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はてなキーワード: 自己責任とは

2024-05-17

自分に正直な人が羨ましい


ちょっと前のことだけど、夜8時前に近所の道路自転車で走っていた。和歌山県某所で、当方会社帰り社会人であるスーパーに寄って帰ろうと思っていた。

其処は車1.5台分程度の細い道路だった。一応はアスファルト。それで、自分の前には1台の自転車の姿があった。スイスイと走っている。

でも、「なんかおかしいな」と思っていた。距離が近づくとわかった。その自転車乗りは無灯火運転だった。

そしたら、正面の方から3台くらいかな、家族連れの人がチャリを漕いでいた。親御さんと、子どもが2人いた。

それで、そのうちの1人、お父さんかな。いきなりだった。

ちょっと待て、ライトライト!!」

って言うと、自分の前を走っている無灯火の人を止めた。

ライト点けないとだめでしょ」

とお父さん?は言ったのだ。

自分も、狭い道路だったので、なし崩し的に止まることになった。

そしたら、その無灯火の人がさ、

「あ? なんでテメエ、コラ」

と、その無灯火の人は言った。ルックスを見た感じは……夜目だったけど、自分と同じ30くらいだった。

グリーン作業着だった。傍目で見ると柔道着みたいな感じがした。背丈は普通くらいかな。

そこからのやり取りは、当方人生で見たことがない感じだった。

なんや、兄さん。その口の利き方は。常識がないんか」

「それ、お前の常識やんけ」

社会常識やろ!」

「お前が思っとるだけや。はよどけ」

「無灯火! ケガしたらどうするんや」

「ワシの自己責任よ。じゃあ行くわ。スーパーが閉まるけ」

「待て、こら、おい」

「あ!!!!??」

ここで、彼が自転車を降りた。

おっさん自転車まで歩いていくと、それを蹴飛ばしたのだ。

「お前、俺が今、どういう気持ちかわかっとんか!」

「……」

「何をさっきからグチグチ言うとんじゃ。ワシはのう、お前に手を出すんを、精いっぱい我慢しとるんやぞ!!」

警察警察、呼ぶぞ」

「呼べっ!!」

自分は退散しようと思った。

それで、自転車に乗って、彼らを追い越してスーパーマーケットに向かった。

買い物を済ませた後、やじ馬根性で帰り道にあそこに寄ってみると……現場警察が到着していた。

一応は地元である。すぐ近くにあるブロック塀の陰で、聞き耳を立てることにした。

案の定、無灯火の人がお巡りさんから詰問を受けていた……ここで、pixel8の録音をオンにした。最新のアンドロイド自動文字起こしは高性能だった。

以下に記録を書いてみたい。

巡「あなた、こうやってパトカーが来るの何回目?」

無「四回目くらいやな」

巡「自分おかしいことしとると思わへん?」

無「周りから見たらおかしいかもしれん」

巡「あなたは? どう思う自分のこと」

無「別に思わん」

巡「悪いことしてる認識は?」

無「ある。悪いことをしてる。でも、俺は偽善者じゃない。ごまかしてなんかない。悪いことしてるとわかってて、正面からやっとる。罪の意識と向き合って、それを乗り越えとる」

巡「それ、開き直り言うんやで」

無「あ、そう。で、どうするの」

巡「○○さん。いい加減に捕まえるよ」※近所のすごく大きい家の苗字だった。この一世しかない。

無「そういうの、俺の親父と、じいさんが悲しむからやめようやwwwお巡りさんも知ってんやろ」

巡「……あなた、市の職員やろ。うちらとおんなじ。常識守って、しっかりせんと」

無「関係ないやろ。別に職場通報したってええで。ワシは本気よ。じゃあ、行くわ」

※ここで、あのおっさんが何か怒ってたけど、レコーダーでは文字起こしできなかった。距離が遠かったのだろう。

「なんで逮捕せんのですか、それで済ますんですか」だったら聞こえた。

花の金曜日にこんな話をしてすまない。でも、この光景ちょっと自分には来るものがあった。

学校で習った常識に従って生きてきた。ずっと。

中学高校も、学校先生の言うことをちゃんと聞いて、それなりの成績で、世間バカにされない程度の大学を出て、今はしがない化学工場勤めである

そんな中で、彼のようなヤツに出くわしてしまった。

正直、ちょっとだけ羨ましかった。自分は、年上には敬語だし、同僚にも敬語だし、年下にもできれば敬語である

目上の人間には絶対的敬語を使う。それと、法律にはちゃんと従う。自転車に乗ってても、赤信号無視とか絶対しない。停止線では一時停止する。それが社会ルールだと思っている。

