はてなキーワード: 高須クリニックとは
■北村紗衣先生はオープンレター署名水増し疑惑の話題を把握している?
古谷経衡が「オープンレターに賛同した覚えも無いのに、勝手に署名人の一人として自分の名前が使われている」とツイートしている。これを把握しているならば、北村紗衣先生はExcel作業を中断してでも事実関係を説明して欲しい。
呉座は批判されて当然だと思うが、それとこれとは別問題である。だから、北村紗衣先生は可能な限り説明責任を果たして欲しい。
自分は、北村紗衣先生と仲間のことを、高須クリニックの人と同レベルと思いたくない。
オープンレターに記された「誰もが参加できる自由な言論空間を作っていきましょう。」の言葉を紛い物にしないで欲しい。
>のブコメ:既に法曹関係者が動いている事案に、よくイッチョカミする気になったな、って思いました。
元々のオープンレターが発起人たちによって、その内容を広く周知して議論するべきものとして発表されたのだから、それを読んだ一般人が何らかの考えを述べるのは当たり前のことです。まるで、オープンレターの話題を周知されたら困るかのようなコメントですね。
>のブコメ:泣いていて精神的に不安定なら他の16人が対応すべきだと思う
そう思います。しかし、元々のオープンレターが、最終的な文責が誰にあるのか不明確な書き方ので、名前を連ねた人たちに当事者意識が無いのかもしれません。
追記その2
オープンレターの発起人の氏名は「あいうえお順」に並べてあります。それとは対照的に賛同者の氏名は、五十音・アルファベットの何れでもない、バラバラの状態で並べてあります。この違いには、何らかの合理的な理由が有るのでしょうか?バラバラの配列では、賛同者の氏名が何処にあるのかを確認し難いと思います。これでは古谷経衡も彼自身の名前が有るのに気づかなくても、不思議ではありません。
追記その3
2022/01/18現在の北村紗衣先生は「単なるイタズラにそれ以上何の説明が要るのかよくわかりませんけど、現在、名簿ファイルを管理している方々が対処してくださっているところですよ。」と仰っているようです。オープンレターに賛同する方々の氏名を列挙したのは「これだけ多くの人が賛同していることから分かるように、自分たちの主張には妥当性・正当性がある」とアピールする狙いがあったはずです。本人の身に覚えの無い賛同者の署名が偽物によるイタズラだとするならば、真っ先に非難されるべきなのが犯人なのは確かですが、きちんと確認・検証をせずに氏名を掲載・公表をしていた管理者の管理責任が問われる/批判されるのは当然です。
2022-01-18
■さんへの公開質問
北村紗衣先生のオープンレターに対する賛同者として、著名人になりすました偽物が署名していた件について文章を増田に投稿したところ、さんが次のようなブコメをなさいましたので引用します。
「既に法曹関係者が動いている事案に、よくイッチョカミする気になったな、って思いました // 内情を知らずに口を挟むと名誉毀損になりかねないので、直接の関係者でもなければ「黙っておく」一択かと存じますが。」(元の増田anond:20220117210112に付けられたブコメです。)
(1) あなたが女性差別問題に対してブコメなさった時(あなたが常日頃から女性差別問題についてブコメをしてらっしゃることは、自分も存じておりますし、それらの多くは御尤もだと思うことが度々あります)、他の誰かから「直接の関係者でもなければ『黙っておく』一択かと」と言われたら、あなたは黙ってその言葉に従いますか?
(2) 私は、自分が「これは変だ/おかしい」と思った問題に対して「弁えない」「沈黙しない」「疑問を投げ掛ける」ことこそ、フェミニズムが「大切なこと」として主張し続けてきたことだと思います。違いますか?
(3) あなたの「弁えろ」「黙った方が身のためだ」という旨のブコメは、あなたの日頃の姿勢との整合性が有るとご自分ではお考えですか?
(4) 北村紗衣先生には事実関係を説明して欲しいと書いたことが名誉毀損になるとしたら、それは何故ですか?
