はてなキーワード: 高地とは
休めるのなら迷わず休むのがポリシーなので喜んで三日ほど休んだ。
さて、どう休もうかと悩んだ。引きこもりはお盆で味わい尽くしたし、
さて、車で二時間ひたすら山を登る。
残暑が厳しいだろうから高地へ行って涼もうと思っていたのだけど、麓も涼しくなっていた。
山を登りきると、そこは涼しい温泉地。どこか浮かれたような雰囲気が漂っていて好き。
ホテルへのチェックインにはまだ時間があったので、スーパーへ寄ってビールとつまみを購入。
口コミサイトにはフロントの対応が最悪と書かれていたが、妙齢のマダムが淡々と手続きをしてくれただけだった。
雰囲気が良ければあまり接客態度は気にしない。チェックインを済ませると部屋へ行った。
事前にわかっていたとは言え畳にベットは味がない。ベットだと布団の上げ下ろしがないからないから安いのか。
まあ、旅館の部屋につきものの「あの部分」があるからいいか。早速「あの部分」の椅子に腰かけくつろぐ。
瞑想くらいしかない。景色は開けているが、山しか見えない。夕食まで時間があるので、温泉に入ることにした。
事前に純粋に温泉を楽しみたい人におススメとあったので、ワクワクしながら温泉に向かう。
ああ確かに、温泉はしっかりしている。酸性度が強いので傷口が痛い。全身で温泉を感じた。
温泉に入ったから、何かが変わるわけでも魔法がかかるわけでもない。ただコンクリートの壁を前にして身体を温泉に浸す。
なんとピュアな温泉体験なんだろう。そうか、温泉っていうのは絶景とか解放感とか
ゆっくり風呂に入ったら、もう夕飯か。夕日を見る間もなく夜になっていた。事前の評判では冷食バイキングと聞いていたが、
実際に得られたモノもそう表現するしかない。宿に泊まっている全員の食事時間が90分しかない
というのが何となく窮屈に感じるけれど、その正体がわかった。コレ寮生活みたいなんですわ。
行列に並ぶことが何よりも嫌いなので、15分ほど遅れていったら部屋に内線電話がかかってきた。
現場に向かうと、部屋番号の指定席。なんかさらされているようで気恥ずかしい。
料理は大しておいしくないが、別に文句を言う理由もない。そんな食事なのに、
ビュッフェスタイルだったから無駄に食べてしまって2泊3日で2kgの大増量。
食事にはお酒がついてきた。あまり食事時に酒を飲むのは好きではない(回るのが早いから)が、
セットでついてきたのだから、ついつい飲んでしまう。欲張りモノは損をする。
酔いが回ってくると、気が大きくなってくる。隣席は同じく独り旅と思われる中年男性が哀愁漂う晩餐を取っていた。
ものすごく、話しかけたくなった。目的もなく一人で来たからやることがないのだ。どうしようか。
どこか観光地について聞こうか、このへんにはおいしいものがあるのか、そんなことも知らずにここにいたから知りたかった。
話しかけるのは簡単なんだ。でも、相手が会話を望んでいないときどうやって終わらせるかがむずかしい。
そういう責任取れない会話は辞めとこう、という気持ちがわいてきたので彼に結局話しかけることはなかった。
食事を終え、部屋に戻ると「あの部分」に腰かけ缶ビールを飲んだ。ああ、なんでこんなことしてんだ。
カーテンを開けると眼下には、昼間には森だった暗闇が広がっていた。何にもねえや。
いよいよアルコールがキツくなってきた。ドキドキと鼓動は早くなり頭はぼーっとする。そして気づく。
ああ、実は酒なんて好きじゃないんだな。
普段酒が好きだと思っていたのは、飲酒で気が大きくなって会話を楽しんでただけだったんだ。
無音の部屋で畳にゴロンと横になり、座布団を二つに折って枕にする。天井の木の模様を観察して、微妙な気分になる。
畳のにおいが心地いい。何も考えない、楽しい訳でもなく悩むわけでもなくただ時間が過ぎていく。
そうやってどれくらいの時間が過ぎたのだろう。酒が抜けてきたので再び温泉に入った。
いつ行っても風呂場がバラバラだけど、大丈夫だったのか。お湯の中で瞑想する。
風呂から上がると、ロビーは消灯していた。ほとんど真っ暗なロビーで放心状態だった青年が一人。
彼は何を思っていたのか。そんな彼を横目に部屋へ戻る。どうも隣室がうるさい。酒盛りだ。
