はてなキーワード: 政務官とは
〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎と和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法」である。これは、山口や和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。
私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法」からの流れの中で位置づけるべきだと考える。
同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊の合憲化(57)、③日本の経済的地位に見合った国際貢献の必要性、④国連軍や国連の警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリストや武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲は必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から、護憲の立場からの改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである。
同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲論である。同提言は軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国の軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから、北朝鮮や中国の軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪と過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラルは過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである。
佐藤が語る、愛国心の必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである。佐藤の饒舌から、私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。
馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事・平和維持活動において殉死・殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後の平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊」追悼施設が必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。
ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官の川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交を批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合、日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツが独自のイラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたからである。翻って日本の場合、多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国や国際社会の理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。
元国連職員の吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端と吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍の軍事活動に積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理に反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使を容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである。
なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文「山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実の国際政治の中で、山川はソ連の侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間の努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活を改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤が柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。
10.おわりに
これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤は沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮やアルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実的平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略と植民地支配の反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分は国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的に保障する国家―先進国主導の戦争に積極的に参加し、南北間格差の固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である。
大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派の大国化路線に対抗して、日本の経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪と補償は必要とした路線が、東アジア諸国の民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合の破綻といった状況に規定された、リベラル・左派の危機意識から生じている。九〇年代の東アジア諸国の民衆からの謝罪と補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本の私たちが、進んで過ちを正しみずからに正義を回復する、即ち日本の利益のために」(69)(傍点ママ)歴史の清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本の利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争や植民地支配を可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立つリベラル・左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡を消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である。改憲後、蛹は蛾となる。
ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル・左派が意図的に計画したものと捉えているわけではない。むしろ、無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向の寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力のからみあい、もつれあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治的立場から期待されている人物が統合の象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物が実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴と人物の未分性という日本政治の特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能を果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディアに追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリストや発言力を確保しようとする学者、無様な醜態を晒す本質的には落ち目の思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからみあい、もつれあって」、集団転向は進行している。
ところで、佐藤は、「仮に日本国家と国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家、同胞の日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル・左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまったからには、自国の国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤を賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間を異端者扱いするのが目に見えている。
この佐藤の発言は、安倍晋三前首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族に配慮するという意図からだろうが、アメリカは一丸となって事件に対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである。国益がからむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)
文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ、総連弾圧をめぐる日本の言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したことを物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル・左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権が北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本のリベラル・左派は安倍政権ごときに敗北したのである。
〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル・左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである。侵略と植民地支配の過去清算(在日朝鮮人の人権の擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的・侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲か護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使を容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである。容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界の諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連の民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア、世界の平和にとって大きな災厄である(73)。
改憲と戦争国家体制を拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア・知識人等を徹底的に批判すべきである。
註
(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。
(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。
(3)ただし、編集者は佐藤が右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。
(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。
(5)インターネットサイト「フジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37
何やったのか当時の反応を含め記憶が曖昧なので内閣支持率を元にトピックスを書きだしたやつ。
去年の8月にも書いたが最近の岸田内閣で支持率の変動があったので追記。
前月と比較して7%以上内閣支持率の増減があったときのみ書き出した。
最初は5%増減で書こうとしたけど時事を調べるのが面倒で無理だった。
トピックス以外の雰囲気を掴む為、次のようなものも合わせて記す。(適当に作った)
内閣支持率の出典
理由あって実家にしばらく帰省していた際、一時的にNHKニュースを毎日見る生活になった。
年寄りはNHKが大好きだ。
かなり驚いた。
