はてなキーワード: 長期滞在とは
その条件で年末年始で空いてるとこなんかもうねぇよ!Booking.comに探してもらえ。希望の日時と条件入れたら空室がある宿泊施設だけ表示してくれっから。
あとゆこゆこの長期滞在で検索して見るもよし。https://www.yukoyuko.net/kw/%E6%B8%A9%E6%B3%89%E3%80%80%E9%95%B7%E6%9C%9F%E6%BB%9E%E5%9C%A8/
おっと、ひとり旅&連泊割の特集ページもあるじゃんかよ https://www.yukoyuko.net/special/t00258
関東ではないが、山形県の肘折温泉をお勧めする。農家が夏の疲れを癒す昔ながらの湯治場なので、長期滞在前提の宿が多い。コンロとかがついてて自炊できるプランもある。雪は全国で一二を争うくらい降るが、新幹線の終着駅新庄からバスが出ていて、よっぽどの悪天候でなければ東京駅から新幹線→新庄駅からバスに乗り換えるだけで寝てても到着できる。冬は雪に閉ざされる秘湯で、周りにはなにもなく本当に静か。地域を上げてワーケーションを推してるのでWi-Fi完備の施設も多い。長期滞在のリモートワーカーを受け入れた実績もある。お湯は弁慶が骨折を治したと言われる名湯。是非。関東ではないのが難点だ…
療養泉で保養に適した温泉地は「国民保養温泉地」として国が指定しているので、行けそうなところをピックアップしてみるといい
https://www.spa.or.jp/kokumin_spa/
あとメシが少なくてシンプルな宿でよければ、市民・区民向けの保養所とか四季倶楽部がよいと思う
たとえば品川区民向けの「しながわ荘」では5泊6日10食付き13,750円(1泊当たり3,000円以下)という湯治プランがある
残念ながら年末年始をまたいでは使えないけど、パカッとまとまった休み取れたら行きたかったなー、と思いつつ品川区から転出してしまった
住んでる&勤めてる市・区のサイトを見ればたいていどこかしらと契約していると思うので、一度見てみてはどうか
四季倶楽部は企業が持ってた保養所を買い上げてホテルとして運営していて、豪奢ではないが必要十分の体験は得られると思う
365日素泊まり5,000円がウリだったが、最近ダイナミックプライシングが導入されていて
平日であれば2,000円を切るが、逆に繁忙期は20,000円超えたりする
うまく安いところを含めて予約が取れれば…という感じ
・日進館が長期滞在プラン、東京からの直通バスプランあり(価格も1万円前後)
・安くしたいなら万座高原ホテルがおすすめ、温泉の種類が豊富(ただし湯浴みを着るタイプだけど混浴なので注意)
・豊国館は自炊プラン、半自炊プランがあるので安くできるけどこじんまりとしている
・万座プリンス、万座聚楽は個人的には好きだけど予算面やひとりでのんびり…となるとややおすすめできない(聚楽は本当に大好きなんですけどね…)
・ご飯については可もなく不可もなく。多くがビュッフェ形式なので量は調整可能。味については万座亭、プリンス、聚楽以外は期待しない方が吉…かも(個人的には満足だけど)
・ただし、どれもおしゃれで趣のある部屋があるか…と聞かれると…ううむ…ちょっと古いか無理して新しくしているか…
・あと年末年始はスキーシーズンなのでちょっと賑わうのがネック…
・でも、泉質というか滞在して良かった感は毎回高い。九州の霧島温泉に行った時にも感じた入浴後感。
複数施設泊まったことがあるのが万座だけだから、他の温泉は中々比較しがたく…万座以外で行ったことある中なら平湯を推したいし、行ったことない中なら白骨とか良さげらしい。
雪見温泉なら那須塩原、福島とか新潟とかにも色々あるので、ぜひ探してみてほしい。那須塩原なら湯治プランを設けている宿もあるみたいだし。
以下、蛇足
まあ雪国のほうが温泉むすめよりは長い影響ありそうってのはそれはそうだし、マシではあるとは思うけど。
でもそれってマシ程度のレベルだろうし、「多額の公費をかけて」やるべきこととしての例としてはなんか違和感があるんよ。
結局雪国の情景目当てで来る人だって、高級旅館の長期滞在的なの(それこそ雪国の島村がやってるようなの)とは客層が違うって点では大差ないんではと感じる。
万座温泉。ただし
>・長期滞在に適したプランが欲しい。食事とか価格とかが長期滞在向けになっているような。
温泉むすめについて色んな意見が出ているが、これほど温泉について語れることがあるのだからさぞや温泉に詳しいんだろう。
だったら俺にひとつ教えてくれ。
以下の条件で温泉(宿)を探してるんだが、いいところはない?
