はてなキーワード: 野戦とは
変な話だが早い話、傭兵ってやつだな
アホのネトウヨや訳知り顔のミリオタが日本ではまるで軍事技術は超高度な専門職だから一般人が片手間で身に着けられるはずがないとかたわけたこと抜かしているが(チキンホークの分際で徴兵制の話になるとその理屈で逃げるからでしかないわけだが)
確かに自衛隊は普通科でも、前期教育が三か月、後期教育が三か月だ、しかしこれは破格と言っていいくらい訓練に時間をかけている
世界最強のアメリカ海兵隊は、前期後期を合わせても3か月ギリギリあるかないかくらいの訓練期間だ、アメリカ陸軍も医者とかパイロットを除いて歩兵に絞れば全部合わせても3か月だ。
訓練内容をさらに絞って、ネトウヨや、学校や職場をテロリストが占拠してやっつける妄想してるみたいなイキリオタクの陰キャが血眼にして知りたそうな個人戦技だけを絞ってみても、銃の分解手入れ、安全な取り扱い、撃ち方や構え方、付属の機材や武器の使用法、タコつぼ掘り、格闘の型を軽くして、あとは銃剣格闘、手榴弾の使い方と投げ方、野戦戦術、室内での戦術(手榴弾放り込んでクリアリングしながら撃つだけ!)応急処置といったもので、あとは腕立て腹筋ランニング、といった具合だ、ハッキリ言ってプログラマーやSEの方が覚える内容が高度で多いというレベルなんだな(軍隊そのものを悪くいっているわけではありません、あしからず)
さてここで思ったこと、今の日本はもはや雇用慣行から商習慣が崩壊寸前のグダグダブラック化が超加速してるわけだが、アメリカのこういうった「個人事業主の傭兵」のようなビジネスロジックやモデルを輸入して広まったらどうなるだろうか?
まあ、一億総テロリスト時代の幕開けやで~、ヘタすりゃ1970年台のイタリアみたいになるかもな
そうならないように自民党と警視庁ははよ今よりももっとネトウヨを育成して、アホ軍事理論叫ばせてそんなことがネットで語れないほどに涵養させた方がええでんがなまんがな
まあ、この不景気どころか国が傾いてるご時世に、のんきにネトウヨやってくれる底辺なんてそうそう見つからない時代になってきてんだろうけどな
若くて溌剌としてイケメンだったり美少女だったりする軍の指揮官、いいよな。好きだ。
でもこの2つを両立させるのは難しい。王子として生まれれば自動的に総大将になれた前近代ならいざ知らず、近代軍では元増田でも書かれてるように現実には20代の軍人なんてかなり優秀なやつが大尉になるのがせいぜいで、軍勢を率いるなんて無理だ。
だがフィクションの作者は色んなやり方で「近代軍の」「若い指揮官」という2つの萌え要素を両立させようと試みてきた。以下、思いつく分だけ列挙する。
典型例はみんな大好き『銀河英雄伝説』のラインハルト・フォン・ローエングラム、あるいは『タイタニア』のタイタニア一族。『A君(17)の戦争』の小野寺剛士もここに入るだろうか(いや魔王軍は近代軍なのか……?)
星界シリーズの皇族もここに含まれるかなとちょっと思ったけど彼らに与えられている特権は少佐(十翔長)になるのがやたら早いというだけで佐官以上の昇進は完全実力主義なので含めなかった。
典型例は『双星記』の〈おそるべき子供たち〉や、『フルメタル・パニック!』のテレサ・テスタロッサ(軍というか傭兵部隊だから許されてる感もある。ただ〈ミスリル〉はその他のキャラの年齢と階級のバランスはやたらリアルなのでここに分類した。『踊るベリー・メリー・クリスマス』アニメ化してほしい……マデューカス中佐の勇姿を見たい……)
亜種として、「指揮官適合者を人工知能が勝手に選ぶので年齢とか関係ありません」型もある(『神無き世界の英雄伝』)
典型例は『銀河の荒鷲シーフォート』のシーフォート。アスターテ星域会戦時のヤン・ウェンリーもこのタイプかな。
典型例は星界シリーズのアーヴの皆様。嘘みたいだろ、50過ぎてるんだぜ、あれで……
典型例は『ストライクウィッチーズ』の隊長諸姉。ミーナさんじゅうはっさい。
典型例は『タイタニア』序盤で描かれたケルベロス星域会戦でのファン・ヒューリック、『双星記』のケイン・ラインバック。〈おそるべき子供たち〉はジェニファー・クローゼンヴァーグの肝煎りで出世してるからここに入るかも。
『双星記』に出てきた「戦時特例任命法」は良いソリューションだと思うのでみんなもっと参照するべき(貴族制時代に作られた「貴族様を指揮官にするための法律」が正式に廃止されていなかったことに気づいた奴がこれを利用して指揮官になった)
典型例は海原零『ブルー・ハイドレード』(ってこれわかる人いるのかな……?)