あの彼は、ちょっと生きづらいのかもしれない。でもさ、あんなに破天荒でも地方公務員として採用されるんだし、実際に働けてもいるんだろう。

そういうことを考えると、コツコツと工場作業員として頑張っている自分と比べて、あっちの方が人として優れてるのかも、とか思ったりする。

愚痴みたいになってしまった。ちょっと思ってみただけだ。早めに忘れてほしい。

増田はいいよな。匿名から。約一年からほぼ毎週、読んでいる。アタリを引いた時の感激がすごい。

小心者のブログには、とてもこんなことは書けない。

親告罪からとそれをすることをそそのかしても良いものたち

二次創作についてガイドラインが出てなくて許可取りしてなくても「自己責任でどうぞ」と「あくまでその行為をそそのかすことになる」言動をとる人たちがいるが、

この根拠親告罪であることに求めているなら、それは上記で列挙したような器物損壊名誉毀損に対しても「自己責任でどうぞ」と言ってよいとするのと同じだ。

物を壊す、人を侮辱するというのは典型的な「非倫理的なこと」平たくいえば「悪いこと」だ。つまり「悪いことをそそのかしている」ことに他ならない。

悪いことをしようとしている人に対してかけるべき言葉は「自己責任でどうぞ」ではなく「自分責任をとれたとしてもやるべきではない」だろう?

増田へのブクマで「私的自治の原則」を挙げて反論した気になっている人がいるが、親告すれば罪になりうる内容の二次創作刑法犯としての性質を持つものなのに、民法原則を挙げるのはちゃんちゃらおかしい。

犯罪行為に対してはその被害者が赦していることが起訴しない絶対的理由にならない」というのもまた法学のきほんのきだと思うのだが…。

創作の「意義」とやらを掲げて、非親告罪としての権利者が認めているか不明二次創作の実行を擁護するなら、刑法175条にふれるわいせつ図画にも意義がないとはいえないでしょ。あるいはそれと比べ「二次創作」の方がどれだけ意義で勝っているといえるのだろう?

創作の意義を云々するなら、ストリップ文化的意義がないとは言わせないぞ。でも過去上野ストリップ公然わいせつで捕まったな(これは、、被害者=劇場の観客が許していようが起訴しない理由にはならない例でもある)。

意義なんて曖昧ものを掲げるほうが、かえって法律上不条理を浮き彫りにしてしまう。あるいは、二次創作の方がわいせつ図画やストリップより意義が大きいとみなされているから、後者2つと違って親告罪とされているのだろうか?

どれも「表現」には変わりないはずなのだが、その意義に差があるとでもいうのだろうか?どうせ、いやらしい方が意義が低いはずだみたいなステレオタイプにあてはめて判断しているだけで、理路整然とした説明は出来まい?

身もふたもない言い方すれば、自分たちの大好きな二次創作から「好きだから意義深いはず」って信念だけだよね。それ、無修正エロ漫画好きな人だって同様に思ってるはずだけど、(少なくとも創作側は)悪いことだと認識して我慢してるんだよ(読者側はしらん)。

結局この複雑な状況に出すべき結論は「お上法律違法と言っている」ことをそそのかすのは悪いことなんだよ。「自己責任で」と枕詞をつけることが免罪符になるわけでもない。

その証拠に「自己責任でなら無修正性器ぱっくり図画出していいよ」「自己責任ストリップ劇場開いていいよ」って言うのははばかられるだろ?そういうこと。

フェミよりも、美人を助けたいと思っています

こんなに恵まれ日本で、

フェミなんて自己責任だと思っています

ホストに騙されるのも、りりちゃんデート商法で騙されるのも

結局男女の性別なんて関係なく、低知能が騙されてるだけなんだよね……

ほんとうはみんな気付いてるんだろう?

低能同士の争いだってことを

高知能の役割は、低知能を保護する事なんだよ

今はもう低知能は自己責任の名で放置しているけど

anond:20240517073947

でもそれってその業界を選んだお前の自己責任だよね?

自己責任だよね?