急に寒くなりましたって、みんな知ってる。
ハマスとイスラエル、ウクライナとロシア、と、戦争中であることから、国際情勢的なものが多くなるのはわかる。
何故そう思ったのかというと、ちょうど、神田財務副大臣の滞納問題が起きた時期だったからだ。
もちろん、そのニュースは流れた。
短い事実関係だけをお知らせする形で。アナウンサーは誰も、それについてコメントしなかった。
てっきり「財務副大臣という要職に在りながら~」とか一言言って締めるかと思っていたのに。
判明した当日だったので、たまたまその日に時間がなかったのかと思いきや、このニュースの続報にはあまり時間がとられていなかった。
同時期に、大阪万博については、メキシコが辞退したりといった動きもあったのだが、それも事実関係がサクサクと述べられるだけ。
経費が膨れ上がっていることに対する批判的な声はあまり報道されない。
経団連のお偉いさんが大阪万博の日よけについてコメントしていたのだが、そのニュースも流れなかった。
自民党は経団連の意向に沿って政策を立案しているようにも見えるので、十分にニュースにする価値があるのではないかと考えるのだが。
インボイスの件で、もう実施段階で反対しても遅いということが周知された。
なにか法律や国の仕組みが変わる時には、政策立案時に意見を言わなければならない。
より早く、経団連の爺様方が観測気球を飛ばしている時に疑義を挟むことが出来ればさらに良い。
なのに報道されない。
老親はサントリーの社長の国民皆保険についての発言も知らなかった。
ネットで見るニュースとNHKのゴールデンタイムのニュースにはかなり乖離があるように思われる。
よく、新聞や雑誌は意見が違うものを比べて読むべきと言われるし、TVもそうなのだろう。
首相の給与が上がらなければ、他の公務員の給与も上がらないからって、必ずしも連動させなくてもいいと思うのだが。
TV山口のストライキあたりも、労働者の権利についての知識を広めるという点で公益性が高いように思うが、もちろんやっていない。
Colaboとその支持者は嘘をついた。
192 浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
この件は、多くの国民の関心事ですので、厚労省と都の管理責任を問われております。都の見解が誤っているのであれば適切に正すべきだと思うことを申し添えて、次の質問に移ります。
今回、Colaboの監査及び再調査結果は令和三年の、三年度のものなのですが、団体が大変ずさんな会計管理であることは当然ながら、東京都も会計報告をろくにチェックしていなかったことは、再調査結果を見て明らかです。
そこで、若年被害女性等支援事業の採択についてお聞きします。令和四年度分の若年被害女性等支援事業において、東京都は採択されたのでしょうか。状況をお伺いしたいと思います。
193 野村知司
本年度、令和四年度における若年被害女性等支援事業を含みます児童虐待・DV対策等総合支援事業費国庫補助金の交付決定につきましてですが、これ、現在審査を行っているところでございます。
194 浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
引き続きまして、採択時における条件付けに関して参考人の方に伺います。
先ほどから申し上げているとおり、東京都の会計報告の管理監督に大きな問題があると考えられるため、採択時に何らかの条件を付す必要があると考えます。例えば、委託先の団体に対して人件費、法定福利費などは案分根拠を明示させる、概算払しない、領収書等で適切な支出であることが確認できたもののみ補助対象とするなどの条件が考えられます。参考人の方に伺います。このような条件を付すことについて御見解を伺います。
195 野村知司
この補助金の交付決定を行う際には、従前より、事業に関しまする歳入及び歳出について、証拠の書類を整理をすることでございますとか、あるいは補助金の額の確定の日の属する年度の終了後五年間保管することなどの条件をこの補助金を交付決定する際には各都道府県等に対してお示しをしているところでございます。
その上で、御指摘の東京都の若年被害女性等支援事業に関するこの不適切な会計処理でございますけれども、国庫補助金の対象となる経費に関しまして、自主事業などほかの事業との間で適切に区分又は案分がなされているか等についてこの証拠書類などに基づいて適切に確認を行うことは、これまた当然に必要なことでもございます。
各都道府県において適切な確認が行われるよう、国としても必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121114601X00320230309/199
198 浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
続けて、補助金適正化法における善管注意義務などの観点から、引き続き政務官に伺います。
若年被害女性等支援事業は補助金適正化法の対象であると認識をしておりますが、今回の東京都の再調査結果を踏まえた都の対応は補助金適正化法上において適切かどうか、御見解を伺います。
199 畦元将吾
○大臣政務官(畦元将吾君) ちょっと繰り返しにはなるんですが、若年被害女性等支援事業に係る東京都の調査結果については、国の補助対象事業と法人の自主事業における費用案分が適切になされておらず、事業経費として過大に計上されていたものがあったこと等により事業経費を認められなかったものが合計約百九十二万円生じており、本調査結果や補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の趣旨を踏まえ、どのような対応が、都に対する対応を含め、検討してまいりたいと思っております。
音喜多議員そりゃないっすよ(引き続きColaboの話)(追記あり)
今後の言動を見ていくべきと締めましたが、音喜多議員から割とガチめな質問主意書が出ました(https://twitter.com/otokita/status/1617443528648593408)ので質問主意書そのものの解説ついでに読んでいきたいと思います。
質問主意書とは
○質問主意書の答弁書は閣議決定を経てなさへる政府の公式見解なので重たいもの
○一般的に答弁のスケジュールは極めて厳しいが音喜多議員は余裕を持たせてくれている(優しい)
質問内容
○大部分は「東京都において適切に実施されていると承知」のような回答になると思われる
○全体的にもう少し突っ込んで聞いても良いと思うが議論の取っ掛かりとしては十分
※"大部分は「東京都において適切に実施されていると承知」"としましたが、本稿を最後まで書ききって「厚労省の現状認識を問う部分」も多くありました。「大部分」というのは誤りですが残しておきます。
国会議員が文書を持って内閣に質問する方法です(国会法74条・75条)。
回答は文書をもってなされることとされており、これを答弁書といいます。内閣に対する質問であり、内閣の意志決定は閣議決定でなされるため、この答弁書も閣議決定が必要です。
国会質疑と違って文書での回答であるため、原則として後での修正(言い間違え)はなく、政府の公式見解となります。