典型例は『魔法少女リリカルなのはStrikerS』とか『銀河英雄伝説』とか……
典型例は『銀河英雄伝説』のユリアン・ミンツ、『タイタニア』のファン・ヒューリック、『蒼き鋼のアルペジオ』の千早群像。共和政府を自称してるけどどう見てもただの軍閥だからね、仕方ないね。
https://anond.hatelabo.jp/20170724234904
さんざん田中芳樹作品をネタにしておきながら『七都市物語』を忘れていたとは不覚の極み……! あとカレル・シュタミッツは4だよね。
ごめんなさい(土下座)
Windfola スペオペ伝統の異星の小国の王女を助けて指揮官に…は近代軍じゃないか/未来人・天才科学者は3の亜種かな/クーデターや軍を興すタイプは11? 反乱軍のリーダーは熱血主人公か若きカリスマだよねやっぱり
クーデタや革命を起こす主体が正規軍だった場合は、新しく「クーデタや革命で若手が権力を握った」という類型を付け加えるべきだと思う。実際歴史を見てもクーデタ起こす主体として「青年将校」はよくあるので。カダフィ大佐もクーデタで政権を掌握したときは27歳の大尉だったらしいし(Wikipedia調べ)
nakex1 キャリア組の警察署長とかから連想すると,官僚的な仕組みが発達した国家なら若くして地方の指揮官になるのはありなのでは。
陸軍だと、だいたい大尉(できたてホヤホヤではないそれなりに歴史のある近代軍で20代のうちに到達できそうな一番上の階級)が中隊長になることが多いと思うんだけど、中隊って規模が百数十人なのね。普通はこの上に大隊、連隊、師団とあって、中隊が独自のユニットとして動くということはなかなかない。
ただ、『皇国の守護者』みたいに、ある地方に敵が攻め込んできた結果絶望的な防衛戦をすることになって、中隊長クラスが作戦の指揮を執る(あるいは押しつけられる)展開はアリかもしれない。実際新城直衛は中隊長ですらない中尉だったけど、中隊長の戦死で中隊を、大隊長の戦死で大隊を率いることになり、かつ野戦昇進で大尉になってるので類型4に当て嵌まるのかな。
あるいはものすごい小国で中隊長クラスでも数人しかいないとかになると類型2に当て嵌まるかしら。そういえば赤城毅『虹のつばさ』に出てくるメーアシャウム王国の陸軍は最高階級が少佐だったっけ。まあその作品では普通のおじさんだったけど。
戦争っぽいもので指揮を執る警察キャリアといえば、有川浩『海の底』に出てきた烏丸俊哉警視正がいたわ。年齢的に若いといえるかどうか疑問だけど(階級の割に若いけど、ラノベや漫画やアニメの主人公張れるほど若くはない、と思う)
重複の確認が面倒になってきたのでまとめました(千日前線まで)
http://anond.hatelabo.jp/20161013121729
http://anond.hatelabo.jp/20161016080802
あ行
合図せん
あ、光線
浅くサーセン
あら、躱せん
ありません
言い出せん
椅子見せん
いつか1線
猪かしら?線
王目線
織田休戦
お、打球線
斧出せん
オバマ線
か行
貸しません
神コーチ線
9週新歓線
今日、通せん
くれ専
KO線
KO新鮮
傾城線
ゲイビ線
京Yo線
紅葉せん
コーナン線
Gonault線
子皆と鉄道線
さ行
最強線
探せん
しません
じょうぶ鉄道
真珠苦戦
SAY!HO!線
そう武線
た行
タダ見せん
チュウoh線
倒壊 同心 観戦
投球、球躱せん
東京娶ろ
東部登場線
十日移動線
TOHO線
飛ばせん
な行
鳴らせん
は行
腹出せん
日々野戦 日々夜戦 日々痩せん
復縁線
拭くと新鮮
二股せん
ま行
ミス見せん
満たせん
もお貸せん
や行
You落丁線
横すか線
余、参戦
ら行
理由が先線
わ行
数えてみたら34個は俺が考えたやつだった。暇か。
「どういうことぢゃ!?」
増田典厩はひさしぶりに実家に帰ってきた娘を詰問した。彼女はまず平伏した。
首尾良く増田家(八)内部に入り込んだ娘は増河の合戦時点では正確な情報を送ってきていた。
