はてなキーワード: 知事選とは
新自由主義160キロストレートを投げ続ける維新がなぜこんなに強いのか、ネットの言説で自分の肌感覚と合うものがなかったので言語化してみたい。
①今回なぜ維新が強かったか? →答え:吉村知事(「吉村はようやっとる」)
③維新の今後は?
この順に書いてみる。
大阪では、演説をすれば満員の聴衆。兵庫県ですら、三宮にくれば鈴なりの人だかりで老若男女スマホを片手に見物をした。そして吉村知事が去ると、大方みんな解散。これは選挙特番でも取り上げられた事象だ。
なぜこんなに人気かというと、答えは簡単でテレビにたくさん出ていたからだ。
コロナ禍において、とにかく関西では彼を目にする機会が多かった。中でも10チャンネルの「かんさい情報ネットten」という夕方のニュース番組の影響は大きいという肌感覚がある。中谷しのぶさんという女性キャスターがメインで、関西では人気がある。中谷さん自身は非常に聡明で、物腰柔らかくスマートに番組をまわすので、見ていて安心感がある。各コーナーも吉本の芸人などが関西の情報を取り上げていて名物化しているものも多く、関西では夕方はとりあえずこれという家庭も多いはずだ。
この番組に吉村知事はたびたび登場した。そうでなくても、吉村知事の記者会見は毎日取り上げられた。関西の番組なのでこれは当然である。番組に登場したときも、吉村知事はマスクや手洗い、外出自粛など、ごくごく常識的な内容を一生懸命発信していた。そう、彼は発信力が高いのである。
他の地域の方からすると、全国最悪の事態を招いたのは、他ならぬ維新ではないかと思われるに違いない。実際、維新の新自由主義的切り捨てによって弱体化した医療体制等々により事態が悪化したり、吉村・松井両氏による無計画な雨合羽集めで現場が疲弊したり、あの有名な吉村イソジン発言など、どう考えても頭がイッたとしか思えない場面が多々あった。
しかし、多くの大阪府民、関西圏の吉村知事に対するイメージは、上記とは少し異なる。吉村知事は、ずっと前線で必死に情報発信し、今できることをやり続け、分からない中でとにかく行動をし続けた、そういうイメージのほうが強いだろうと思う。
それは、東日本大震災のときの枝野官房長官に似ている。あの時の枝野氏は、明らかに寝不足状態の目で脂汗を浮かべながら必死に情報発信し、わからない中で誰よりも必死にやっている様子が伝わってきた。一時「#吉村寝ろ」がネットで話題になったように、そのへんの府民、関西人を捕まえて話を聞けば、吉村知事は何かよくわからないがとにかく頑張っていた、それはもう菅首相や西村さんやあんなのよりずっと必死に動いて頑張っていた、という感じのイメージを語る人がマジョリティだろう。
いや、その事態の悪化はかなりの部分、維新が招いたものだろう、とあなたは言うかもしれない。しかし、東日本大震災のとき、政府や菅首相の対応にまずさがあっても、誰よりも必死にやっている枝野官房長官の誠については多くの人が信じたように、吉村知事の誠についても多くの府民が共感を覚えたのだ。実際、イソジン発言など明らかに頭がイッた、さすがの多くの関西人も「ワオゥ…」と思う場面はあったにせよ、確かに、吉村知事が本気で府民に訴え、情報発信し、駆け回っていたことは間違いない。その多くは少なくとも菅首相の死んだようなメッセージよりは多くの人に届いていた。むしろ政府との対比で吉村知事が頑張っているように見えた。忽那賢志が阪大教授にやってきてからは、ブレーンとなった部分もあったのか、かなり適切に発言していたし、無理を承知でもとにかくやれることをということで野戦病院みたいなことをやると表明したり、アレな部分はあっても実際頑張っていた部分も大きい。
維新が勝ったというより、吉村さん=維新のほうがずっと政府、自民より頑張ってくれてるやん、という感覚の人が多かったのだと思う。
その昔横山ノックが勝ってしまったように、橋下徹が圧倒的に強かったように、タレント的知名度、人気があれば、一気に波に乗る。これは別に大阪以外でもそうだとは思うが、今回の吉村さんにはそうした強さがあった。それがもう、今回の圧勝の最大にして唯一の理由だ。