余談ですが、一般に「何でこんなこと閣議決定してんねん!?」って報道があるときは、まず間違いなく質問主意書が出されています。例えば「1+1=2であるか問う」みたいな質問主意書が出された場合、閣議決定の上で「貴見のとおり」と回答されます。
ちなみに「趣意書」と誤記する人をよく見かけます。役人でも意識してないと間違えることがありますね。
国会議員は質問主意書を作成し、所属する議院議長に提出します。
議長のところでは主に議院事務局による体裁の審査が行われ、その上で内閣に送られます(転送)。
あまりに乱発され事務の停滞を招いたこともあり、議長への提出前に両院の議院運営委員会で事前に審査されるようになったはずですが、今はどうなったんでしようね?
内閣に転送された質問主意書は、まず内閣総務官室で担当省庁を割振りします。例えば次のように割振りを行い、各省庁に通知します。
・取りまとめ:厚労省
ここで、その割振りに異議のある省庁は一時間以内に内閣総務官室に異議と正しい割振り先、その理由を通知する必要があります(一時間ルール)。
したがって、「今日質問主意書が内閣総務官室に転送されたよ」という情報がある場合、各省庁は即座に対応できる体制を整えておく必要があります(国会待機)。
質問主意書の回答担当になると業務的に非常に厳しい(特に取りまとめ)ため、基本的にはどの省庁も「これはうちじゃなくて✕✕省の担当だよ」「取りまとめがうちになってるけど、この主意書の肝になる問いの答弁は△△省担当なんだから取りまとめもそちらだよ」という意見を出すことになります(消極的権限争い)。
内閣総務官室は各省庁からの意見に従い、割振りを決定します。各省庁からの意見を出す際、多くの場合は担当省庁間で話がついているのですが、一時間以内に結論が出なかった割振りについては内閣総務官の権限で割振りを決定します(裁定)。
実際は内閣総務官室とのやり取りと平行して行われ、こちらでも消極的権限争いがなされることが多いです。
担当課まで決まれば、担当者間(だいたい課長補佐)で連絡先を教え合います。例でいいますと、「問4について、内閣府、経産省、厚労省間で担当者連絡先を交換する」「厚労省の取りまとめ担当者は各問いの答弁作成担当者者と連絡先を交換する」ような感じです(窓口交換)。
質問主意書は、内閣に転送されてから休日を含めて7日以内に回答することとなっており、延長することも可能(国会法75条2項)ですが滅多に認めて貰えません。
実質的に5営業日(祝日が絡むともっと減る)で回答する必要があるため、そこから逆算してスケジュールを組みます。
スケジュールは極めて厳しく、答弁の作成は受け取った翌日、どれだけ遅くとも翌々日には終わっていないと間に合わないイメージです(おって説明します)。
担当課は、たいていの場合担当課長補佐を中心として答弁書案を作成します。出先機関や委託事業者に確認をとる必要がある場合には情報の提出を求めますが、それも極めてタイトであることが多いです(質問主意書を20時に受け取り、21時に発注して翌日10時に締めきったりします。)。
担当課長まで了解を得たくらいの段階で合議先の了解も取り付けます。また、合議先に答弁の一部を書いて貰ったりもします(メモ出し)。
答弁書は、閣議に付される前に内閣法制局による審査があります。
質問に対する答弁として適切か、法令や先例との整合性、文言の審査などを受けます。
担当部局が「正確にはAだけど利害関係者とかマスコミのこと考えたらA'って回答かなぁ」と持ち込んでも、内閣法制局には原則として利害関係者がいないので「なんでAって回答しないの。おかしいでしょ」と詰められます。
ちなみに、この審査は平気で22時からとか設定されます。また修正意見がつけられ、再度対面・電話でやりとりの必要がある場合には27時(AM3時)から設定されたりします(働き方改革とコロナ禍でずいぶん改善したそうです、私はもう去っているので知りませんが。)。
閣議を求める(閣議請議)のは各大臣の権限(内閣法4条3項)であるため、取りまとめ省庁は大臣までの決裁が必要です。
答弁作成者(課長補佐)からの決裁ルートはこんなイメージです。
局内
大臣官房
決裁が終わった文書を内閣総務官室に提出し、最後の確認(ここでは体裁のみ)を行います。
閣議は原則として火曜日と金曜日の開催です。スケジュールをたてる際には真っ先に確認します。
これだけの作業を実質5日間で行うため、スケジュールは非常に厳しく、質問主意書の内容にもよりますが取りまとめとなった場合には一週間それにかかりきりとなることが多いです。
○様々な困難を抱えた若年女性とは?
○若年女性の自立とは?
○モデル事業の成果を具体的に示されたい
⇒当然の質問ですね。ザルになっていないかのチェックです。定量的ってところがポイントでしょう。ただ、役人的にはモデル事業の成果について具体的かつ網羅的に示されたいと質問するところです。そうしないと具体例を一つだけ書いてかわされます。
○予算の透明性の確保
⇒議論の前提ですね。積算がザルっぽいのは都の監査結果を見ても明らかなので答えにくいと思いますが、たぶん「都(各地方公共団体)において適正になされたと報告を受けている」くらいにさらっと書かれると思います。
⇒「都において適切に行われていると承知」という回答の線引きをするための質問ですね。またどこまで補助金適正化法の対象かを確認する意味もあります。
○仁藤夢乃さんの政治活動と、そういった団体への公金支出について
⇒この質問だと、「政治活動は禁じられていない」とのみ回答がきそう。ここはもう一歩踏み込んで、「政治活動に公金は用いられていないか」「支援対象者を政治活動に勧誘していることを把握しているのか、またその勧誘は妥当だと考えているのか」「公金の使用や勧誘について把握していないのであれば調査するつもりはあるのか」などと聞いてほしかったところです。
⇒良い質問。
毎年同じ事業者が落札するような事業は財務省や総務省からかなり厳しく指摘を受けます。それを回避するための方策を考えろという議論に繋げるための質問と思います。
現在のところ「既存事業者による有償の研修による新規事業者の育成」を想定しているようで批判が大きそうに思います。身内でお金回してるだけやん?って。
⇒一般論としてお金を配る側と貰う側が同じなんてのは認められるわけがなく、当然の質問ですね。
⇒仁藤さん個人の政治的な活動は咎められるべきではないと考えます(それを言ったら例えば連合は有識者会議に呼べなくなる)。
⇒個別の検討会の内容まで踏み込む(質問27)のであれば、仁藤さんがヒアリング対象として推薦した者の適格性についても突っ込んでほしかったところです。
⇒優しい。
ただし、期間延長は議員の了解ではなく「内閣が、期間内にできない理由と期限を明示する」必要があるので、この記載をもって直ちに延長可能とはなりません。ただ、この記載をもって担当部局は延長を主張しやすくなると思います。
個人的には質問の数は多いものの内容はそれほど厳しくなく、大規模な調査も不要でと思われるため7日以内に回答可能と感じますが(長妻議員並感)。
全体として厳しく突っ込むというよりも議論の前提の認識を確認する感じですね。これからの深堀りを期待します。
○都の監査報告書読むと都が適切に監督できてるとは言えなそうだが、はてさて
○ふわっとした質問が並ぶので「各地方公共団体において適正になされていると承知」という回答が並んでcolabo弁護団が大勝利宣言する流れ?