ホテルの入口にXX大学OO部と書いてあったけど、ひょっとしてこいつらか。でも、体育会系のキチガイじみた盛り上がり方でもなかったので、仕方なしと思って布団に入った。その後もドンドンバンバン隣室からは音がしていたが、朝飯の時間は決まっているので彼らもじきに寝たようだった。
朝飯も同じ。何も語ることはない。卵やきをたくさん食べた。部屋に戻るとカーテンを開けた。濃霧で真っ白で視界ゼロだった。ふと、若い時に行った東北旅行で遭遇した吹雪を思い出す。バスの窓はすべて白く染まり、飛行機が遅れて大変だった。吹雪の中にいると、建物の中にいても現実感が失われる。果たしてここはどこか、私はだれか、そんなことを疑いたくなる。次は吹雪が吹く冬に来ようという気持ちになった。
特に何もなかった。でも、何もないって贅沢だな。
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
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00 | 59 | 9710 | 164.6 | 22 |
01 | 82 | 10326 | 125.9 | 50 |
02 | 58 | 9627 | 166.0 | 57.5 |
03 | 34 | 7220 | 212.4 | 37.5 |
04 | 29 | 2736 | 94.3 | 46 |
05 | 15 | 1259 | 83.9 | 33 |
06 | 26 | 3378 | 129.9 | 59.5 |
07 | 26 | 3972 | 152.8 | 40.5 |
08 | 24 | 3060 | 127.5 | 43.5 |
09 | 60 | 5806 | 96.8 | 49.5 |
10 | 153 | 19301 | 126.2 | 54 |
11 | 190 | 17812 | 93.7 | 57 |
12 | 177 | 15862 | 89.6 | 44 |
13 | 197 | 19721 | 100.1 | 46 |
14 | 189 | 14677 | 77.7 | 46 |
15 | 173 | 16369 | 94.6 | 35 |
16 | 152 | 14776 | 97.2 | 49 |
17 | 167 | 16019 | 95.9 | 37 |
18 | 158 | 14771 | 93.5 | 45 |
19 | 99 | 9172 | 92.6 | 38 |
20 | 126 | 16569 | 131.5 | 36.5 |
21 | 116 | 15619 | 134.6 | 33.5 |
22 | 241 | 16950 | 70.3 | 31 |
23 | 207 | 17225 | 83.2 | 37 |
1日 | 2758 | 281937 | 102.2 | 43 |
入道(6), 佐藤浩市(7), 高地(7), ケニア(10), レーフラー(6), ソイレント(6), バーテンダー(7), 落馬(4), スプリガン(3), 短距離走(3), 白馬(7), 上野千鶴子(17), 上野(17), 安楽(11), レイヤー(10), 尊重(47), ルッキズム(12), 三次元(12), あむ(9), バー(14), リツイート(8), 黒人(26), 下方婚(36), コナン(11), 安楽死(11), 非モテ(19), 二次元(23), 精子(13), 人種(21), 息子(24), 若く(14), 弱者(34), エビデンス(13), 白人(13)
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俺は元増田の人種という言葉の使い方がおかしいと言いたいだけで、俺とお前の言いたいことが同じかどうかなんて知ったこっちゃないのだが。
それはともかく「ケニアの高地に居住するマラソン得意部族」が遺伝的集団か、高地という地理的集団か、幼い頃から走りを鍛える文化的集団かというのは、詳しく研究しないと何とも言えない。
だから一時的な高地トレとかの話じゃないだろって言ってんだけど。
「ケニアの高地に居住するマラソン得意部族」は遺伝的集団の話だよね。
俺たちは同じことを主張してるよね。
理解?
え、環境への適応と淘汰は、遺伝ではなく文化的な現象だって言ってるの?
一時的な高地トレとかじゃなくて、そこに長期的に居住してる集団の話だぞ?