そのおかげで増田家(四)は思い切って兵力を東に集中し、死戦に勝利することができたのだ。
帰ってきたら昇級だと褒められていた娘だが、みやこを巡る増田家と増田家(士)の戦いには正反対のことをした。
増田家と同盟の後増田家が北の国境に十分な兵力を残していると偽り、主家の判断を誤らせたのである。
実際に残っていた野戦戦力はカラトラヴァ騎士団くらいのものであった。
増田家(四)は増田中弐船団の難破者を助けたことで増田海側での中入り策を知っていたが、
さらに反対側の海岸でも同様の作戦を行うとは予想していなかった。
もしも、知っていれば武力に訴えなくても旧増田家(六)領の残り半分くらいは切り取れた可能性がある。
歩き巫女はゆっくりと顔をあげた。強いまなざしで父を見つめる。
少し頬を染めてから唇を開いた。
「実は……漏らしてしまったのです」
もちろん大便のことである。
「あわてふためくわたくしを見て、あの方はこう仰いました。「ここで我が漏らしたのは二人だけの内緒だぞ」と……」
増田典厩の瞳が揺れた。上を向いて瞼を閉じる。一筋の涙が皺だらけの頬を伝った。
「美談じゃな」
でも、多くの人はそれを認めることができません。
その弱さを他人の分まで背負って泰然としておられるあの方は真に強き方だと思いました」
娘は頬をこわばらせた。
「ええ、おめおめと戻ってこられる身とは思っておりません。
ただ、これだけはわたくしの口から父上に直接お話したかったのです」
いま増田家(八)は恒常的な和睦を求めている。
現状に少し変更を加えるだけで各家の領土を固定化し、増田島の戦乱を終結させたい。
具体的には増田家(四)が旧増田家(二)と旧増田家(六)の半分を割譲し、増田家(一・三・四)を治める。
割譲された旧増田家(二)は増田家(五)に分配し、旧増田家(六)の残り半分を放出する。
増田家(八)の下に入りながら復興をなしとげた増田家(十)が(士)の領土も支配する。
増田家(士)との戦いに多大な貢献をした増田家(五)は土地を重視するため、少しでも領地をわけ与える必要がある。
また、重心となるべき増田家(八)は明確に最大の勢力でなければならない。
このような事情から考えられた領土分配は、つまるところ彼らの都合に過ぎず、増田家(四)内部の気持ちをおもんばかっていない。
確かに国力では圧倒される立場だが、仮想敵は一枚岩になりきれず、以前行われた旧増田領(二)での直接対決でも自分たちが快勝している。
そして、領土の割譲が皆無では増田家(八)(というより後増田家)も和睦を受け入れない。
やはり一戦に及ぶしかない。
そして戦いが始まってしまえば増田家(四)の当主は最後まで勝利を追求するに違いなかった。
「いくさはイヤにござります!」
「シエーーッ!!」
増田典厩は娘の言葉に横から頭を抱えるポーズを取った。武家の娘が何を言う……。
「考えてくださいませ。両家のいくさとなれば主戦場になるのは、わたくしたちの故郷でございます!」
「う、うむ」
「父上は主家や増田家(八)の思惑ばかり考えていらっしゃいますが、
おめおめ帰ってきたのは、それをどうしてもお聞きしたかったからです」
彼女は激烈な調子で言い放って、顔を青ざめさせた。増田典厩は長時間腕組みをして考え込んだ。
前回
http://anond.hatelabo.jp/20160618092459
次回
北の増田家(一)が謀略によってあっさり滅亡したことで増田家(四)は周囲から孤立した。
さいわい増田家(八)が増田家(五)との戦いに集中していることは、いろいろな情報源から明らかになっている。
控えめにみつもっても二倍の国力差を埋めるべく、増田家は用意周到に戦いの準備を整えた。
増田家(三)も戦の準備を着々と整え、戦う前に勝負は決まっている状態を作って南下をはじめた。
なお、増田家(五)を増田家(八)と折半する戦略は、増田家(五)が好意的な態度を示していたことから否決された。
増田家(四)を併合して増田家(三)が圧倒的な存在になれば、増田家(五)は戦うまでもなく屈するはずだった。