【答弁書案】(現時点では、)各地方公共団体において適切に対応されていると承知している。(なお、御指摘のとおり、東京都においては住民監査請求の監査結果において再調査の実施等が勧告されたと承知しており、その結果に基づいて適切に対応がなされるものと考えている。)
ただ、大きく報道される可能性のある事案であり、幹部から書きぶりの指導が入るかもしれませんね。
また、東京都の再調査前結果公表前に答弁書が出されることになりますが、東京都から事前に実態を聴取して、事実と齟齬がない範囲で、さらに踏み込んだ表現にすることもあり得ると思います。
○こういうの見てて思うのって仮に「適切である」と回答したとして、適切じゃないことが後からわかったときに何が起きるの?ってことかな。
よくあるのが「…と承知している」「…と認識している」「…と把握している」という書きぶりですね。答弁時点ではその認識が正しかったので嘘ではない、という理屈です。
Colabo事業の監査結果について、いろんな所で分析されているので内容はそちらに譲るとして、あのような監査結果が出た場合に役所はどのように動いていくのか書いていこうと思います。
残念ながら(?)監査請求を受けたことがないので、経験のある、「中央省庁課長補佐として、会計検査院にて不当事項と指摘された場合」を想定します。
この度の監査請求結果について、Colabo弁護団や擁護者は「なんら違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした」(https://colabo-official.net/20230104/)と勝利宣言を行っていますが妥当とは思えません。
勝率を競っているわけでは全くなく、その指摘の内容が重要になるからであり、勝率99%でも重い指摘があればアウトです。
会計検査院の検査に引き寄せてしまいますが、不適切、不当、再調査の文言は相当に重たいです(違法でなきゃOKみたいな受け止め方する役人はいません…たぶん。)。
会計検査院からの指摘と言っても、例えば「…が十分でなかった」、「…との記載が漏れていた」等であれば、担当者としては「そっかしゃーない来年度から気を付けよ」程度です。局幹部職員に対して指摘を受けた事項について御説明の必要はありますが、大して緊張もせずにできると思います。
しかし、今回のように書かれた場合は担当補佐からではなく、最低でも担当課長(下手したらそれ以上)からの現状及び今後の改善スケジュール・想定問答について、即座(当日中。間違いなくマスコミ案件になると想定するので)に政務三役(大臣副大臣政務官)に御説明(時間が合わない場合にはその内容を書いたメモ入れ)がなされます。
(なのでどのマスコミも小池都知事に質問しないのは違和感しかありません。なんででしょうね?)
