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2021-09-08

anond:20210908191646

ぜんぶ自称感染症専門家が言ってるぞ

外せるどころかマスク不要だっていってたぞ

 

2021-09-01

anond:20210901180157

当たり前の話だけどそもそも疫学者は変異するウイルスであることは分かっててワクチンを作ってるんよ

何故かつてインフルエンザに新型が発生したかを知らない訳じゃないからな

変異スピード問題でもない

anond:20210901121112

レスしたの俺だけど、「勝てる」の定義がお互いで違うみたい。インフルエンザが今でも現役なように、完全に撲滅することが勝利条件だなんて思ってない。

極端に経済文化に悪影響を及ぼさなレベルまでコントロールできてるならそれは「勝てた」と言っていいと思っていて、インフルエンザはその基準にある。

現代医学科学・衛生感覚などをもってコロナを一生コントロールできず人類未来永劫ずっとマスクや行動制限必要なわけないでしょ、という意味だった。

疫学的に表現すると「パンデミック収束させられるかどうか」を勝ちとみなしている。

HPVワクチン議論でもやる点は、感染防御の話を避けるところ

HPVワクチン打たせろや、男も打っとけや」の議論でいつもモヤるのは、

病気を防ぐ、という話では必ず感染防御するには、リスク行動を避けるという話がセットであるはずなのに、

そこは「当然人間から感染者と無防備セックスするしパートナー風俗も利用する」というような

前提を置いてそこを隠してしまうところ。

高校生になる前に女の子に接種すると効果的」の裏側には高校生になると無防備セックスを始める人達がいるため、

という疫学を言わないところ。

2021-08-27

・接種は義務化したほうがよいがしなくてもよい

そもそもワクチン感染根絶を目的とせず、また感染根絶が可能であるようなエビデンスも無いと考えます

また集団免疫による感染数の低下は得られると思いますが、人獣共通感染症であることもあり、天然痘のような「根絶による終息」は難しいと考えます

この前提からコロナにおける「終息」は根絶ではなく、「治療薬/治療法の開発を含めた社会文化的受容体制ができる(=まあ「普通病気」になる)」である認識しています

ワクチンは「重症化を防ぐことで、社会受容体制ができるまでの時間稼ぎをする」が目的であるというのが、現在医学コンセンサスだと思います

その意味で接種率は高いほうが望ましいですが、「限りなく100%に近づけなければ無意味」ではありません。

よって義務化は、実施における社会コストと天秤にかけるべき問題だと思います

楽観論あるいは反ワクチン陰謀のようなミームが極端に広がり、著しく接種率があがらない場合であれば無条件に必要だと考えますが、現状その危惧は無いように見えます

個人としてワクチンを打つべきか

私は、個人リスク算定としてはmRNAワクチンであれば打つべきと考えています

原理的にも、疫学統計的にも、科学医学)的手続きにおいても、

ワクチンを接種するリスクが、

コロナ感染およびその後遺症リスクを上回るというエビデンスは無いように見えます

2021-08-21

anond:20210821222333

上の何見て言ってるのかは知らないが医師免許も当然取り上げるべきレベルにあるぞ

マジで書いてる内容理解出来てない?

もう1回書いとくね

 

anond:20210821114958

自称感染症専門家の岩なんとかさんよりダメな人の方が少ない

 

論外でムカつくからみてないけど2020-2-3月知ってるだけでこんな感じだったぞ

2021-08-20

anond:20210820000816

全国の重症者数は

8/6|823人

8/11|1332人

8/18|1716人

二週間前からおとといまでに倍増している。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/


8/11時点での重症用病床の使用率は、リンク先のグラフをざくっと見た感じで例えば、

東京|約80%

神奈川|約85%

となっていて、先週段階でひっ迫していた。全国の重症者数の伸びからすると、東京神奈川は今週のどこかで重症用病床が満床になったと思う。

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-chart/#prefBedUsadeRate


また、これは重症に限らないが、都内ではコロナ救急搬送要請したにもかかわらず病院搬送されなかったケースが8月第一から続出している。

都内では自宅などで容体が悪化救急搬送要請したにもかかわらず、病院搬送されなかったケースが今月2日から8日までの1週間だけで959件に上ったことが関係者への取材で分かりました。これは、コロナ関連での救急要請全体のおよそ6割にあたります

https://news.yahoo.co.jp/articles/225129177824259b974ce16e6dd3dab60cc6c263



なので、病院搬送もされず、重症用病床に空きもなく、満足に手当されずに息絶える人が増えるのはまさにこれから

追記

東京について別の記事によれば、"京都大の西浦博教授理論疫学)の試算によると、8月末に入院患者数が減少に転じた場合でも、8月下旬には重症病床の使用率が100%に達し、そのまま10月上旬まで同じ状態が続く"。