せいぜい、敵に滅ぼされない程度に耐えてくれていればよい。
総兵力六万を号する増田軍は自慢の鯖街道を伝って一路、南進。国境を越えた増河のほとりで、
「背水の陣か……」
敵軍は増河が馬蹄形に屈曲した部分の内側に立てこもっており、カーブする上流と下流が約1kmまで最接近した部分に戦列を連ねていた。
側面からの攻撃は難しく、まずは正面から攻撃するしかない。その点では利に適っている。
だが、すいすい背水の陣は危険な戦法だ。兵は死力を尽くして戦うかもしれないが、負ければ河に退路を塞がれて壊滅は免れない。
この一戦に負ければ後がないとの増田家(四)の覚悟が伝わってくる。
当主は足止め部隊を残して敵軍を無視して先に進む妄想をもてあそんだが、
ここは海岸へ向かう重要な渡河点の近くであり、足止め部隊が負ければ、背水の陣になるのは自分たちの方だ。
敵がゲリラ戦に走らず、雁首そろえて出てきてくれたことを幸いとして、叩き潰すにしくはない。
増田軍六万は敵軍の前に堂々と展開した。
右翼には裏切りによって味方についた旧増田家(二)一門を中核とする増田勢、
中央にはもっとも頼りになる譜代勢、そして左翼には本領の国人衆と北の傭兵軍団。
前衛には降伏直後で信用されていない旧増田(一)勢が配置された。
秘蔵のカラトラヴァ騎士団は全軍の後方に配置され、名にしおう増田騎馬軍団の出現と、両翼部隊の万が一の裏切りに備えている。
それも旧増田(一)勢を使いつぶしにして波状攻撃をしかけることで最終的には数の優位を活かせる算段だ。
増田家(士)が増田家(十)攻めに使ったのと同類の戦法である。
一方、増田軍は二倍以上の敵を前にして多くの兵士が脱糞を済ませていた。
おかげで、はらわたを刃物にえぐられても感染症で死ぬ可能性が低下した。大量のうんこも背水に排水できた。
増河は赤く染まる前に茶色く染まった。
下っ端には到底勝てると思えない状況なのだが、当主は泰然自若としていた。
それがブラフなのか、本当に秘策があるのかは、火蓋を切るまでわからない。
戦いを先にしかけたのは劣勢の増田軍であった。すべての敵を視界におさめておきたい事情は彼らも同じだった。
激しく銅鑼をうちならし、一部の兵が増田軍前衛に突っ込んでくる。
昨日までの敵にむりやり戦わされている前衛部隊はそれでも勇敢な兵士たちであり、敵の攻撃を真っ向から受け止めた。
しばしもみ合い両者が離れた時には、大地は両軍の血で汚されていた。
「追えーっ!」
前衛部隊から誰かの声があがり先制攻撃をしかけて来た敵を追う。釣られて六万にのぼる増田軍全体が動き出した。
迎え撃つは増田軍の歩兵戦列。堅固に隊列をくみ、長柄の先をそろえた彼らは肝を据えて、馬蹄形陣地の栓になった。
増田軍の第一波はおしかえされ、前衛の指揮官は冷や汗を流しながら、まずは弓と投石で敵を崩そうとする。
飛道具で狙われた長柄兵は置き楯の後ろに隠れ、増田軍(四)の弓兵が応射する。
味方の支援の下に増田軍前衛が突撃すると、矢の雨が止んだ一瞬をついて、長柄兵が再配置され敵を押し返す。
その繰り返しは増田家(三)当主を苛立たせたが、確実に敵の体力を削っていった。
「両翼からも弓兵を寄騎にまわしてやれ!」
噂の手銃がたくさんあれば……と当主は唇を噛んだ。
いよいよ損耗が深刻になってきた増田軍の第一線は大量の矢を浴びながらやっと後退する。
だが、後退は交代であり、すぐ後ろには第二線の歩兵が穂先を連ねていた。
しかも、第一線と二線の間には浅い溝が掘られていて、いきおいをえて突撃した増田軍前衛は転んだところを刺されて大損害を被った。
「下がらせよ」
不機嫌そうに当主は言い捨て、こちらも前線にたつ部隊を変更させる。
両翼と中央から抽出させた精鋭部隊だ。さらに両翼の部隊には一部に増河をわたらせて敵の側面や背後に出るように命じた。
直接攻撃するにはもう一度、河を渡らなければならないので実害を与えるのは難しいが、心理的に与える影響は大きい。
