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2020-02-17

anond:20200217172441

すでにブコメ言及で書いてあるけど、人に貸す場合を想定している。

で、次第にリビング電話の居場所が移っていくわけだが、法律の制定や条約の締結とかと違って、各家庭の事情が絡んで「いつ」は言いにくい。

ただ言えることは各家庭に電話が普及するのと表裏一体の動きだということだ。

ところが、電話の普及ってのも技術革新と絡んで複雑な経過をたどる。

都市部の「即時化」

電話の普及は、ただ電話線が家に引かれることを想定するだけではダメという話。

「交換士あり」から「即時電話」(これには二つの意味合いがあって複雑なんだが)への変化を見なくてはならない。

私は北海道の事例しか調べたことがないのでそれを例にすると、市街地では昭和20年代後半から30年代丸々をかけて、まず「市内即時化」がなされていく。

これはある一定範囲の市内通話だったら交換士なしで自動で繋がるシステム。それまではトトロみたいに電話をつなぐ中の人がいた。

これを「即時化」とか「自動化」という。「即時化」「自動化」は地域ごとにボトムアップで進んでいく。中央から一気に御達しが出て一斉スタートになるわけではない。

その際に電話番語が改まる。それまでは電話の開通順で「1番」とか「8番」とか「53番」とか「104番」とか番号が割り振られていたが「即時化」で全ての番号が再編成され、私の調査値だと4XXXみたいな4桁の番号が新たに割り振られる。詳しくは忘れたけど、官公庁公共施設はは2XXX、病院は3XXX、みたいにある程度分野ごとに割り振りがあったと記憶している。

今でも市内だったら全部の電話番号押さなくても下何桁かで連絡できるでしょう。それはこの時期に出来上がった技術

今まで手動でしなければならなかったところが自動化されたことで、通信線が強化されつつ、電話が急速に都市に普及していく。

市外局番

市内での即時化が完了したが、都市ごとの連絡には未だ交換士に繋いでもらうことが多かった。

これも次第に、時に市内自動化と並行して解消されていく。

例えば北海道なら札幌を起点に、札幌函館札幌釧路札幌東京札幌大阪函館釧路釧路小樽……みたいに自動化がなされていく。なおこの順番は適当だぞ(道内では多分誰も順番調べた人いないんじゃないだろうか)。ともあれ網の目状に進んでいったという点に留意されたい。

都市間の自動化は、都市に固有の番号を割り振りそれを頭につけることで実行される。

市外局番」の誕生である

農村事情

主題とは遊離するけれども北海道農村部の事情を見ていこう。

戦後農村部ではラジオの普及と電気電話の開通が急務だった。

これは天気や雑穀価格変動の最新情報をつかむためだ。

また北海道では、NHK地理的にも経済事情的にも農業勉強がかなわなかった農家に対して、朝早く(野良に出る前に)「ラジオ農学校」を開設しており、地域ごとに識者を読んで種まきや農作物維持管理啓蒙に努めた。不作や冷害の場合への対策も、時にラジオを通じて伝えられた。

農業の成果に直に関わるため、各地域農家リーダー役の人々は、請願運動をし、時に自分たち出資して電気ラジオ電話を普及させていった。

農協からキロも線を引っ張って、自分たち電信柱を立てて、地元情報をもたらそうとした。

こうした事情もあり、農村地域電話は限られ都市自動化が進む時期においても電話を借りる、というシチュエーションは多く残されていた。

ラジオ電気に遅れるも、おおよそ昭和40年代丸々をかけて、農村部でも電話は普及していく。

私が見たことのある昭和37年北海道の事例だと、小学校の連絡先にその児童の隣のうちの名前電話番号が書いてあったり、農協事務所の番号が書いてあったり、電話ないけど学校からいから直接連絡伝えてください、と書かれているものがある。

おまけ もう一つの「即時化」

交換士なしでの電話を「即時化」というと説明した。

とってもわかりにくいんだけど、「即時化」と呼ばれる現象はもう一つある。

交換士が特に都市間の電話をつなぐ時、回線が限られており、相手先に繋がるまで相当待たされた。これを「待時」という。

場合によっては数時間かかる。いったん電話を切って、交換士さんから電話を待つ。

時間後、交換士さんから電話がかかってきて「〇〇さんとつながりました」と言われる。

それでようやく遠方の人と会話ができる。この現象がよく起こった時期は調べたことがない。

この問題回線を増強することで解決していく。

それで、この「待時」の解消も、時に「即時化」と呼ばれる。

この辺りの事情連続テレビ小説なつぞら」の考察をした人が最近詳しく書いている。

https://www.excite.co.jp/news/article/E1562427232846/

電話進化はめちゃ早

今生きる私たちも、ガラケーからスマホへの劇的変化の時代を生きている。

契約方法もどんどん変わる。誰もそれを詳しく記録していないし、きっと、全部は記録しきれないだろう。

個人的には、カメラ付き携帯がではじめた頃の数秒に一度しか画面が更新されないカメラから現在自撮り時代に至るまで、たったの十数年なのに隔世の感がある。

身近で微妙な変化も今のうちにちょっと記録しておくと、50年後くらいに楽しく老人会が開けるかもしれない。

 
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