感染状況を分析する厚生労働省の助言機関会合が18日開かれ、東京では緊急事態宣言感染者数が今後減少に転じた場合も、10月まで重症者用病床の満床が続くとの試算が示された。

 京都大の西浦博教授理論疫学)の試算によると、8月末に入院患者数が減少に転じた場合でも、8月下旬には重症病床の使用率が100%に達し、そのまま10月上旬まで同じ状態が続くとした。

(略)

内閣官房資料によると、17日時点で東京重症者用病床の使用率は85%、神奈川では100%となった。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210818-OYT1T50276/

2021-08-14

公衆衛生因果関係エビデンスマスク

また擬似相関がTogetterで上がっていたりしたので書いておく。

疫学因果関係 成立判定の5条件

各自ググれ (ttps://minna-shigaku.com/category18/entry31.html ttp://jspt.japanpt.or.jp/ebpt_glossary/causation.html ttps://www.kansai-td.co.jp/corporate/energy/electromagnetic-wave/research/epidemiological-research/evaluation-criteria.html ttps://jeaweb.jp/glossary/glossary015.html など)

" 因果関係を判定する条件として,米国公衆衛生局長諮問委員会の5基準(1964)が提唱されています

1.Consistency(一致性):異なる地域時代・状況でも同一のことが起こる

2.Strength(強固性):原因と結果の関連が強い

3.Specificity(特異性):原因と結果の間に特定対応関係がある(原因が変われば結果も変わる)

4.Temporality(時間性):原因が結果よりも時間的に先行する

5.Coherence整合性):既知の知識体系と矛盾しない

"

"

関連の密接性

関連が強いほど因果関係がある。曝露が多いほど疾病の発生率が高い。

関連の普遍性

特定集団で認められた現象が、他の集団でも認められること。

関連の特異性

疾病があれば曝露があり、曝露があれば予測される率でその疾病が発生すること。

関連の時間

曝露が発病よりも前にあったことが証明されること。

関連の論理

曝露と疾病との関連が、生物学論理から説明できること"

もちろん提唱されているだけであり、これが因果関係判断基準のすべてではない。

Bradford Hillの判定基準(1965)もあります

6.Biological gradient(生物学的用量反応勾配):定量的な反応が起こる(量-反応関係

7.Plausibility(尤もらしさ):生物学的に矛盾なく説明できる

8.Experiment(実験証拠):関連を支持する実験研究存在する

9.Analogy(類似性):既存類似した関連により裏付けられる”


というわけで次、エビデンス

ttps://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00042.html

新型コロナウイルス空気伝播に対するマスクの防御効果  東京大学科学研究所(このページ発表年月日が明記されていない。多分2020年10月

ハムスターを用いた実験

ttps://academic.oup.com/cid/article/71/16/2139/5848814

Surgical Mask Partition Reduces the Risk of Noncontact Transmission in a Golden Syrian Hamster Model for Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)

「を以て”新型コロナ対処法のうちマスクにはエビデンスがある”からマスクしないやつは非国民と言っている」輩はいるか?いないよな?

RCTされていないからじゃないぜ。

なぜならエビデンス基本的人間に関するデータである必要があるからだ。

エビデンスレベル解説を見ればわかる。

システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス

Ⅱ 1つ以上のランダム比較試験による

Ⅲ 非ランダム比較試験による

Ⅳa 分析疫学研究コホート研究

Ⅳb 分析疫学研究症例対照研究、横断研究

記述研究症例報告やケース・シリーズ

Ⅵ 専門委員会専門家個人意見

まり森永ミルクを飲んだら病気になる、チッソの廃液が流されている水俣の海でとれた魚を食べると病気になる

から止めろというのはエビデンスに基づく医療

ミルクに何の毒が入っているか確定されていない、は治療対策を推奨するエビデンスを止める理由にはならない。

ヘリコバクターピロリ感染していると胃がんになる、ヘリコバクターピロリ除菌すると胃がんにならない>だから除菌をしよう

というのはエビデンスに基づく医療

ピロリ菌感染させた動物の粘膜細胞にがん遺伝子が発現するのが証明されていない>ピロリ菌除菌療法を進めない

というのはエビデンス否定する医療

東大マネキン実験も、ハムスター実験も 「患者データに基づかない」論文しかない。

それをもって推奨する対策はその時点では 最低ランクレベルⅥ 専門委員会専門家個人意見

密でない屋外でウレタンマスクをしている人をエビデンスガーで警察できる代物じゃないってことだ。

全くエビデンスがないわけではない

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200723-00189530

忽那医師のこれは

エビデンスに結びつく症例報告(クラスV?)とハムスター実験ex vivo実験を並べている。

注意深く読めばハムスター実験エビデンスであるとは述べていない。

著者はわかっているが読者が解っていないと思わず無造作に書いてしまっているか、読者を騙そうとして書いているかどちらかだろう(多分前者)。


COVID19にマスク有効か?という問いに対し

東大マネキン実験ハムスター論文

”8.Experiment(実験証拠):関連を支持する実験研究存在する”