・周囲に何もなくていい。引きこもる。居心地のいい宿を希望。
・関東近郊
・免許も車も持ってないから公共交通機関で行けるか、送迎が必要
・長期滞在に適したプランが欲しい。食事とか価格とかが長期滞在向けになっているような。
・レイトチェックアウトできるとありがたい。朝が弱いので10時に叩き出されるのはつらい
【追記】
ちなみにググると一週間くらいのプランってなかなか出てこないんだよ。みんな精々2泊3日くらいで。
質問に答えると
【追追記】
みんなありがとう、ほんと参考になる。
年末年始にこの予算だと厳しいのか……年末年始に旅行したことないから知らなかった。そういうことなら少々予算増やしてもいいかな。
自炊できる宿っていうのもいいね、料理は好きだから楽しめると思う。
関東近郊って言ったけれど東北や北陸もいいところあるんだね、せっかくだし足を延ばしてみるのもいいかな。飛行機までいくとかったるいけれど特急や新幹線くらいなら乗るわ。
週1で東京都心のオフィスに顔を出すのだけれど、次第に道やビルで見かける外国人の数が増えて、なんだか以前の東京に戻るようで、すこしほっとしている自分がいる。一方で、オリンピックを前に明らかに観光客っぽい外国人も見かけるようになったなと思う。
日曜も京王線に乗ったら5人ぐらいの白人の若者のの集団がいて、わりとパンデミック前のボリュームでぺちゃくちゃしゃべってて、そのうち何人かはマスクもしていなかったのでギョっとしてしまった。いや、正確には、ギョっとして嫌悪感みたいなものを感じている自分に、さらに驚いた。
この国で働いている外国人の人は、この国のワクチン接種率の低さも、同調圧力が思ったより高いことも知っているだろう(逆に言えば、日本人は特に欧米の同調圧力の低さはなかなか実感できない)。歌舞伎町ならともかく、電車内でマスクなしで騒ぐのは、この国の内情を知らない観光客である可能性がすごく高い。
格差はあれど順調に経済が伸びている海外の国には、外国で長期休暇を取る若年富裕層の数もそれなりに多い。多少の検疫期間があっても1か月や2か月という長期滞在で、オリンピックのある国でサマーホリデーを、という人も多いはずだ。入国規制をスキップするコネを得られた人もいるだろうし、オリンピックチケットを持っているのかもしれない(無観客になったなんてこと知らずに)。1年半のフラストレーション解消のため、金持ちの道楽としてのスポーツ観戦にかこつけて、海外でのバカ騒ぎを心待ちにする奴も当然たくさんいる。日韓ワールドカップのころ、そういう手合いの対応をして心底「世の中にはタチの悪い小金持ちが多い」と感じた。
そういう無邪気な観光客が、我々が思っている以上に、この国に入ってくる。ワクチンパスポートを免罪符として。接種済みの感染者がデルタ株を広めてるなんて話には耳を貸さず。
正直、まずいと思う。こういった海外からの観光客が今後どこまで増えるのかはわからないが、東京都民の感染リスクが想定以上に高まる可能性は確実にある。
自分は職域接種の僥倖にもありつけず、まじめに区の集団接種予約にしてるから、打てるのは8月の後半だ。仕事は基本在宅勤務だから、むしろエッセンシャルワーカーや外で働く人が優先されればいいぐらいに思っていたけれど、この状況になるとつらい。あと1か月半もワクチンなしで、これから来る小規模ながら深刻な乱痴気騒ぎと、それに伴う感染拡大を乗り切らなければならない。
いや、これは本当につらいな。
今後外国人観光客の起こす騒ぎがセンセーショナルに報道され、普通に東京に溶け込んで仕事をしている外国人の同僚までもが差別的な目で見られるようになったらとおもうと、それも本当につらい。
もしこれで日本人の排外感情が盛り上がっても「日本にコロナを広めた奴らの自業自得だ」なんて思わないようにしよう。訪日客起因で感染率が高まれば、それは日本の立法・行政の自業自得だし、その責任の一端を持つのは我々有権者なのだから。……そう考えるのも、またつらい。
■ スペック
去年の6月くらいからテレワークで、今年の2月くらいから必要あれば出社する感じ
社内も社外もウェブ会議になれていることもあるので、実際には今でも月に2,3日出社するくらい
■ 行った場所
ただ選んだ基準としては、3時間くらいで行こうと思えば出社できる場所
■ 泊まった場所
本当は2週間くらいいたかったんだけどいいプランがなくて普通のホテルで3泊4日にした
■ 全体的な感想
80点。いやもうちょっといいかもしれない。割と最高と言っていいかもしれない。
都会を離れると本当に心が安らぐ
朝起きたときに車の音がしない、カラスがゴミ捨て場にたむろしていない
朝20分くらい散歩してコンビニ行くときにすれ違う人も1,2人。進路を塞ぐように割り込んでくるやつもいない。
仕事の合間に浜辺を歩くのも最高
自分の中に溜まっていた澱のようなものが自然の中に溶けていくみたい
最高。
UQ mobile回線auのスマホのテザリングでやったけど割と普通にできた
ホテルのWifiもあるんだけど90分で再度認証を求めるような仕様で使いづらく途中でキレてテザリングにした
テレワーク始めてからパケット繰り越しでMAXだったので繰り越し分も使い切れない
もう1台IIJmio回線docomoのスマホも持っていったが電波が貧弱で速度が出なかった
仕事はホテルの部屋でやっていたが清掃が入るのでそのときはロビーでやったり泊まったホテルにはビジネススペースがなかったので
その割にはカラオケルームや会議室はあるんだよね誰も使ってないのに
朝食夕食が出るプランにした。朝食はバイキングで夕食は地元の料理が出るやつ
この夕食が豪華で最初はうわーってアガるんだけど、2日3日続くとちょっと飽きてくる
ホテルはリゾートホテルで周囲に食事できる場所もないので選択肢がないからしょうがないんだけどこれは宿泊場所の選択の問題で、キッチンがある長期滞在型のホテルにすればよかったんだろうけど日本ってそういうホテルあまりないんだよね
ホテルの近くにカーシェアがあればまた話は違っていたのかもしれない
■ 会社への移動
泊まった場所から東京への移動がだいたい2時間半。都内の移動を入れると片道3時間くらい
正直朝9時出社は無理。午前中移動しながら仕事して11時出社ならできる感じ
田舎からの移動なので電車もぜんぜん人がいないので快適。移動中の会議の参加は無理かも
帰りも夕食を移動中に取りながら帰れば割と現実的な時間に帰ることができる
いやでもこれ毎日は嫌だわ。週に1日でもえーって感じ
業務上必要なときは朝9時出社必須、と言われると選択肢限られるなという感じ
■ ワーケーション中の娯楽
朝起きて飯食って仕事して飯食って仕事して飯食って温泉入って寝る、というサイクルを3日繰り返した感じ
本とか持っていったのに読まなかったしネトフリも見なかったしゲームもしなかった
でも不満を感じなかった。環境が良くなって焦りが薄れたのかもしれないし
そういうことするにはやっぱりワーケーションじゃなくてフルで休みを取ったほうがいいなという感じ
土日を挟むとまた変わってくるのかもしれない
■ ワーケーション中の探索
ほとんどずっと仕事しててホテルから出なかったのでできていない
周囲でカーシェア借りれたり、駅近のホテルだったらまた違っていたのかも
■ ワーケーションまたやりたい?
