はてなキーワード: 重国籍とは
移民関係の弁護士さんと話した事がありますが、他国の国籍を取ったら日本国籍は失効すると言うのは、いわば、日本の政府が多国籍を取ってもらいたく無いための脅しみたいなもんだと言っていました。
私の知人でも、役所で日本国籍の離脱の手続きをしようとしたら、窓口の人に、一度国籍離脱したら戻すのが大変なので良く考えた方が良い、親が日本にいるなら国籍があった方が良いのではないかなどと説得されて二重国籍のままの人がいます。
法律が全てではありません。
実情と法律がかけ離れている一例ですね。
相談相手が交番のお巡りだったとしても同じ感じなのだろうか…?法律破って取締られないのと法律遵守して馬鹿を見るのとなら前者選ぶようになるよな…少しでも法律を無視した実情があると法治国家は徐々に崩壊していくよね
※以下に書くことはサッカーファンにとってはほとんど常識と言って良い内容だが、そこまでのサッカーファンでない、日本代表の試合くらいは見るけどJや海外サッカーまで追ってないような人たちのために書いている。
つい先日、レアル・マドリードの先発にスペイン人が一人もいないという状況が起きた。
と聞くと「リーガ・エスパニョーラって外国人枠無いの?」と思うかもしれないが、半分は正しい。今のリーガ・エスパニョーラやセリエAに『外国人枠』はない。というか作れないのだ。
ボスマンという選手が移籍を巡って提訴した裁判の判決が1995年に出て、「EU内での労働者の移動の自由」はサッカー選手にも適用されることになった。
だからそれ以降、セリエAやリーガ・エスパニョーラに存在するのは『外国人枠』ではなくて『EU外選手枠』に改められた。
逆に言うと”EU加盟国の選手であれば外国人でもいくら取っても可能”ということになり、2010年にはとうとうイングランド・プレミアリーグの試合なのに両チームでピッチに立っている選手にイングランド人が1人もいない試合という事態も発生した。むしろレアル・マドリードはよく持った方だ。
とはいえ、ここまで来ると『チームのアイデンティティとは何か』という概念にも関わってくる。スポンサー料や放映権料も重要だが、クラブチームにとっては入場料も決して無視できる収入ではない。
そして、入場料を一番多く払い、あるいは国内向けの放送を熱心に見てくれるのは、自分のクラブを『おらが街のクラブ』として長年応援し続けてくれる人たちだ。
(余談&完全に増田の私見だが、この『おらが街のチーム』として熱心な固定ファンを掴むのに最も成功している日本のスポーツチームは、プロ野球の阪神タイガースである)
そういう人たちが『外国人ばかりのチームでは自分たちのチームと思えない』と思うのは地域密着の理念から当然のことであるか? それと排外主義の差別主義者か?
少なくとも簡単に答えの出せる問題ではないし、『自分たちのクラブと思えないから”自分は”スタジアムに行かない』というのを止める権利は誰にもない。
だがそんなことが多く起こるようになったらサッカーの将来にとってあまりプラスにはならない。スタジアムに観客が少ないとやはり盛り上がりに欠ける。
そういうわけでここ数年「ホーム・グロウン」という制度ができた。欧州のカップ戦(チャンピオンズリーグおよびヨーロッパリーグ)に登録できるシニア(22歳以上)の選手は25名までで、
そのうちの最低8人までは、21歳までに3年間は『自国内のクラブに所属した(≒育てられた)』選手でなければならない。国籍で問うとEUの判例に引っかかるので『育った場所』を基準とすることになった。
チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに出ないクラブには関係ない(プレミアリーグのように、同様の制度を自国で用意したリーグを除く)が、
資金力が小さくヨーロッパのカップ戦に届かないクラブほど自国出身選手が多いのが常なので問題は少ない。
これも「EUの理念」からは後退なのかもしれないが、「地域に根ざしたスポーツクラブ」という理念からはむしろ正常化とも言える。
とはいえ、アメリカ大陸やアフリカやアジア出身の選手から見れば『EU外選手枠』の中で争うよりは『EU内のどこかの国の市民権持ち』扱いになった方が色々と有利なのも確かだ。
そういう時に有効活用(?)されるのが先祖の血統だ。南米やアフリカの選手の場合、先祖を少したどればどこか西欧の国に行き着くことは珍しくない。
そういう場合は血縁を理由に先祖の国の市民権を取得し、代表は変えず(というかFIFAのルール上変えられない)にEU内選手として潜り込むということが多い。
日本や韓国の選手はそういうことが基本的に出来ないから不利ではある。ハーフナー・マイクや酒井高徳はもしかしたら可能なのかもしれないが……。
少しFIFAのルールに触れたが、現在のサッカーではA代表(年齢制限のない代表)で試合に出たら他の国の代表として試合に出ることはできない。
オリンピックだと、前の大会で卓球の中国代表として出場していた選手が次の大会ではアメリカ代表として出ていたりするが、サッカーでそれはできない。
もちろん、ユーゴスラビアのように国そのものが分裂した場合は別である。
逆に言うと、『A代表で試合に出ていなければ』2つ以上の国を天秤にかけて代表を選ぶこともできる。
(ちなみに以前カタールが『代表に選ばれない程度の、ブラジル人などの有力選手(カタールとは縁もゆかりもない)』
に声をかけてカタール代表にし、手っ取り早く代表を強化しようとしたこともあった。流石にFIFAがそれをさせないルールを作ったが)
だが一方で、フランスが若手の育成組織を整備して1998年にW杯を制して以来、どこの国でも多かれ少なかれ”サッカー選手の育成”に金をかけて取り組んできた。目的はもちろん、自国代表の強化だ。
そんな中で上述したような『南米やアフリカと、EUの国の多重国籍』の選手が、必ずしも自国の代表を選ぶとは限らない。
2000年前後にトルコが強かったのは、『ドイツで生まれたトルコ移民の子孫が、トルコ代表としてプレーする』ことが多かったからだ。
最近ではドイツ代表にもトルコ系の選手が出てきたが、今度は”国策育成の本家”フランスの方で問題になってきている。
2011年、フランスサッカー協会の技術委員会役員が『アカデミーに入れるのは白人を中心とし、黒人やアラブ人は25%以下に抑えるようにできないか』と委員会で発言したことがリークされて物議を醸したが、
そのような発言が出るのは委員個人が極端な差別主義者だったからではなく、『フランスの金で将来のフランス代表として育成したのに、最終的には母国のアフリカ諸国の代表になる』
選手が無視できなくなってきたからだ(もちろん、だからといって許される発言ではないが……)。
アフリカ諸国の協会とEU諸国の協会ではEU諸国の協会に金があるのは成り行き上当然のことであり、最終的には才能なのかもしれないが育成のために金があった方が効果的なのは事実だ。
そんな中で協会としては『アフリカの協会は欧州の金で育てた選手に”ただ乗り”している』という被害者意識が出てきている。
問い. 売国奴は悪なのか?
↑ この問いに対して、誰か明確に答えられますか?
