埋めることに四苦八苦している現状で労賃をあげると、今以上に刑務作業の確保に苦慮することになるためそれは難しいだろう。とするとその余は国庫から補填することになる(ざっくりとした試算で、全員に刑務作業を行わせる前提800億円くらいだろうか)。また、アメリカのように仮にこれを民間との契約で得た金銭を基にした賃金と整理するのであれば、それに見合う人能力の高い人だけがまともな刑務作業を行い、その他の大部分の受刑者そもそも刑務所の中で何もしない、させないという環境に置かれる可能性がある。(作業が本人の希望制という違いはあるが)

日本においては、刑務作業は単なる罰則だけではなく社会復帰のための積極的な意義を認めつつ、報酬についてはもう少し何とかならんか、という論者が一般であるように思う。

刑務所のことについて呼ばれたので出てきたよ

〇この増田褒め称えてたブックマーカーが哀れすぎるわね。学者崩れをメディアに出して世論操作に使う理由を納得。 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231019135239

というわけで当該増田とその追記https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231020183410)を書いた増田です。呼ばれたようなので出てきました。

前のニュースから進展があり、「受刑者ホタテ殻むき「困難」と判断 米などに輸出できず 」と記事になり、そのブコメとして「格安受刑者使うとか人権感覚が」という趣旨のものが多数あった(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/010/047000c)ので改めて書いてみようと思う。

結論

結論としては前の2つで書いたもの基本的には変わらない(理由は前掲記事記載したとおり)。

受刑者を使って利益を得ようとしても、国庫的には負担の方が大きい。

 ⇒受刑者刑事施設収容することに要する国庫負担の方がはるかに大きく、国庫的また国民経済的には受刑者再犯せず、社会に出て仕事をして貰う方がはるかメリットが大きい。

民間事業者側にとっても利益は小さい。

 ⇒今でも格安の労賃で刑務所作業発注できるのに必ずしも受注量は潤沢とは言えない。作業によっては採算が取れないものがないわけではないが、少なくとも大々的に展開できるようなものではない(できるのであればやってみればいい。法務省が大喜びするはずだ。)

格安労働力のために受刑者を増やそうなんて端緒も見られない。

 ⇒半官半民の刑務所が出来てから日本受刑者数は右肩下がりが続いており、また、制度的にも、近年可能な限り刑務所収容するのではなく社会処遇を充実させる方向で動いており、そこに変化は見られない。

受刑者社会に近い内容で処遇することの効果法務省も、それ以上に研究者肯定的であるものの、取り組みは大きくは進んでいないし大きく広がりそうもない。

 ⇒受刑者はいずれ社会に戻っていくので、必要以上に施設慣れ(施設適応)されると困る。しかし、脱獄リスクを嫌がる法務省側、受刑者を受け入れることに積極的ではない民間企業側とハードルが高く、外部通勤作業は広くは進んでいない現状である

これを前提として今回の件少々付言していく。(この前提から納得いかないという方は申し訳ないが刑事政策をご自身で紐解た上で、データと突き合わせてもらう他ない。穏当な参考書としては「刑事政策学」(武内本庄)や「刑事政策概論」(藤本)なんかが良いと思う。これ以外にも参考書はあるが刑事施設についてはあまり触れられていないことが多いので。)

ではまず記事を見ていこう。

宮下農相は「刑務所外での派遣作業などの仕組みが活用可能検討していたが、輸出先の転換を推進する観点からは困難であるという結論に至った。受け入れ事業者周辺地域理解といった課題もあり、作業環境の整備などの課題も多い」と説明した。農林水産省によると、少なくとも米国英国カナダニュージーランドでは、受刑者労働による産品について輸入できない規定がそれぞれの国の法律にあることが分かったという。

はっきり言って完全に前回の記事勘違いしていた。海外輸出用だったものを、今回の事案で国内流通用の工場受刑者作業する話だと思っていた。

何故かというと、そもそも法務省は刑務作業がかかわった製品について、アメリカを始めとした数か国に対して輸出ができないのを理解しているはずからだ。根拠はある。法務省局長名の文書において

GATT(ガットというやつだ)加盟国は、刑務作業製品に対して輸入規制を設けることができ、イギリスアメリカカナダニュージーランドは実際に輸入規制を行っている。」

「刑務作業契約にあたっては、民間企業に対して、輸入規制が行われている国があること、その他の国もそうなる可能性があることをよく説明すること。」

規定しているからだ。(確かリンク先の「刑務作業製品の輸入規制対応について(通達)(平一八矯成三三三四)」てやつ。(https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/029326246.html))

