「知財」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 知財とは

2024-03-22

特許権とかの知財学習規制対象外にするなんて外国に盗まれ放題だ!」

特許権の詳細はともかく

発明したアイデア他人に使わせないようにどんな内容なのかを公開してそのアイデアを独占的に使用しうる権利

程度の知識中学生くらいなら9割くらい知ってると思ってるのは期待しすぎなの?

「公開」したくないかコカ・コーラレシピ特許取らないとかのネタとかさ?

生成AIデータ学習知財規制対象外 政府検討

飛ばしとハッタリが売りで、nvidiaを「誰も知らない謎の企業」と言っちゃう日経さんなので、

果たしてどの程度の信頼性があるかは不明だけど、この記事通りだと割と絵師発狂せんか。

発狂した絵師とそのファンれい共産あたりが取り込んで、暴力的政治勢力へと成長するシナリオいかぁな。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA197170Z10C24A3000000/

2024-03-21

anond:20240321082406

でも役職定年から営業移動とか子会社永久出向とかありますよね

知財に入ればそっから現場移動とか子会社永久出向とかはないけど研究はしていないですよね

2024-02-29

テックから出る知財軽視発言は「通報回りの対応が辛いから」説

生成AIに関わる話題プラットフォーマー各社のAI開発やユーザーデータ売渡の話題が絶えない

そんな中、インターネットに入り浸っているなら聞いているであろうDMCA申請や開示請求話題に触れることがあり、ふと思った

インターネット事業やるとき通報窓口って利益出ないよな……」

法令による定めだったりユーザー各人の個人情報データを扱う上での信頼性を確保するのに、各種通報窓口を設けることになって久しいけど、あれはコンプラとかガバナンス以上に何をもたらすものなんだ?という問いに答えるのが難しい

人置いても利益が出ないからって大部分を自動処理しようとしている現在運用で(自分の肌感覚として)非難轟々になってる状況で「人運用にしてみよう」とは判断しづらい

サービス運用メンタリティとしても、また出資側としても「責任を負う部分は少ないほどよい」という考えになるのはそうかもしれない

その究極が「知財尊重しなくてもええやろ」なのかな…

2024-02-11

anond:20240211164343

どの条文かというと、「当該行為に付随して」というところと「軽微利用に限る」の部分。

社内向けに流布するネタバレサイトみたいになってるので普通にだめかと。

新聞協会FAQ

そのままズバリ新聞協会FAQがある。

https://www.pressnet.or.jp/statement/20220215.pdf

Q6 言語情報処理によって、記事の要約・抜粋といった加工は技術的に可能だが、そうしたものを外部に提供できるのか。
記事抜粋については、Q4・Q5 で示した範囲・分量を超えた利用はできません。また、最近人工知能AI技術の進展で、記事自動で要約したり簡素化したりするプログラムがあるようですが、要約された記事によって、報道目的意図がゆがんだり、正確性が損なわれたりする可能性があり、これらを外部提供するなどの場合は必ず、事前に著作権者(各新聞社の知財担当窓口など)に相談してください。

ここで呼ばれているQ4とは

可能とされるのは、「必要と認められる限度」でかつ、結果表示に「付随して」「軽微なもの」といった要件をすべて満たす場合とされています新聞記事場合には、「新聞名」「日付」「見出し」「ごく短い本文一部表示(スニペット)」「サムネイル写真」が該当する想定です。
ただし、参考資料②(16 ページ)で紹介されているように、見出し等を表示させること自体目的とするサービスについては、「別途不法行為による保護が図られる途がある」という意見

Q5には

それだけで利用者情報ニーズや視聴の欲求を充足し、オリジナル著作物市場に悪影響が及ぶような場合は、目的から外れますサムネイルスニペット表示が、新聞記事代替とならない限度を保つこと

とある

今回のケースで検討すると

その記事検索エンジン的に、元記事を読むように誘導するものではなくて

と言う手順になっている。要約・翻訳して投稿するところがメインで、軽微利用に限るための処理は入ってない。

47の5は過大解釈されがちだけど、ちゃん基準があって、文化庁解説などには結構明確化されていて

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/pdf/r1406693_17.pdf

  1. 各号に掲げる行為目的必要と認められる限度で著作物を利用すること
  2. 各号に掲げる行為に付随して著作物を利用すること
  3. 著作物等の軽微な利用であること
  4. 権利者の利益を不当に害するものでないこと