として因果関係の判定に寄与する貴重な実験ではあるが、【エビデンス】ではない



ちなみに忽那医師らが当初、マスクは推奨しないといっていた、そして今でも限定的な言い方でしかマスク装着推奨をしないのは

”5.Coherence整合性):既知の知識体系と矛盾しない”

に引きずられているからだろう。(関連の普遍性、にも)

インフルエンザマスク有効ではない” という既知の知識体系を援用した結果であり、今でもなおその既知の知識体系に寄り添っている。


ファウチが初期にマスクを推奨しなかったのが「真に必要医療現場マスクが不足しそうだからそれを避けるため」というのは完全に信用する気にはならないんだよな。

2021-08-10

anond:20210810140621

「脅威度」とかい造語を突然持ち出されてもな...

脅威に思うかどうかというのは主観だろ?

「たったのそれっぽっちか、そんなの脅威とは言わねー」って言うのはあんたの自由だよ。

「おいおいこんなにいるのかよ、体験記みんなつらそうなんですけど???絶対かかりたくないわ」と思うのが俺の自由なのと一緒さ。

他国で大量感染してんだからわかるはずだろ。

いや、案外各国とも後遺症(Long COVID)の調査結果は出してないんだよな。

検索しても「まだよくわからない」のオンパレードだ。

後遺症調査に本腰入れられるような状況ではないということだろう。

東京都の「新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/soudan/longcovid_leaflet.html

有識者会議記事新型コロナウイルス感染後遺症について」

https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/6466

新型コロナウイルス感染症の後遺症は、倦怠感、呼吸苦、咳嗽、味覚・嗅覚障害などが主な症状であり、

20歳代以降の全世代で高頻度に認められ、月単位(2~4か月後)で遷延

日本調査対象数が少ないのでちょっと確率とかの信憑性がアレかも。

疫学:軽症患者でのCOVID-19後遺症(long COVID)を評価する

https://www.natureasia.com/ja-jp/nm/pr-highlights/13744

>軽症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で自宅隔離となった若年成人(16歳〜30歳)の半数以上が、

最初感染の後の6か月に、継続的呼吸困難、味覚と嗅覚喪失、倦怠感、集中力記憶力の低下などの症状を経験

ノルウェーベルゲンで行われた312人の患者集団調査

↓Prevalence of ongoing symptoms following coronavirus (COVID-19) infection in the UK: 5 August 2021

https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/healthandsocialcare/conditionsanddiseases/bulletins/prevalenceofongoingsymptomsfollowingcoronaviruscovid19infectionintheuk/5august2021

英国統計局調査。症状自己申告性だからちょっと確率とかの信憑性がアレかも。

NatureのCovid-19関連特別翻訳記事リスト

https://www.natureasia.com/ja-jp/collections/covid-19

やっぱあんまLong Covid研究はない(少ない)ように見える。

「言うてLong Covidで命は取られんやろ、今そっちの研究してる場合ちゃうねん」感があるというか。

命は取られんでも社会的には割と死ぬので(働けないレベルの倦怠感その他が発生)、そっちも頑張って欲しいねんけどなあ。

2021-08-06

オリンピック女子ロードレースで2位だったオランダ選手解説する

7月25日の13時から行われた東京オリンピック 女子ロードレースで起こった奇跡について書いた前回の記事(https://anond.hatelabo.jp/20210727115101)が思いがけず多くの人に読んでいただけたようなので、その時に2位となったオランダ選手についても解説してみました。

そう、前にいたキーゼンホファー選手を見落として自分が1位だと思ったまま、2位でゴールしてしまった彼女物語です。

(前の記事を読まれているのを前提で書いてます)

彼女はどんな人なのか

名前はアネミーク・ファンルーテン、1982年まれの38歳です。

38歳という年齢は選手として決して若いとは言えませんが、現在でもスペインプロチーム「モビスター」に所属し、エースを務めています

エース」というのはそのチームで1番の実力者であり、チーム全員が力を合わせて1位を取らせる人です。

他の選手は「アシスト」となりエースの前を走って風よけとなったりしながら、エースの脚を温存させてゴール前まで送り届けるのです。

そんな彼女自転車競技を始めたきっかけは、2007年オランダのワーゲニンゲン大学疫学修士号を取得した頃に、同時に楽しんでいたサッカーを膝のケガのために止めることになり、自転車競技に参加するようになったそうです。