いや、元増田はそういう話をしてるよね。
言及されてるけど。
ケニアでもマラソンが強いのは高地に住む特定の部族だけだ、なんて話もあります。
元増田で書いているのは「人種よりも国の影響が大きい」あるいは「もっとローカルな環境の差異が大きい」だけど。
「黒人だから陸上競技に強い」だとあらゆる国のあらゆる黒人が100m走でもマラソンでも強いことになる。
そうではなく、「ケニアはマラソンに強い」とか「ジャマイカは短距離走に強い」といった認識をすべきで、
さらに「ケニアの高地に住む特定部族が強い」や「ジャマイカは国を挙げて短距離走に注力している」といったことも考慮すると、
単刀直入に言うと、ガーナ記録はレオナード・マイルズ=ミルズの9.98です。
ガーナではもうひとりアジズ・ザカリが9.99のタイムを出しているので、
サニブラウンが父親の国籍を選択していれば、ガーナ歴代2位タイということになります。
まあ日本と大して変わらないということですね。
Wikipediaによるとアフリカ出身で10秒の壁を突破したのは以下の選手だけだそうです。
フランク・フレデリクス | ナミビア | 9.86 |
オラパデ・アデニケン | ナイジェリア | 9.95 |
デビッドソン・エジンワ | ナイジェリア | 9.94 |
ダニエル・エフィオン | ナイジェリア | 9.98 |
セウン・オグンコヤ | ナイジェリア | 9.92 |
レオナード・マイルズ=ミルズ | ガーナ | 9.98 |
フランシス・オビクウェル | ナイジェリア | 9.86 |
デジ・アリウ | ナイジェリア | 9.95 |
ウチェナ・エメドル | ナイジェリア | 9.97 |
アジズ・ザカリ | ガーナ | 9.99 |
オルソジ・ファスバ | ナイジェリア | 9.85 |
ンゴニザシェ・マクシャ | ジンバブエ | 9.89 |
ガブリエル・ムブムブレ | ジンバブエ | 9.98 |
サイモン・マガクウェ | 南アフリカ共和国 | 9.98 |
アカニ・シンビネ | 南アフリカ共和国 | 9.89 |
ヘンリコ・ブルンジース | 南アフリカ共和国 | 9.97 |
ウェイド・ヴァン・ニーケルク | 南アフリカ共和国 | 9.94 |
タンド・ロト | 南アフリカ共和国 | 9.95 |
アルトゥール・シセ | コートジボワール | 9.94 |
ディバイン・オドゥドゥル | ナイジェリア | 9.94 |
同じアフリカでも、
マラソンではあんなに強いケニアやエチオピアが10秒の壁を越えられないとはちょっと驚きです。
逆にマラソンの記録では、
ナイジェリアが2:16:06、
カメルーンが2:18:35、
ガーナが2:18:43、
ギニアが2:19:05、
コートジボワールが2:22:19です。
大迫傑の日本記録2:05:50が相当速いように感じられますね。
以上から分かることはなんでしょうか。
まず人種よりも国の影響が大きいということです。
単純に、国が積極的に陸上競技を支援していれば、その国の選手は速く走れるようになります。
いちど著名な選手が登場すれば、それに憧れる若き才能が陸上競技に多く集まるようにもなるでしょう。
もし日本の野球選手が揃って陸上競技に打ち込んでいたらどうなったでしょうか。
日本記録がコンマ何秒かは速くなっていてもおかしくはないんじゃないかと思います。
あるいは欧州でサッカーの代わりに陸上競技が盛んだったらどうなっていたでしょう。
ちなみに、現在のサッカーで最も足が速い選手は、ウェールズ代表のガレス・ベイルです。
ケニアでもマラソンが強いのは高地に住む特定の部族だけだ、なんて話もあります。
同じ黒人でも住んでいる地域によって体質や特性は大きく変わりますし、
そこに白人や黄色人種との混血まで絡んでくればさらに複雑化していきます。
白人至上主義者の遺伝子を調べたら黒人の血が流れていた、なんて笑い話もありましたし、
逆にアメリカの黒人の遺伝子を調べたら大半が白人との混血だった、という話もありました。