2022-01-19
■北村紗衣先生とオープンレター偽署名事件・途中経過※追記有り
北村紗衣先生及びオープンレター発起人は、2022/01/19現在、誰も古谷経衡に対しての謝罪をしていないようです。
(1) まず北村紗衣先生の昨日2022/01/18のツイートから引用します。
「名簿を管理している人たちで相談して、削除後にツイート等でお詫びを出そうという話をしてたとこですが。あと「誰かを責める前に」って、処理中なのにまるで故意に悪いことをしたかのようにほのめかしてくる人に反論して悪いわけはないと思いますけど。」
「なんでツイッターとかネットで見られないものは全部存在しないみたいに思ってるのかな、この人たち。昨日の夜遅くにイタズラ署名の件に気付いてから、差出人でずっと対応とかおわびとかを協議して処理してます。」
(2) 次に、古谷経衡の今日2022/01/19のツイートから引用します。
「今に至るまで無いです[※引用者注:オープンレター関係者から謝罪などの連絡はあったのか?という質問に対する回答]。というかオープンレターの首謀者がだれなのかもわからず、訴状の送達もできません。」
「オープンレターで私の名前が無断使用された件、無断使用した人間の氏名が判明すれば、千葉地裁で民事訴訟(損害賠償請求)を行います。なにせ私の名誉に対して、および私の政治的中立性毀損という看過できない問題ですから。去年の4月からずっと掲載されていたとかありえないですから。」
北村紗衣先生の発言は、どうやら事実と異なるようですね。オープンレター発起人の誰かが、北村紗衣先生に対して「きちんと対応しているから」と嘘を吐いていて、北村紗衣先生は騙されているだけの被害者なのかもしれませんが、確認はした方が良いと思います。
基本的なことですが、オープンレター賛同者の中に有る"古谷経衡"を名乗る偽署名が、偽者による成りすまし行為だとしたら、その偽者が一番に非難されるべきです。これは当然の話です。
しかし、古谷経衡から見れば、オープンレター関係者もまた「確認・管理を怠った過失による加害者」です。呉座に酷いことをされた被害者であることは、古谷経衡に対して誠意ある対応をしないことの理由にはなりえません。
北村紗衣先生及びオープンレター発起人は、当事者意識と責任感に欠けていると言われても仕方が無いと思います。
さんのブコメ(書換前)「オープンレターの内容を踏まえると、ありうべき対応としては「無断で名前を使われたのは遺憾だが、趣旨には賛同する」と表明する程度か。そして揉めれば揉めるほど、呉座勇一のアカデミア復帰は遠のいていくわけで」
さんのブコメ(書換後)「オープンレターの内容を踏まえれば、「無断で名前を使われたのは遺憾だが、趣旨には賛同する」以外の対応だと、別の問題を招きかねないのでは。そして揉めれば揉めるほど、呉座勇一の社会復帰は遠のいていくわけで。 」
このさんの"忠告"(書換で変化していない所である『そして揉めれば揉めるほど、呉座勇一の社会復帰は遠のいていくわけで。』に肝が有るのは明白です)こそ、これまでフェミニズムが批判してきた「騒ぎ立てるのは君のためにならないよ?」という、アドバイスの形式を取って「弁えろ。口を噤め」と、違和感を表明する者の声を抑圧する手法だと思います。
ところでさんの忠告は、私の目的が呉座のアカデミア復帰でなければ無意味だと思います。
追記その2
2022/01/20、さらに3人目の「署名した覚えが無いのに、名前を使われた人」が発覚しました(ノンフィクション作家・高野秀行)。
少年漫画に出てくる女性キャラが胸の大きさでコンプレックスを抱く描写とか、よく叩かれてるけれど個人的には心底どうでもいいとしか思えないので
フェミニストの人達がなんでそんなに叩くのかよく分からないんだよな
確かに現実の女は胸の大きさとか殆ど気にしないのでリアルじゃないしこんな女いねーよとは思うが、ただそれだけ。
現実では気にしてないので別にどうでもいい。異世界ファンタジーと同じような感覚で見てる。
リアルで若い女性や少女が拘りまくっているような、目の大きさや顔の小ささでコンプレックス感じている事柄をそのまま反映される方が地獄じゃない?