それが何で前回報道のような形になったのか、正直言って外部からは全く分からない。官僚劣化とかリサーチ不足などというブコメもついており一理あるなぁと思いつつも、法務省側は元々この要件を知っているはずなので、農水省法務省コミュニケーション不足で条件が正確に法務省に伝わっていなかったように感じる。

余談1(こっちが本論)

刑罰論まで踏み込むとキリがないので、刑務作業強制労働)の捉え方に限定して説明しておこうと思う。

(前提1)1930年ILO条約では強制労働禁止しているものの、刑罰による労働条約上の強制労働には当たらないとされている。(懲役刑自体国際法違法ではない)

(前提2)アメリカでは1935年前後に刑務作業製品一般販売禁止した(輸入禁止もこの流れからと思われる)

(前提3)2015年国連拘禁処遇最低基準規則でも作業があることを否定していない(苦痛を与える目的作業否定されている)

(前提4)1957年ILO条約では「経済的発展の目的のための労働力の動員」が禁止されており、日本は近年までこれに批准してこなかった。

     ここから、「日本懲役刑経済的発展を行うための奴隷労働だ」などとの批判もあり、ブコメ批判も当たってそうに思えるが、結局懲役刑が残ったまま日本はこれに批准した(去年)。つまり懲役刑について、経済的意味での強制労働ではないとされたわけだ。では何が問題だったかというと、この条約には「政治的・・・見解を抱き、もしくは発表することに対する制裁」に対して強制労働を行わせることも禁止している。日本場合法令上一部公務員がスト等を行った場合懲役刑強制労働あり)になりうるため、ここがネックだったというわけだ。結論として、公務員のスト等を懲役から禁錮(捕まっておくだけ)に法改正し、条約批准している。

このあたりを前提として論じていきたい。ブコメから

〇別の所でも書いたけど日本人は人権理解していないという実例でしたね案件。ちょうどタイムリー廃業の自由がない労務奴隷制からね。

このあたりは全く違うことが分かる。前提1と前提3に照らした場合国際法上全く合法で、ただ、それにより出来上がった製品国内法で流通拒否している国がある(条約拒否することも認めている)という話だ。

これは日本アメリカ(というか特に英米系)の国で刑務作業に対する捉え方が全く違うことに端を発している。

ざっくりというと、そもそも規則正しく生活させ、労働させることは社会復帰に有用であると考える日本と、自由刑拘禁さえしておけばよく、その他は受刑者自由意志に任せれば良いとする国々との差異になる。

これは人権感覚問題というよりも(それを言うなら自由剥奪することも十分すぎるくらいに人権侵害だ)、勤労が美徳なのか罰則なのかという宗教観の話になってしまうので結論を出すのは容易ではない。

また、刑務作業の他にも、日本では性犯罪者には性犯罪者向けに、薬物事犯者には薬物事犯者向けになど再犯防止のための指導を行えるが、これも拘禁するだけが刑罰の国だと、刑罰の内容は拘禁までであり再犯防止に向けた取り組みへの参加は受刑者自由意志に任されるということになる。個人的にはどっちが上とか下とか人権感覚が優れているとかの問題ではないように感じている。(ちなみにアメリカと比べて日本の方が再犯率は圧倒的に下でそこを評価する人もいるだろうし、"教化"に強制的に参加させるなんてありえない、とする人もいるだろう。)

これは懲役刑がなくなって拘禁刑に変わっても同様で、これまでは「作業義務」とされていたところ、「社会復帰のために必要な働きかけを行う」(つまり作業社会復帰に有用と思われる者には作業をさせる)ということなので、今後も変わらない。

作業の捉え方の変遷(古典的な低廉な労働力の確保や労働自体苦痛を伴わせることから現代までの変遷はここでは記しきれないので興味ある人はぜひ)

余談2

前のブコメでも受刑者もっと金が出ればなぁというもの結構あった。それに対して前の記事でこう書いた。

受刑者給料はでないよ。法律上の賃金ではないので。企業法務省国庫お金流れる受刑者にはこの流れと完全に別枠でお気持ち程度のお金が国から出る。この額が少なすぎるとする研究者は多いが、「受刑者に月10万円出します!衣食住保証!」なんてのが国民感情として認められるはずもなく。