スタートは遅かったですが、その後順調に自転車選手としてのキャリアを積み上げ、2009年にはプロチーム契約し、2012年ロンドン五輪では4人のオランダ チームの一員として女子ロードレースに参加して、オランダ選手金メダルを獲得するのに貢献しました。

そして、2016年リオ五輪にもオランダ チームの一員として参加しました。

しかし、ここで今回の東京オリンピックで何としても金メダルを獲得したい理由が生まれしまったのです。

リオ五輪で何があったのか

リオ五輪女子ロードレース全長137kmのコースで行われ、彼女はゴールまで残り約10㎞という地点で2位に差をつけて単独1位となっており、金メダルをほぼ手中にしていました。

しかし、そこは前日の男子ロードレース複数選手が転倒して鎖骨や骨盤肩甲骨骨折するという事故が発生していた魔の下り坂だったのです。

そして、ファンルーテン選手も右カーブを曲がる際に一瞬後輪がスリップしてコントロールを失い、かなりの速度で落車して頭から地面に叩きつけられてしまいました。

その結果、重度の脳震盪腰椎の3か所を骨折し、直ちに集中治療室搬送されるという大ケガを負ってしまったのです。

レースは当然、リタイアDNF(Did Not Finish:ゴール出来ず)扱いとなり、同じオランダ選手金メダルを獲得しましたが、彼女自身メダルを手にすることは出来ませんでした。

そんな経験をしている彼女が今回の東京オリンピックでの金メダル獲得に並々ならぬ意欲を抱いていたことは想像に難くありません。

そして東京オリンピック

リオ五輪で大ケガをした彼女はその後、事故から10日目には自転車に乗り始め、その年のベルギー ツアーというステージレース総合優勝を果たすというとんでもなく順調な回復を示しました。

ステージレースというのはオリンピックロードレースのように1日で終わるワンデーレースではなく、様々なステージ(コース)を舞台として何回もレースを行い、その総合成績で勝者を決めるという形式レースです。

2016年ベルギー ツアーは全4ステージ、4日間というものでしたが、有名なツール・ド・フランスというような大きな大会になると、今年は全21ステージ、2度の休憩日をはさんで全23日間で3,383kmを走破するという過酷ものになります

彼女はその後の4年間も様々なレース勝利を重ねており、万全な体制東京オリンピックに乗り込んできたものと思われます

またチームとしても、パレード スタート後あまりの暑さに冷たいボトルを無理やり背中に突っ込んでいる選手もいる中、オランダ チームの4人はオレンジジャージの上に揃いの白いアイスベストを着ていたこから準備万端整えてきたことが伺い知れました。

ちなみにパレード スタートというのは、今回のコース全長147kmのうち最初10㎞は観客への顔見せのため、選手全員が先導車の後についてゆっくりパレード走行するというものです。

TVニュースネット自転車集団神社境内突入していく映像を見た人もいるかもしれませんが、あれはパレード走行中の映像です。

さすがに多くがプロ選手とはいえ、本気で走っている時にあそこを集団で走り抜けるのは無理があるでしょう。

また、パレード走行中も選手同士は集団の中でどの位置を確保するか戦略を巡らせています

オランダ チームは4人並んで集団の先頭を堂々と走り、キーゼンホファー選手スタート直後から最後尾を単独でずっと走っているのが確認できます

そして、10㎞を走ってアクチュアル スタート地点の是政橋を過ぎたところから、本当の戦いに雪崩れ込んでいったのです。

悪夢再び

レースは前回の記事説明したように、スタート直後にキーゼンホファー選手を含む5人が飛び出して逃げ集団形成し、しばらくは何事もなく進んでいきました。

ところで、逃げ集団最後にはほとんどの場合、メイン集団に追いつかれてしまうのになぜ良くつくられるのでしょうか。

理由の一つは、万が一にでも勝てる確率があるからです。逆にメイン集団に残った場合、ゴール前までついていけたとしても「ゴール スプリント」と言われるゴール前数十メートルから数百メートルで行われる最後ラストスパート争いに「スプリンター」でないと勝てないからです。

スプリンターというのは長距離は苦手だが、短距離を爆発的な加速力で速く走るのが得意という選手のことです。

特に今回のオリンピック場合、国毎に参加人数が違うので単独で参加している選手スプリンターであっても、他の国がスプリンターアシストを付けている場合ほとんど勝てる可能性は無かったでしょう。