会計検査に限らず、さまざまな監査(省内の監査、予算執行調査などなど)の場合、何らかの指摘を受けそうな場合にはある程度事前にわかります。
何故かというと、指摘をする側も間違ったことは書けないので、結果公表の前に「○○という記載で事実誤認はないか」のような問い合わせがあるからです。
なので、よっぽど想定外の内容でない限り、事前に準備した資料及びタイムスケジュールで当日バタバタ仕事をするイメージですね。もちろん、確実に指摘されることがわかってる場合には御説明まで含めて前日までに済ませます。
監査請求は都に対してのものであり、本件監査結果も形式的には監査対象局(東京都福祉保健局)に対して措置を求めるものとなっています。
ただ、今回の場合は、「事業の実施状況の確認を求めること」「(案分について)合理的な説明ができるようにすること」「委託事業であり公金を使用する事業であると指導徹底すること」と事業者への指導・監督が足りないとこれでもかと書かれています。
また、おそらく領収書の全件チェックなどはしておらず(これは他の事業でもありますので、違和感ありません。)、事業者との信頼関係でなりたっていたと思われるところ、「領収書が示されていない事項が本件経費に計上」「実際とは異なる備品や購入していない備品が記載」など、信頼関係をぶち壊す記載もなされています。
これについて、相応に経験のある役人、また受託経験のある事業者であるならば、
「形式的には監査対象局への勧告だが実質的には事業者に言われているのも同じ」
「担当部局の信頼(メンツ)を丸つぶししてるので早急に謝罪に赴こう(赴くよね?)」
イメージで言うと、結果がリリースされて一時間しないうちには、事業者の担当部長あたりから次のような電話があると思います。
「この度は御迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。御指導に従い資料の精査等行って参りますが、まずは弊社代表取締役社長(企業規模・事業規模によっては役員クラスのことも)がそちらに赴き、○○局長に謝罪させていただきたいと考えております。つきましては日程調整よろしいでしょうか。」
また、担当部長、企業や事業内容によっては担当役員の更迭は避けられないでしょう。
(というか役所側も担当局長の更迭まで想定しなきゃいけない事案ですし)
経験則ですが、福祉業界も含めてこの感覚は共通していたと思います。
NPOや一般社団法人が受託先となる事業を担当したことがないので、そのあたりは雰囲気が違うんでしょうかね。
正直いって数千万規模の事業であれば(しかも今回のように何故か税理士費用まで委託費に含まれているのであれば)、三営業日以内くらいをメドに領収書またはそれに代わるものの提出及び説明を求めます。当日中でも良いくらいです。
ただまぁそれができないからこの監査結果になっているんでしょうけども。
監査結果には2/28までに再調査及び適切な措置を採るように書かれています。
そもそもこのレベルの筆致で再調査まで求められたこと自体が大問題と思います(あくまで役人的に、です。法的にはそれで問題なしとなるでしょうが。)。
東京都立大学の宮台真司教授が何者かに襲われたという衝撃的な事件が起きた。言論を暴力によって封じることは当然許されない。強い憤りを覚える。
さて、大学構内で大学教員が襲われたという事件で有名なものは中大の事件、そして筑波大学の「悪魔の詩」訳者殺人事件だろう。
サルマン・ラシュディの『悪魔の詩』に対してホメイニ師が反イスラーム的とし、関係者に死刑を宣告するファトワーを発令し、日本語訳の訳者であった筑波大学の助教授が何者かに殺害されたという衝撃的な事件だ。最終的に迷宮入りで犯人が捕まっていない。
ラシュディも近年アメリカで襲われたりといまだに尾を引いている事件である。なおインドのムスリムとして生まれたラシュディの『真夜中の子供たち』は最近岩波文庫入りして読みやすくなり、とても面白いので是非読んでみることをお勧めする。
中大の事件が個人的な怨恨であるのに対し、本事件は明確な言論の自由、学問の自由への挑戦であるし、多くの人の印象に残っている事件だろう。
当然、学問の自由・言論の自由を守るべき大学としては語り継いでいき、定期的なセレモニーなどを通して大学として言論の自由、学問の自由を再度確認すべきメモリアルな事件である。
筑波大学は歴史が浅い大学でブランド力の弱さを気にしているらしく、前身校である東京高等師範学校、東京教育大学の権威を借りようといろいろと嘉納治五郎(師範学校教授)の銅像を建てたり、朝永振一郎を顕彰したりしている。そんなに東京教育大学が素晴らしかったというなら潰すなよ。