この背景には、お上が嫌いという大阪の気質もあるように思う。まずはやはり、東京は好かんという、わしらはわしらで大阪やという意識は、陰に陽にいろんなことに作用しているように思う。しかしそれに留まらず、何もせんと偉そうにだけしているお上は気に食わんというのは、多くの一般府民のもつ感覚で、それは大阪府や大阪市の役所にも長く向けられてきていたものだった。大してなんもしてないくせに、金ばっかり無駄遣いして、偉そうにして、なんもわしらのこと考えてくれへんやんか、あの役人どもは、というわけだ。そして実際、確かにその通りである部分は多かったのだ。
そこへ維新、橋下徹がやってきた。大阪府、大阪市の役人は無駄遣いばっかりして何もしてくれへん、徹底的にそれを叩き直そう、無駄をなくそう、偉そうにしてるだけの時代はもう終わりや、そういうメッセージを発した。これは強かった。確かにそれは新自由主義になる。しかし、そのへんの大阪府民をつかまえて、新自由主義について説いたところで理解されるだろうか? 橋下さんはやりすぎなとこもあるけどな、ほんまによう頑張って戦ってくれよるで、今まで役人は偉そうにしすぎたんや、そういう答えが返ってくるのが関の山ではないか。維新はようやっとる。
そこへ、数日前に維新がツイッターであげたような画像がくると、それは府民にウケる。確かに10年前の大阪城公園なんか、閑散としていた。今はカフェなどもたくさんでて、とても賑わって楽しい場所になった。こういう目に見える、ウケる政策を打っている。それは確かにポピュリズムだ。しかし、古い政治や自民はそういう草の根レベルで、確かに自分達のために動いてくれている、と多くの一般人が感じることをしてこなかった。維新になってようなった。
松井代表、吉村知事、維新にはみんな、上記のようなイメージが重なっている。それが今回の圧勝の背景にある。
では最後に、③維新の今後について、つらつらとできるだけ短く書いてみたい。
ここまで維新の人気ぶりを書いてきたが、しかし、だからといって大阪府民が諸手を挙げて全肯定しているかというと、そうではない。ここは大事なポイントだ。大阪都構想は、二度までも住民投票で否決されているのだ。
あれは、「ようわからんけど、大阪全部かえてまうのは、いくらなんでもやりすぎやで。そんなん、意味あんのかいな。やりすぎちゃうのん、知らんけど」と多くの人が感じたからで、維新のやることを何でもかんでも大阪府民が肯定しているわけではない。
自民以外に入れたくない保守層が、維新に流れた面もかなりあるだろう。自民にお灸を据えたいと思ったときに、維新は外交政策などがわりとしっかり保守なので安心して入れられるのである。
あるいは無党派層の中のリベラル寄りの人たち。立憲民主は共産と組んでてどうんだろう、しかしれいわとかは行き過ぎやしなぁ、とぼんやりと思っていっる層も、上記の①のような印象があると、まあ維新頑張ってるし自民に入れるのはありえないし、今回はいっぺん維新伸ばしとくか、となるパターンもわりとあるように思う。
では、自民や立憲民主などが、維新をおさえようと思ったらどうすればいいのだろうか。
兵庫県知事は、長らく井戸敏三というお爺さんが20年に渡り務めていた。この人は、ずっと与野党相乗りで、知事選なんてあってないようなもので、兵庫県民からすると選択の余地がなかった。まあ特に大きな失政や反感もなかったので、長らくまあいいやという感じだった。
端的にいうと、この井戸さん、菅首相や政府と同じだったのである。何も対応しない。何もせず偉そうにして、やることといえば吉村知事の悪口ばかりだ。多くの関西人からはそういうふうに見えた。実際、行動は遅かった。挙句、任期終了が迫っているのに公用車にセンチュリーの購入を決めたりして、お前が最後にええクルマに乗りたいだけちゃうんか、という多くの反感を買った。
そして知事選。
井戸さんの後継者が自民公認となった。しかし地元の自民党市議会議員、県議会議員や後援者たちは、井戸さんの後継者では勝てないと肌感覚で実感していた。だから別の候補者をおそうとした。しかし自民党本部に潰されて、遺恨が残った。ちなみにその遺恨から、今回兵庫1区ではその地元自民の人たちが無所属で候補をたてて、地元の支持団体などがそちらに流れた結果、毎回接戦だった自民・盛山さんが大きく負けて、盛山さんと勝ったり負けたりりだった立憲民主・いさかさんが余裕勝ちしている(これには立憲・共産の選挙協力もあるが)。