やりたい。今度は2週間やってみたい。場所も変えてみたい
やっぱり海が見えるところがいいな
[B! 医療] 神戸市 施設で25人感染死職員が証言 “見殺しではないか”|NHK 関西のニュース
この記事とぶら下がってるコメントを読んで、ちょっと書きたくなった。
この施設ではないが、自分の親も介護施設にお世話になっている。
先日、地方都市にある入所施設から「職員にコロナ感染が確認された」と連絡があった。
今のところ入所者への感染は確認されていないが、今後のこともあって発覚直後に連絡をくれたようだった。
「遺族からは人殺しのように恨まれると思うとやりきれない 」ってコメントが書いてあったけど、まず、最初に述べたいのは、介護や医療関係者への感謝とお見舞いだ。
私のところは職員の感染までなので、自分の親が感染したり、亡くなっているわけではない。
だが、介護を担う親族としては、介護施設がなければ、自分は今まで通りの生活を送ることはできなかった。下手をすれば共倒れである。
そうならなかったのは、大きな負担となる介護部分を担ってくれたおかげだ。
それでも、人が行き来をし、濃厚接触になりやすい特性がある以上、発生は避けられなかったと思われる。
親族の立場だったとしても、すべてを施設のせいにするのは酷すぎる。
今のところ施設が矢面に立たされているが、本来は、政府や政治家が重く受け止めねばならない事案だ。
責められるべきは、感染が発生しクラスターを起こしてしまった施設や職員ではなく、無為無策な政府や政治家なのだ。
そもそも、政府や政治家は何をやってるんだろうという怒りを感じている。
介護を含め、医療を支える関係者の責任感と献身にいつまでタダ乗りするつもりなのか?
グダグダ政争をするのは勝手だが、国を救うために悪者にもなりきれない人間は「政治家」ではなく、くだらん「政治屋」だ。
しかし、救われるべき人たちが救われるなら納税した価値はある。
今現在、救われるべき人は救われず、自称「政治家」は有権者に味方ズラするだけでなにもしない。
国を救うことができる有効な手段と思えるならば、一時的に悪者になってもよいと考える政治家は日本に存在しないのか?
しょうもない相手に税金が垂れ流されているかと思うと本当に腹が立つ。
自分には、後期高齢者になった父親がいる。数年前に脳梗塞を発症した。
本人がどう思っているか知らないが、私と父親の関係性はよくない。
だが、兄弟親族もなく、どうにかできる人間は自分だけなので、最低限の対応をしている感じだ。
父は脳梗塞から驚異的な回復をしたものの、アタマのネジは数本抜け落ち、契約等重要事項に対する判断ができなくなった。
訪問ヘルパーを利用しても、住まいの周囲にサポートする親族もいないので、元の生活に戻すのは自殺行為だ。
その後、幸運にも特別養護老人ホームへの入所ができたので、施設の職員に助けられながら現在に至る。
父親が入所している特別養護老人ホームは、障害者支援施設、ケアハウスやデイサービスなど複数の福祉事業を行っており、階数によってエリアが分かれている。
昨年の3月以降、デイサービスは中止、対面はシャットアウト、外部との接点を絶たない工夫がされた催し物は内部の人間だけで少人数で行うなど、出来る限り接触の機会を減らしていた。
そして、先日知ったのだが、職員のPCR検査が毎月実施されていた。今回の感染も定期検査で発覚したものと思われる。
唯一、残念と思ったのが、ワクチン接種が間に合わなかったことである。3月に入った頃、ワクチン接種の確認書類が届き、承諾していたからだ。
施設からは、いつから開始になるか分からないので、先に承諾書を欲しいと言われていた。
もし、4月中に施設全体が接種を受けられていたら、コロナの発生を防げたかもしれない。
今後、自分の親が感染者の列に並び、最悪死ぬことになったとしても施設を責める気にはなれない。
自分の生活を守ってくれ、入所した父親にできる限りのことをしてくれた施設や職員に感謝する気持ちの方が強いからだ。
親が介護状態になるまで、老人ホームの種類を知らなかった。世間の多くの人もそうだと思う。
ニュースになっていた「介護老人保健施設(老健)」というところは、いわゆる「終の住処」ではない。
通常の生活に戻るためのリハビリ施設で、3ヶ月に1度行われる会議で継続か退所が決まるのだが、基本的には3ヶ月が上限だ。
ある施設に見学に行った際に伺った話では、継続するにしても最大2年が限度とのことだった。
そのため、入所者の入れ替わりが比較的多い。
規模が大きいし、「認知専門棟」もある。
また、単体施設では運営が難しいので、複数の介護施設があったり、病院が母体になってるのもよく見かける特徴だ。
コロナが収まる様子を見せない現状では、いかに施設が万全の対応をしていたとしても、入・退所者の動きは止められず、感染者を出してしまうのは必然だったとも言える。
この施設は医師や看護師が複数人常勤しているようだが、そもそも病院ではないので対応は難しい。
コロナの対応は病院でさえも難しいのだから、介護施設に対応しろと言うのがそもそもの間違い。
施設の男性職員が実態を知ってほしいと訴えるのも当然だろう。医療が崩壊し、無理をさせられた上でのクラスターなのだから。
そんな状況でも施設や職員の責であると言うなら、医療体制を整えられる可能性のあった時期を無策のまま押し通した政府に責任を問い質さなければならない。
こんな時期に開催したら、日本から海外にコロナを蔓延させることになる。
後世の歴史本に「あの時、日本がばら撒きました」って書かれたい人、どのくらいいるんですかね?