自 己 責 任 だ よ ね ?


日本は一度道を外れた人間に優しくする国ではありません

自己責任も取れないやつに人権はありません

こんなにも転職しづらい社会構造で「その仕事を選んだお前の自己責任」と言われても困るんだが

就職市場活性化してない時代になんとか就職

勤め始めてすぐに違和感を持つが毎日業務に忙しくて転職は後回し

気づいたら結構な年齢になっていて転職時に求められるスキルも増える

他業種に行くにはスキルが足りないが、今いる業界は正直合わない

でも年齢的には転職してもフリータービルメンぐらいしか道が残されてない

詰み

転職年齢制限がかかってしま社会構造のせいでどうやってもこういう流れになってしまう人が数割出てくるんだよね。

そういう人が「俺の業界マジでココがクソなんだよねークソさを減らす方向にシステム組んであると思ったらむしろ加速させる方向にばかり進めたがるのがマジで終わっててさ―」と言ってるのを聞くや、「でもそれってその業界を選んだお前の自己責任だよね?」と野次を飛ばす人が飛んでくる。

ちょっとマジでこの社会はしんどすぎるだろ。

SES知ったかぶりばかりの地獄になっている所に派遣を多用してマジで皆よく分からんまま申次も出来ずに入れ替わっていくとか、独身者まで3月4月の卒業入学シーズンに転勤させたがるせいで毎年引っ越し難民が出てる業界とか、組織のクソな所を少しは改善できる手段がある気がするのに全く解決する気がない所が沢山あるやん。

そういうのに対してまで「就職前に分からなかったの?」と言われてもさ、「ここまで酷いなんて外からじゃ分からんよ」としかならんやろ。

2024-05-16

チー牛叩きって完全にコンテンツになってるよな

以下のエントリ見て思ったけど、これって弱男が反発するのを予想して創作してるよな。

こういう挑発的なことを書いて、群がって反論してくる人間を指さして嘲笑うために作った文章

女性専用のジムでチー牛を働かせないで

昔は同性愛者やフェミニスト精神病患者ネタにしたり揶揄するような事があったが、今はそんなことしたらポリコレで叩かれる。

オタク嘲笑の的だったが、今はオタク裾野が広がり自分より立場が上の人間が含まれ可能性もあるので叩きづらい。

その点チー牛は弱者が多く安全だし、自己責任断罪出来るから格好の的に。

やっぱ人間って弱い人間をいたぶるのが好きなんだよな。

anond:20240516110908

弱者男性絶対幸せになれない社会においてはそれくらいしか選択肢がないですから

そんな社会を望んだおまえら自己責任

公式店員フレンドリーされて何が悪いの?

悪さしかない。

※※※

もう少し具体的にいこう。

まずこちとら下層の人間である。見た目ゴミ性格ゴミ社会ゴミ

プライベートで知らない人から声掛けられることはなく、声掛けられるのは99%金を出させる目的のもの

当然、客としても「キモい」「おかしい」「迷惑」とプークスされがちである

認知されるってことは陰で「あのゴボまた来てる…(笑)」とか「正直接客したくないタイプ(笑)仕事からやるけど(笑)」とかされるってことと同じなんだよね。

公式はそうじゃないって言っても、雇われた現場人間には感情ってのがあるんだよね。

こっち別にただの客として利用ルール通り使って何も悪いことしてないのに、認知されるだけで一方的評価落ちるっていう。しか自己責任扱い。んな地獄ある?

悪いことしてるんならともかく、してないなら放っといてくれよマジで

有象無象ゴミとして認識されるのとネームゴミとして認識されるのとでは天地の差があるんだよ。

あとな、誰と親しくするかはこっちにだって選ぶ権利があるんだよ。「公式から親しくされたら嬉しいだろ?」なんてのは公式様の傲慢。なんでこっちに関係性選ぶ選択肢ないわけ? ジャイアンかよ。お前と仲良くするかは俺が決める。

そもそも金銭の授受が目的なんだからビジネスライクな話にしとけよ。お得意様までは行かなくても、それに準ずるような、例えば期間限定割引のDMするとかさ。そこでの反応で友達になりたいタイプかどうか見定めろや。