とにかく、兵庫県知事選では、もう井戸さんの後継者(自民)に入れようという県民は多くなかった。井戸の後継者なんかが出るくらいなら、維新の斎藤さんのほうがマシや、ということである。若いから色々腐った部分もやる気をもって正してくれそうやし、どうせ井戸の後継者にしてもコロナ対策はぼんやりして動きも遅いままやろう、維新には若干の不安もあるがこの際仕方ない、やっぱ20年もやったら驕りもでるし一般人の感覚も忘れるし腐敗もするんやな、ここは変えなしゃあないな、ということである。
これをみて、兵庫県知事選でまで維新がかった。兵庫県民、お前らもかよ。アホちゃうか。関西はみんなアホなんちゃうか。愚民なんじゃないか。
と言われても、そうとばかり単純に言って終わりにはできない背景があるのである。
下あたりをみて触発されてかいた。
みな、2009~2012年の話をするけど、もっと最近のサンプルがある。
知事選で敗北し、県議会でも多数派を取れないでいる沖縄県の話だ。
知ってのとおり、沖縄県では2014翁長雄志→2018玉城デニーと、自民党の指示を受けない知事が2期にわたって誕生している。
全国的にも最悪の感染状況で「だから非自民系を政権に付けるとダメなんだ」などという嘲笑めいたつぶやきがTwitterで散見されるが、沖縄県議会で「野党」として活動する自民党はどんなことを主張しているのか。
久米島で抗体検査を住民全部7800名、全員受けろと。本土から観光客が入ってきたら、全員抗体検査を受けさせる。やらない人は、そこでタクシーも乗れない、レンタカーも借りられない、コンビニにも入れない。飲み屋、食堂、どこにも入れない。そんなふうになったら、久米島に来た観光客は全員やりますよ抗体検査。そういう一つの夢がある島をつくっていったら経済対策になる。
ちなみにこの頃、沖縄自民党の県議は全員が「抗体検査」を受けて「陰性でした!」と言っている。
また、このあと10月に宮古島・石垣島視察時に二次会・三次会まである飲み会に行った結果、所属議員12名が新型コロナウイルス感染症に感染している。
皆さん、ホテルを借り切るのはいいんだけれども、今こういう世界的な感染拡大によってクルーズ船が空いているんだよ。クルーズ船を持ってきて、波の上で係留して、そこをホテル代わりに使うということもできないか。(中略)今、クルーズ船は泊まって係留先さえない。その船員と一緒になってそこをホテル代わりに使うということは、1000室、2000室、普通にあるんですよ。それを3分の1稼働させてもいい。少しリゾート感覚にも入れるかもしれない。だけど今、どこにも出られない。ホテルの1室から出るなと。そういう部分で果たしていいんだろうかということ。2週間、精神的にどうなんだろう。
「ホテルの1室から出るな」ということは「いいんだろうか」ということは、クルーズ船内では室外にも自由に出入りする状況を考えていると思われる。療養者は全員陽性だとしても、船のスタッフ・看護師などのことをどう考えているのか。何より、ダイヤモンド・プリンセス号が那覇に寄港してから半年の時期の発言だが、あのときのことをどう考えているのか言及がない。
又吉氏は県内ではがんで年間3千人、老衰で900人が死亡すると指摘。新型コロナによる死者は27日現在で179人などとして、「ほとんどは死亡せずに元気になれる」とした。
新聞記事は2021年6月だが、議事録を追うと、その前から類似の主張をしていることがわかる。
コロナが発生してこれまでお亡くなりになった方は、残念なことに69名いらっしゃるんですけれども、この5大死因について、悪性新生物でお亡くなりになった方が年間3095名もいるんですよ。コロナの69名どころじゃないんですよ。残りあと4大死因、老衰でお亡くなりになった方だけでも935名ですね。
また、このあと、陽性者が別の病気が原因で死亡してもコロナ死者に数えられる、とか、PCR検査のCt値が高く、不必要に陽性者を検出している、という趣旨の発言をしている。
日本の若者が韓国コンテンツに夢中だろうが何だろうが、あの国との断絶は既定路線なのは変わらない、というかエンタメ関連は基本国家間の関係に大した影響は与えないものなんだが、その辺の認識が何だか俺と違うような。。。
向こうじゃ任天堂(半島併合時代から存在する会社)のゲーム機は大人気だし、鬼滅の刃の映画もヒットしてるけど、政治レベルじゃ日本敵視はますます酷くなってるのは知ってるだろ?