この場合1番目以外は全部該当しないよ。4番はまぁ解釈があるとは思うけど、それ以外の2項目は該当しない。

anond:20240211031316

任天堂法務知財的に問題あるものには適切に対処するってPR出して、それで影響皆無だよね。

何か揉めてるんだあああって言うんなら揉めてるって主張する側がその揉めてる事実提示せにゃあかんよ。

anond:20240122172539

過去クラフトピアゼルダをはじめ色々な作品を真似たゲームだったけど、パルワールドほど非難されなかった。

やっぱ売り上げが違うからかな。

自分知財担当だったとして、自社コンテンツを真似た製品複数あって対処しきれないとき

そりゃ影響の大きい(=出荷本数の多い≒売り上げの多い)物から対処するだろうし、妥当だとは思う。

でも「出来の悪い模倣ゲーム」と「出来の良い模倣ゲーム」があった時に、

出来の良いものを作ってしまった方が損になる、というのは良いことなんだろうか?とも考えてしまう。

2024-01-25

anond:20240125201538

はてブ人気コメントにあるように実質的にこれは何も言ってないのなら、せいぜい

「多数お問い合わせをいただいておりますが、知財権に関しましてはこちらで調査の上、対応しますのでご安心ください」

でいいでしょうに。

なんか、はてブ全体が、正常性バイアス罹患してるような・・・

anond:20240125201538

知財権の侵害なんてないと思うけどなぁ~~ 不正競争防止法・著名表示冒用行為かいナゾのブッ壊れ民法を出してくるならともかく。

知財で訴えるんでも何でも企業の法的措置には慎重な検討必要って社会常識がない

マジの社会不適合者がはてなツイッターに沢山いることが今回の件でよく分かったよね。

2024-01-23

なぜここまでパルワールド批判されるのか

一言で言ってしまえば他人の作り上げた知財を利用して商売するなってなんだろう。

ただ、気になるところは一般的ゲームシステムパクリは許容されているのにキャラクターデザインパクリはなぜここまで反発が起こるのかということである

ゲームのコアとなるのはむしろシステムの方であり、デザインの方は多少変わってもゲーム体験は変わらないことが多いので、本来パクられて怒るべきなのはシステムの方なんじゃないか

ここで一旦システムデザインの違いについて考えてみると、システムの方はパクリ元と比べた時に改善・改良がわかりやすいが、デザインの方は進歩進化がわからない。

デザインというものシステムに比べて良し悪しというもを判断することが難しく、論理としてこっちの方がいいよねみたいな話ができない。

システムをパクってもそれぞれ改善点や独自性が見られたりするので問題になることはなかったが、デザインでは両者に違いを見出すことが難しいためどうしても同じような評価感情を持ってしまう。

それでも一般的デザインパクるようなゲームは低品質であることが多く、それならオリジナルを遊べば十分であり、話題になることもないのでさほど問題になることはなかった。

ただ、今回は話題になったし売れてしまった。

しかも同時接続1Mを超えるほどでパッケージを買っただけでなく実際に楽しんでプレイしている人が多いと思われる。

そうなれば、話題になった時だけ批判する感情はもはや「嫉妬」なのではないだろうか。

対等な見た目をしているはずのパクリゲーがより楽しまれているという。

また、システムの方はプレイしないと良し悪しがわからないが、デザインの方はプレイしなくても外見だけで判断して批判できるのでやはり批判する人が増えてしまうのだろう。

2024-01-22

著作権法人権のうち財産権に連なる知財権利を守りつつ、引用家庭内での私的利用といった部分に踏み込みすぎずにバランスをとって、創出活動価値保護発展させる目的をもってるものだと思ったんだが

ある意味真逆の、全体利益(と思しきもの)のためなら知財私有否定できるみたいな解釈開陳する人間が出てくるとは夢にも思わなかった

根本的には「文化の発展」が最優先事項なんですよ。なので、文化の発展(公益)と個人権利がぶつかった時は、文化発展のほうを優先する法律なんですよね、実は。

https://twitter.com/SyluahWB/status/1749051135934238841

https://archive.md/WWZyk

2024-01-21

"akutagawa" "AI"でX検索したらやっぱり今回の芥川賞九段がっかりしている外国人ニキが観測できた

誰か英語できるニキでXやってる人、一応日本人全員が絶望されないように「芥川賞主催してる会社は去年知財に詳しい国会議員スキャンダル報道した雑誌社やで」って外国人ニキネキに教えといて