我が国の首相は、そこに名前を連ねたいのかな?悪評でもいいから歴史に残りたいっていうなら、まあお好きにどうぞだけど、我々を道連れにするのはやめて欲しい。
自分はものすごく運が良かったが、介護を担う多くの家族が救われていない現状がある。
仕事内容に比べて給与水準が低いのが一番大きい問題だと思うが、在宅介護を促進しようとする政府には疑問を持っている。
我が家は両親が離婚しているため、最終的に私一人で、二人をそれぞれ看取らなければならない。
一人で老人二人ですよ?
看取ったら今度は自分の番だけど、独身子なし、両親のおかげで親族とは没交渉な自分の後始末はどうすりゃいいのさ?と考えている。
今のところ思いつかないので、自分を始末できるお金を貯めて、相応の互助会に入ろうと計画してるけど、現時点でも積みな家族は多いわけで、正直在宅介護は「金・人・運」がある人じゃないと無理だと思ってる。
さっきの項で「老健(介護老人保健施設)」は「3ヶ月に1度行われる会議で継続か退所が決まる」と説明したが、これは建前だ。
本来の「老健(介護老人保健施設)」は、通常の生活に戻るためのリハビリ施設と位置付けられている。
当然リハビリの効果で症状が改善されれば、それぞれの家に戻っていく。
だが、実際はそうでもない。
父が退院直後に入所した「老健」には、半年、年単位で入所しているらしき方が同室にいた。
間違いなく「訳あり」の入所者なのだ。
「終の住処」たり得る「特養(特別養護老人ホーム)」への入所を希望する人は多いが、入所は非常に難しい。
居室の種類は個室(従来・ユニット)と多床室に分けられるが、比較的費用を抑えることのできる「多床室」の入所ハードルが異常に高い。
父がいる地方都市の場合、多床室は10〜12万円、個室なら14万円以上の月額費用がかかる。
利用料は年金の有無でも変わってくるので、あくまでも父親の場合だが、2〜4万円以上差が出る。
この「多床室」というのは、古い制度下で設置された特養や老健にはあるものの、近年新設された施設にはほとんど存在しない。
プライバシーを優先するため、居室タイプは「個室」が推奨されているからだ。
つまり「多床室」は増えていない。むしろ、このままだと今後減っていく運命にある。
そのため「特養が増えたから入所しやすくなった」というのは、やや正確性に欠ける。
なにせ「個室」は高い。
他の人と比べて年金をもらっている父親でさえ、それだけでは賄えず幾らかの持ち出しが必要になる。
中にはギリギリ賄えそうな施設もあったが、日用品の購入や今後の入院などに備えるためには、施設に年金の全額をブチ込むわけにはいかない。
介護において、絶対にやってはいけないのは「仕事を辞める」「自分のお金を持ち出す」ことである。
そのため、やや古い施設であったとしても「多床室」のある施設に申し込みが殺到するのも当然だろう。
私は「多床室」のある10施設以上に申し込みをしたが、介護度5で優先度が高めな父であっても待機順位は20番以内が多く、待機人数は100人を超えているのがざらだった。
また、部屋は性別で分かれている。女性の方が全体数が多いので割り当てられる部屋数も多く、男性はやや不利になる。
そもそも特養に入所するには、ほとんどの場合、既存入所者の「死」を待たなければならない。なんとも複雑な気持ちになる。
では、自宅で看ることが難しい待機中の人々はどうしているかというと、本来長期滞在ができない「老健」「ロングショートステイ」で待っているのだ。
だが、ひと月ほど退所期間があれば、集中的リハビリが受けられる3ヶ月の権利を再び得ることができる。
そのため、一旦退所した後、空白期間を作って再入所するという技が使われている。
それができない「ワケあり」入所者は、なんだかんだと理由をつけて入所期間を延長するが、集中リハビリは受けられないので、施設内をブラブラすることになるらしい。
自分も「老健」の退所期間が迫った頃、申し込みをしていた別の「特養」から「ロングショートステイ」を提案されたことがある(もう少ししたら枠が空きそうだったからだ)。
「特養」は「ショートステイ」を併設しているところも多い。枠が空きそうで入所できる可能性が出てきた時や、家で看るのが難しい場合に利用され、最大30日連続で利用できる。
そうやって裏技的な方法を使いつつ、なんとか介護を回している現状を見ていると「自宅で介護する」なんて絶対不可能である。
親を施設に入れるなんて…という人もいないわけではない。
でも、現実問題、自分の生活を守りつつ、フルタイムで自宅介護をするのは不可能だ。