クズにとっては明らかにであるフレンドリーさとかいらねえんだよ。実利持ってこい実利。全世界人間メイド喫茶に通うガチ男だと思ってんじゃねえよ。

anond:20240516084358

どっちかっていうとホスト

ホストのにかかったお金を支払うために風俗で稼ぐ女性についてどう考えていますか?」

「もしホストにハマらなければその女性風俗で稼ぐことはなかったと思いますか?」

ホストに貢がせるためのマニュアルってあるんですか?」

ホストにハマる女性は家庭環境問題があった人が多いようですが、興味ありますか?」

ホストにハマる女性自己責任?」

などなど電撃質問してみてほしい

それを番組にして欲しい

2024-05-15

なんでもかんでも自己責任なら自警団作るわ。

自己責任自警団作るなら問題無いでしょ。自分の身は自分達で守るわ

和歌山市の同和不正公益通報自殺の件で、「公益通報者を処分を受けた十数人と別のフロアに配置すればよかった」と言われてるがそれは無理じゃね?

和歌山市行政職員1700人のうちの十数人だからわずか1%程度とはいえ、この人達っておそらくですがお金に関わっているだろうから3年おきに移動するんですよね。

そして、通報した人の細かい職域までは分かりませんがおおよそ同じような職域なんだろうなと。

もちろんその職域から広域通報した人を離してもいいんですけど、そうした場合は「身内にけんかを売って島流しになった外様」という立場に追いやられますよね。

それは結局メンタルへの悪影響はかなり大きいのではないかなと。

広域通報した人の不利益回避するとなると、職域は維持したい。

すると結果的にその職域の3%・5%下手すればそれ以上の割合で一緒に働けない人が出てくる。

たとえば「12月生まれの人と同じフロアでは働けません」という職員がいて、その人もその周りの人も3年周期で移動するとしたら、それって現実的だと思いますか?

フロア定義にもよりはしますね。

細かく部屋を区切れば10人ぐらいですし、階層全体をぶち抜きで大きなフロアと捉えれば最大で100人ぐらい入れられるかも知れませんね。

どうにしても「当時一緒に働いていた十数人と全く別のフロアになるように管理してあげるべきだった」というのはかなり現実的ではないように思えます

その中でどうにかしようとしたら、その職域から追放という形を取ることになるわけですが、これが許されるのかということです。

極めて現実的結論を申し上げると「公益通報をした時点でさっさと公務員をやめて、民間企業転職しなかった本人の判断ミス」と言わざるを得ないと思います

自殺までして公務員という立場にしがみつこうとしたこと判断ミスですね。

同和利権が絡もうが絡むまいが、公文書偽造そもそも日本のお役所にとっての十八番のようなものです。

それが嫌なら公務員を辞める以外の選択肢なんてないと思うんですよね。

当時20代だったのなら転職もまだまだ可能な年齢でしたし、今の転職市場はかなり温暖な気候なので元公務員でも案外なんとかなると思います

決め台詞は「不正が酷すぎて公益通報しました。許せません。でもこの分野で働きたいんです。働き方は変わるでしょうけど頑張ります」ですかね。

そういったことをしたくないのならこの決め台詞に「よう言うた!一緒に働くぞ!」と言ってくれる会社を探すべきでした。

自己責任論みたいになってしま申し訳ないのですが、現実的解決策はそうならざるを得ないと思います

欧米中韓に潰されるような研究に金を使うのは頭いいとは言えないね

投資自己責任から

賢くしないといか

2024-05-14

ゆたぼん

ホリエモンかに意見言えるようになったのは学校いかない選択をしたからだろう

自己責任言及してることから両者の主張は色は違えどほぼ同じ内容と言える

人生に正解も間違いもない

あるのは自分の中に残る満足感か後悔

後悔の方が圧倒的に多いけど

それら後悔を少しでも減らせるようによく考えて物事選択することが大事だよね

いただき女子リリちゃんマニュアルを見て恐く成っ

↓これほぼ全部当てはまるんだけど。これから生きていくのが怖くなった。

バーおじの特徴

・独り身が多い

・全部自己責任の考え

普通サラリーマンが多い

仕事やりがいを感じてなくて、ただなんとなく生活のために出社している

毎日仕事行って帰って寝るだけを繰り返している

・夢や希望がない

お金の使い道がない

自分にあまりお金をかける癖がない

・寂しいと感じている

癒しを欲しがっている

自分の話を聞いくれるような人が周りにあまりいない

清潔感は一応ある

ネット世界に興味無い(TwitterとかFacebookとか)