増額することに反対する研究者は多分ほとんどいない。ネックは完全に国庫からの持ち出しになることと、国民理解だろうか。

法務省によると現在民間から刑務作業で受け取っている労賃がおおよそ28億円だ。

受刑者数は約4万人だが、民間との契約従事している受刑者をざっくりその半分の2万人として考えた場合受刑者1人当たりで受け取っている労賃は年間14万円程度になる。

民間からの刑務作業従事せず、刑務所内で給食を作ったりしている受刑者も多数いるためざっくり半分とした。この割合根拠はない。)

この労賃でさえ刑務作業を埋めることに四苦八苦している現状で労賃をあげると、今以上に刑務作業の確保に苦慮することになるためそれは難しいだろう。とするとその余は国庫から補填することになる(ざっくりとした試算で、全員に刑務作業を行わせる前提で最低賃金を支払うとして800億円くらいだろうか)。

また、アメリカのように仮にこれを民間との契約で得た金銭を基にした賃金と整理するのであれば、それに見合う人能力の高い人だけがまともな刑務作業を行い、その他の大部分の受刑者そもそも刑務所の中で何もしない、させないという環境に置かれる可能性がある。(そもそも日本受刑者の2~4割(研究者によって違う)はIQが70に満たない人たちだ。そういった人たちに賃金が払えないからと何ら働きかけをしないというのが正しいとは個人的には思っていない。)

日本においては、刑務作業は単なる罰則だけではなく社会復帰のための積極的な意義を認めつつ、報酬についてはもう少し何とかならんか、という論者が一般であるように思う。

2023-10-20

刑務所刑事政策のことについて補足とコメント返しするよ

刑務所制度や実情について知らん人が多すぎるので解説するよ

https://anond.hatelabo.jp/20231019135239

元増田です。予想以上に多くのコメントブコメブクマを頂き嬉しく思うのと同時に、調べ直して誤解を招きかねないところがあったので補足とコメント返しをしていきます

ただあまりにも多く頂いたので当方にて取捨選択します。恣意的だという批判は甘んじて受けます

なお、文中で「研究者の」などと記載するとき特に断りがなければ多数派のという意味を含有します。

補足

前回の記事(外部通勤作業の)令和4年度の対象者は全国で4人と書いた。この数字は正確だがその推移は以下の通りだ。(いずれも犯罪白書より)

【令和4年4人、令和3年7人、令和2年4人、平成31年20人、平成30年23人、平成29年19人、平成28年21人、平成27年15人、平成26年14人、平成25年12人、平成24年10人】

一貫してほぼ右肩上がりだったところ、平成30年松山刑務所から脱獄事件平成31年新型コロナウイルス禍により現象に転じたということだと思う。

よって4人だけ!というのはミスリード可能性が大きく、元々法務省も徐々にこの取り組みを拡大させていたことを考慮すると、平成30年程度の規模までは早期に回復する可能性が高い(今回のホタテの件がなかったとしても)。まぁ20人としても全国の刑務所が70弱あることを考えると一施設平均0.3人なので労働市場インパクトを与える数ではないという結論に変わりはないが。

更に補足すると外部通勤作業必要性研究者法務省も一致しているものの、スタンスは若干違う。法務省絶対脱獄しない受刑者ってのを何重にもスクリーニングして選んでいて、研究者の側は「法務省の取り組みは遅いもっと積極的に」という感想になる。

コメント返し

○働くかどうかはともかく、

社会復帰のために一定期間(もちろん監視のもとに)拘置所外で社会生活をする制度があったような

仮釈放と刑の一部執行猶予

仮釈放は真面目に受刑生活を送っていれば刑期のラスト2割くらいは釈放される制度仮釈放間中に悪さをしたらまた刑務所に連れ戻される。令和元年の再犯防止推進計画加速化プランにおいて積極的仮釈放を認める運用としている。

・刑の一部執行猶予は新しい制度平成28年施行)で、判決時点で実刑部分と執行猶予部分を指定してしまうというもの。(例えば懲役3年だが、実刑部分2年猶予部分1年、猶予部分の1年間は刑務所にいなくて良いが悪さをしたら刑務所に入れられるような感じ)

○いずれも犯罪者社会復帰のためには社会処遇重要であり、施設処遇刑務所への収容)だけでは足りないという流れがあるからだ。受刑者社会復帰のためには、受刑者刑務所適応してしまうのではなく、社会包摂していくことが必要との議論に国が応えた形となる。

○つまり制度全体として、刑務所にいる期間をできるだけ短くしようという制度設計運用になりつつある。いくつかのコメントにあった「単純労働者確保のために受刑者を増やす」なんてのはこれまでの流れと正反対なので、不可能とは言わないが極めて困難であり、批判するのであればその予兆が見えてからで十分だろう。(そんな予兆は一切ない)