今の時代の若い女性が涙袋だの口ゴボだの人中だのと次々拘って相互に首を締め合うルッキズムの抑圧ってほんと酷いと思うが
フェミニストの人達も「小顔」ブームや二重整形当たり前の世の中には何故か全く文句を言わないのは一体どうしてなんだろう
件のオープンレターのページに、他人に氏名を勝手に使われた場合は削除対応する旨が記載されています。
https://sites.google.com/view/againstm/home
また主催者(と思われる)KOMIYA Tomone氏は、上記ページへの案内と、他人の氏名を勝手に使って署名することへの抗議をツイートしています。
https://twitter.com/frroots/status/1483741646277599235
少なくとも後者のツイートはanond:20220119201838の公開より早い、2022/01/19 19:02に成されています。
オープンレター関係者は北村氏のツイート通り悪戯署名について対処しているので
北村紗衣先生の発言は、どうやら事実と異なるようですね。オープンレター発起人の誰かが、北村紗衣先生に対して「きちんと対応しているから」と嘘を吐いていて、北村紗衣先生は騙されているだけの被害者なのかもしれませんが、確認はした方が良いと思います。
この部分は事実誤認・嘘です。
直近でWeb署名というと、某Vtuber関連の抗議署名が連想されます。7万もの署名が集まったそうです。
https://www.change.org/p/全国フェミニスト議員連盟宛抗議と公開質問状
こちらの署名を基にフェミニスト議連に対して抗議が行われ、ニュースでも、はてなでも話題になっていました。覚えている方も多いと思います。
こちらもオープンレターと同種のWeb署名ですが、7万の署名すべてが真正か、といったことははてなでは全く問題とされていませんでしたし、あなたも特段批判していなかったはずです。
Web署名はその性質上、誰でも偽名や他人の名前で何度も署名できてしまいます。従って、Web署名に真正性を求めるほうがナンセンスと考えます。
もし悪質な形で他人に名前を騙られた場合は、プロバイダへ発信者情報開示請求のうえ、騙られた当事者と騙った当事者とで法的な手続きを踏めばよいのであって、署名の主催者に責任を求める理路が不明です。
前述の通り、不正に名前を騙られた場合は名前を削除する旨を主催者?のKOMIYA氏も表明しているので、対応としてはそれで十分です。
【質問2】上記を踏まえた上で、主催者側の対応に不備があると思いますか?あるとして、どういった不備ですか?また、その根拠(法律上の義務を怠っているなど)は何ですか?
【質問3】本件に限らず、Web署名で真正性を担保することは不可能に近い困難が伴いますが、主催者側はどういった対処をすべきと考えますか?
【質問4】『オープンレター関係者もまた「確認・管理を怠った過失による加害者」』とのことですが、意味がわかりません。Web署名中に悪戯で署名した人が1人でもいると、当該Web署名発起人に重過失が認められ、加害者として刑事罰ないし民事上の責任が発生するということですか?
「高須クリニックの人と同レベル」というのは、リコールの署名を水増しする目的で多数のアルバイトを用いて署名を偽造し地方自治法違反での逮捕者を出した愛知県知事リコール不正署名事件を指していると推察します。
誰でも自由に署名できるWebサイトで(おそらく第三者の悪質な悪戯で)他人の名前を騙って署名した人が数名いたという問題と、運営側がアルバイトを動員して不正署名を主体的に行い、結果逮捕に至った愛知県知事リコール不正署名事件とを同一視するのは、余りにも粗雑な論だと思います。
【質問5】上記引用箇所は「"北村紗衣先生と仲間"は、愛知県知事リコール不正署名事件と同様に、悪意を持ってアルバイトなどを動員して不正に署名を水増しした。何らかの罪に問われるはずだ」という意味ですか?違うとして、どのような意味ですか?
男性が常に強者で勝者であるとするならば、あの真夏なのにエアコンなんてものはなく巨大扇風機が生ぬるい風をだらだらと放出し続ける倉庫で、全員時給1000円で集められた日雇いの現場で、女性にはビールの段ボールにベルトコンベアの上で景品を貼り付ける仕事があてがわれ、男性にはびろんびろんに伸びきったまさに言い訳程度のコルセットと安全靴を装着させた上で、ビール350mlが2ダース入った段ボールを上げ下げする仕事があてがわれた思い出はどう処理すればいいんですかね(挨拶)。
むろんこの場合女性を憎む……のではなく、日雇いという弱者同士で連帯してそこでボーッと突っ立ってる監視役の倉庫社員をぶん殴る……のでもなく、倉庫社員とも連帯してサントリーを誅して社会主義革命を起こすのが唯一の正解であることは皆さん御存知の通りである。
さて、この増田では2009年に出版された澁谷知美『平成オトコ塾―悩める男子のための全6章』の内容を紹介する。澁谷は上野千鶴子ゼミの出身であるようだが、いわゆる「フェミニズム」的なテーマではなく、『日本の童貞』『立身出世と下半身』などを出版している、個人的に信用している書き手である。
目次は次の通り。
第1章 その「男の友情」は役に立つか?