いまや多くの黒人には白人の血が入り、白人には黒人の血が入っています。
「彼は黒人だ」という認識すら大雑把にすぎるのかもしれません。
誤解が多いので追記しますが、特定集団間の遺伝的差異までは否定してませんよ。
それは「黒人」「白人」という大雑把な括りには合致してないでしょうというだけで。
「以上から分かること」について、
私は「国の支援」「競技の人気とそれに伴う選手の質」「人種より狭い集団間の(遺伝的なものを含む)能力差」の三つを挙げたわけですが、
調べていくと(日本はちょっと多いってデータがあるんだけど)世界のLGBTQの人の割合を見ると、各国だいたい3%ぐらいの数字を出してる。
今30才で、小中高地元の公立に行って、大学も普通の大学行ったけど、日本では出会わなかったなぁ。
高校の時と社会人になってから合計で3年くらいアメリカに居たけど、そこでは友達の中に数人はLGBTQだよって人がいた。思い当たるだけで5人ぐらいいる。
日本ってなんだかんだ島国で、多様性の受け入れには時間がかかるんだなぁと思うと同時に、生きづらいだろうなぁと少し寂しくなる。
いまアメリカで機会があって、アメリカでのLGBTQの人が直面したチャレンジ、どうやって社会が変わったか、どう働きかけたかをその方面のリーダーの方にインタビューすることになった。
観客には日傘と生理食塩水を提供すれば多分死なないし、熱中症の症状が出た選手は競技中でもドクターストップをかけて、倒れた選手もすぐに病院に搬送すればいいのでは?
一部のメディアと国民が、近年の他国のオリンピックの不備や欠点をさんざんバカにしてきたツケで、自分たちは完璧なオリンピックをやらなきゃって自縄自縛になっちゃってるんじゃないの?
ボランティアが集まらないって言うけどそもそもそんなに素人のボランティアが必要か?オリンピックって大規模だけど結局は各種目の世界大会の集合体でしょ?公務員が全体運営と警備して、現場は各競技の協会が審判と会場運営を揃えればいいんじゃないの?
特にマラソンが問題視されてるみたいだが、マラソンの起源の逸話が英雄譚扱いされてることを考えれば仮に一人くらい死人が出ても自分の意志で走ったのなら仕方ないと思うんだ。もちろんそうなる前にリタイアして欲しいが。リタイア続出に関しては上位選手がどんどんリタイアして、先進国や高地出身の選手じゃなくて、本当の熱帯や砂漠出身の選手が金メダルとるのもありなのでは?
本日は36度で過ごしやすいですわ……と白目のタンパク質を凝固させながら
幸兵衛窯ではラスター彩と三彩の復元をおこなった加藤卓男様の業績を中心に展示が行われています
現役の窯でもあって販売も行われているというか、
展示されている加藤卓男様の作品の一部にまで値札がついていました
先代の五代目加藤幸兵衛様の作品は流石に希少らしくて値札はなかったですの
カバの上に子カバが乗った形態で、子カバがまるでムー○ンのようでしたわ
かわいくて心惹かれましたわ
加藤卓男様の展示では文字がびっしり書かれ、スケッチや写真の貼られた日記をかくにんできました
正倉院の鼓胴と呼ばれる陶器を復元したときは2年かけて97個目で
満足のいく複製をつくりあげたそうですから、そのこだわりの強さがうかがえますわ
研究対象とした出土品のラスター彩はわかりにくかったのですけど
七代目加藤幸兵衛(ちなみに加藤卓男様が六代目幸兵衛を名乗らなかったので六代目幸兵衛は欠番ですわ)様の
俺の地元においでよ 高地は土砂、低地は水害。リスクのトレードオフに悩むといいよ
今回の豪雨で不安になってハザードマップ読んでみたら地区単位で警戒区域だらけだよ
小高い山になってる場所や半端に森林が残っている場所の下はだいたい全部警戒区域だよ
そもそも避難所指定されている学校が山の麓や川の近くだから、たぶんダメな時は何やってもダメだよ
先日は特別警報まで出されたけど、運良く雨雲が通り過ぎて行ったから冠水するだけですんだよ
基幹国道は大渋滞、裏道の峠は土砂災害の警戒区域、君はどっちのリスクを取る?