2024-01-18

生成AI議論がとにかく噛み合わない

よく考えたらプログラムサーバ提供側が営利企業で「コスト切り下げ」ベースでのみ話してて、知財権利者側は個人でも法人でも財産権ベースの話になるので、そりゃ噛み合わない

2024-01-03

anond:20240103103555

知財費用負担等に対するOSSプロxxのスタンスの違いは、一度派手に燃えてすっきりさせた方が良いんじゃないの。

一般的OSSと周辺ビジネス関係と比べたら、やっぱり違和感はあるでしょ。

個人的には、そういう面での参入障壁も低くはないと感じる。

2023-12-22

anond:20231222065623

純度100%お気持ちラッダイトじゃん。反AIってこんなんばっか。

時間が早いことが罪ならCopilotどころかプログラミング言語とか使わずに手で論理回路配線しろよ。

学習されない権利」「参考にされない権利」「解析されない権利」なんぞ著作権どころか歴史上どんな知財にも存在せんわ。

何でそんな異常すぎる特権が当然あるべきだと思い込めるんだ?

2023-12-07

任天堂法務部って知財関連に強いってだけで、別に脅迫犯を八つ裂きにする能力とかないからな

「最強の任天堂法務部に喧嘩を売るとは」って、ネタで言ってるのかと思いきやマジだったりするから

2023-11-26

絵柄割れ厨という言葉を知ってだいぶ悲しくなった

割れとかwares知ってる世代て俺と同世代だよ。もう50代よ。おっさんからおじいちゃんに変わるところよ

あたらしい時代についていけませんと声高に叫んでるようなものじゃないか

それにさあ、知財について普段から情報を入れていれば何が保護されて何が保護されないのか当然に知っているべきなんだよもう子供じゃないんだから。おじさんおばさんなんだから

自分の飯のタネだったり自分がいったいどのような権利のもとに活動しているのかだったりそういうことに無知な50代ってどうなのよ

絵柄が画風が保護されない(厳密にいうと絵柄の類似によって他人著作物に対して自分著作物権利侵害だと主張することは極めて難しい)のってもう初歩の初歩じゃん啓蒙書読むだけでわかる話じゃん

服とかのファッション保護が思ってるより全然ゆるゆるなのとかと一緒で勉強したら最初のうちに驚いとくところじゃん

知財って色々な慣習やら権利綱引きやら条約やらの制約の上で立法して決まってるものなのでほんのちょっと動かすのも大変

そして来たるAI時代に向けてだいぶ前に日本は相当に自由な方へ舵を切った。法整備が追い付いてない!なんてのをみるとげんなりする。大きな決断をして明確に動かした!ってタイミングあったじゃん。ばっちり整備済みだっつうのよ君らが知らんだけで

自分運転免許証更新したら中型免許8トン限定にいきなり変わってて日本が大変だ~!みたいな台詞に聞こえるんだよなあ

無知なのは君だ

2023-11-22

anond:20231122025242

AI商業利用するには学習内容(原料)の明示義務必要権利者にもいくら還元せよという理屈

ただAIを作る側は、学習内容は企業秘密だと言って争うし、知財裁判所は非公開のインカメラ企業秘密を提出させれるとしても

学んだものが多いほど個々の権利者への還元率は低くなる

AI学習許可してないのにパクられた人の損害はAIが得た利益の何割と算定されるかという問題もある(判例がないからですね)

自動紡績機が出たときの手織り師の立場に似ている

anond:20231121153317

学習モデル権利者非許諾の知財が多量に含まれていてかつ(モデルデータという形で)再頒布を行う行為

AI著作権が失効した楽曲や絵や文章学習して、クラシックな絵や楽曲文章を作るのはOK

けれども、生成物からみればAIはまだ著作権効力があるもの学習していることね

ただ、人間も売れてるものを真似するし、学んだ結果がミックスされて出て来るのは仕方ないのでは

2023-11-21

anond:20231121124551

別で書きたいので大まかに書くか

自分の求めてる生成AI規制は、AI利用によるユーザの生成行為よりかは、大元学習モデル権利者非許諾の知財が多量に含まれていてかつ(モデルデータという形で)再頒布を行う行為問題なので、国で率先して対策を打たないと手遅れになるぞっていうところ