モテたことがない

恋愛経験が少ない

・熱中する趣味はない

女の子への理想が低い

気遣いをしてくれる

こち目線でいつも考えてくれる(待ち合わせ場所はそっちに合わせるよ👴🏻など)

無駄な誘いをしてこない

・一人でいることが多い

一人暮らしの人が多い(実家暮らしでも頂いたことある

・寂しいかLINEレスで返してくる

2024-05-13

実家の近所に住むじいさんを車に乗せて買い物に連れて行った三日後

そのじいさんが亡くなった。

昨年に父が亡くなり、私の実家は車を処分したので、実家帰省するときレンタカーを予約する。この連休もそうした。

安いので、地元自動車修理工場フランチャイズでやっているインディーズレンタカーにしてみたら、受付してくれた事務の親切な女性は、レンタカー約款を読み上げる間中修理工場から爆音で流れてくる演歌のUSENに向かって突然「ああうるさいっ!」とブチぎれ、「あなたもうるさいと思うでしょう!?」と私に同意を求め、同僚に修理工場につながるドアを閉めさせると、「最後に乗っていたのは平成15年式のBb(みんなの地元DQNがよく乗ってたやつ)です。令和になってもまだ乗ってました」というある意味SDGsでは? みたいなことを平気で言う私に、令和2年式フィットハイブリッドという、まさに隔世の感というほかない車の操作方法をとても丁寧におしえてくれた。

そんな調子で車を借りて帰ったところ、母に、「同じ町内会のじいさんと私を、車に乗せて買い物に連れて行ってほしい」と頼まれた。

正直、ちょっと嫌だった。母はよく知っている人に違いないだろうが、私はそのじいさんをほとんど知らない。まさにあいさつ程度のイチゲンじいさんであり、むこうも私を同じように思っているだろう。そのイチゲンじいさんを車に乗せて買い物に行く…気が重い。万一大事故になったらどうしよう、面倒だなあとか、そもそも知らない人が苦手…などと種々のことが頭をよぎったが仕方がない。年齢的にも立場的にもそんな子どもじみたことは言ってられないので、私は母の申し出を受け入れ、じいさんと母を買い物に連れて行った。母には一瞬「ええ…」みたいな顔をしてしまったが、じいさんの前では全力の快諾顔を心がけた。

実家所属する町内会は、会の中でまた数ブロックにわかれているらしいが、母らのブロックだけ会費が余りがちのため、いちど寄合(=飲み会)でぱっと使おうということになったそうだ。じいさんはブロック会計掛で、だから買い出しにゆくとのこと。90代のじいさんが町内会の財布のひもを握る、これが種々の法律目的条文に言うところの「少子高齢化の進展」ってやつだなと思った。なお、飲み会の予定は明日とのこと。何もかも急だ。

母とじいさんは、かごいっぱいに酒やつまみを入れた後になって、急に予算に収まるか心配しだし、その場で減らそうとするので、「レジ通して予算越えた時点で減らしてもらったらいいですよ」と私は横から口を出した。買い物は予算ぎりぎりにおさまっており、母は、じいさんのことを「さすが!」と謎にほめ、じいさんもまんざらでもなさそうだった。

じいさんは先述の通り90代、母は70代なので、畢竟ひとり30代の私が荷をせかせかとトランクに積み、これで一安心と思いきや、ついでに寿司の予約にも連れて行ってほしいというリクエストが出た。一瞬「マジか…」と思ったが、乗り掛かった舟というかもうすでに乗っている船なので、ニコニコ笑って「いきましょう!」とうけおい、ナビに寿司屋の住所を設定して寿司屋に向かう、その道々、寄合公民館ではなくじいさんの自宅でやることになっているという話になった。

じいさんは、「もう暑いから、たくさん人が入るとエアコンを入れないといけないかもしれない」と言い、私は「電気代とショバ代として、今日買った酒の数本くらいご自身晩酌にされても罰は当たらないと思いますよ。余っても最後みんなで分けちゃうんでしょうから今日先に飲まれたらいかがです? あ、私は絶対誰にも言いません」と真顔ですすめ、それをきいた母は助手席で、じいさんは後部座席で笑っていた。