もう一つの理由は「目立つため」です。

メイン集団にいると先頭付近にいないとカメラに映ってもほぼ分かりませんが、逃げ集団であれば必ずカメラに映れます

目立ちたい理由選手によって「家族に見てほしい」や「より良いチームにスカウトされたい」というものがあるようです。

さらに、有力チームが逃げ集団選手を送り込んでおくというのもあります

万が一、逃げ集団が逃げ切ってしまった場合でも勝利可能性を残しておくという目的もありますが、逆に逃げ集団のペースをわざと遅くさせて、確実にメイン集団が追いつけるようにするという目的場合もあります

そしてレースに戻ると、ゴールまで残り約80km弱の地点に近づいた時にそれは起こりました。

ファンルーテン選手の前を走っていた選手が突然、転倒したのです。

実は前日の男子ロードレースでもまったく同じ場所で5人が落車するという事故が起こっていました。

道路に横たわった選手自転車を前に彼女ブレーキを掛けますが止まり切れず、相手自転車に突っ込んで前に投げ出される形となりました。

映像を見ると分かるのですが、2車線道路中央部分に細い溝のような部分があるのが見て取れます

どうやら、この部分でタイヤを取られて転倒してしまったようです。

バイク乗用車タイヤの太さな問題ないのでしょうがロードバイクの細いタイヤにとっては危険構造になっていると思われます

今後もし、同じコースロードレースが開催されることがあれば何らかの対策が欲しい所です。

幸い速度が落ちていたため大きなダメージは無かったようで、彼女は直ぐに起き上がりました。

しかし、2台の自転車は知恵の輪のように絡み合ってしまってはずれません。

すると、サポートカーから降りてきた男性が2台を引き離してくれ、転倒した選手自転車は交換となりましたが、ファンルーテン選手はそのまま自転車に乗り、再び走り始めました。

しかし、落車した瞬間はリオ五輪悪夢脳裏をよぎったことでしょう。

追走

ロードレースでは暗黙の了解として、落車した選手がいた場合などは集団スピードを上げずに、その選手集団に復帰してくるのを待つという慣習があります

また、サポートカーを風よけにして後ろを走るのは普段は許されませんが、こういう時は暗黙の了解で許されたりします。

結局、彼女10分弱でメイン集団に復帰しました。

そうして、メイン集団に復帰してしばらくすると、ゴールまで約60kmの山伏トンネルの手前でアタックを掛けて先行し、一時はメイン集団から1分以上先行しました。

しかし、それでも逃げ集団との差は5分以下には縮められず、ゴールまで約30㎞ぐらいの地点でメイン集団に戻ってきてしまいました。

さすがに5分以上先行している逃げ集団に一人で追いつこうというのは無茶だったようです。

レース後のインタビューで3位になったイタリア選手が「逃げ集団を追う責任オランダにあった」と言っていますが、これもロードレース暗黙の了解ひとつで、そのレースで一番強いと思われているチームはメイン集団コントロールし、レース終盤に確実に逃げ集団に追いつくよう集団のペースを調整する責任があるという考え方が下敷きにあります

今回オランダ チームはその責任を果たすことが出来なかったわけです。

ファンルーテン選手山伏トンネルの手前で逃げ集団を追うべく先行したのはタイミングとしては正しかったと思いますが、さすがに一人で追いつくのは無理なので他のオランダ チームの選手同調して動くべきだったと思います

これは単に無線が使えなかったからというよりは、誰がエースで誰がアシストをするかというチームとしての戦略が徹底されていなかったか、あるいは最初からそんな戦略が無かったように見えました。

オランダ チームの4人はそれぞれがすごい人ばかりなので、調整がつかなかったのかもしれません。

ゴール

終盤はメイン集団の先頭をオランダ チームの4人が並んで引っ張るシーンもありましたが、時すでに遅しで富士スピードウェイに入ってから2位と3位のイスラエルポーランド選手には追いつくことが出来ましたが、キーゼンホファー選手背中を見ることは最後までありませんでした。