第2章 「僕がキミを守る!」と思ってる?
第5章 包茎手術はすべきか否か
2009年の本で、いま論じられているテーマの大体が既に出ていることに驚くだろう。我々は弱者男性問題それ自体だけでなく、議論が12年でほとんど進んでいないこともまた嘆くべきだろう。というかこういう話になると非モテ論壇とか言って侃々諤々やってたのが昔のはてななんだよな今の新参は昔のはてなを知らないから困る。失われた10年……。
それはともかく正直、456章はそれまでの言ってきたことと関連性が薄く、また前の章ほど爆発的に面白いわけでもないので、言いたいことはわかるのだがこの本にいるか?という感じはする。なので、とりあえず3章から見ていくことにする。
3章の冒頭でいきなり研究者としての特大のお気持ちがドロップされていて面白いので少し長くなるが引用しておこう。
ヘテロ男性の非モテ現象だけを扱うというと、必ず来るのが「ヘテロ女性の非モテの方が、あまり苦しみが言語化されないだけに問題が多い。なのに、なぜあなたはヘテロ男性の非モテを扱うのか」という反応です。世の中には、Aという現象を扱う人に対して「A以外も扱え」と指摘することがエライのだ、これこそ目配りというものだ、と思う方が多数存在するみたいで、かなりの確率で前述のような発言に出会います。
が、そういう発言は魚屋に対して野菜を売れと主張するに等しい。非モテ女子の話がそんなに重要なら、重要と思う人がすればいい〔澁谷注:私もいつかはしたいと思っていますが、「非モテ女の話の方が重要だ!」って言う人はどうぞお先に。止めませんよ。〕。それに、その手の話が見当たらないということは、苦しみがそれだけ大きいことを表しているのかもしれませんが、苦しみの不在を端的に表しているだけかもしれません。有力な傍証でもないかぎり、言語化されていないということから苦しみの有無を推定することはできないという、当たり前の事実も指摘しておきます。(p.75-76)
「女性の問題を扱え」といちゃもんつけられたことが一度や二度ではないのであろうことが怨念の籠もった書きぶりからわかる。まあ、それは12年後のネットを見ていてもよくわかるところで。
男性について語れば女性の方がつらいから女性について語れと言われ、女性について語れば男性の方がつらいから男性について語れと言われる。もういい加減そういう「やってる感」を出すための100字ですら余るようないちゃもんはやめにしませんか。お前がやれ。俺もそいつもやったのだから。
澁谷は非モテを3種類に分類する。
a-1 性的存在としての異性との関係性を欲しているタイプ(セックスをしたい、「女性」の存在に癒されたい)
a-2 とにかく他者承認を欲しているタイプ(オレを認めてほしい!)