○加えて、令和7年度から懲役刑がなくなる、作業をさせることが義務的ではなくなると書いたけど、これは刑務作業強制的労働)がなくなるわけではない。が、作業時間は確実にかなり減ることが見込まれており、こちらの観点から受刑者労働力として考える方向とは真逆となる。

発注がないのは囚人が手を加えた商品を買う人が国内はいいからだろ

○いくつかの刑務所見学してみると分かるが予想以上に身近なものを作ってるよ。刑務所で作ったものとして売られているだけでなく、名だたる高級ブランド販売する際の紙袋を折ったりとか。

受刑者仕事提供する団体は、法務省にいろいろ優遇してもらえそう

てか、給料はどちらが払うのか、中抜きはあるのか、出来高制なのか、そのあたり

○たぶん優遇はないんじゃないかな、前も書いたように感謝状をくれることがあるくらいで。ただ、元受刑者雇用してくれる企業にははっきり優遇があるよ、補助金って形で。(これは無職者の方が再犯率はるかに高いって統計によるもの。)

受刑者給料はでないよ。法律上賃金ではないので。企業法務省国庫お金流れる受刑者にはこの流れと完全に別枠でお気持ち程度のお金が国から出る。この額が少なすぎるとする研究者は多いが、「受刑者に月10万円出します!衣食住保証!」なんてのが国民感情として認められるはずもなく。

○私は半官半民の刑務所反対派で、当時のブコメにもそう書いたと思うが、理由としては、そもそもそれは国でやれ、民間の力を借りるなと言うことだった。その反論があるかと思ったけどなかった

現在では、法務省可能な限り国に業務を戻そうとしていて、研究者側は一定民間領域を残すべきだとの議論が多い。(半官半民の刑務所は今まさに契約更新の時期を迎えていて、民間事業者への委託範囲がかなり小さくなっている)

法務省ははっきりとは言わないが、この制度の発端が過剰収容からであり、それが解消されたため(15年間で被収容者数が55%程度に減少)だと思う。このままだと公務員の減員まで言われる可能性があると思っているのではないかな。ここ5年で3ヵ所か4ヵ所ほど刑務所閉鎖してるし。

※(追記)ゴメン法務省が言ってた「平成19年当時,刑事施設は過剰収容状態であり,収容能力と要員の確保が喫緊課題であった。このため,民間事業者に委託できる業務可能な限り民間委託することを基本とされたものの,今般,過剰収容状態が解消され,また,老朽化した刑事施設の整理統合が行われていることに鑑み,次期事業においては,民間ノウハウを活かせるような内容のみに絞ること」(https://www.moj.go.jp/content/001298607.pdf

研究者は、一定専門職種については民間の協力を得た方が効果が高いのではとの意見が多い。

○微罪だろうが片っ端から実刑判決下して刑務所にぶち込めば収容者1人あたりのコストは下げられるよね、B型作業所やシルバー人材センターあたりも含めて低賃金労働力確保に向けた第一歩と考える方が自然だと思うが

○身内の利益誘導にはどこまでも血道を上げる人達なので、ここからどんな横紙を破っていっても驚かない、くらいの感想かな。あの時からガラッと運用が変わりました、があり得るのがこれ迄の政権まとめといった所なので

○“○平成19年頃の刑事施設収容者数は8万人を越えており、現在は4.5万人を下回っていることから、この指摘は全くの的外れだったといって良いだろう。” 今はそうでないことと、制度的に可能であることは両立する

○今の制度はそうであっても、これからどうなるか……。

○今はそうじゃないよ、でもこれからはそっちの方向だよって理屈は両立するよね?受刑者大卒が少ない?じゃあネット誹謗中傷したら刑務所なって流れだしw 奴隷の皆さん、ご準備は出来てますか?

御用学者ポストを狙ってるのか?頭が悪すぎてびっくりする。政治の話をしているのであって、現行法での位置付けは誰も問題にしていない。「現運用ではありえない」ことがこの10年どれだけ行われてきた?