介護休暇は年5日付与されるけど、遠距離介護をしている自分は全然足りなかったし、介護休業中は無給になるので、相当の理由がないと使いたくない。
親の年金を利用して家に入ってしまう子供もいるが、親が亡くなった後、相当の資産がない限り100%路頭に迷う。
だから「仕事を辞めてはいけない」し、「親の介護は親のお金でやる」が最低限のルールなのだ。
両親は離婚しているが、母親は介護施設でケアマネージャーをしていた。当然、施設の持つ裏事情、役所や施設間の駆け引きを知っている。
そこから得た知識と自分が調べた情報を使って、施設の本音を聞き出したことがある。相手も「わかっている」と認識するので、下手な対応には出てこず、いろいろな提案をしてくれたり、施設の事情を教えてくれたりもする。
私が申し込みした「特養」に関していえば、親切に応対してくれた相談員が大半で、無茶苦茶だったのは退院直後にお世話になった「老健」の相談員である。
相談員の中には、自分と利害関係を持つ、あまり質の良くない施設に送り込もうとする人もいるので、施設の種類や介護のことを全く知らないと危険なことになる。
悪者になってもいい、多くの人たちを救って見せると言う気概のある政治家はいないのか…。
追記書いたんだが、長すぎるので切れたw
これの件は誤解されちゃってるので、別の日記に書いた。
簡単に言うと「希望する特養への入所を妨害するような真似をして、個人情報ダダ漏れするちょっとアレな施設に送り込もうとした」相談員が「無茶苦茶だった」という話です。
老健自体は良い施設で、介護士さんや療法士さんには大変お世話になった。
それにしても、こんなに長いの初めて書いたよ…。
https://anond.hatelabo.jp/20210510164413
「その後、施設はどうなったの?」って話があるので、それも別のところで書く。
ここ数日、はてな匿名ダイアリーで、都会から田舎へ引っ越してだるーんな人の記事が話題になっておりましたので、ここで一つ自分の話をしようと思いました。
私はまず埼玉の、池袋や新宿まで自宅から1時間くらいのところに産まれ20才で家を出て、東京23区内に10年、多摩地区に2年、そして鹿児島のとある離島に嫁いで12年になります。
何で離島まで行ったかと言えば、色々事情が重なり、夫婦共々義実家にお世話になる以外選択肢がなかったからなので、行きたい嫌だ以前に、行かざるを得ません、という感覚ですね。
で、特徴を箇条書きしてみます。
1.一軒家かつ隣が遠いので、騒音を気にせず音を出せる。
これは住んでみると案外大きかったです。
声量や足音を気にしないで行動できますし、いつでも音楽を流せます。
コーポやマンションはそうもいかないと思いますが、大体見知った仲の人たちがぐちゃっと住んでいるらしく、お互い様感覚だとか。
2.買い物する場所がない
私は車の免許を持っていないので(取ったら人を死なせるか自分が死ぬかのチキンレース)、徒歩で買い物に行きますが、10分圏内だと個人商店が2軒だけで、20分で薬局兼雑貨屋、といったところです。
肉や魚は冷凍、他の食品も高いので、夫が休みの時に車で15分くらいのスーパーに買い出しに行きます。
私の住んでいる場所から20〜30分のところに島で一番栄えてる港がありますが、そこもスーパーが3軒、ホムセンが1軒、あとは個人の専門商店が多いです。
何でか知りませんが肉屋が多くて、関東よりお肉がおいしいです。
ただ、通販の著しい発達で欲しいものは大体Amazonや楽天で揃います。
ウィンドウショッピングや、書店やレコード屋がないためジャケ買いができないのはキツいです。
3:都会を一番感じるのはコンビニ
3軒あるなら別々にして欲しいですが事情があるので仕方ありません。
この島で流行の最先端や都会の匂いを嗅ぎたければコンビニが手っ取り早いです。
品物の入れ替わりが頻繁ですし、流行しているものを多く取り入れてますから。
島には書店がないので、雑誌や流行しているマンガの単行本などは本来の発売日より3日遅れで棚に並びます。
流石に鬼滅の刃は置いてありませんでしたが、予約取り寄せはしてくれるようです。
4.娯楽施設がない。
大きな公園・遊園地・動物園水族館博物館美術館・映画館・ゲームセンター・ショッピングモール、全滅です。
あと、男性の一部にとってはつらいかもですが、キャバクラと風俗がありません。
鹿児島と我が島に予算や力が無いのと、風営法が絡んでそのような状態になっています。
我が家はインドア派なので、休日はTV・PC・スマホ・ゲーム機がフル稼働していますが、正直なところこの環境で他の家庭が休日に何をしているのかさっぱりわかりません。
いや本当に何してるんだろう?
なんか、山林はたくさんあります。
ただ、本州ではみたことのない樹木や植物がワサワサしていて、それらは常緑樹?みたいで、紅葉や落葉をしません。生体よく分からない。
また、夏場はハブがでるので草深いところに行くのは厳禁です。噛まれたら死にます。保育園の避難訓練に「ハブ」がある程度には頻繁に出ます。
農作物に関してはサトウキビ畑がうわーっと広がっていて、その間に個人所有の畜牛の牛舎があって、秋になると空き地が耕されジャガイモを植えます。
その年によって台風や気候がかなり違うので、取れ高やキロあたりの価格も相当違いますが、島で農業をしている人はそこらへん余り気にしていないようです。
高く売れたらヤッホー!安い時はショボーン、みたいな。
まあ皆さん元々がいいかg…おおらかなので、そこも大雑把でやってるようです。
7.帰省が難しい
イマドキの増田さんなら、こんなところで生きたく無い育ちたく無いと感じる方も多いでしょう。
もう子どもの頃からネットに触れて、全国、特に大都市圏の事情を知っている人がここにきたら、出生・移住ガチャで大失敗をした、と感じるはずです。
ただ、私としては、ネットがあるから隣の芝生がエメラルドグリーンに見えちゃうし、ネットがあるからこんな僻地でも生きていける、という二律背反はひしひし感じます。
嫁いでから島に友人知人が全くできなくとも寂しく無いのは、リアルタイムで住まいがどこであろうと友人達にアクセスできるからですし。
いや、人として1人くらいリア友いるべきなんでしょうけど。
長々と書いてしまいましたが、何というか、暮らしに飽きたりモノがないことにブーブー文句言いながらも、割と快適に生きてはいるよ、という感じです。
住めば都、とは申しませんが、まあ都会の方が圧倒的に楽しいのはそうですけど、楽しいばかりが生活でもないので。
何か尻切れ蜻蛉ですが、これにて。
あまり表立っては言えないけれど、実家に連絡するのが、非常に面倒くさい。
気が重い。
長期休暇の折には、生存報告がてら帰っていたが、どうにも居心地が悪いので、長期滞在はしないでいた。
コロナが流行しはじめてからは、新幹線で2時間以上かかる実家へは帰っていない。
又聞きではなくちゃんと尋ねよう、また近況を確認するために、電話をしてみようと思うがどうにも気が重い。
実家にはおしゃべりな母親と、あまり話さない父親がいたが、母親は数年前に亡くなった。
実家に電話となると、機械音痴であまり話さない父親相手になる。
仲が悪いわけではないが、久しぶりの父親との会話に緊張している。
どちらかというと悪い話が出てきそうなだけに、気が重い
もうちょっと言うと、日本史とか日本文学とかはぜんぜん大丈夫なんだが、西洋史とか東洋史とか、要するに外国のことを調べる学問がヤバい。
なぜかといえば非常に単純な話で、研究を進める上で必要な資料にアクセスできないからだ。
歴史学の根本は、オリジナルな資料(=一次史料)にあたることにある。一次史料には色々な形態があるわけだが、歴史上の出来事の背景とかを実証的に調べようと思ったら、公文書館にある史料を使うことが不可欠だ。
そして公文書館というのは行政機関なので、日本の国立公文書館や外務省外交史料館が東京にあるように、あるいはイギリスの国立公文書館がキューにありアメリカの国立公文書記録管理局がワシントンDCにあるように、当然ながらそれを管轄している国や地方自治体に設置されている。
コロナが2~3年で過ぎ去り、その後はすべてが元通りになるなら、その数年を耐え忍べばいい。数年が過ぎればまたヨーロッパなり世界の他の国なりに行けるようになる。当然、歴史学も元通りだ!
でも残念ながら、中東諸国の割安の航空券でヨーロッパに渡航できる日々は、もう戻ってはこないかもしれない。航空券が割高になるだけではなく、全世界的に航空産業が縮小し、これまでであれば容易にアクセスできていた史料にアクセスできなくなるかもしれない。
明治維新以降、政府が雇ったお雇い外国人たちによって、ランケに始まる近代歴史学が日本に持ち込まれた。だが初期の日本の歴史学はあまりにお粗末なものだった――現在の水準からすれば。
オリジナルな史料を見ずに、西洋人の書いた歴史書を読んでそれを日本語で紹介して論文を書き、吾は教授でございと偉そうな顔をしている。英語とフランス語とドイツ語の文献だけを読んでヨーロッパ史全体を講じるなんていう無謀なことが平気でまかり通っていた。
けれど、そのような稚拙な「論文」も必要だったのだ。日本の歴史学が独り立ちするためには。
やがて、それらの先人たちの業績を踏み台にして、きちんと史料集(=オリジナルな史料を集めてまとめた本)にあたって論文を書く人や、英仏独だけではない色々なマイナー言語を習得して研究する人が増えてくる。そして、交通技術の発展に伴って海外旅行が安価になるにつれ、国外の文書館にアクセスして論文を書く人が増え、英仏独以外の言語を学ぶ人が増え、留学して現地で学位を取る人も増え、日本の歴史学のレベルはどんどん上がっていった。
2000年代から2010年代にかけての日本の歴史学界で生み出された外国史研究のレベルの高さは誇るに値する。もはや横のものを縦にしただけではまともな論文とは見做され得ない。現地の言語を読めることが最低条件で、その上でどのようにオリジナルで面白い研究成果を積み上げるか。多くの研究者たちが競うように優れた論文や著書を生み出してきた。
留学の予定も史料収集の計画も、すべてが白紙になってしまった。
分野によって違うと思うが、外国史を学ぶ者は多くの場合修士課程か博士課程で留学をする。これは現地で史料を収集したり、現地で言葉を勉強したり、現地の研究者と触れ合ったりするきわめて重要なプロセスで、修士卒ならともかく博士号を獲ろうと思うなら避けては通れない。多くの研究者はだいたい1年から3年くらいの留学を経て、外国の歴史に興味がある若者から若手の歴史研究者へと成長する。
COVID-19直撃世代は、この留学の経験を持てない。彼らは外国史研究者として足腰を鍛える機会を奪われることになる。
2~3年でコロナ禍が終熄するなら、この世代が数年間のハンデを背負うだけで済む(たとえば、留学することなく博士課程の年限が来てしまったとか、在学を引き伸ばす羽目になり学費が余計にかかったり就職市場に参入するのが遅れたとか、せっかく学振DCを取ったのに海外調査をすることなく任期が過ぎてしまったとか、そういう悲劇が量産されることだろう――外国研究者は学振の研究費のかなりの割合を出張費に充てている)。
けれど、コロナ禍が終熄しなかったら、あるいは終熄後に海外調査のハードルがものすごく高くなってしまっていたら、日本の外国史研究は大きな打撃を受けるだろう。
そりゃ、留学終えてる組は今すぐに困るってことはない。彼らはもう現地語ペラペラだし、これまでの現地滞在で史料もたっぷり集めてるだろうから、当面はそれを消化しながら外国の研究者とオンライン会議すればいい。
でも、これから留学しようとする人たちは、現地に長期滞在して外国語能力を鍛える機会を奪われ、史料を集めることもできず、中途半端な研究能力しか持てないままに博士課程を終えざるを得ないことになる。
もちろん、先行世代よりマシな点もある。デジタルアーカイブの発展によって、従来は現地の図書館に行かないと見られなかった古書や古新聞が自宅にいながらにして読めるようになった。中には所蔵している史料をウェブで見せてくれる親切な公文書館もある。外国の雑誌だってオンラインで入手できるし、何なら研究書をkindleで読んだっていい。そういえば友達はドイツ語の学術書をkindle版で引用していた。
だから、研究の水準が明治時代に戻るということには、おそらくならない。
どのような種類の史料が必要かは、結局研究テーマに左右されるのだ。もしも「ドイツにおける日本人のイメージの歴史」を調べたかったら、古書や古新聞を徹底的に調べればそれでいい。けれど、「1960年代における西ドイツの政策決定過程」みたいなテーマを扱おうと思ったら、公文書館の史料を見なければお話にならない。
現代日本で考えてみればよくわかる。「安倍首相がメディアでどう扱われているか」と「安倍内閣の内側ではどんなふうに物事が決められているか」とでは、立論に使うべき資料が全然違う。前者は新聞やネットを見ればそれでいいが、後者は情報公開請求が必要だし、『朝日新聞』や『週刊文春』だけを見て後者を論じたら手抜きだと謗られるだろう。
そして歴史学とは「昔のことなら何でも扱う学問」であり、内部には表象を論じる研究者から外交政策を調べる研究者まで色々いるのだが、後者のような人たち――つまり、研究のために文書館史料を必要とする人たち――の研究はずいぶんやりにくくなるだろう。外国史研究において、思想史や文化史、古代史の割合が高くなるかもしれない。
(いやでも、ガチの思想史や文化史をやろうと思ったら文書館史料を見ないといけない局面も割と出てくるので、思想史なら文書館行かなくてもいいでしょ、という話にはならないんだよな……明治時代の知識人の留学先の国に出かけてその国の文書館史料使って明治期の思想についての本書いた人とかいるからな……逆にある程度昔の外交史だと関係する史料がほとんど翻刻されてたりするし……)
ネット上で読める範囲の古書や古新聞だけを史料として使って「18世紀におけるドイツ諸邦の外交」みたいな研究をまとめたとして、明治時代ならこんな多くの一次史料を使うなんて素晴らしい研究だと大絶賛され東京帝大の教授になれるかもしれない。でも現代では、研究のレベルが上がってしまった現代では、「新聞しか見てないじゃん。文書館史料使ったの? え? 使ってない? レベル低いね」と一蹴されてしまう。論文を英訳なり独訳なりして海外のジャーナルに投稿しても、それなりのレベルの雑誌からは軒並み落とされるだろう(というか、国内でも有力学術誌の査読を通過できるとは思えない)
ふんだんに文書館史料を使う質の高い研究に慣らされてしまったら、今更横のものを縦にすれば教授になれていた時代の研究水準には戻れないのだ。
ハードルを下げる?
つい去年まで史料調査のために渡航するのが当たり前で、今アラサー以上の人たちは研究水準が高かった時代を身を持って知っているのに?
コロナ禍の影響が数年で収まるのなら、業績の不足で苦しむのは直撃世代だけで済む。だが、もしもコロナ禍の後遺症が何十年も続くのであれば、外国史を研究する歴史家たちは困難な撤退戦を強いられることになるだろう。
それはより史料入手の容易なテーマへの撤退戦であるかもしれないし(政治史はハードルが高いから、表象の歴史とかを研究しよう)、より史料入手の容易な国への撤退戦であるかもしれない(○○国と比べて××国の方がデジタルアーカイブが充実してるから、○○史じゃなくて××史をやろう)。
ともかく、これまで日本の歴史学が積み上げてきた多様性は、徐々に失われていくことになるだろう。
日本の外国史研究にとって、冬の時代が迫っているのかもしれない。
まあそうは言っても史料さえどうにかなれば研究はできるので文化人類学や記述言語学よりはまだマシ。これらの学問では現地に長期間滞在して現地人の間に分け入って調査する必要があるので、現在のレベルの渡航制限が長続きすると文字通り危機に瀕する。これらの分野では伝統的に外国に関する研究が盛んで、オセアニアの島国やアフリカの奥地で調査してきた日本人が何人もいるのだ。今後、外国を舞台にした文化人類学や記述言語学は消滅し、国内を対象として細々と生き延びるほかなくなるのかもしれない……
(まあ、国内の伝統文化や方言を保存するために、一度外国の文化や言語を記述するのに使っているエネルギーを全部日本に関する研究に注ぎ込むのもアリかもしれない……でもCOVID-19で次々と伝統的なお祭りやら寄り合いやらが中止になっているし、うかつに都会の大学で修行する若手研究者が離島や山村に出かけてお年寄りのインフォーマントと接触するのもはばかられるよなぁ……)
デジタルアーカイブの発達はうながされるだろうけど、そんなに急速には進展しないだろう。それには2つの理由がある。
第1に、単純にデジタル化はすごい大変なのだ。マトモな国なら行政の作った公文書は破棄されずに何十年にもわたって保管されているのが普通で、それらすべてをデジタル化するのは労力がかかるというのは納得してもらえると思う(国だけじゃなく地方自治体にもその自治体の公文書集める公文書館があったりするからね。連邦制の国だと連邦レベル・州レベル・市レベルの文書館が別々に設置されていたり)。優先順位をつけてやっていくほかないけど(「まずは外交関係の公文書を先にデジタル化しよう。環境保護関係は後回しだ」)、優先順位の低いテーマを研究しようと思ったらそれでは困る。
第2に、困るのは外国人研究者だけで、本国の研究者はそんなに困らないのだ。
日本人がイギリスやドイツに調査に行けなくなっても、イギリス人やドイツ人の歴史家は何も困らない。彼らは渡航制限など気にせず自国にある公文書館にアクセスできる。これは日本のことを研究する日本人の歴史家にとっても同じだ。仮に外務省外交史料館から外国人研究者の姿が消えたとして、いったい日本人研究者になんの不都合があるのだろう?
(ここでは「外国人」と書いたが、厳密には、外国に拠点を置く研究者と言った方がいいだろう。日本の大学で教鞭を執っている中国人の日本史研究者はなんにも困らない。逆にうっかり日本学の専門家として英米の大学に就職しちゃった日本人研究者は大変だ。また、日本を研究する歴史家がなにも困らないというわけではない。日米関係の歴史を研究しようと思ったら当然アメリカに行かなければいけないし、国内政治だけを研究する場合であっても、日本政府の公文書管理がザルすぎるせいで重要な史料が日本じゃなくアメリカにあるみたいな状況もありえるので……)
つまり、全世界的に、自国を研究する研究者にとってはあんまり困らないが、外国を研究する研究者はめちゃくちゃ困る、という状況が訪れると思われる。外国人研究者への配慮が、果たして自国の公的施設のデジタル化への強い圧力となるだろうか? 正直疑問だ。
第1に、それ本国の研究者に何のメリットがあるの? お金を払ってやってもらうとして、その人件費は渡航費よりも安上がりだとはとても思えないんだけど……
第2に、史料の山に埋もれて色々探していく中でお目当ての史料を見つけるコツとか時代ごとの史料の特徴を見分ける目とか崩し字の読み方とかそういった歴史家としての技倆が養われるので、単純に他人に任せればよいという話ではない(「時代ごとの公文書の形式の違い」みたいなのも当然論文のテーマになるけど、これ書くためにどのくらいの史料読む必要があると思う?)。
ていうか、なんか勘違いされてるフシがあるけど、読んだ史料が全部研究に使えるわけじゃないからね。目録に面白そうな史料があったから地方の文書館に足を運んで閲覧してみたけど期待ハズレで全然使えませんでした、とか、膨大な史料の山を探しまわってようやく使えそうな史料の一群を見つけました、とか、何気なくパラパラめくってた史料の片隅にさり気なく重大なことが書いてありました、とか、そういうのあるあるなので。お目当ての史料だけ外人にコピーしてもらえばいいじゃん! なんて夢物語でしかない。
第3に、そもそも論としてなんで自分の研究のオリジナリティの源泉たる史料の入手を現地人任せにするのか。現地の文書館に通って現地人がちっとも注目してないけど重要な史料を発掘したなんてこともあるわけだけど、そんな史料を現地の研究者にコピーさせられるわけないだろ、常識的に考えて……論文で発表するまで史料の存在をひた隠しにするわ……(現地人が自力でたどり着く分には止められないけど、わざわざここにこんな重要史料がありますと教えてさしあげる必要はどこにもない)
日本史であっても一次史料が海外にある日本キリシタン史では、史料アクセスのハードルが以前から言及されていたのを思い出した。
なおアジア・アフリカの旧植民地ではそういう状況がデフォルトの模様。日本史を研究する日本人の歴史家は日本国内で研究を完結させられる余地があるけど、インドネシア史を研究するインドネシア人の歴史家がオランダに行けませんとか、インド史を研究するインド人の歴史家がイギリスに(ryとか、台湾史を研究する台湾人の歴史家が日本に(ryとか、そういうのはマジで研究に支障が出るよなあ……
そもそも論だが、「日本人が」イギリス政治史とかドイツ経済史とかを研究する意義が不明。「現地の研究者に任せる」だと何故駄目なのか?
それな! ぜひ同じことをドナルド・キーンやロナルド・ドーアやケネス・ポメランツやイアン・ニッシュやJ・ヴィクター・コシュマンやブレット・ウォーカーにも言ってきて!