そうして前にキーゼンホファー選手がいることに気がつくことなく、彼女自分が1位と信じてガッツポーズをしながら2位でゴールラインを越えたのです。

ゴール時のガッツポーズ暗黙の了解として1位の選手のみがするものとなっているため、彼女自身を1位だと思っていたのは明らかでした。

ゴール後に自分が2位だったことを知らされ、レース後のインタビューで「銀メダルでも美しい」と答えたファンルーテン選手の胸中はどのようなものだったのでしょうか。

仮に現国試験で「この時の選手の心境を説明しなさい」という問題があったら、いくらでも書けそうな気がします。

こうして彼女東京オリンピックは終わりま……せんでした。

その後の彼女

女子ロードレースが行われた3日後の7月28日彼女富士スピードウェイスターティング グリッド自転車に乗って立っていました。

個人タイムトライアル競技に出場するためです。

個人タイムトライアルというのは、ロードレースと違い数分間隔で選手が一人ずつスタートし、単独走行でゴールするまでのタイムを競うという競技です。

今回は富士スピードウェイとその周辺道路全長22.1kmのコースが設定され男子は2周、女子は1周します。

そして、今度こそ彼女は本当に金メダルを獲得したのです。

それも22.1kmを30分13.49秒というタイムで走り切り、2位に約56秒差という圧倒的大差をつけての1位でした。

この差がどれだけ圧倒的かというと、2位と3位は4秒差、3位と4位は7秒差、4位と5位は4秒差でしたので、どれだけ彼女が頭抜けた選手なのかが良く分かります

最後の走者がゴールして金メダルが確定してから表彰式が終わるまで、ずうっと嬉しさ爆発という感じで喜びの表情だったのが印象的でした。

歓喜の様子はNHKの見逃し配信(https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/list/sport/cycling/)で「女子個人タイムトライアル」とタイトルに入っている動画の1:12ぐらいから見られます

しいて言えば、タイムトライアル競技コースというのは普通、平地が主体コースとなるのが通例なのですが、今回は富士裾野にある富士スピードウェイとその周辺道路コースとなったため、タイムトライアル競技としては珍しく上り下りの多いコースとなっていました。

そのため、タイムトライアル競技に特化した選手は記録があまり伸びなかったものと思われます

それでも彼女と同じオールラウンダー型の選手大勢参加していたので、彼女のすごさは変わらないでしょう。

しかレース後のインタビューによると、タイムトライアル用の自転車にはDHバーという肘を載せるパッドがついた前に2本の棒が突き出した形の部品ハンドルの上に付けられているのですが、棒の先っぽにギヤ変速(シフト操作と言います)を行うためのレバースイッチが付いています

このスイッチが本番で機能しなくなり、ハンドルブレーキバーについている本来シフトレバーを使うしかなくなってしまっていたそうです。

シフト操作自体は出来るとはいえタイムへの影響は避けられなかったでしょう。

それでもこの圧倒的大差です。

また、件のスイッチレース後は正常に動作して、レース前の確認でも正常だったため、これは仕方がないということで整備したメカニックが怒られることは無かったそうです。

ちなみに、キーゼンホファー選手個人タイムトライアル競技には出場していませんでした。

もし、この競技を得意とするキーゼンホファー選手も出場していたら、ものすごく興味深い対決となっていたことでしょう。


こうして彼女東京オリンピックは今度こそ本当に終わったのです。


その後、彼女オランダには帰国せず直接スペインに飛び、7月31日に行われた「クラシカ・サンセバスティアン」という全長約140kmのワンデーレースに出場して、最後は独走で優勝したそうです。

東京オリンピックロードレース金メダルを逃した影響の心配はいらないようです。

最後

ロードレースの基礎知識を盛り込んだら随分と長文になってしまいました。

今後も機会があったらロードレース観戦を楽しんでいただければと思います

それでは、またいつの日か。

2021-08-04

オリンピックは反対でも帰省は賛成?

政府オリンピック発言帰省自粛要請に対する反応としてまとめたものがバズってる。

これをもてはやしてる人が多いということは、「オリンピックやってるくらいなら帰省してもいいでしょ」という考えなわけだよね。

その前提としてオリンピックには反対していた人が多いと思う。なぜ反対していたかというと、おそらくオリンピックやると感染拡大すると考えていたから。

それにも関わらず帰省OKと考えるのは、自分帰省しても感染拡大には繋がらないと考えているということ?国境を超える10万人単位の移動と、県境を越える数百万単位の移動のどちらが感染拡大につながるかというと後者な気がするのだけど。

(ここが突っ込まれやすポイントなのは理解しているが、疫学モデルで考えれば後者のほうが影響が大きいという前提である。)

もちろん、オリンピックではちゃんと水際対策しなかったせいで国外からデルタ株が増えた可能性があることとか、入国した選手等が外出していることとか、非難されることが多いのはわかる。オリンピックやるくらいだから良いでしょという気持ちになっている一部の人の気が緩む効果を持つのもまあわかる。かといって帰省してもいいでしょ、となる理由がわからない。

「信用ならない政府の言うことなんてもう無視だもんね!」くらいの雰囲気で、要は政府が狼少年扱いされているということなのかなとも思うけど、そろそろマジの狼が来てるのではないか

感染拡大を懸念するなら帰省自粛する!or感染拡大してもいいか帰省したい!オリンピックも楽しんでます!のどちらかなら理解はできる。

2021-07-24

anond:20210724082930 anond:20210725195249

正直、311、COVID-19 と同じ状況だなって思ってる

 

2020-03-03 (anond:20200303183504 )

140文字以上読めない人や自己判断出来ない人にとっては

情報安心ではなく不安材料しかないのは悲しく思う

それ以上に311から微塵も進歩していない日本報道を情けなく思う

海外ニュースの方が知りたいこと知れるってあのさぁ・・・

  

2020-03-03 (anond:20200303164004)

米国ではどんな報道しているのか?