もっとも増田軍は敵の迂回を歓迎していないらしく、渡河部隊は岸にたどり着く直前に伏兵の攻撃を受けた。
増田軍の中から悲鳴があがる。川岸に展開した増田軍の騎兵は水中で身動きの取りにくい敵を、馬上から次々としとめて行った。
同じ騎兵が相手をしようとしても武具が水を吸っていて分が悪い。何よりも渡河中で相互支援ができなかった。
おかげで両翼での戦いも思うようには進展しない。
「ワタシたちが出ましょうか?」
カラトラヴァ騎士団グランドマスダー、アトビーノは増田騎馬軍団の出現を受けて、当主に進言した。
「……しばし待て」
増田騎馬軍団に河を渡ってくる力がなく、迎撃に専念するなら、突破力のあるカラトラヴァ騎士団は中央での決め手として使いたい。
両翼にはせいぜい騎馬軍団を引きつけてもらおう。
増田家の当主はそんな判断で両翼の渡河作戦を続行させたのだけど、それをみた増田家の当主はわずかな焦りをみせた。
「やむをえぬ……我が自ら出るぞ。馬廻衆は続けぇ!!」
彼は第二線の直後まで本陣を進めて、盛んに督戦した。
「大将首だ!」
「ヒャッハー!!」
著名なションベンタレ(魚類、別名タカノハダイ)の前立てを目撃した増田兵が戦場の中央に殺到する。
その先から屈強な怖いお兄さんたちに追い散らされても次々と新手が押し寄せてくる。
血と泥と汗の渦、その中心に増田がいた。先に脱糞していなければ、脱糞していたかもしれない。
激闘は数刻の長さに感じられたが、実際には太陽はほとんど動いていなかった。
「御館様!これ以上は!!」
敵を刺して折れた槍を捨て、太刀を抜いて馬廻りが叫んだ。
同士討ちの危険を無視して弓矢が当主の近くまでびゅんびゅん飛んでくる。
「おのれ!ここまでか!?」
増田軍は第三線への切り替えをめざし、二度目の後退をはじめた。
「もらった!つっこめぇーーッ!!」
敵が下がるのを知った増田家当主は中央の譜代衆に命令をくだした。
最大の手柄は自分たちが収める。複数の地域を支配する家ならではの狡猾さが現れていた。
下がる増田軍は一気に圧力を増やされ、今度は思ったところで踏みとどまれなかった。
後ろは河なのにずるずると下がり続けてしまう。それをみて、敵は嵩にかかって攻め立ててくる。
もはや増田軍は風前の灯火。ついに殿をつづける当主を見捨てて、武具も脱ぎ捨て河を泳ぎ渡る兵士が出没しはじめた。
忠誠心の期待できない増田家(六)出身兵の行動だったが、動揺は増田軍全体に広がっていく。
「もうだめだぁ」
「お助けを」
武器を捨てるもの、敵の慈悲にすがるもの、戦意を失ったものがパラパラと現れる。
「御館様、ここはお下がりください」
「敵の勢いが激しすぎます」
「ここで生きながらえて意味があろうか。死中に活を得ん!」
最前線に躍り出て、鞘を抜き放つと、太刀を陽の光にかざして叫ぶ。
鎮北将軍といえば、かつて増田家(六)の血筋が東北の支配に任じられた極めて高位の官職であり、
増田家(六)の血筋を奪ったことで無理矢理名乗っているのであろうが、当主にとっては非常に不快である。
「あの僭称者の希望通りにせよ!首をとった者には一城、いや一国を授けるぞ!」
「「おおっ!!」」
目前に高価な肉をぶら下げられて六万人が一人の殺害に心を合わせた。
まさに殺到が起こり、圧死者が敵味方に発生する。もはや人の津波である。汗の蒸気が霧になり、戦場を覆った。
ちなみに戦場の喧噪の中で鎮北将軍は、ちんぽこ将軍と聞こえた。
もはや六万人の大半が馬蹄型の内部に入り込み、隊列の入れ替えも難しい状況だった。
目端の利く指揮官は川沿いを走らせることで、敵の側面攻撃を狙った。
太鼓の乱打音を受けて対岸に配置されていた増田軍(四)投石機部隊が偽装を撤去、全力射撃を始めたのだ。
「せーの!」
数十人が力をあわせて綱を引き下げると、腕木が旋回し、反対側にくくられた飛礫が高速で飛翔していく。
敵だらけなので狙いを付ける必要もない。ただ発射速度を優先して撃ちまくる。
綱を引くだけなら戦闘訓練なしの人材でも行える点も便利だった。
増田軍は決戦のために領内の投石機をかき集めていた。新造もおこない三十メートルに一基の密度で砲台を築いている。
