はてなキーワード: 中村玉緒とは
※以下、30年くらい前の話なので記憶があいまいなところもある。間違えていたら許してほしい。
※なお、壮絶な話は何もないので、期待しないでほしい。
20歳そこそこの頃、タウン誌の掲示板コーナー的なところに「社会人英会話サークル」の案内を見つけて連絡したことがある。
無料というのがかえって怪しかったが、好奇心から指定の場所に行ってみたところ、
そこは三軒茶屋の小ぎれいな一軒家で、20代前半から中頃くらいの物腰の柔らかい感じの男性が数人いた。
どんな会話があったかほとんど覚えていないが、少なくとも英会話の話はほとんどなかったはず。
途中で宗教法人の登録証?のようなものを見せられ、そこには「○○弥勒○○」(弥勒しか記憶にない)みたいな団体名が書かれていた。
後で揉めないように先に情報を開示しておくということかなと思ったが、後に調べてみたらその宗教団体は統一教会の隠れ蓑団体のようだった。
ともかく、その時点で宗教であることは明白だったが、当時の俺はとあるインドのグルに熱中していたのでむしろ面白くなってきて、
瞑想について熱弁した。連中は穏やかに「うんうん」と微笑みながら聞いてくれるので、調子に乗っていたかもしれない。
そのうち、「ビデオでも見ませんか」とビデオテープがずらっと並んだ棚へ誘導された。
今にして思うと怪しいテープもあったかもしれないが、1961年の日本映画「釈迦」を見つけた俺は迷わずそれを選んだ。そしてみんなで一緒に鑑賞した。
「釈迦」といっても日本映画だから登場人物はほとんど日本人で、ダイバダッタは勝新太郎だし、アショカ王は中村鴈治郎である。釈迦は本郷功次郎。
そのほか、京マチ子、川崎敬三、東野英治郎、市川雷蔵、山本富士子、月丘夢路、中村玉緒なども出演している。
極めて真面目に作られた映画だが、あの勝新太郎がダイバダッタとして登場した段階で俺は笑いを禁じえなかった。
周りのみんなも俺につられて苦笑していた。
そして、そのままなんとなくグダグダな雰囲気になり、特に勧誘らしきものはないままお開きとなった。
とまあ、特に何もなかったという話なんだけど、後で正体は統一教会だったと知り、いろんな姿をとって忍び寄ってくるんだなあと驚いた次第である。
https://anond.hatelabo.jp/20200228200523
保護犬の子犬を引き取る予定だったが、縁あって成犬を引き取ることにした話のつづき
俺たちはこの借家の新居に越してくるにあたり、犬か猫を飼おうと決めていたのに付随して決めていたのが、「ベッドを買おう」だった。ペットとベッドである。それは俺と嫁の憧れだった「犬と一緒に寝る」という行為を実現するためのものだった。残念ながらさほど広い部屋ではなかったのでセミダブルのベッドを一つ買うことにして、俺たちはまだ見ぬ犬(猫)がベッドにもぐり込んで来る様を想像してはIKEAのレジの列で鼻の下を伸ばしていた。嫁に至っては子犬がベッドの上り下りがしやすいようにと小さな台まで買おうとしていた。
やがて当初の予定を変更して子犬でなく成犬を引き取ることとなり、トライアル期間はケージを使用する約束だったので夜はケージから出さなかったのだが、「大きめの犬だからケージ飛び越えて来ちゃったら仕方ないよなあ」「仕方ないよねえ」と期待しながらベッドから犬を観ていたのだが、暗闇のベッドから自分を見つめる人間二人の目を無視して犬はケージの中で丸くなり、トライアル期間中に仕方ないことは起きなかった。当たり前だ。この犬は賢い良い犬だからだ。
。
そして遂に正式譲渡がなされた日、俺は昼間のうちに思いっきり散歩した。そして帰宅すると、ばっちゃばっちゃと水を飲んだばかりの犬を嫁が抱きかかえるように風呂場へ連れて行き今度はシャンプーとドライヤーだ。犬はドライヤーとか掃除機とか嫌がるときいていたが、顔に温風を浴びながら、なんかうっとりした顔で目を閉じて座っている。その後はエサを与える。これだけすればこの犬は今日もうクタクタのはずである。俺たちもそそくさと食事と風呂を済ませると「そろそろ寝るかぁ」と犬と一緒に寝室へ行く。ケージはあけっぱなしで俺たちはベッドに入り犬の名前を呼ぶ。
ところがこの犬、俺たちがベッドの上でポンポンすると一応はお愛想で乗って来るのだが、やがて「そろそろいいかい?」とベッドの下に降りてその場で寝そべる。もしかして前の飼い主に躾けられた習慣なのか、そもそも床に広々と寝そべりたいのかはわからない。とりあえずベッドの上で寛ごうとはしないのである。ただ、ケージの中ではなくベッドの下と言うあたり俺たちの傍にいたいと言う意志は感じられたので、なるほどこの犬は定位置をここに決めたのだと納得することとした。