「恋愛」を押しつけてくる世間や、いま現在「恋愛」と呼ばれている行為の中身や、それを統制するルール等々に違和を感じているタイプ(p.90)
この分類に対して何か意見を言うことは誰にとっても容易であり、それは分類表の絶えざる細分化を招くだろう。むろんその行き着く先は完全に無意味な、総人口分のパターンである。だから、ここでは非モテ男性に最低でも三種類ある、という点を強調しておくことが必要だろう。
男で、かつ非モテ、という狭く見えるテーマに絞っても最低これだけのバリエーションがある。そのことを非モテ男性当人達ですら大抵わかっていない。aのタイプの非モテ男性が「今すぐ女をあてがうべき」とまでは言わなくても「女をあてがってくれると嬉しいのは確か」ぐらいに思うことは自然であるが、bのタイプの非モテ男性から見ればまったく話が合わず、「非モテの中でも過激な野蛮人」と感じられることだろう。それをきっとaは「すかした奴だ」とか「きれい事を言っている」とか感じるだろう。まして女性が受け手の場合はさらに混乱が深まるだろう(男女の非対称性については後で論じる)。
澁谷は当時の主流であった「経済的問題が解決すれば結婚は増える」「機会をつくれば結婚は増える」といった主張を論駁し、「フリーター論壇」が経済について述べたフレームワークを非モテの問題にスライドさせることを試みている。その過程で澁谷は「あてがえ論」について、2009年の時点ですでに考察している。
非モテ問題の場合、これ〔若年労働者問題におけるベーシックインカム〕を「ベーシック異性」によって解決する発想がありえます。女性をもれなく男性に分配する制度です。(p.95)
澁谷はこの論が全くの荒唐無稽でないことを、19世紀半ばの宗教的コミュニティ、オナイダコミュニティを例に挙げ示すが、結局現代においては不可能であろうと言う。
当然のことながらこれを現代日本でやることは不可能です。「分配」される側の女性の中には、どうしても相手のことが好きになれない人が出てくるでしょうし、男性とつがいになりたくない人だって居ることでしょう。そうした女性に男性との共同生活やセックスを強要するのは、現代日本の常識においては、「人権侵害」となります。
もちろん、男性にとっても全く同じことが言えます。あなた好みの女性があなたのもとに「分配」される保証はありません。〔…〕「なんであいつには美人が来て、おれのとこにはそうでないのが来るんだ!」なんていう新手の「格差問題」も生じるかもしれません。(p.97)
この「格差問題」という未来予測は面白い。「チェンジ」なんて贅沢は、限られた資源(女性)をやりくりしないといけない政府が許すはずもない。チェンジOKをうたう風俗でも2回目以降は有料だったりするのだから。
個人的にはこの例示こそ「あてがえ論」に対する何よりのカウンターであると感じる。仮に「あてがえ」とガチに主張する人がいたとして、その人に人権を説いても馬の耳に念仏だろうが、こっちの懸念は聞いてくれるような気がするのである。
澁谷は続いて、経済問題における社会保障にあたるものとして、思想的セーフティーネットの構築を提唱する。まあそれ自体は正しいと思うのだが、本田透『電波男』における主張ほど面白いものではないのでここでは省略する。『電波男』を読め。
暴力的だったり、女性にたいして思いやりがない場合をのぞき、ある男性が女性から選ばれないのは、その男性のせいではありません。女性にとっての「よき男性像」が特定の偏り――収入と学歴が一定以上あり、ある水準以上のルックスをしていて、会話が続く――を見せている限り、そこに当てはまらない人や当てはまろうとしてもできない人が出てくるのは当然のこと。それは、男性陣が特定の偏りを持った「よき女性像」を持っており、そこに当てはまらない女性(非モテ女性)が出てくるのと同じことです。(p.100)
おそらくこの記述で多少救われる人もいるに違いない。KKOは来世に期待するしかないが、それはあなたのせいではない。
ただここで考えたいのは、「暴力的だったり、女性に対して思いやりがない場合」をしれっと除外している点である。そんな男でも「女をあてがわれた」のがかつての日本社会であったことは、澁谷も指摘している。
とはいえ、ちょっと脇道にそれますと、「分配」の方法は問わずに「男性にもれなく女性がくっついた」という現象だけを切り取ってみれば、それに近いものを一九五〇~六〇年代の日本に見出すことができます。当時の男性の生涯未婚率(五〇歳時点で一度も結婚したことのない人の割合)はわずか一%台でした。九八%の男性が一度は結婚したことがある、つまり女性を「分配」されたことがあったのです。
何故これだけ広範囲の「女性の分配」が可能になったのか。「男女とも結婚して一人前」という社会規範が強かったこともありますが、なにより男女の経済格差が今以上に大きかったことが上げられます。