それはともかく、その最たるものが筑波大学ギャラリーなのだが、ここには筑波大学の「悪魔の詩」訳者殺人事件の展示・記述は一切ない。誰もが認める大学史、言論史上に残る大事件であるにもかかわらずだ。
https://www.tsukuba.ac.jp/about/campus-gallery/
秋野豊博士というタジキスタンで国連政務官として平和維持活動中に凶弾に倒れた先生の展示はある。
寡聞にしてこの秋野先生という方は存じ上げないが大事な方だったろうとは思うが、ニュースバリュー・事件の重要性を考えればここに並んで悪魔の詩訳者殺害事件で倒れた五十嵐助教授の展示がないのはかなり解せない。
遺族側と仲悪いのか?とも考えられるが、近年出た記事では遺族側は事件の風化を気にされており、大学側の顕彰を拒むとは思えない。
では、何故筑波大学の歴史からこんな重要な事件が葬り去られているのか。その答えは、近年の大学(ひいては文科省)の方針にある。
筑波大学は指定国立大学として、国から高い目標を掲げさせられている。その中で重要なKPIとして設定されているのが留学生数だ。
留学元は大抵の大学がそうである通り、アジア圏が多い。中国・韓国はもちろんだが、筑波大学は中央アジアやアラブ圏とのつながりも強く、学内でもイスラーム圏の留学生を観ることは多い。
これで答えが出ただろう。イスラーム圏からの留学生を受け入れ大学として数値目標を達成するためには、殺された五十嵐助教授は闇に葬られなければならないのだ。
本来であれば、大学として許されざるテロであることをイスラーム圏からの留学生にも理解してもらう努力をすべきだと思うのだが、その努力を放棄し大学の言論の自由と学問の自由を犠牲にして大学としての達成目標をとったということだ。
学生運動渦巻く東京教育大学を潰して、文科省肝いりで作ったトップダウンの大学である以上、仕方ないかもしれない。だけれども、五十嵐助教授が大学の短期的な利益のため大学からも葬られていることに強い憤りを覚える。
『月刊誌『選択』(2015年10月号)は、藤田が過去に貧困ビジネスを行っていたと報じている[5]。
さいたま市議会議員の吉田一郎は、以下の行為が貧困ビジネスではないかと主張している[13][14]。
生活保護の申請支援、申請同行及び審査請求、不服申し立て手続の支援を『生活まるごとコーディネートサービス』と称して4万2000円で行っていた[13]。
8万円程度で一軒家を借りてグループホームという形式で運営し、1軒に5人程度ホームレスを住まわせて市からの住宅補助4万7000円と入居者から共益費として1万円を受け取っていた。吉田は、毎月20万円程度の粗利が上がっていたと見ている[14]。
そうした住居を15軒所有し3年間で2000万円以上利益を上げていた[14]。
この他にも吉田は、ほっとポットが不当に補助金を受けていたとして、監査請求を提出している[15]。
参議院議員の片山さつきは2012年6月14日の参議院総務委員会で、藤田の団体名を挙げてホームレスからの現金徴収を糾弾した[16]。 同委員会で片山は「ほっとポット」のサービス利用契約書の一部を読み上げ、同団体が生活保護者に帯同するなどの手続きのサービス料として一件当たり四万二千円を徴取していることを指摘。「何で一件四万二千円が必要なのかということを誰でも思う」「ぎりぎりのサービス」と疑義を呈した。 これを受け政務官が「しっかり解明をしていきたい」と答弁。その後、同団体によるホームレスからの四万二千円徴収は中止に追い込まれた、という経緯がある。』
12日に開かれた対策弁護士連絡会の会見で、山口広弁護士は会見で、以下のように語っている。
本当に憂うべき事態だと思ったのは、安倍政権になってから、若手の政治家が統一教会のさまざまなイベントに平気で出席するようになったこと。
それはなぜかと言うと、統一教会と近い政治家が、安倍政権のなかでは大臣や副大臣、政務官に登用される傾向が顕著になったから。
『統一教会と仲協力関係にあったほうが、早く出世できる』という認識が浸透しはじめた。
これは本当にまずいなということで、2019年と2020年にすべての議員に『統一教会と協力関係になることはやめてください』という要望を出し、昨年の安倍氏のビデオメッセージには正式に抗議した。
それくらい、やはり安倍氏が統一教会と仲良くすることについての開き直りというか、顕著なものがあり、非常に憂慮していた。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/image/news/261913/131183