外国の組織(アジア系市民団体)をスポンサーにしているとする。
ここで、彼らから 「報酬を支払うから合法的な小さな売国行為をしてくれ」
と頼まれたとする。
売国 = 「他国の利益になるが、まったく日本の国益にならず、あるいは有害となる行為」
この場合、頼みを聞くことで「Aさん や その家族」は得をする。
よって彼が個人の利益を優先するならば、頼みを聞くのが彼にとって最も合理的だ。
彼は何の罪も負う事はない。
事例. 1 あなたの地元の語学サークルの知り合いのA子さんは
国籍も日本国籍ですが、中国籍や香港籍を持っており、多重国籍で日本に在住しています。
ある日、その人が地元の県議会議員の選挙に出馬し、見事に当選しました。
驚いたあなたは地元の別の議員に、この事を明日にでも通報しようと思いました。
この時、Aさんが話を持ちかけてきました。
考察は非常に面白いけどでもたぶん違う、なぜ違うと思うのかを書く。
まず彼はトップレベルの合理主義者だ、カットマンで知られてるし3重国籍だし結婚生活も長続きしない。愛が理解できない人にしか持ちえない能力をいかんなく発揮して人生を謳歌してる。元増田の考察の原点は愛だ、それはただ元増田がゴーンを愛してるからであり愛を理解してる点で合理主義者を理解出来ないだろう。彼はフランスも日本も愛してない、愛を持ってないからだ。ただただ合理的に世の中を動かすことに情熱を持って生きてる人だ。そう、最後の結論では元増田の考察と一致する可能性がある、だから面白いけどたぶん違うと思った。日産が日本企業として生きるべきかフランス傘下として生きるべきかなんてのは経営首脳陣にしかわからない、ゴーンはどう判断してどう行動したんだろうね。
嫌いな理由はいくつもあるが、その大きな理由の一つが日本人の島国根性だ。
彼らを包摂するのは実は難しいことじゃない。
特別永住権を持つ人たちに無条件、あるいは非常に簡単でコストのかからない方法で日本国籍を付与してしまえばいいのだ。
そしてこれから日本で生まれる外国人の子どもたちには出生地主義を適用して無条件で日本国籍を付与するのだ。
彼らの多くは完全に日本文化の影響下にあり日本語以外の言語をうまく操ることもできないのに。
彼らは確かに明治以前から日本に住んでいた人たちの子孫(私たちが普通「日本人」と素朴に呼ぶ人たち)とは異なるルーツを持つのは確かだ。
だから、彼らには朝鮮半島系日本人として、自分たちのルーツに誇りを持ちつつ、だが同時に日本人として生きてもらえばいい。
要するに私たちは「日本人」の定義を拡大する時期に来ているのだ。
グローバル化の進む今日、どの国も例外なく「移民国家化」する運命にある。
日本人とは、「日本文化に愛着を持ちつつ、日本列島に一定期間以上安定して住むすべての人たち」と再定義すべきなのだ。
そして、彼らの出身国や母語や人種や民族に関係なく、一定の条件を満たす人たちには、日本の永住権および市民権(日本国籍)を与えればいい。
実際には、永住権や市民権の議論以前に、ほんのわずかの定住外国人が増えるだけで、ヒステリックに「移民反対」と叫ぶ人たちが多い。
全くのところ、日本は滑稽である。人口が減りつつあるのに、わざわざ日本に来てくれようとする人たちに門戸を閉ざしている。
そんなに明治以前からこの国に住んでいる子孫であることが偉いのか。
いまの日本の姿はよそ者を受け入れられず衰退する田舎者の姿そのものだ。
いいだろう。そうやって好きなだけ排他主義を貫けばいい。
そうやって衰退し、やがてこの世から「日本人」が一人残らず絶滅したとしてもその運命を受け入れる準備ができているのだろう。
具体的な準備も進めている。
日本はきっと日本なりに問題に対する解決策を模索するのだろう。
好きにすればいい。
私は私の信念に基づいて動く。
入れなくてもわかるだろって話ですよ?
法律論かたるなら、ちゃんと解るように抜き出してくれよ
結局ただの感情論だろ?
国籍法を読みましょうね
手続き不備など意図せず2重国籍になってしまっている状態そのものは 仕方が無い
清廉潔白でならなければならないとは思わないが、せめて 指摘 or 認識した時点で 修正すべき。結果報告もほしい
国政、外交を扱う代表者が 自分達以外でのポジションも持つ時、自分達に不利となる利益相反する疑いがかかるのは当然
(国籍にかかわらず、例えば 国内外に多くのビジネスをもつトランプが大統領就任前から利益相反についてつっこまれていたり)
その疑いに対して、如何に信用を勝ち取るかは 政治家としてのセンス。銀の銃弾はないと思う
で、ぐだぐだした結果 失敗した。(納得しない人がいるかぎり何度でも同じ質問されるんじゃないの?)