寿司の予約がすんで車にもどったところで、私はじいさんに「ほかに寄りたいところはないですか?」ときいた。じいさんが大丈夫というので、家まで送っていき、大量の酒を玄関通り越して冷蔵庫の中までわっせわっせと運び込み、私はようやくそこでお役御免となった。

じいさんの家の下駄箱の上には「努力」と彫られた大きな飾り駒があった。それは木工をしていたじいさんが昔手ずから彫った工芸品だそうで、「努力」と書いた将棋の駒というまんがみたいな一品を掘れる人がこんなに近くにいることに、私はいたく感じ入ってしまった。マクロ組めるより努力って掘れるほうがぜんぜんいいな。

そしてその三日後、飲み会から数えれば二日後に、じいさんは亡くなった。布団の中で亡くなっていた。連絡がとれないことを案じた親戚がすぐにかけつけ、発見ははやかった。

その日にはもう私は実家から婚家に戻っていた。母から送られてきたLINEでじいさんの突然の訃報を知らされ、文字通りの突然の訃報ぶりにひどく衝撃を受けたが、母はLINEに「まあ~おとしにふそくはないでしょう」(原文ママ)とも書いて寄越し、その意外なドライっぷりにはちょっと笑ってしまった。

そうして私は、じいさんを買い物につれていくことを快諾し、道中ずっとにこにこして、精一杯ふたりを手伝ったことを、本当によかった…と思った。じいさんのために、というか、自分精神衛生のために、よかった。すげなくした直後に死なれたら、すげなくしたという自己責任良心の呵責と言い換えてもいいかも)を背負いきれない程度にはショックだったと思う。

それに、連休のよく晴れた日に、ちょっと妙な三人組ででかけたその買い物、なんだか私には結局楽しく思われたから。

死ぬということが、生きるということから決して遠くはなれてはいないように、死んでしまった人たちもまたそうである、と私は思う。つかずはなれず、なんとなく私の歩様にあわせて、今も隣を歩んでいるように思う。

最初に私をかわいがってくれた人を亡くしたのはまだ私が赤ちゃんの頃、母の親友のお母さん。とても愉快な人で、父との結婚を迷っていた母に、「母(はは)ちゃん、馬には乗ってみよ、人にはそうてみよ、よ」とはげました。そのうちこの世にやってきた私は、母以外の人に抱っこされると、せっかくやってきたこの世の終わりのように泣き叫ぶタイプの赤子だったのに、その母の親友のお母さんにだけはごく機嫌よく抱かれていた。そういう写真が残っている。私は、物心もつかないうちに、おしゃべりもできないうちにお別れした、母に伝えきいただけで自分では何にも覚えていない彼女のことを、いつもお守りみたいに心の中に持っている。赤ちゃんだった私に向けられたその無償の厚意を、つらいときの糧にしているようなところが今もある。

最初友達を亡くしたのは小学一年のころ、友達は前歯が抜けていて、永久歯が生えてくる前にいってしまった。その子のお母さんは今になっても私に会うと、生きてたらあの子もこんなふうだったのかと思うという。私の節目、節目に、そう思うという。そのとき友達わたしの隣にいないという人はきっといない。

父親は私のことが大好きだった。父と母と私の三人で、あるいは父と二人で、父の運転する車でいろいろなところに出かけた。ときには父にさそわれて、その仕事についても行き、こんなに大きな娘さんがいるのと客先に驚かれ、父はにこにこしていた。

父は死ぬ間際までほそぼそと仕事を続け、わたしは彼が亡くなる直前にアポをとっていた客先の数件に、父が亡くなったことを知らせる電話をかけた。はじめて話をした先方は、私が電話をかけてきたことによほど驚き、父が亡くなったとの知らせにしばし絶句した後、あなたのことを先生はいつも自慢そうにしていたと言い、最後には先生がいなくなったら誰を頼みにしたらいいか、本当にお世話になりました、と泣き出した。私は、涙する相手に、○○さんのおかげでほんとうに最後最後まで誰かの役に立たせてもらって、惜しんでまでもらえて、父はとても誇らしく、ありがたく思っていると思います、と言うしかなかった。でも父は、実のところ、そんなに殊勝な人間でもない上、けっこう変わってるよなというレベルでこだわりの少ない人でもあった。

父が亡くなる直前までLINEをやりとりしていた人たちに、そのままLINEで父の逝去を伝えようとしたのだが、父はLINEトークをある程度の期間が経つとかならず全削除するという、こだわりのなさを通り越して、ややサイコパスのような一面をもっていた。