一応個人でも訴訟なり起こせるとは思うが、裁判仮処分時間がすごくかかるので、被害拡大のペースに間に合わないし、個別訴訟して件数が膨れあがってもしょうがない

生成してる個人ユーザのほうはもう多分……界隈がわりと過激物言いを繰り返しているので、名誉毀損とか営業妨害あたりでそれなりの数立件があれば先細りすると思う

2023-11-20

普通にリーガルラインの攻め手が使えるのに「価値sage」をしだしたAI戦線

知財利用の原則を鑑みてもじゅうぶん権利侵害可能性で攻めきれる生成AI議論において、ここに来てシステム価値下げや敵陣営(に類する人物)の人格下げをする方向に舵を切った人がちらほら出てきた

過去の事例で「敵方にやられたとんちんかんいちゃもん」に近しいやり方になりつつある

冷静さを失うと全ての「瑕疵のように見えるもの」をぶっ叩くようになるので落ち着いてくれ

それをやられて俺たちは今までしっぺ返しを喰らわせてきたはずなんだよ

2023-10-31

知財というか特許やばい

UIWeb関連技術だと、qiita級とかやってみたレベル事業アイデアが小難しい言葉を経て恥ずかしげもなくお出しされとる

やっぱ分野によっては害悪のがでかい

2023-10-25

anond:20231025231735

本来だと、表現の自由とか知財まわりのトピック超党派で取り組む流れもあって、対応スピードの点からもそのほうがかなり好ましいと思う (表現の自由について取り扱ってた人がみんなの党に集まってたのが、党がなくなり散り散りになったという経緯もある)

ただくりしたさんについてはちょっと困る点があって、立憲が共産と組んで野党共闘姿勢であることがここしばらく続いてて、表現の自由担保する姿勢と真っ向からぶつかる現在日本共産党方針全然合わないんですよね。党議拘束で身動きとれなくなる可能性が他と比べて高すぎる

流石に自民は突飛すぎるとしても、立憲のままは厳しいかなって思ってる

2023-10-05

二度名前を消されかけた馬鹿な私の話

これは仕事で疲れ切っていた若くて馬鹿な私が、云年越しの真実に打ちのめされる話かもしれない。

どこか嘘かもしれないし全部本当かもしれない。ただただやりきれない気持ちだけで書く。

この日記を一行でまとめると下記の通りだ。

業務時間外に書いた云十万字の小説権利が、一切自身になかったことを知った話、である

* * *

学校卒業後に就職したのは小さなさな編集プロダクションだった。執筆編集者がやるタイプ編プロだった。

ニッチな界隈の本を細々と出していた会社で、今はもう存在しない。

好みの分野を扱うことが多かったので仕事自体は楽しく、担当していた界隈がにわかに盛り上がったときは激務に次ぐ激務だったがかなりのやりがいを感じていた。

編集者のいいところは、自分の関わった商品本屋という身近な場所に陳列されて、しかも奥付に自分名前が載ることだと思う。

「私はこれを作ったんだ」という実感は激務を忘れさせるほどの麻薬だった。

会社はいろんなタイプオタクがいて、コミケサークル参加するような同人作家も在籍していた。

スタッフ創作であることは仕事に生かされ、それが会社の強みにもなっていた。

私もそんな創作者のひとりだった。小学生のころから二次創作小説を書いていたような、生粋創作する側のオタクだ。もちろんコミケサークル参加したことがある。会社でも小説を書くことは隠していなかった。

前述したとおりいろんなオタクが集まっているのはこの会社の強みであり、取引から面白がられていたので、何かとそれは話題にあがった。「あなたは何のオタクなの?」という感じの雑談から、私が小説を書くオタクであることは取引先にも知られていた。

