はてなキーワード: やわらちゃんとは
小学生のころ、のぶながという友達がいた。
そいつのことについて勝手に書こうかなとおもう。
ちょっと小太りな男子だった。
そのテストには、3回挑戦できる代わりに、必ず満点を取ることが要求された。
出題された漢字を1日1ページ。約40ページ埋めて提出すること。
なかなか凶悪な宿題だった。
のぶながはそのテストに落ちた。
3人くらいしかその時落ちなかったが、このときはまだ
のぶなががあんな面白いことになるなんて、思いもしなかったよ
夏休みが終わった。
みんなが夏休みの工作とかを持って元気に登校してくる。
のぶながもやってきた。いつもの半ズボンで。
朝の会を終えて、担任がいよいよ
と言った。
結果、3人中やってきたのは1人だけだった。
のぶながもノートを持ってこなかったようだ。
忘れてきた2人は起立させられた。
担任は若干切れ気味で、「やってきてるんか?ノート忘れただけなんか?」
と凄んでいた。
今考えると、この担任も少しおかしな男だった。
男子からはキャッチボールの相手してくれたり一緒にドッチボールしてくれたりで、
けっこう人気があったが、お気に入りの女子をよく膝の上に乗っけていたり
セクハラっぽい言動もちらほらだった。
この前久々に地元に帰ったら、生徒に手を出したが断られたことに逆切れして
相手の親の車をめちゃめちゃにしたとのことで、逮捕されてた。。
この日はまだ初日ということで、つるし上げも10分も経たないうちに解かれ
2人は席に座ることができた。
2日目、3日目とプレッシャーがかかるうち、
のぶながじゃない方のやつも、ノートを持ってきた。
明らかに徹夜して書いたっぽい、目にクマができている。
のぶながは、まだ持ってきていなかった。
4日目、のぶながはまたノートをもって来なかった。
担任は、ぶちぎれた。
「やってあんのか?え?おい!」
宿題のカツアゲだ。
「やってあります」
のぶながはこの4日間、一貫してこの言葉を発し続けていた。
もともの口数の少ない、ただの小太りな男だったが、
凛とした表情で、繰り返していた。
「やってあります」
その言葉に、担任も3日は我慢できたのだが
4日目で限界が来たのだろう。
ぶちぎれ具合が半端じゃなかった。
「お前、やってへんねやろ!?おい!!」
起立したのぶながを、なぜか教室の隅に追い詰める担任。
のぶながを教室の隅のピアノのところまで、追い詰めた担任は
両手を振り上げると、のぶながの顔を両側からビンタした。
ビンタしたというか、ものすごい音を響かせながら挟み込んだというべきか。
のぶながの鼻から相当な勢いで鼻血がでてきた。
完全に静まり返った教室の中で、ぽたぽたと鼻血を出し続けるのぶなが。
担任は鼻血だらだらののぶながにティッシュを渡すと一言、
「とってこい」
のぶながはノートを取りに帰らされた。
絶対やってあるはずないのに。
そして、通常とおり1時間目の授業が開始された。。
2時間目の授業が始まる前に、担任は少しおかしなことを言い出した。
「のぶながが宿題やってあると思う人、手挙げて」
誰も、あげなかった。
「な、やっぱりそう思うだろ?」
こいつ、何がしたいんだろう。
家までは歩いて20分もないはずだから、明らかにおかしかった。
少し焦る担任。
同級生を数人連れて、車で捜索にでかけた。
のぶながは、家に帰れず、周りをうろうろしているところを保護された。
同級生と一緒に車に乗って帰ってきたw
この日は担任がちょっとびびってしまったらしく、
宿題は明日で良いから、ということになった。
5日目の朝。
教室は、のぶながの話題で持ち切りだった。
今日こそノート持ってくるのか、持って来てなかった場合何が起こるんだろう。
というか、担任の怒鳴り声を毎朝聞くのは最悪な気分だったので
早く終わって欲しいという声が大半だった。
担任が教室に入り、朝の会が始まる。
「おい、今日は持ってきてるやろな?」
のぶながは平然と言い放った。
「すいません、わすれました」
した、を言い終わるかどうかの内に
担任はのぶながに内股を決めていた。
確実に一本だった。
「とってこい」
のぶながは廊下に追い出された。
実は4日目に車で帰ってきたときに、ノートはおばあちゃんの家に忘れていて、
夜持ってきてくれるみたいな話をしたらしいのだ。
だから、また取りに行かされた。
そして、1時間目の授業が始まった。。
2時間目が終わっても、3時間目が終わっても、のぶながは帰って来なかった。
しかし5時間目に担任は一人で帰ってきた。
帰りの通学路にも、昨日見つかった団地の外周にも、のぶながはいなかったらしい。
のぶながは行方不明になった。
6時間目の授業も終わり、放課後になっても、以前消息は不明のまま。
帰り道にみんなでのぶながの居そうな場所に寄ってみたが、見つからず。
担任も結構焦っていたような気がする。
自業自得なのにw
一方クラスのみんなは、そんなに心配していなかった。
というか、毎朝のやり取りが面白過ぎたため、他クラスまで巻き込んで
ものすごい話題になっており、ついに失踪したことで
のぶながついにやっちまったw という感じだった。
陽の落ちた頃、担任は、警察に捜索願を出した。
夜中も警察と担任と、のぶながの親でいろいろ探していたみたいだが
翌日の朝学校に着くと、まだ見つかっていないらしいということだった。
担任は明らかに疲れている表情だったが、1時間目の授業を始めた。。
3時間目の中ごろ、いつも昼時のチャイムを鳴らす有線放送から、役場の広報が入った。
いつもは、地域の人の訃報とかが流れてくるやつだ。
でもこんな時間になぜ?
いまでも覚えている、とてもお茶目な放送だった。
○○小学校の、○○のぶなが君が、現在行方不明となっています。
黄色い半ズボンを履いた、やや太目の男の子をお見かけになった方は
○○町役場までご連絡ください。
繰り返します。。」
クラスは爆笑に包まれた。
有線放送の甲斐なく、その日ものぶながは見つからなかった。
しかし、その翌日にのぶながは意外とあっさり捕獲された。
なぜか親戚に発見されたのだったw
警察に事情を聞かれたりして、のぶながはその次の日に帰ってきた。
しばらくの間、みんなのヒーローだった。
学校を追い出されたのぶながは、やっぱり家に帰れなかったらしい。
そして、隣の町までぷらぷら歩いて行ったとのこと。
隣の町には大きな古本屋があり、そこでやわらちゃんを全巻読破。
その後、近くのスーパーで晩御飯のかわりにソーセージ(魚肉)を買ったらしい。
ラブホテルしかなくて、のぶながは、近鉄の高架下で一晩明かすことにした。
そして、高架下で、ダンボールを敷いて眠ろうとしたところ、
犬が近づいてきたらしい。ソーセージはその時取られたと言ってました。
そして次の日の朝、親戚に見つかり保護される。。
いろいろお騒がせな奴で、他にもいろいろな事件を起こしていましたが