亡くなるひと月ほど前、父は、免許を返納することにしたというLINEわたしに送ってきた。車というもの私たちの思い出の多くを占めており、驚いた私が父に電話をかけると、「薄暮時間帯に信号の見落としをした。今まで一回もそんなことはなかったんだから、もう潮時だと思った」と淡々と父は言った。あれだけ運転が大得意で、大好きで、アイデンティティの大部分をしめていたように見えたのに、引き際を悟ればもうしがみつない。その、ものに拘らない姿勢に私はいたく胸を打たれたし、これができない老人が多い以上、今もって、父の最も尊敬すべき美点の一つだとおもう。

ただ、電話を切ったあと、今までいろいろなところに連れて行ってくれて、たくさんの送り迎えをしてくれて本当にありがとう、と万感の思いをこめて送ったLINEも、父が、入院後(退院してくることはなかった)母とかわしあった感謝の思いを伝え合うLINEも、亡くなった時には父はすべて消しており、それを見て、私も母もあまりの父らしさに爆笑した。

(ついでに、父が亡くなる前々日まで、もはや執念のトークの削除を行っていたので、トークルームのどのあたりの人たちにまで逝去を伝えるトークを送るべきか見当もつかず、非常に頭を悩ませることになった)

そんな感じの人だったので、この世におおよそ未練というものがあったとは到底思えない。退院の手筈を整え始めていた日の深夜の3時過ぎという、家族がやや油断している上に一番身動きしづらい、マジでどうしようもない時間にいきなり息を引き取ったため、父の死に目にあえなかった母。父の逝去からしばらくして、急に「お父さん、最後に私に言いたかたことなかったんやろか」としんみり言い出したので、私は反射的にげらげら笑って「あるわけないやん」と言ってしまった。死ぬ間際まで律義にLINE全削除を続けた男にそんな情緒があるとはちょっと思えなかったのだ。母もすぐにげらげら笑いだし「そうやね」と言った。

こんなふうに父のことを思い出しているとき、私はやっぱり父がすぐ側にいるように思う、フロアシフトを挟んだスカイラインの、運転席と助手席くらいの距離のところに。

まれから今日にいたるまで、誰かの死はいつでもそばにありつづけた。だから死んでしまった人たちも、同じようにいつでもそばにいるように思う。

生きてとなりにいる人のように声をかければ答えるわけではない、電話をかければ出てくれるわけでもない。そうだったとしても、生きている人とはほんの少しちがう居方で、それでもわたしのとなりにいてくれているのではないか、と、わたしはいつも信じる。

じいさんは、私が買い物に連れて行った翌日の飲み会の日、つまり亡くなる三日前、近所に住むばあさんに、私のことを「車に乗せて買い物に連れて行ってくれた。あの子はとてもいい子だ」と言ったそうだ。

それを近所のばあさんから母は伝えきき、今度はわたしにそれを教えてくれた。じいさんがそう言ってくれたから、近所のばあさんは私に「会ってみたい」と言っているらしい。

ありがとうじいさん。よくわかんないけどばあさんも、私に会いたいと思ってくれてありがとう。会おう。

私は今、私に会いたいと思ってくれる人がいるなら、その人にとても会いたい。だから、次の帰省ときには、私は近所のばあさんに顔を見せに行くつもりでいる。

私の目にうつり、私が今生きている世界は、そのときには隣に、近所のじいさんがどうしたっていてくれる、そういう世界だ。

anond:20240513135819

じゃあ世の女性たちもみんな育児出産駐在留学帯同全て自分意思仕事辞めてるのか?お前の主張によれば自己責任なんだろ?実際は男のせいでキャリアを閉ざされてるって他責のやつらばかりだろ

女は辞めさせてられたで男は自己都合って何のダブスタ

anond:20240512200705

これ系の話って結局のところホワイト企業に勤めてないアホの自己責任ってことで済まされるよな

きちんと制度化しない会社が悪い政治が悪いといくら言ったところで、その時その瞬間にそれで悩んでる人にはなんの解決にもなってないわけで

とどのつまり、まだ整備が追いついていない今この時代転職もせずにそんな劣等企業に勤めてる己自身か悪いという話になる

愚痴ればこの増田よろしく私はそんなことありません勢がわらわらと湧いてきて、こうして平々凡々な私ですら問題なく過ごせてるのにどうしてあなたはそれが出来てないんですか?と無邪気に言うわけだ

出来ている人がいるという事実の表明が、出来てない人の不肖を暗に責め立てているのが、紛れもない今この時の現実だよ

法整備されてその運用厳格化する未来は訪れるかもしれないが、今この時に悩める人はそれで直接的に救われることはなく、ただひたすらに自己責任を問われることになる

2024-05-12

なんでも自己責任なら国いらねえな

なんでも自己責任って事は、国は守りませんって事でしょ?じゃあ国なんて必要ないじゃん。守らねえんでしょ?