発生が中国だったので横槍が入らなかっただけかも知れないがCNNは二本立ての報道をしている


 → アメリカでは流行リスクは低い。万全の準備が出来ている(ドン!)


 → 中国は無症状のコロナ感染者をカウントしていなかった。大問題米国は無症状でもちゃんカウントしてるよ

 → 米国疫学病理学の専門家は明らかに米国で検出されているコロナ患者数が少ないと言ってるよ。現実的にはもっといるはずだ

 → 実際にはもっと感染者がいるから死亡率は全体で見れば2%よりも下がるよ

[CNN] Worried about coronavirus? Hear out this doctor's message
(コロナウイルスが心配ですか?この医師メッセージを聞いてください)

https://edition.cnn.com/videos/world/2020/02/17/dr-ian-lipkin-virus-hunter-china-coronavirus-full-episode-acfc-vpx.cnn

 → ワクチンは最低でも1年以上掛かるよ

 → 米国でレムデシビルを投与した患者回復したよ。中国保険当局連携するよ。関連株が上がったよ

 → パンデミックに備えて医療品を備蓄しておくと安心だよ。リスト書いておくね

 → いろいろ”まだわからない” 。これから調べていくよ

 

日本が見習った方が良さそうなところ


 感染症に関わらない医師が『マスクなどのサプライヤー中国。不足して医療関係者が使えない方が致命的』

 日本じゃ自称専門家不要っていうだけだしな。じゃあ医療関係者も装着やめたら?

How US schools are preparing for the coronavirus

https://edition.cnn.com/2020/03/02/health/coronavirus-us-schools-preparation/index.html

ここでも清掃ってかいてある

あとオンラインで在宅学習させるし、貧困地域給食プログラムも準備をすすめているよ

日本は全く何がどうなってるのか見えない

2021-07-18

anond:20210717164711

ちょっとほんとに教えてほしいんだけど賢い人に。

早くワクチン制御しないと、感染拡大し続けて変異株は生まれ続けるよ、っていうやん?

実際インドやらペルー(シノバックとかショボワクチン打ったから?)やら出てきて、そうだよね!って納得してる。

でもワクチン打ったらみんな経済回そうぜ、外出ていこうぜウェーイみたいな状態でも、ノーワクチン集団よりは少ないとは言え感染者出るよね?

そんで、その感染者は死なずとも、変異株が生まれきっかけは起こるよね?

ワクチンを打った人がウェーイっつって遊んでて「軽い風邪状態になったコロナを撒き散らしてる可能性はあるよね?

ワクチン未接種のビビってる人よりも強力なスプレッダーになるかも?ってことはある?

とはいえワクチン済みの集団新規感染者が減少するって話だから変異株が生まれ可能性をノーワクチン集団よりは下げてるからヨシ!許容範囲!ってこと?

ウイルス量のピークも排出期間もノーワクチン発症者よりは減るんだろうし、スプレッダー自体もずーっっっと生まれにくいんかな?

この辺、日本政府ちゃんと織り込み済みか不安だけど、イギリスも考えてないとは思えない。

もうすぐマスクとかの規制解除するらしいから、また今からワクチンほとんど打ってる集団からエグい変異株出るのか」実験やるんか?怖いよー・・・

あと、自分理解によると

「全てのワクチン抗体値の逓減で効果が低下するけど、ちょいちょい感染さらされる事によってブースター効果でまた抗体値上がる(風疹とか)」

と思ってたんだけど、コロナワクチンも一緒?

デルタに対してファイザー感染防止率は90%→64%くらいに下がるんちゃうかと言われてるけど、かかるやつはかかるが、逆にこれでブーストされる人もいるんか?

それもまだ実験段階で不明

こういう変な質問受け付ける「教えて厚労省!」みたいなんやって欲しいよー

実は自分明日2回目ファイザー受けるし、副反応とかはほぼ心配してないんだけど、こういう疫学的?な発展問題みたいなのは偉い人に教えてもらわないと正直理解できないので困ってる。

2021-07-08

まり、これは「スーパースプレッダー」の祭典ということですか? 