○ご指摘の通り収容者数を増やせば一人あたりのコストは減る。どこまで減らせるだろうか。平成18-19年の被収容者数がピークを迎えていた頃の、被収容者一人あたりのコストが年300万円程度(当時)と言われていた。

○ただ、このときは非常に無理をし、定員以上に収容していて結局4つの刑務所の新設(前述の半官半民の刑務所)と刑務官1000人規模の増員を招いてしまったので、実際のコストもっとかかっていると言って良いだろう。

○下限の一人あたり一年300万円としても、これに警察検察裁判所保護観察所などの費用を足せば、労働力としてコストを賄うほど利益を出すことが不可能なのはかると思う。

○前述の通り刑務所内での処遇期間を短くしよう、社会処遇シフトしようとしており、その方向性が変わるような議論はなされていない。そんな中でここまで過剰に反応する必要はないと思う。

制度的に可能なだけなら何でも言えてしまう(すべての殺人について死刑にすることも制度的には可能だし)ので、その予兆もない中で振りかざすのは陰謀論と言えるのでは。

○今回のニュースだって基準を緩和するだのなんだのといった話はない。というか脱獄責任を取りたくない法務省役人農水省政治家に言われたくらいで基準を緩和するとは思えないが。(むしろとっとと緩和してもっと出せよと思ってる研究者が多いのでは)

○4人しか外出て働いてない現状を変えるためにあの報道なんでしょ?呼び水でしょ。

コロナ脱獄事件で減ってしまった外部通勤作業の実績をあげたいという法務省側の意向はあると思う、というか前も書いた通り法務省側は数を増やす方向性なのは間違いない(それが研究者から見て遅々としてもどかしいというだけで)

○ただ、それにしても業界インパクトを与えるような規模になることは考えられないよ。(一人親方伝統芸能みたいなのなら話は別)

へぇ再犯率データはないのね

○あるよ!(https://www.moj.go.jp/hisho/saihanboushi4/r04/html/n1130000.html

網走刑務所オホーツク地場産業であるホタテ加工に売り込みをかけているのでは、というオレの推測はだいたい当たってたんじゃないかな。

○こんな実態があったら面白いね、実情聞いてみたい

○俺が気になったのは、ホタテの殻剥きが社会復帰に役立つ技能付与になるのかって点かな。イメージの強い木工とかもどうなのと思わなくもないけど。技能を得られる仕事は結果も求められて厳しいのなら悲しいな。

○おっしゃるとおり。研究者の側はそれぞれの受刑者個別社会復帰のための訓練をするのが理想って議論をしている。

法務省側も職業訓練などのメニューも持ちつつも、「毎日規則正しく生活して仕事するって生活習慣自体社会復帰に繋がるんだよ!」と言ってくる。現実問題一人ひとりに見合った職業訓練を用意できないのが実態と思うけど。

○いろいろ勉強になったが、元記事の「(事業者には)福利厚生費保険料などがかからないメリットがある」部分への批判の答えにはなってないのでは。(ホタテに限らず)現行制度適法でもダンピングダンピング

法律上認められたダンピング、でもいいよ。結論は変わらないし。これを否定するなら懲役刑ってのの否定になる。塀の中作業しようが労賃は格安からね。ただ、これは法律上予定されたことで、今回の件の批判としては筋違いと言える。それこそ医者が手術しても傷害罪にならないのと同様で。

○もちろん別枠で懲役刑なんてけしからん!なんて批判ももちろんあり。日本ではあまり聞かないけど欧米だと主流だし(単に刑務所に入るだけで働かなくていい)

懲役刑が減って拘禁刑が主流になるの、犯罪者高齢化とかで刑務作業が困難な側面もあるのかな。今ですら健康受刑者刑務官で介助してるような状況だし。

○2年前にテレビ岡山刑務所特集見たけど受刑者の3割が高齢者で当然認知症患者もいてって有り様(肝心の受刑者数もたった430人でピーク時より減ってる)。奴隷労働させたくても物理的に不可能

○よく議論されているのは、「作業をさせることができなかったり、作業をさせること以上に社会復帰のために必要なことがある受刑者(ご指摘の高齢者も含む)っているよね!」ってことだね。

拘禁刑イメージは、「作業に限らず社会復帰のために必要な働きかけは何でもするよ!もちろんその内容が作業をさせるって場合もあるよ!」ってので差し支えないと思う。

○全国で矯正展が開催されているのでこの機会にぜひ足を運んでほしい→https://bit.ly/45yrSA8

○最寄りのところに行ってみると楽しいよ!無料性格診断をしてくれたり、刑務所の中に入れたりする。

○ちなみにこういったイベントじゃなくても、学校勉強名目)や職場研修名目)で何人か人を募れば見学させてくれるところが多いと思う。忙しい先生だと大学の授業で一コマ潰すのにも使われたりする。最小挙行人数なんてのは無いはず。さすがに個人だと断られるかもだけど。