ある日、上司に呼ばれて席まで行くと、「小説を書いてみないか」と言われた。

とある人の半生が面白いので、脚色を加えて小説にする企画があるのだが、書き手ライター)が見つからない。

そういえば御社小説を書く人がいたよね? ――と、取引からお声がかかったらしい。

素人の思い出話を物語として成立させるには、筆力のほかに構成力も必要になってくる。

小説が書けて、編集者視点も持っている人にお願いしたい、というのが私が選ばれた大まかな理由だ。

人生何が起きるかわかんねぇな」と思いつつ、正直先方の正気を疑ったが、特に断る理由もないので「自分でよければ」と答えた。

そして、企画が動き出した。

当時私は中堅の社員で、後輩の教育も任されており、わりと大きな継続企画も抱えていたので、まあそこそこ忙しかった。

そこそこ忙しくはあったが、後輩に任せられることは任せ、溜まりに溜まっていた有休を無理くり使い、執筆作業に当てた。

徹夜もよくしたし、午前中にネカフェ執筆して午後から出社、終電後まで働くみたいなことも多かった。

執筆はすべて業務時間外にしていた。これは単に会社にいると仕事が降って来るので落ち着いて書けないし、原稿料をもらうからには切り分けねばと思ったからだ。

会社を空けることが多くなり、雑用確認作業が頼みにくいと上司からはよく嫌味を言われた。

通常の仕事に加え、睡眠時間を削りながらの執筆、「自分で書くのだから」と資料作成・装画周りにも関わり、とんでもなく忙しくはあったがやりがいも楽しさも感じていた。

初稿が上がり、大勢の人の目が入り、製作も大詰めというときだった。

上司が、軽い調子でこう言ったのだ。「著名は原案者だけにするかも」と。

反射で「私の名前が載らないってことですか?」と尋ねると、「そういう案も出ている」と言われた。

忙しくて頭の回っていなかった私は、ただただ「そんな話が出ているのか」とショックで、会話はそれで終わりになったと記憶している。

デスクに座ったまま、ぽろっと言われたくらいのノリだったように思う)

その日の夜になってようやくだった、「いや、私の名前が載らないのはおかしくないか?」と怒りが湧いてきたのは。

前述したとおりこの本は、とある人物の半生を脚色して小説化するというものだ。

当然、この「脚色」は私の創作である些細な話題を膨らませてドラマチックにしたり、つなぎになるエピソード創作して物語を盛り上げた。

たとえば登場人物の紹介をするのに、設定にある特徴から勝手エピソードを作ったりした。

こうした追加エピソードについては、原案からも「まるで本人を知っているかのような描写で驚いた」とお褒めの言葉をいただいている。設定から妄想を広げるのは二次創作同人屋の得意分野だ。

そう、この小説は相当私の「創作」が含まれているのだ。それなのに何故、ゴーストライターにされてしまうのか。

怒りのまま、とはいえギリギリビジネス文章に落とし込んだ形で、私は上司出版社担当者にメールを書いた。

個人アドレスから送ってやろうかと思ったがそれはやめた。不審メールとしてはじかれたら元も子もないかである

要は「私の名を出さないのなら、創作部分をすべてカットする」という内容だ。原案者が著者なら創作部分は生まれなかったはずだから、という理論だ。

私のガチギレぶりにめんどくささを感じたのだろう。私のペンネーム原案者と併記されることになった。

ガチギレメールについて上司から小言をくらったが知ったことではない。私のやることなすこと気に食わない上司文句などすでに聞き飽きていた。

今思えば原案/著で記載されるべきだったのだろうが、この後の出来事を考えるとこの時からすでに事は動いていたのかもしれない。

その後無事本は出版されたが、ろくな広報はされなかった。

発売後、今度は社長に呼び出された。社長と総務の前へ、何事だろうと寝不足の頭で棒立ちになっていた。

印税についての話である

個人出版社契約でなく、会社出版社契約を結び、入金された印税の中から褒賞として私に支払う形にする、という通達だった。

当時二十代半ばの私は、この言葉意味をよく理解しないまま、印税がもらえるならいいかと了承してしまった。

ここがすべての間違いであったのだが、そんなことは当時の私が知る由もない。

その後、若い私にとってはそこそこの額の執筆料をもらったが、当然のことながら重版などかからなかった。

なんやかんやあってその数年後、いろいろ限界を感じた私は逃げるように辞職した。このままでは飼い殺される、という危機感が一番強かった。

同じ家に暮らす家族から最近顔を見ていないけど元気?」とメールが来るような日々だったのだ。

それなりに「できる社員」として取引先にも認められていたので、おかげで再就職比較スムーズに進んだ。

* * *

それから結構時間が過ぎたころ、なんと前述の本のメディアミックスが決まった。

私がそれを知ったのはネットニュースでだった。

起き抜けのTwitterTL巡回中、見覚えのあるタイトルが目に入って一気に目が覚めた。それは結構な規模のメディアミックスで、有名な人も参加するプロジェクトだった。