この時代、一部の職種を除いて、女性が一生続けられるような仕事はありませんでした。有名企業に就職できたとしても、当時は、女性にのみ適用される「三〇歳定年制度」によって追い出されてしまったのです。一方、男性には安定した仕事がありました。給料は毎年上がり、先の見通しも明るい、なんといっても高度成長の時代です。(p.97-98)
ちなみに本書では2005年の男性生涯未婚率15.4%という数字を引いているが、2020年には23.4%になっているらしい。
それに加えて、上で述べた加害性が必ずしも本人の責任ではないということも、90年代以降の精神医学や社会学が明らかにしてきたのではなかったか。
とすれば、KKOのみならず、KKKO(キモくて金が無くて加害性があるおっさん)もまた、必ずしも本人のせいとばかりはいえず、社会に包摂すべき、という話になってくるかもしれない。その際には「ラベリング」「過剰包摂」など、社会学が障害者やホームレスなどについて積み上げてきた知見を生かすことができるだろう。というか、福祉の現場の人たちはいまもKKOだけでなくKKKOも社会の内側へと復帰させるべく頑張っているのではないか。
なぜ、おっさんが問題なのだろうか。あるいはより学術的な言い方をするならば、非モテはなぜ男性の問題になるのか。本書はその問いに直接的に答えてはいないが、ヒントは与えてくれる。以下は1章のはじめの方の記述である。
皆さんは、なーんか気分が晴れない、ってことありませんか? あるいは、漠然とした不安があるとか。原因不明の体のだるさがあるとか。そういった不快な状態、つまり精神的に健康で無い状態を「ディストレス」といいます。そのディストレスが、独身男性と既婚男性とで、どちらが高いかを測った調査があります。〔…〕結果は〔…〕二八歳から七八歳まで、どの年齢層においても既婚男性のディストレスのほうが低かったのです(稲葉昭英「配偶関係と精神的健康」『日本の男性の心理学』二〇〇八)。男性にとって、そばに異性(=妻)がいる人生は、いない人の人生にくらべて、ハッピーなようです。(p.15)
澁谷はディストレスと妻帯のどちらが原因でどちらが結果かはこの調査からは分からないと述べるが、続いて妻に感情を見せることによって、夫が精神的に健康になっていくことを示す調査を引用し、「つまり女性と一緒に暮らすことがディストレスを低くすると考えるのは、間違っていないようです」と一旦の結論を置く。そして次のように続ける。
ならば、男性は女性から精神的なケアを引き出している、といえる。「女性だって同じことでは?」という反論に答えておくと、女性は独身か既婚かでディストレスに大きな差はありませんでした。〔…〕統計的な傾向でいえば、男性の精神的健康に女性の存在は欠かせないが、その逆はない、ということです。(p.16)
この下りはまったく読んだ記憶がなく、今回読み返して一番驚いた部分である。増田の実感としては「男がいないと鬱病になって死にそうな女」はよくいるが、その逆はあまりいない印象であるが、それはどうやら必ずしも正しくないようである(むろん男がいる=結婚ではないとか、ディストレスが高い=鬱病になって死ぬではないとか、そもそも元の調査やその読解がどうなのか、とかは考えなければいけないだろうがそれはそれである)。
上の論述は、女性(強者弱者フェミニスト非フェミニストを問わず)による「女に頼らずに男同士の友情で満足すればいいじゃん(私であればそれで満足するのに)」という主張が、必ずしも的を射ているとは言えない可能性を示唆している。もちろん逆もしかりで、「男性と夫婦になれば女性だって幸せになるはずだ(俺のように)」という男性の主張が間違っている可能性も同時に発生している。
ここに性にまつわる問題の隠れた難しさがある。「相手の気持ちになって考える」ことと「相手の気持ちになって考えたつもり」を区別することは、専門家であっても難しい。さらに加えて、先に述べた非モテ男性の三分類といった差異も隠れている。とにかく、話題への参入障壁が低い(男もしくは女であれば誰でも一家言持っている)わりに、トラップが多すぎるのである。これが2009年から今に至っても議論が終わらないし前に進んでもいない一因だろう。
こうした非対称性が発生する原因として澁谷は、現在の社会において女性が男性より相手の話をよく聞くように育てられており、それに対して男性は競争的に育てられていることを挙げている。その結果として男性は女性に癒やされているし、女性も女性に癒やされているのだろう。
一応言っておくとここで澁谷や増田は「男性と違って女性は人を癒やすべきだ」とか、まして「男は働いて女は家にいるべきだ」とか主張しているわけではない。ただ、そういう傾向がいまの社会にあるようだ、と言っているだけである。それを望ましいとか望ましくないとか考えるのは社会科学の領分ではない。「〈こうである〉から〈こうであるべし〉を導くことは不可能である」(ウェーバー)。