まとめ

普段注目されてないとコメント集まったらめっちゃ嬉しいねありがとう

あと、政治的なところはあえてコメントを拾わなかった。専門外でてきとーなこというのは記事を分けててきとーに書くかてきとーにブコメした方がいいと思うので。

2023-10-19

刑務所制度や実情について知らん人が多すぎるので解説するよ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20231018/k00/00m/010/261000c

ホタテ殻むきなどの加工業務、受刑者の刑務作業に 政府方針 | 毎日新聞

ブコメ批判一色に近い。まぁ分からなくもないのだが、刑事司法制度の中でも裁判が確定した以降の話ってのは認知度が低く誤解によるものと思われる批判も多いので解説してみようと思う。

余談だが、一応法学部には「刑事政策」という科目が置かれ執行猶予保護観察刑事施設のあり方や再犯防止について学ぶことができるものの、大部分の学生刑訴法までしかやらないのでマイナーな分野となっている。これは研究者でも同じで割とアカポスに辿り着きやすい分野でもあり狙い目だ。歓迎する。

体系的に解説するには労力も時間もなく、しかも書いても誰も読まないだろうからブコメ対応していく形で書いていく。

単純労働力不足受刑者で穴埋めすれば良いと学んだ自民党政府は、それなら受刑者を増やせば良いと考えそうなんだよな、軽犯罪者も反自民党も強制労働へw自民党無能な上に元々ソ連的な全体主義目指してるしねw

○元記事にはこうある。

受刑者を加工場派遣して作業させる予定だ。仮釈放の決定など一定要件を満たしている受刑者は、刑務官らの同行なしに刑事施設外の民間事業所通勤して作業従事することができる。」

これは外部通勤作業刑事収容施設法96条)と言われるもので、刑務官の付き添い(監視)なしに刑務所外で受刑者仕事を行うと言うものだ。

受刑者健全社会復帰のためには、刑務所の中だけではなく可能な限り社会に近い環境重要からある制度だが、令和4年度の対象者は全国で4人だけだ。刑務官の付き添いなしに外部に出して良いと判断される受刑者がそこまで多くないのだろう。仮に対象受刑者10倍にしてもブコメにあるような「単純労働力の穴埋め」のタシになんてなりやしない。

○また、対象受刑者がいたとしても、受刑中の人を受け入れてくれる企業だってほとんどない。企業が良いといっても一緒に働く人が嫌がることが多い。

○余談だが、外部通勤作業ではないが、平成30年には塀のない刑務作業実施場所である松山刑務所大井造船作業から脱獄事件が発生している。こういった現場に出る受刑者は相当に選別されているはずだが、それでもこのような事件が起きているのでリスクを嫌う刑務所側が急激に対象受刑者を増やすことはまず考えられない。

不正競争防止法にならんのか??

○「移民低賃金労働助長する」って移民に反対する人がいるがこれそれどころの話じゃないよね。最低賃金社会保険料も無視労働価格破壊だよ。

特定私企業への利益誘導だよな、これ。本来だったら採算が取れない事業延命されるので中長期では生産性が下がりそう。

懲役受刑者強制労働させることは現行法上予定されている。まぁそもそも「懲らしめ」「役務」だしね。(刑法12条2項「所定の作業を行わせる」)

ちなみに令和7年から懲役刑が徐々になくなり拘禁刑という刑罰に替わり、仕事を行わせることは義務的ものではなくなる。(既に刑法改正済み)

○この件に限ったものではなく、法務省では受刑者に行わせる仕事募集を常時行っている(https://www.moj.go.jp/KYOUSEI/KEIMUSAGYO/bosyu)。少なくとも今回の件で特別に何か制度的な変更があるわけではく、価格破壊利益誘導というものではないだろう。

技能実習生の代わりが見つかったぞおおおお!数年後には、農場レタスを収穫したり、ホテルでベッドメイクしてたりしてそう。

○実際に刑務所内でベッドメイク技術を教える訓練がある(https://www.yomiuri.co.jp/topics/20210401-OYT8T50093/)。仮に外部での実習先が見つかったら、社会復帰に繋がるということで法務省も(刑事政策学者マジョリティも)かなり嬉しいのではないかな。