2024-05-11

夜職やっててそのリスク意識してない、というのはあまりに嘘ではないか

適当なカモ捕まえてどこまで引き出せるかの勝負なのに、

相手には理性がある(ので借金してまで来るやつはレア

みんな疑似恋愛と納得してる(ので派手な遊びなんてない)

みたいな擁護が湧いてて気持ち悪すぎ。

ホストにハマった女の風俗落としのスキームが固まってんのにそれを自己責任矮小化する流れにも賛成するのかな、こいつらは?

どう見ても勘違いさせて搾り取る構図、その上に成り立つ商売しか見えないのだが

anond:20240511124931

違うよ、全然違う

子ども女性高齢者障害者は弱いか弱者なんだよ

弱い者は助けないとダメでしょ

弱者男性は強い男性なのに完全に自己責任弱者になってるから助けようとも思わないんだよ

なんなら弱者のふりして甘えてるだけのやつもたくさんいるよ

この記事、ツイフェミ+自己責任論とか言われて叩かれてるけれど、

書いたライター西谷格って人は男みたいだし

特にフェミ寄りでもないよね

(私はフェミニストだからキャバクラ女性への搾取として取り締まるべきだと思っているし。)

新宿タワマン刺殺事件ネットで「同情」の声が集まる和久井学容疑者に同情などできない理由

https://news.yahoo.co.jp/articles/23fc6d81c980d5cf50f77ed5126a62ea3bd22603

anond:20240511102557

それはあなたネット環境捨てて部屋にこもってれば解決する話なので自己責任ですね。女性は例え男性がそうしても土足で部屋に乗り込んでくる悪質性があるので同じに論じることは出来ません。

anond:20240511103118

それはあなたネット環境捨てて部屋にこもってれば解決する話なので自己責任ですね。中年男性は例え女性がそうしても土足で部屋に乗り込んでくる悪質性があるので同じに論じることは出来ません。

2024-05-10

車(バイク)が好きであることはなぜ叩かれないのか

今回の殺人犯が車バイクを売ったという経歴を持ってるところで車バイク好きから擁護されていることは沢山の人が知っているであろう。しかしなぜ叩かれる勢いがないのか。ここで自分語り自分は元々車が好きだった。しかし当時免許が無かった。だが車好きのコミュニティからインターネットを知っていったほど執着があった。しかしもう今はほとんど車好きをSNSフォローしていない。それも、車好きに多い田舎封建的おっさん特有保守的理論自己責任論が酷かった。例えば、ミニカー界隈では転売屋を叩くとそれに対して努力して買えと高確率で言われる。それは自己責任論で自分は気に食わなかった。他にも腐る程ある。それについて自分は繊細な感性を持つタイプアスペルガーと車好きの男らしさを持ち合わせる雰囲気ギアが合わず病んだ。本当に鬱病になった。さらに、自分の好きなインターネットであった5chなんJ嫌儲ではネトウヨが叩かれる傾向が強いが、そこと車好きの感性も合わなかった。車好きはぶっちゃけネトウヨだが誰もそれを突っ込まずいつまでもネトウヨ弱者男性ということにされている。これおかしいだろ!!!!!!!!!!!!!!!

本当に気が狂いそうだ。なぜ既得権益の塊である車界隈が...と思ったところで冷静になる。車は田舎で根強く人気があり社会の発展に今でも寄与している。そこについても考えた上で、「田舎弱者とは言えないけど保守的感覚を持った男性」を叩くムーブが来てほしい。もう自分は車の免許を取ったが運転も楽しくないし車好きは卒業したと言っていい。本当に社会の悪とは何なのか昔車について無性に調べてた自分がここまでネットに沈んでいくとは思わなかった。

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