さらに吊り井楼まで投入され、一挙に高所にあがった精鋭弓兵が対岸の的を射まくった。
増田兵が吹き飛び、苦悶の声をあげて倒れ、死体が折り重なっていく。射撃から逃れる遮蔽物といえば、その死体しかない。
増河屈曲部は地獄絵図と化した。
増田家(三)の当主は絶句する。ただ配置するだけではなく、偽装も完璧とは信じられない。
最近の設置であれば動きを察知できたはずだ。自分たちの進撃路は完全に読まれていたと言うのか。
「やつは海から一日行程以上離れない。そして、ここの先には有名な漁港がある……」
賭けに勝った増田家(四)当主はひとりごちた。長年にわたる地道な諜報活動のたまものであった。
東北で勝ち抜いたのが、以前から国境を接している増田家であることが幸いした。
他の二家であれば、ここまでの情報は集められなかったはずだ。
射程三百メートルを超える投石機の猛射撃によって増田軍はやむなく馬蹄型空間の中心に集められていった。
当初はひとりあたり六平方メートルあった空間が一平方メートルになってしまい、
武具や馬の存在を考えれば満足に体の向きを変えることさえできない。
本陣だけは馬廻りのスクラムで空間が確保されていたが、押しつぶされるのも時間の問題に思われた。
「ワレラが退路を切り開きもうす」
「よし、いけ!」
カラトラヴァ騎士団は蝟集する味方を吹き飛ばして後方へ走った。
だが、そこには敵の視界外から長駆して進出してきた騎馬軍団が展開を終えていた。
本当の増田騎馬軍団だ。両翼に伏せていたのは増田軍(四)の騎兵にすぎない。内通者によって、その誤認は導かれていた。
彼らは重騎兵との正面衝突をさけ、騎射でもっぱら馬を狙った。
「卑怯者ガ!!」
増田典厩は騎士の主張を鼻で笑う。彼らは戦場からの脱出を試みる敵をことごとく網に掛けていった。
そうこうしている間にも増田軍本隊は末期状態に陥っており、三国の出身者が混在しているせいで同士討ちさえ起こっていた。
「まて、拙者は増田軍だ」
「どの増田軍だ」
「味方だ」
「俺がどの軍か分かるのか」
「増田軍だ!」
もはやグダグダである。一部の兵士にいたっては自分の空間を確保するためにあえて味方を殺傷していた。
「降れ!降れ!」
「勝負はもう着いた」
もっともな勧告が正面から聞こえてきて、傷つき疲れ果て恐怖のあまり脱糞した増田軍はついに武器を放棄した。劇的な逆転であった。
カラトラヴァ騎士団のみが何とか組織を維持して戦場を離脱する。
増田家(三)の当主は三国の太守から一転、毎年サバ一年分の捨て扶持を与えられる身になった。
「おのれ!我が青ザリガニを大事に育てていることがバレるとは!!」
……そんなことは誰も知らなかった。
前回
http://anond.hatelabo.jp/20160611095343
次回
ピーナッツ畑の支配者がまたアメリカで大統領に再選されてからってもの、サイコーにはやってるのが戦争だってことぐらい、ポップアイド・フリークのみんなならもうとっくに知ってるよね。
実際にLAはもちろん中西部、あの(何故か「あの」がついちゃうわけだけど)ニューヨークでも、シテー・ボーイやオリーブスのあいだじゃ戦争が大モテで、カルバン・クラインが野戦服を出すってニュースまでマンハッタンには飛びかってるんだ。
考えてみれば、もうぼくたちは長いこと本チャンの戦争にはふれてないって、我が日本のシテー・ボーイは、シテー・ボーイとして、いささかの負いめなんか感じてるんじゃないかって今日このごろ、ついに日本にも戦争が上陸しそうなんだなあ、これが。
もし本当ならこれはもうゴキゲンのダイナマイツなんだけどね。
ま、時代の先っちょを行く我々ポップアイド・フリークは、この秋、ニューヨークの戦争をカレッジ・ライフにどしどしとり入れてクオリティ・アップするのもいいんじゃないだろうか、というわけで、このトレーナー、ラコステの野戦服とギンガム・チェックの弾帯なんかとコーディネイトすると、少しばかり気分で戦争だよね。