俺の嫁は朝から昼までの間パートに出てる。だからその朝も6時前くらいに目覚ましが鳴るわけだが、俺がぼんやりと目を開けると、犬が昨晩は居心地悪そうにしてたベッドに飛び乗ってきた。そして俺と嫁の顔に交互に鼻をつんつんしながらせわしなくモゾモゾしている。ぺろぺろではない。鼻でつんつんである。嫁が寝ぼけながらも「おふとんはいりたいの?ん?」と布団をめくると「そうじゃない!俺は朝だから起こしにきたんだ!」と言いたげにモゾモゾしている。なんとこの犬は俺たちを起こそうとしたのだ。トライアルのときも目覚ましは当然毎朝鳴っていたがそのときに犬はケージの中で尻尾を振ってるだけだった。しかし昨日からうちの子になったこの犬は、この家の一員としておそらくは重要であろう仕事を見つけ、初仕事をしようとしていたのだ。「起きろ!朝だよ!」と。そうだ。起こしてくれてありがとう。
嫁が仕事に出て数時間後俺も出勤し、さらに数時間後に嫁が帰宅する。そうすると毎日およそ3時間程度この家は犬が留守番することになる。一応引っ張り出されたり壊されたりされて困るものはしまってあるが、とりあえず嫁が帰宅するといつも玄関で座って尻尾振っていて、部屋の中も特に変化がないのだが留守番中の犬がいったい何をして過ごしているのか興味は尽きず、協議の結果「防犯のために必要だからな」「居間と玄関と台所用に3台ね」と言う話になり、事前に中村玉緒似の大家さんから「ワンちゃん何してるか気になるわよねえ!どぼぼぼぼぼ」と笑顔で許可を頂き3台の防犯カメラを購入することにした。VPN接続の工賃も含めて結構な金額となったが防犯のためには致し方ない。
俺が出かけると犬はしばらく玄関に座っている。やがて居間に来ると窓辺に座っている。予想したほど家の中を動き回らない。そしてソファに飛び乗ると長々と寝そべっている。ときおり思い出したように台所に来て、ごみ入れ(フタはしてある)の匂いをくんくん嗅いでまたソファに戻って長々と寝そべる。思ったより面白くない。ようするにちゃんと留守番している良い子なのだうちの犬は。一番面白かったのは昼に帰宅した嫁がやきそばにマヨネーズかけていた所だった。
嫁の実家に行く日、当然のことながら犬も連れて行くことを決めていた。考えてみたらこの犬を車に乗せたのは、トライアルで連れてきたとき以来かもしれない。そのときはトランクにケージごと入れていたのだが、今回は後部座席に座らせた。車が動き始めるとシートの間から首を出して何やら興味深そうに前を見ている。すると嫁がどっこいしょと犬を助手席の自分の膝に乗せた。俺の嫁は小柄なので膝に乗せたと言うよりは自分が犬の下敷きになってるっぽい体勢だ。嫁は右腕にリードをぐるぐる巻きにすると助手席の窓を少しだけ開けた。外から入る風を感じると犬は注意深くではあるがひょいっと窓から顔を出す。
「あぶないからリード離すなよ!ウィンドーのスイッチ気をつけろよ!」「わぁかってるから黙って運転しなさい!」と言い合う飼い主たちを意に介さず犬は顔を進行方向に向ける。どれほど自分が早く走っても決して感じない初めてのスピード、そして風圧。「うぉ!なんだなんだ!早いぞ!俺走ってないのに!うぉぉぉぉ!」と言いたげに犬は嫁の膝の上に立ち上がり尻尾をぶんぶん振りながら上機嫌で前を見てる。やがて信号待ちで止まると不思議そうな顔をして車内に首を引っ込める。隣の車のカップルがうちの犬をニコニコしながら見ている。可愛いだろ?可愛いだけじゃなくて賢いんだぞ?と俺は心の中で鼻高々である。嫁もである。
再び車が動き出すと、今度はためらうことなくまた首を出す。風圧で開けっ放しの口の中が乾いたのか、思い出したように口を閉じて舌なめずりをする。なお途中で運転代わってくれと嫁に頼んだが却下された。高速に乗るときにさすがに窓を閉めて犬を引っ込めると「鼻が冷たくなってる!!」と嫁が笑う。俺は運転しているのでその感触を味わうことができなかった。嫁の実家に着いた頃には俺の車の左側ガラスにファイヤーパターンのように犬のよだれが付いていた。
帰宅するとき助手席のドアを開けてシートを前に倒して犬を促すと、一瞬入ろうとして止まっては「え?後ろ?どうしても?さっきのはなし?なんで?」とこっちを見上げて「こっちかぁ。どうしても?ダメ?」という顔をするのを繰り返している。なんて賢い犬なのだろう、たった一回車に乗っただけで窓の外を眺めることを覚えたのだ。いやしかし毎回そんなことを当たり前にさせるわけにもいかないので後部座席に入れた。まず後部座席に座るのを当たり前にして、車が動き始めたら初めてシートの隙間から首を出すというプロセスを覚えさせるのが良い。そう判断してのことだ。