12年後のいま、澁谷の主張に触れると、多くの部分はそのまま現在に流用可能であると感じる。しかし、目配りが足りていない部分もある。おそらく澁谷は包茎手術と高須クリニックの関係よりも、男性における経済的問題について語るべきであっただろう。「女はホームレスにならなくて済むからいいよな」「いや危険だから女はホームレスになれないのだ」「それでも事実として死ぬでもホームレスになるでもない選択肢がある女は恵まれている」云々のあれである。むろんそれは今だから言えることであるのだが。
それでも増田が望んでしまうのは、そうした議論が両者ともにマジでクソだと考えるためである。ホームレスと実地で接しろとは言わないからせめて、ホームレスに女性は本当に少ないのか、少ないだとすればホームレスになるはずの女性はどこへ言っているのか、それはほんとうに「恵まれている」といえるのか、といった事実についての認識は両陣営ともに共有すべきであるし、その時点で認識に差異があるならどの点で異なるのかを明らかにすべきである。
そうした仕事を澁谷が12年前に済ませてくれていたら、と思う。思うのだが仕方ないことなので、現在を生きる我々がやるしかあるまい。というところまでは澁谷の背中に乗って増田が到達させたので、ここから先はお前の仕事だ。頑張ってください。たまに手伝いに行くかもしれない。
===
(追記)
バズったので宣伝します。狐火という、この記事や通念における弱者男性というカテゴリーからはみ出す部分はありながら、それでも弱者男性であることを納得せざるを得ないリリックを10年以上紡ぎ続けているラッパーがいます。売れろ!
https://www.youtube.com/watch?v=tmJBGEFXOvU
勇気が欲しい
余裕で頭を下げられる
勇気が欲しい
勇気が欲しい
https://www.youtube.com/watch?v=MRLXZGylQRg
絶対こんなはずじゃなかった
オレこんなはずじゃなかったんだよ
https://www.youtube.com/watch?v=loWcv5VEObM
よく聞かれる
歌えないんじゃないですか?」
https://www.youtube.com/watch?v=z1J8BbnBLyQ
27才までに見ていた夢は全て叶った
https://this.kiji.is/734299117075595264について
(以下、引用等)
旧
https://web.archive.org/web/20210216091351/https://this.kiji.is/734299117075595264
バイトの動員を書面で依頼か
2021/2/16 15:42 (JST)2/16 15:58 (JST)updated
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名問題で、運動を展開した事務局が名古屋市の広告関連会社にアルバイトを募集するよう書面で依頼していたとみられることが16日、関係者への取材で分かった。募集内容などを記した「発注書」が残っているという。アルバイトらは佐賀県内の貸会議室に集められ、署名簿に偽の署名を書き込むなどしていた疑いがある。
関係者によると、アルバイトらは昨年10月、佐賀県内の貸会議室で、用意された名簿の内容を署名簿に書き写すなどの作業に従事した。
運動事務局の田中孝博事務局長は「指示なんてしていない」と関与を否定している。
新
https://this.kiji.is/734299117075595264
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名問題で、偽の署名を署名簿に書き込むアルバイトの募集に関わったとされる名古屋市の広告関連会社が、事務局に運動への協力を持ち掛けていたとみられることが16日、関係者への取材で分かった。運動への参加を呼び掛けるはがきの配布を担った他、アルバイト募集にも関与したという。
関係者によると、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が運動開始を表明した直後の昨年6月、広告関連会社から運動事務局に「協力したい」と連絡があった。運動を支援した名古屋市の河村たかし市長は16日、「ありがたいと受け入れた」と説明した。
(引用等終わり)
以上のように、変更されている。
だって、あのリストは「バカにあっさり扇動されるカモのリスト」に他なりません。
プペルの興行収入が鬼滅の刃を上回るような自体が起こってもおかしくありません。
騙されるような奴らのリストなんです。
詐欺師がよだれを垂らして欲しがる代物だ。
カモれることが確定していて、政治思想、とりわけ右翼方面でヨイショすれば簡単に食いつくバカの集まりってことまで見えてるからな。
こんなものが世の中にばら撒かれちゃならん。
「バカがカモられるだけだから大丈夫でしょ?」って思うかも知れないが、バカをカモって力をつけた詐欺師はそれを元手に次の詐欺の先行投資が出来るようになる。
先行投資先は、次のカモリスト、そこにはもしかしたらボケ始めた君たちの両親が載ることになるかも知れない。
わかるか?
詐欺師が餌にありつく機会をゆうゆうと見過ごしちゃいけねえよ。
院長の判断は正しい。