日本の戸籍には日本の国籍取得にかんして記載があるのみで外国籍の有無は確認できない
法的に日本人であることは立候補の届出が受理された時点で保障されている。
自己の認識、アイデンテティとして日本人か否かは本人以外が言うべきではないのでは
選挙によって選出された公人の立候補の届出で提出した資料の公開を要求するのは
2重国籍が解消されたこと利益相反を行わないことの証明に戸籍は無意味
なんでこのタイミング?とは思う
なんで戸籍公開なの?とは思う
サベツガーとかで炎上させてうやむやにするのですか
レンホーだかホウレンソウだかがホウレンソウが足りないとか嘘ついてるとか色々騒いでるけど、とりあえず調べろや。
1分で問題ないとすぐ分かるわ。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html
(2)昭和60年1月1日前(改正国籍法の施行前)から重国籍となっている日本国民
昭和60年1月1日現在20歳未満の場合→ 22歳に達するまで
つまり1985年時点で22歳未満のレンホーはこちらに該当する(1967年11月28日生まれ)わけだが、付記がある。
「なお,期限までに国籍の選択をしないときは,その期限が到来した時に日本の国籍の選択の宣言をしたものとみなされます。 」
つまり法務省としては「レンホーは自分から宣言してないが、国としては日本国籍の選択宣言をしたとみなしている」人である。
これはこれで自由意志の観点から国際法上どうなのかと思わなくもないが、法務省がWebサイトで表明している事実だ。
日本国としては「レンホーは1989年11月29日以降、日本の国籍選択を行なったとみなす日本人である」という見解にしかならないのである。
なお台湾の国籍を離脱してないから云々という話があるが、台湾政府としては離脱を認めたわけであり、受理しなかったのは日本の都合。
重国籍問題が法的にどうなのかって部分は知らんけど、仮に問題なければ蓮舫氏を選んだ民進党は正解だったんじゃないかなと思う。理由は、なんとなく発言力があるから。以前小泉総理大臣のときに、言葉が妙に心に残るなぁと思っていたことがあったが、蓮舫さんには同じような力があるように思える。結局のところ独裁政権ではないが、一つの政党が長く政権を握り続けられる状況というのは良くないとするならば、どっか他の政党が必要なわけで、一般的にそれは野党第一党ってことになるわな。実際政権を一度取っている実績もあるし。その民進党の中で国民から支持率の高い人って言ったらそれほど数は多くないと思うし、たぶん蓮舫さんぐらいなんじゃないかな。代表選挙で語っていたように対案を示していくとして、それを我々国民が聞く耳を持てるようになれば、またイメージも変わってくるんじゃないかなと。そして政権交代できるかもねって話になれば、結局それは国民にとって選択の自由があるという意味でも、プラス効果かなと。
たぶん周りにもいると思うよ。
たいてい二十歳になると「日本は多重国籍みとめてないから、日本の国籍にするか選べや」ってなんのね。
なんで、多重国籍は許しまへんでーって強制されてねぇのかなーって当時思って、調べたのよ。
要するに多重国籍を許す国は結構世の中にいっぱいあって、さらに離脱を許さない(離脱を想定してない)国もある。
有名なとこだと、ブラジルね。
国籍法第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有すること
となつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、そ
の時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国
籍を選択しなければならない。
2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の
定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨
の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。
(略)
第十六条 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければな
らない。
ってことね。ブラジルの場合は、努力したけどムリッスってことでOK。
まあ、フツーの感覚だと、日本国籍を選んで外国国籍放棄の宣言したら、放置することが多い。
だって、選択と放棄の宣言したら、そこで終わりだと思うジャン。日本の役所としてはそこまででオッケーだし。
国籍法第十六条の努力義務は、強制の意味合いが薄いから、運用でどうにかしてねって玉虫色の感じになってる。
たまーに、日本国籍を選んだのに、アメリカ国籍持ってるヤツがいるのは、違反っていうより努力義務を怠ってる感じ。
(アメリカは多重国籍を許容するスタンスなので、別に問題になることないし)
というわけで、今話題の多重国籍の話をするときには、この「努力義務に違反してた」ってのは覚えておくとドヤ顔できるぞ!