古い地区は山肌か谷間か山の麓ばかりで、これまで無事だったの、たぶんただの運だよ
そのかわり地震があまり起きないから、震度4でもガチビビリするくらい地震に縁がないよ
俺の地元においでよ
大気中の炭素分を人工的に固定しようとすれば、膨大なエネルギーが必要になる。
まして、大気量が宇宙船とは比較にならない月面基地の話である。
月面基地の自給自足のため、農耕施設の拡張はかなり高い優先順位で行われている。
これは、月面基地が人類の開拓最前線として、宇宙への定住を大きなテーマとして掲げていることに発しており、作ってしまえば低コストで二酸化炭素吸収源として運用できる見込みである緑地帯には予算が付きやすいのだ。
計算上は、一人の排出する炭素を帳消しするのに数ヘクタールの緑地が必要などと計算値は出されているものの、それも眉唾であり、少なくとも向こう十年は馬鹿でかい炭素除去装置をフル稼働しなければいけない。
さて、緑地といえども『壁の外は死の世界』でおなじみの月面基地では、やはり室内に農地を作る必要がある。
横穴を掘って、太陽照明か光ファイバーで日光を当て、水を確保すればそれで育つのであって、野菜工場に土は必要がないのだ。
堀り開いた洞穴に、土を敷均し、種を撒いた研究班もいくつかあった。
基本的に、月面の土壌は有用微生物はおろか有機物が皆無である上に、有用金属類でさえもほとんど含まないという砂漠か砂利の河原よりも条件の悪いものである。
それでも植物の種子とはよくできたもので、水分と温度さえあれば目を出すし、光と水と空気があれば根を張り、葉を茂らせる。
各班、こぞって精強な植物の種を植えたが、結果、最も栽培に適していると判断されたのは大麻だった。
有用植物としては、アブラナなんかも有力視されていたが、受粉に膨大な手間がかかることから、そのまま成長し、利用もできる大麻に駆逐されてしまった。
当面は炭素吸収源として、大麻が盛んに栽培されることになるだろう。
大麻から採取できる繊維は強靭で、土嚢袋やコンクリート添加物に利用され、それ以外にも家畜の餌や敷材に用いられた。
そして、これが実は重要なのだが、乾燥大麻が地球向けの輸出商品として最初の生産物となった。
過剰物として生産され、水分は抜き取れるため、月面基地にとって大変都合がよかったのだ。
と、いうことで『ルナ・ベース』と銘打った大麻は、初回出荷分に証明書が添付され、オークションにかけられた。
これについては、同量の金より高価といわれる輸送費を上回る価格が付き、大手博物館に落札された。
もっとも、当のルナ・ベースの住民たちは火気厳禁であるため、月面基地でその煙に酔うことはできないでいる。
精神科医も薬剤は処方できず(薬剤の処方が必要と診断されれば即帰還となる)ドライフルーツや穀物でアルコールを自作しようというツワモノもいたが、発酵という工程そのものが限られた大気量では致命的な結果を招きかねず、発覚と同時に厳重な処分が科せられた。
しかし、人類というのは罪深いもので、どうやったって酩酊を求める者が存在する。
目下、当局が新たな取り締まりとして注目しているのは、低酸素酩酊であり、気密室への監視が強められている。
更には、ウルトラマラソン等の低強度、長時間運動を繰り返す事によりエンドルフィンを嗜む層もおり、直線で数キロにも及ぶ廊下を延々と数時間から数十時間走り続ける者もいる。
こちらについては、低重力下であり、高ストレスにさらされる事から未だに正式な禁止令等は出されていないが、酸素を大量に消費し、なにより通行の邪魔であることから大多数からは眉をひそめられる趣味である。
中には複合技として、気密室にルームランナーを持ち込み、低気圧マラソンを実施する強者もおり、当局に確保されたが、本人の心肺能力及び代謝機能に著しい発達が見られ、やがて彼は科学者で有りながら人類の環境適応に関する実験体を兼務するようになり、今では大手を振って疑似高地トレーニングに耽っている。