こないだの向こうの知事選とか「あの候補は靖国神社の近くにマンションを持ってるぞ!」なんて批判がまかり通ってたし(笑)
明日の知事選は公示前にはずいぶん話題になりましたが、結局、現職が再選でしょう。これから4年間、低成長続きます。現職は、財政立て直しのためにコストカットを進めました。結果として、危機を脱したものの、コストカッターが出世し、金の使い方がわからないひとがおおく、広域自治体に求められる企画力のなさが目立ちます。国から言われたことや、他団体がやっていることを真似すればいい、独自色は不要、トップに怒られなきゃいい、そんな人ばかりです。なので、対抗馬には空気を変えることを期待したのですが。
なぜ、対抗馬は勝てないのでしょう?
マスクもせず、病人のところに赴いてみたり、マウスガードだけで、対談してみたり、コロナは寝てりゃ治ると言ってみたり、PCRを希望者に全員受けさせるとか、非科学的だし、何考えてるのか。
選挙では名前を書いてもらうことが目標なのに、顔を売ろうとしすぎ。とにかく名前を浸透させる、さらに直近コロナで困っている人たちに、現職同等あるいはそれ以上の支援パッケージを提案すべきなのに、それができなかった。
公示前から、現職対長老議員という構図になってしまった。いくら猫がインターネット上でウケがいいからと言って、見えるところに出してはいけなかった。Twitterで駐車場整理を積極的にしていますと発信したって、そんなんポーズに決まってる、って、冷めた目で見られるのはわかりきっているのに。
コロナで活動が難しかったのは仕方ないが、選挙活動がうまくなかった。SNSを活用といってもうまく使えてない。今回候補者が狙うべきは既存の現職支持層に加えて、毎回低投票率の40歳代以下にどうやって選挙に来てもらうか、名前を書いてもらうか、なのに、そこにヒットするゲストをよんだコンテンツを作れていなかったし、自身のメイン活動の場がFacebookにとどまっており!狙うべきターゲットとの間に乖離があったことが否めない。選対本部の思考も古かったんだろう。
よっつめ、ネガキャンを張れなかった点。
現職は叩けば埃がたくさん出てくる。職員側にも味方がいて、そういう情報が出てたにも関わらず、それを活かせなかった。具体は書きづらいので割愛するが、したたかに勝つ活動ができてなかった。
対抗馬に求められたことはなにか?
やはり、現職下において割りを食ってきた人たちにアプローチすることだし、若い世代にもっと住んでもらうだけでなく、子供を産んでもらうなど、全体としての成長をどう成し遂げるのか?をアピールしなければいけないにもかかわらず、そこへの訴求が十分にできてなかった。
個人的に期待が大きかっただけに、大変残念でした。
まとめると、候補者個人の問題もあるし、それ以上にまともな選挙参謀がいなかったなー、という印象。
まだ終わってはないですけど。