……まあ、友達ってことにしたって匿名で書くしかないんだけどねこの話題。
出自だの国籍だの話題にするのは品のない行為だとみなされるので、飲み屋でも出さないほうが無難。
大抵の「国籍条項」と言われる「制限事項」は、「日本国籍を持っているかどうか」だけが問題にされる。
だから、多重国籍者に対してうかつなこというと、ワリと面倒なことになったりする。
その手のこと言われて絶対許さねぇ的なスタンスの訴訟慣れしたオッサン面倒だぞ。
外務公務員法第七条には、『国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は、外務公務員となることができない』っていう欠格事由が設定されてる。
(国家公務員の試験を受けられるかどうかの規定にも、ちょい狭い範囲でほぼ同じ制限がかかってる)
「日本国政府を代表して、特定の目的をもつて外国政府と交渉し、又は国際会議若しくは国際機関に参加し、若しくはこれにおいて行動する権限を付与された者」とか。
まあ、法律の趣旨としては「外国の国籍持ってるやつが、日本の代表として外国と交渉するのはヤベエだろ」ってことだろうな。
法の不遡及を大前提として、テクニカルな意味では、多重国籍者が国会議員やってても問題は無い。
たーだー、外務公務員法の第七条の意味を鑑みると、まあ穴は塞いだ方が良いかもしれないかなー
※以下に書くことはサッカーファンにとってはほとんど常識と言って良い内容だが、そこまでのサッカーファンでない、日本代表の試合くらいは見るけどJや海外サッカーまで追ってないような人たちのために書いている。
日本代表の長友が所属していることでもおなじみのインテル・ミラノというクラブ(一応断っておくが、半導体屋のインテルとは無関係。インテルナツィオナーレ=英でインターナショナルの意)には2014年1月現在、イタリア人が4人しかいない。
というのを聞いて「えっ、セリエAって外国人選手でもいくらでも獲得して良いの?」と思う人がいるかもしれないが、そうではない。
ボスマンという選手が移籍を巡って提訴した裁判の判決が1995年に出て、「EU内での労働者の移動の自由」はサッカー選手にも適用されることになった。
だからそれ以降、セリエAやリーガ・エスパニョーラに存在するのは『外国人枠』ではなくて『EU外選手枠』に改められた。
逆に言うと”EU加盟国の選手であれば外国人でもいくら取っても可能”ということになり、2010年にはとうとうイングランド・プレミアリーグの試合なのに両チームでピッチに立っている選手にイングランド人が1人もいない試合という事態も発生した。
『インテルに多いのはEU出身者じゃなくてアルゼンチン人じゃん!』という話は後で触れる。
とはいえ、ここまで来ると『チームのアイデンティティとは何か』という概念にも関わってくる。スポンサー料や放映権料も重要だが、クラブチームにとっては入場料も決して無視できる収入ではない。
そして、入場料を一番多く払い、あるいは国内向けの放送を熱心に見てくれるのは、自分のクラブを『おらが街のクラブ』として長年応援し続けてくれる人たちだ。
(余談&完全に増田の私見だが、この『おらが街のチーム』として熱心な固定ファンを掴むのに最も成功している日本のスポーツチームは、プロ野球の阪神タイガースである)
そういう人たちが『外国人ばかりのチームでは自分たちのチームと思えない』と思うのは地域密着の理念から当然のことであるか? それと排外主義の差別主義者か?