何事かと思って公式サイトに飛んで、さらに驚いた。

スタッフクレジットの「原作」欄には、原案者の名前しか書かれていなかったのだ。

とはいえ、今も同人活動をしている身としてはあまり名が売れてほしくない思いもあり(商業活動をしているわけでもない)、それについてはそこまで怒りも湧かなかった。

何よりかにより私が衝撃を受けたのは、原作欄に掲載された書影から私の名が消されていたことだった。

ぱっと見た瞬間、変だと思った。画像の一部に雑な加工の跡があったからだ。何故加工されているのか、よく見たら名前が消えている。そういう順番での認識だった。

なんだかんだ長く出版界隈に居座っているので、画像加工については見慣れている。本職デザイナーの手にかかれば、あたかも初めから存在していなかったような「画」を作れることも嫌というほど知っていた。

その書影の加工は、どこから見ても素人仕事で、スタンプツール連打したんだろうなって感じのものだった。私でももっとましに作れる。

加工者が誰であれ、私の名は意図的にその画像から消されたという事実に変わりはなかった。

少し前に好奇心から知財の本を読んでいた私の頭には、人格権翻訳権、氏名表示権などなどいろいろな言葉が浮かんでいた。名を消されたことに関する影響も危惧していた。

それと同時に、ずぅっと謎だったけれど、見ないふりをしていた疑問も浮かんでいた。

私の印税ってどうなっているんだろう。

前述したとおりこの本はほとんど広告が行われていなかったため、重版など夢のまた夢だと思っていた。だから、それまで考えないようにしていた。

メディアミックスされるとなると話は別だ。

この時私は打算的にものを考えていて、名前を消した理由を尋ねるところから入り、この本に関する私の権利について確認を取ろうと思っていた。

正しくない書影掲載したという非が向こうにはあるので、多少強気でかかって話を引き出せると思ったのだ。

微々たる額でも印税がもらえたら御の字だなと考えていたのだ。なんたって印税契約をしていた会社はすでに倒産していた。

小狡い私はこの問い合わせを、出版社ライツ部に送った。

担当部署に直で聞くのが手っ取り早いが、権利に関する問題であるし、内々で片付けられても困る。よそを巻き込んで大事にしてやろうと思ったのだ。

結果、私は惨敗することになる。

なんと、当時の担当者がライツ部に異動になっていたのだ。こんな偶然があるのだろうか。

午前の早い時間に送ったメールは、午後には返事が来ていた。

お久しぶりです!」の文字にくらくらした。

この本が出たのはもうずいぶん昔の出来事で、だから、当時を知る人がもう社内におらず、だから、私と連絡が取れず、だから書影から名を消していたのだろうと、そう思っていた。

問い合わせのメールには、連絡が取れないか名前を消したのだろうか、だとしてもこんな雑な方法で消すのはどうなのか。何故名前を消したのか理由を知りたい。権利にかかわる問題はらんでいる恐れがあるためライツ部に連絡をした。製作時も記名に関してひと悶着あったというのに残念だ。そんなようなことを書いた。

当時を知る人がいない前提の文面だ。

だというのにどうだ。その担当者は私が転職したあとも仕事のやり取りがあり、だから、私の連絡先は知っていた。なんなら携帯番号も知っている。

連絡しようと思えばいつでもできたはずだった。

返信には、非常に軽い調子でこう書かれていた。

「先方に間違った画像を送ってしまった(入稿のものだったのかも?)。今正しいものを送ったので即時修正されるはずだ。今後の重版に関しても名前が消されていることはないので安心してほしい」

あのずさんな加工画像を、製作過程画像だと言い切った。

製作に関わっていた私が、そんな画像存在しないことくらい知っているだろうに、そう、本当に軽い調子で書いていた。

誤魔化すつもりなのだ公式サイトに私の名を記載しないが故、書影との差異を出さないように雑に消したのだろう。バレないとでも思っていたのだろう。これだけ対応が早いということは、この人が本件に関する責任者なのだろう。

まり、あの時私の名を本から消そうとしていた担当者が、私の名を表紙から消したのだ。

大事にしたかったのにならなかった。この時点でもう打つ手はないなと感じつつ、「当時を知る人がいるとは心強い!」とよいしょしながら、本書の権利について尋ねた。

念のため最初からメール署名から電話番号を消していた。電話では余計なことを口走ってしま可能性があるし、丸めまれる恐れがあるからだ。諸々のことを文章として残しておきたかったのもある。