日本監獄ビジネスをやるのか?米国はその反省から万引き程度では捕まらないという無法状態になったんだよな。日本人は弾圧されてもおとなしいかえぐいことになりそう

アメリカ問題になっとるやつじゃないか。こりゃそのうち刑務所民営化とかやり始めるぞ

アメリカ刑務所民営化受刑者を働かせて儲けるという金持ちスキームが大流行しましたわ。中心人物ジョー・バイデン

アメリカみたいになってきた。微罪逮捕受刑者パソナ運営する民営刑務所で働く未来が見える。

刑務所運営には当然税金がつぎ込まれてるので、特殊補助金特殊環境運営してるともいえる。アメリカだと刑務作業産業化してるらしく変な後追いはやめて欲しいのだが。

○既に日本でも、アメリカヨーロッパの取り組みを参考にして半官半民の刑務所がある。出来たのは平成19-20年頃で、日本に4ヵ所ある「社会復帰促進センター」というのがそれだ。

○出来た当初、主に左翼系の学者共産党からは正にこのブコメのような批判があったが、実情をみてみよう。

平成19年頃の刑事施設の収容者数は8万人を越えており、現在は4.5万人を下回っていることから、この指摘は全くの的外れだったといって良いだろう。

○まあシャバと完全に同じ仕事をさせるのは社会復帰のためには実際いいことなんだが、労働市場より安く使おうという魂胆は許せないので事業者間でオークションさせて労働市場との差額を国庫に納めさせてほしい。

○刑務作業を依頼する際の労賃は国庫帰属される。オークションというが、そもそもオークションをするほど発注がないのが実情だ。(嘘だと思うなら上述の法務省サイト電話をかけてみると良い。歓迎してくれるはずだ。)

○労賃が安いのになぜ人気がないのか。端的に言うと品質が低く、納期が遅い上に柔軟性もないからだ。受刑者は刑期も能力も様々で品質一定ではなく、また必要に応じて採用したり残業したりということもないので非常に硬直した契約となる。したがって永きにわたって刑務所発注をしている企業法務省から表彰されたりする。

そもそも収容者にかかるコストは、研究者にもよるがだいたい一人あたり一年で500-600万円程度だ。(法務省予算のうち、矯正関係予算2400億円を被収容者数で割り戻した数字https://www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei02_00117.html))

ここから更に警察検察裁判所や保護観察所に要するコストを考えれば大赤字しかなりようがなく、受刑者労働力をあてにしたり、国庫経済インパクトを与えるなんてのは不可能だ。(二度と犯罪を犯さないのが一番国庫へのインパクトが大きい)

受刑者報酬最低賃金を余裕で割っていて、出所後の生活被害者への補償に支障をきたすことは意外と知られていない。一般労働者や作業所の賃金はについては議論されるのに。

○このあたり、受刑者へのお金そもそも法的に報酬ではないという法的な立て付けは置いておいたとして、研究者ではもっと手厚くとする人が多いが社会的に受け入れられないだろうとする人もまた多いところだ。

○なんでホタテにはそんなに手厚いの?ホタテ屋ってすでに大儲けしてて別に困窮してるわけでもないだろ。有り余ったゼニで議員を抱き込んでるのか?

○なんでホタテにだけこんな手厚いんでしょうな。

ホタテに手厚いかどうかは知らないが、各刑務所では地場企業に、刑務作業として発注してもらえるものがないか日々営業に回っている。その一つにホタテ工場が入ったとしても手厚いとは言えないのでは。

受刑者にとっても塀の外に出る機会があることはいいことじゃないの?はてブには政府の行うことには何がなんでも反対な人が多いけど受刑者が塀の外=社会に触れる機会が増えることは更生に役立つと思う。賛成だ。

○いや、選挙対策ネタレベルだろう。今ある工場労働力出しても生産能力が爆上がりする訳ではない。来年に向けては生産を控えるしかないだろうし。

○おそらく法務農水両省の狙いはこの両者だろう。法務省側は塀の外での作業を受け入れてくれる事業者をつねづね探している、農水省は今回の件で政府として何らかのアクションを起こさなければならない、程度ではないだろうか。(その政治的意味合いとか宣伝必要性はよく分からんが)

2023-10-14

文科省財務省のバトルについて解説するよ」のブコメについて

https://anond.hatelabo.jp/20231014043358

についての

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231014043358

お話です。増田自称財務省主計局元中の人だけど、ホントかどうかの判断自己責任よろしく

参考資料の学級規模と教員一人当たりの生徒数のギャップを見る限り先生余っているはずだけど公立学校見ているとどうも余っている様子は全く見られないのなんでなんだろうなあ

足りないのは事務員なんだよね。自治体予算には限りがあって教育分野でも削らざるを得ない、でも教師雇用処遇相対的に守られてきてそれほど減らせない、となると他の部分にしわ寄せが行って、事務員が足りなくなった分、教師事務仕事をこなすことになって多忙になると。人件費単価は教師より事務員の方が低いから、教師の枠を事務員に振り替えれば、学校従業者数を増加させることになって職場環境改善できるんだろうけど、世の中うまくいかないよね。