少なくとも簡単に答えの出せる問題ではないし、『自分たちのクラブと思えないから”自分は”スタジアムに行かない』というのを止める権利は誰にもない。
だがそんなことが多く起こるようになったらサッカーの将来にとってあまりプラスにはならない。スタジアムに観客が少ないとやはり盛り上がりに欠ける。
そういうわけでここ数年「ホーム・グロウン」という制度ができた。欧州のカップ戦(チャンピオンズリーグおよびヨーロッパリーグ)に登録できるシニア(22歳以上)の選手は25名までで、
そのうちの最低8人までは、21歳までに3年間は『自国内のクラブに所属した(≒育てられた)』選手でなければならない。国籍で問うとEUの判例に引っかかるので『育った場所』を基準とすることになった。
チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに出ないクラブには関係ない(プレミアリーグのように、同様の制度を自国で用意したリーグを除く)が、
資金力が小さくヨーロッパのカップ戦に届かないクラブほど自国出身選手が多いのが常なので問題は少ない。
これも「EUの理念」からは後退なのかもしれないが、「地域に根ざしたスポーツクラブ」という理念からはむしろ正常化とも言える。
とはいえ、アメリカ大陸やアフリカやアジア出身の選手から見れば『EU外選手枠』の中で争うよりは『EU内のどこかの国の市民権持ち』扱いになった方が色々と有利なのも確かだ。
そういう時に有効活用(?)されるのが先祖の血統だ。南米やアフリカの選手の場合、先祖を少したどればどこか西欧の国に行き着くことは珍しくない。
そういう場合は血縁を理由に先祖の国の市民権を取得し、代表は変えず(というかFIFAのルール上変えられない)にEU内選手として潜り込むということが多い。インテルにアルゼンチン人が多いのはそういう理由だ。
日本や韓国の選手はそういうことが基本的に出来ないから不利ではある。ハーフナー・マイクや酒井高徳はもしかしたら可能なのかもしれないが……。
少しFIFAのルールに触れたが、現在のサッカーではA代表(年齢制限のない代表)で試合に出たら他の国の代表として試合に出ることはできない。
オリンピックだと、前の大会で卓球の中国代表として出場していた選手が次の大会ではアメリカ代表として出ていたりするが、サッカーでそれはできない。
もちろん、ユーゴスラビアのように国そのものが分裂した場合は別である。クリミア出身のウクライナ代表選手(いるのか?)の扱いはどうするのかな。
今度のブラジルW杯ではウクライナ代表としてしか出られないと思うけど。
逆に言うと、『A代表で試合に出ていなければ』2つ以上の国を天秤にかけて代表を選ぶこともできる。
マンUで香川真司からポジションを奪ったヤヌザイはアルバニア、ベルギー、イングランド、トルコ、セルビアの代表になる可能性があるらしく、先日ブックメーカーが賭けの対象にしていた。(※2014年6月追記:その後ベルギー代表を選んだ)
ヤヌザイの系図についてはよく知らないが、そういうこともあり得る。
(ちなみに以前カタールが『代表に選ばれない程度の、ブラジル人などの有力選手(カタールとは縁もゆかりもない)』
に声をかけてカタール代表にし、手っ取り早く代表を強化しようとしたこともあった。流石にFIFAがそれをさせないルールを作ったが)
だが一方で、フランスが若手の育成組織を整備して1998年にW杯を制して以来、どこの国でも多かれ少なかれ”サッカー選手の育成”に金をかけて取り組んできた。目的はもちろん、自国代表の強化だ。
そんな中で上述したような『南米やアフリカと、EUの国の多重国籍』の選手が、必ずしも自国の代表を選ぶとは限らない。
2000年前後にトルコが強かったのは、『ドイツで生まれたトルコ移民の子孫が、トルコ代表としてプレーする』ことが多かったからだ。
最近ではドイツ代表にもトルコ系の選手が出てきたが、今度は”国策育成の本家”フランスの方で問題になってきている。
2011年、フランスサッカー協会の技術委員会役員が『アカデミーに入れるのは白人を中心とし、黒人やアラブ人は25%以下に抑えるようにできないか』と委員会で発言したことがリークされて物議を醸したが、
そのような発言が出るのは委員個人が極端な差別主義者だったからではなく、『フランスの金で将来のフランス代表として育成したのに、最終的には母国のアフリカ諸国の代表になる』
選手が無視できなくなってきたからだ(もちろん、だからといって許される発言ではないが……)。
アフリカ諸国の協会とEU諸国の協会ではEU諸国の協会に金があるのは成り行き上当然のことであり、最終的には才能なのかもしれないが育成のために金があった方が効果的なのは事実だ。
そんな中で協会としては『アフリカの協会は欧州の金で育てた選手に”ただ乗り”している』という被害者意識が出てきている。
あるいは国が抱える民族問題の縮図のようなことが代表チーム内で起こることも今後増えることはあれど減ることはないだろう。