この時点ですでに、職務著作という言葉が頭をよぎっていた。簡単に言うと、業務制作した著作物の著作権は会社帰属するというものだ。

わざわざ業務時間外に小説を書いていたが、契約会社に委ねてしまった時点で私は著作権を放棄したことになっているのだろうなとほぼ確信していた。

とはいえ契約である会社はすでに倒産しているわけだし、そこはどうなっているのだろう。この際だからという気持ちでいろいろ疑問をぶつけてみた。

会社在籍中は印税の一部は会社から支払われることになっていると聞いたが、という話も伝えていた。

(誤魔化そうとしているのは明白だったので、雑な加工については「画像の送付間違い」ということで流した。一応修正前の魚拓は保存している)

結果、分かったことは以下のとおり。

著作権は原案者のみが所持、会社とは業務委託の契約しか結んでいない。

印税契約は元社長が持っている別会社が引き継いでいる。

はあ、つまりだ。

職務著作どころでなく、はじめっから私の権利は知らんところで放棄されていたのである

ずいぶん話が戻るが原案/著表記にしなかったのは、こうすると私が著作者として確立してしまうからだったのでは?みたいな気持ちもある。

こんなめんどくさい人間を絡めるといろいろやりにくいと思われたのだろう。事実暴れてしまった前例もある。

そしてこの本がいくら売れようと、印税が入るのは案件ノータッチの元社長の懐だ。

結局、知識のある人間が得をするのだ。悪いのは無知な私だ。目の前の仕事で目を回していて、いったん持ち帰るということができなかった、仕事に疲れ切っていた若くて馬鹿な私なのだ

いろいろ教えてくれたことに感謝はしつつ、とはいえ雑に私の名を消した恨みは募っていたので、最後っ屁のつもりでやり取りの最後はこう締めた。

本来書影に書かれている名が意図的に消されていると、『この消された人物は何者なのか』と無為な詮索にさらされる危険性がある。それが一番の懸念だった。もう二度とこのようなことが起こらないよう留意してほしい」

シンプル名前が消された怒りもあるが、この危惧もあった。メディアミックスに際して名を消された著者。もし、私がこのペンネーム商業活動をしていたとしたらどう思われるだろうか。

消されるだけのことをしでかしたのではないかと思われる危険性は高い。これは信用問題になってくる。

それに、今のネットの「面白そうなおもちゃ」に対する残虐性は認識しているつもりだ。自分が掘り出した“真実”を喧伝し、当事者炎上させる。何かあったら嫌だ、と身構えるのは致し方ないと思われたい。

とはいえ、これを読んでいるような人なら理解してくれるだろうが、出版社のこの手の人間には理解されないだろう。

それでも、もう二度とこんな雑に人の存在を消さないでほしい、という訴えは届いてほしかった。

* * *

若人よ、契約書を作れ。契約書を読め。

この件に関して、私は別に詐欺にあったわけでも、法を犯されたわけでもない。ただただ無知で、己の権利に鈍感だっただけだ。

手痛い授業料だと思っている。このエントリーは半ば逆恨みだし、書いてすっきりして忘れたかったのかもしれない。炎上させたいわけではない。

自分無知で痛い目にあった私ができるのは、二度と同じ過ちを犯さぬよう、そして後進たちが同じ轍を踏まぬよう努めることだけだ。

提案は一度持ち帰って調べろ、即決するな。とくに寝不足とき危険だ。

教訓として、とりあえずこの一連についてはいたるところで語っていきたい。

なんせ、私と出版社は(ついでに元社長も)、なんの契約も交わしていないのだから

ほんの少しだけよかった話をする。なんと印税をもらえたのだ。

印税契約譲渡した元社長の現会社から連絡があり、お小遣い程度の収入を得た。夢にまで見た不労所得である

連絡をくれたのが元総務の人だったので(元の会社上層部がそのまま現会社に移っていた)少し話をしたのだが、出版社担当者の話題は一切出てこなかった。私とその人がやり取りしたことは知らないようだった。出版社から入金があったので粛々と対応した、という感じだった。

献本は送られてこなかったので自分で買った。初版と第二版の年月日を見比べると渇いた笑いが漏れた。ずいぶん長い時間がかかったものだ。

メディアミックスについてはとくに興味も湧かず、とはいえ周囲から話題を聞くこともないので、爆死も盛況もしていないのだろう。

もう一回ぐらい重版からいかな、と思っているが難しそうだ。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん