はてなキーワード: 金海国際空港とは
6일
6日目
結局のところ、横にはなったが深く眠ることはできず、1時間ほどウトウトしただけだった。
6日間を通してゆっくり眠れたのは、3日目、光州の夜くらいだったか。
それでも動き回れたのは、緊張だったのか、興奮だったのか。
身体の反応の原因はハッキリとしないが、気持ちとしては概ね楽しく、興味深いことが多かった旅行だった。
4:30
東横INNをチェックアウトして、フロントでタクシーを待たせてもらう。
5:00に配車される予定だった。
4:35
早いなオイ。
まあいいや、チェックイン、出国手続き、税金の還付、再両替など、やることは結構ある。
スーツケースを引いてくれるおじさんの後についていきながら、計3泊お世話になった東横INNを後にした。
「ありがとうございました!」
ホテル越しに行き先はもう知っているようだったが、言葉を理解して反応しているのとは違う印象。
いきなり日本語で朝の挨拶をして来たから油断していたが、おじさんは日本語はできないらしかった。
夜の街をタクシーが滑り出す。
そういえば、今回の旅程に光州を組み込んだのも、映画「タクシー運転手」がきっかけだった。
映画の中でも、運転手を演じたソン・ガンホは満面の笑みでジャーナリストを迎え入れた。
もちろん自分はジャーナリストではないし、映画のように、流血の巷に向かうわけでもない。
ただ、「知りたい」という気持ちでこの国に来たのは同じだ。
光州と釜山の街と人々。
釜山はちょっと汚いがエネルギッシュで、人々は朴訥で享楽的、そしてお節介だ。
それぞれの街に歴史と政治を思い出させるものがあり、日々の生活と人々の交流がある。
「親なんちゃら」とかではなくて、ここでは「政治的」と呼ぼう、韓国の人々は、5.18記念公園やチャガルチ市場を見て過ごしながら、政治的な話と日々の生活との間で揺れながら毎日を送るのだろう。
毎度毎度、似たような結論になってしまうのだが「この国を訪れて良かった」
政治や歴史などの「大きな話」を人の口から聞いたのでは、分からないことがある。
たとえ旅行で表面を撫でただけでも、その地の空気を吸って「感じる」事があるのだ。
「オルマエヨ?」
おじさんがちょっとだけ驚いた顔をした。
おじさんが丁寧に下ろしてくれたスーツケースを受け取って、謝辞を述べた。
「カムサハムニダ!」
0일
出発前
新元号が「令和」に決まった。
昨年から世の中やネットを賑わした天皇の生前退位とそれに伴う10連休。
予定を立てずに漫然と迎えれば、塞ぎ込んでしまうか、掃除・洗濯・ジム通いと動画巡りで終わってしまうかのいずれかに決まっている。
台湾、香港(国境を越えて深圳/広州)、ベトナムを訪れたけど、韓国は未踏だった。
韓国が後回しだったのは、台湾や香港に比べてネットで見聞きする風景がフォトジェニックでないし、K-popや政治関連のニュースで、何となく「知っている気」になっていたからで、興味が湧かなかったからだ。
しかし、昨年訪れた博多の街で、思った以上に韓国人が観光にやって来ているのを知って、「こうやって沢山の韓国人が日本にやって来ているのに、俺は韓国の地を自分で見た事がないな。」と思った。
「じゃあ、彼らが来るように、今度は俺が行こう。」
行き先に定めたのは、あの博多から目と鼻の先の街・釜山と、昨年みた映画「タクシー運転手」の舞台になった光州。
ポップカルチャーで先端をいくソウルより、韓国の地方の風景の方に興味があった。
「知ってるつもり」だけど見た事はない隣の国。
航空券とホテルの予約をとった時には、文政権と日本政府の関係は冷え切り、韓国司法も徴用工問題で日本企業に対する賠償請求権を認め、政治も司法も関係は最悪の状態。
「とはいえ出発の頃には状況は変わってるかもな」と思ったが、一向に状況は良くならない。
これだけニュースで「関係が悪い」と言われる国というのは、実際どうなのか。
出発は4月末。
令和最初の日は、過去の戦争を巡って揺れる異国の地で迎えることになった。
1일
1日目
雨天の影響か成田を20分遅れで出発したJL969便は21:00に金海国際空港に到着。
空港からホテルのある釜山まで、バスやタクシーを使う手もあったが、ここで交通カード・T-moneyを購入して、韓国の移動を便利にしたかった。
空港1階のコンビニに入り、忙しそうに動き回る店員さんに声をかける。
素っ気なく「Sold out」。
止むを得ず、駅に向かって、そこで買い求めようとしたが、ここでも売り切れだ。
そうこうしているうちに時間はもう22:00。
一度ホテルにチェックインしてから、西面に引き返してデジクッパの店で夕食をとろうかと思ったが、そんな時間は無さそうだ。
慣れない券売機でコイン型の切符を買い求め、やって来た電車に乗り込んだ。
よく、韓国についてネットで「キムチ臭い」という話が聞かれて、多分にバカにした響きで語られるので本当のところはどうなのかと思ったが、実際、電車の中のような密閉空間だと、確かにそういうキムチを入れた冷蔵庫的な匂いはする。
やや年配男性の方が匂いが強い気がするので、長年の食習慣は影響するのかもしれない。
街中の匂いという点においては台北でも漢方のような匂いはしていたし、日常的にある匂いには慣れて感じなくなってしまうので、韓国の人には特に感じないんだろう。
そう思うと日本は外国人にとってどんな匂いがしているんだろう。
遅くなったがホテルに到着。
東横INNは韓国であっても全く日本と変わらない東横INNで、カウンターでは日本語も通じる。
ちょっと予想外があって緊張もしていたので、いつもと同じすぎるほど同じな東横INNに安心した。
コンビニで買ったハンバーガーにかぶりついて旅行記を書いているうちに24:00。