とりあえず予算査定する側とされる側が対等にバトルしているという幻想は捨てよう。実際、他省庁が財務官僚に「査定のお願い」に行く際、財務省側は二ランクか三ランク下の官僚相手をする程の権力差がある。

よくある財務省ツエー論の根拠の一つとして挙げられる話だけど、実態全然違います。9月の最初ヒアリングは、要求網羅的に聞くから各課課長主査課長より2ランク下の課長補佐クラス)に説明するけどーー各担当補佐が説明するとなると、ヒアリング日程の調整やヒアリング現場での説明者入替え等のオーバーヘッドがかさむんですよーー、その後は普通に主査と補佐で議論してるからね。まあ各省庁の文化の違いや課長キャラで補佐に下ろさず課長が出てきがちな場合もあるけど、少なくとも主計側から主査は補佐を相手にしない、課長を出せ」なんてことを強いているわけではありません。

ともあれここ数十年財務省の力が強くなり過ぎているのが国力を削ぐ結果に繋がっているので、財務省は分割解体されるべきである

こうした主張、はてブに限らずいろんなところで見るけど、なんで一定説得力を持っているのかさっぱりわかりません。だって大蔵省財務省にとっては、ここ数十年、国債残高を減らすことが悲願なわけですよ。で、それを一度たりとも成し遂げていません。バブル末期に赤字国債脱却はできたけど、その間も建設国債は増えていて残高は右肩上がりバブル崩壊後はご覧のありさまですよ。増田個人的には国債残高減少を金科玉条として目指すことには批判的ですが、だからこそ、財務省が悲願を実現するだけの力がない弱っちい役所でよかったなあ、としか思えません。

補正予算になると精査もせず30兆ぽんと出し、剰余金一般会計に繰り入れて好き勝手に使う財務省文科省にだけは強気だけど、他の省庁にもちゃんと物申したらどうですか。大蔵省の頃はやってたと思うよ。

農水省国交省中の人たちからすれば、文科省はうらやましい限りだと思うけどなあ。増田主計局を離れてそこそこ経つので、例えば最近防衛費増の受け止めはわかりませんが、増田がいた頃は、文教費は、社会保障や地財と並んで扱いが難しい予算だ、というのが一般的認識だったと記憶してます文教族は政治力いからねえ。

2023-09-14

anond:20230914182549

どうやれば個人との契約って形にできるのかが謎なんだけど。

あと城島

アレは農水省が直でジャニーズと話しをして「こらアカンわ」って起用中止にしたみたいだけど

アレも個人契約って形なら行けたのかな?

櫻井翔の守られ具合が正直あまりにも意味が分からない。

ジャニタレガンガン切られ始めてて

キャスターの真似事やってる連中もボロックソに叩かれ続けて

それでも櫻井だけは適当コメントでも許されてる。なんなんあれ。

さらに追い打ちをかけるようにアフラックは「ジャニとじゃなくて、櫻井となら契約する」とか。

アリなんかそれ。

オレは芸能契約とかぜんぜん知らんけど、吉本の雨迫とかいうの、個人契約取ってきて「何しとんや闇営業やろ!」って怒られて

それで首切られたと思ってたんだけど、ジャニタレントが直に契約結んでもええんか。

ほかのジャニタレダメになってる中でなんでこいつだけ感がすごいすぎる。

つかこれがいいなら、農水省城島茂切るって言ったときに、個人契約、あるいは「ジャニではなく株式会社TOKIOを介する形ならOK」という展開もありえたんか?

2023-08-19

カレー餃子を題材にしたラップバトルの番宣が目に入るたびにこっぱずかしくてチャンネルを変えていたのだけど

今、ふとぐぐってみたら、農水省施策なのだろうか。

俺も他人の金でどれだけアホなことをできるかを競争をする仕事に就きたい。

2023-06-29

anond:20230629164919

専門性って深くすればするほど狭くなるものだろ

農業を専門とする人を農水省大臣にしたとして、林業水産業質問に答えられないのは当たり前だし、農業と言っても稲作、畑、果物等いろいろ種類あるしこれら全てに詳しい人って大学教授クラスでもなかなかいないぞ

2023-03-13

農水省って特に動きが遅いとこだしね

鳥然り豚然り牛然り

野菜果物品種管理もそうだろ

後手の代名詞と言ってよい

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