正直、わかりません。日本はこれまでのところ、コロナ関係数字で見れば抑えられている方ですが、

危険を感じるのは、日本ではなにか手段を講じているわけでもないのに、

どうして米国欧州より死亡率が低いのか、

私が話を聞いた医師疫学者のだれひとりわかっていないことです。

ともあれ、私のストレスがこのところ爆上がりしているのは、こういう理由なんです。

みんなで立ち向かい、どうぞ無事でいてください。(終わり)

誰にもわからないw

2021-07-05

anond:20210705183952

大航海時代免疫のある西欧人が持ち込んだ病原体によって、免疫のない未開の部族が多数滅んだと伝えられている。

ワクチン未接種の人間加害者だというが、本当の加害者は、ウイルス免疫を持っている人間であることが多い。

腸チフスメアリーこと、メアリーマローンも、腸チフス免疫をもっていたからこそ、多数の被害者を生み出した。

疫学的に加害者になるのは、ほんとうにワクチン未接種者だけなのか、よくよく考えてほしい。

2021-05-30

疫学的に100万分の1だが当事者は1分の1

どちらも大事で、だからこそ両方をケアしなくちゃいけないというのが理想論の出発だと思うのだけれど、

はてなでは尖った意見の方が目立つようになっているので、

公共の福祉絶対論と、

個人幸福絶対論とでいがみ合うばかりで、

理想論の出発どころかぐんぐん後退しているよね。

2021-05-17

anond:20210517224954

横だけど、高齢者全接種なんてそれこそ首相お気持ちでありメテオフォールで、疫学的には予防接種済の人が増えれば感染収束への効果は高いからね。。。

医療への負荷を踏まえると高齢者の方が効果的、ともいえるが、それを待って誰も打たないよりはるかにいい)

科学的に振舞うことの難しさ

本当に難しい。

コロナ最初期段階から言われてたことが、結局ほぼほぼ当たってた件について

anond:20210516192446

新型コロナ空気感染してる可能性あるらしい・・・

           ↓

Twitter医師団&ブクマカ「そんな事実はない!正しく恐れて!」

           ↓

WHO「すまんやっぱ空気感染してるっぽいわ」

元増田気持ちはよく分かるのだけど、これは、

(A) 何件同じ事例が見つかったら、科学的に概ね正しいと言えるか(疫学的正しさ)

(B) どうやってメカニズム実験的に解明したら、科学的に正しいと言えるか

という問題があって、

臨床医というか、現場患者を診てる医療関係者は、とにかく救える命を増やしたいから、

最初の1例からでも、空気感染かも?抗血栓薬効くかも?死亡率高いかも?

情報共有しようと発信するのに対して、

研究医的な立場だと、その影響力の大きさから、ある程度の症例を集めるか、

少ない症例でも実験的にメカニズムを解明できない限り、何も言えない。

結果として、それぞれの立場にはそれぞれの正しさがあって、

誰もウソを付いてないのに、一般市民は騙された感覚に陥る。


ただ、研究医的な立場のヒトには、ごはん論法的な側面

ごはん論法朝ごはんは食べましたか?いいえ食べてません。(食べたのはパンだったから))

があって、

マスク有効であるというエビデンスは無い と言いつつ、マスク有効ではない とは決して言わない。

なぜなら、

マスク有効でないというエビデンスも無いのだから

空気感染するというエビデンスは無い と言いつつ、空気感染しない とは決して言わない。

なぜなら、

空気感染しないというエビデンスも無いのだから

とまぁ、人を小馬鹿にしたような受け答えで上手く言い逃れている状況を

テレビの会見で何度か見てるので、騙されたと言われても仕方ないよねと個人的には思う。

2021-05-09

池江選手騒動で、いまいちまとまらないが、箇条書きで書いてみた。

調べ切れてないので、間違いがあるかもしれない。

そもそも五輪自体、今、何が何でも開催しなければいけないものなのか。

 変異種が広まりつつある日本で、文字どおり全世界から入国を許すべきなのか。

 各種国際的イベントが中止になっている中、パンデミック下でオリンピックをするのは疫学的に、人道的に正当性があるのか。

選手選手まわりのスタッフコーチとか)、マスコミスポンサー関連など、9万人近い入国者があるという。それらのワクチン接種は各国の問題だが、国内だと、ボランティアスタッフワクチン接種の問題がある。ボランティアスタッフ分のワクチンは用意されておらず、ボランティアスタッフからその家族や同僚など一般人への二次感染が予想される。島国で、水際対策がやりやすいのに(できていないが)、すでに選手五輪関係者でも、またルール違反者なかにコロナ感染者は出ている。

・池江選手は「平社員」であり、一選手に言うことではない云々。

 たしかTwitterなどで直接伝えることではないとは思う。SNSなどで直接、矢面に立たされてしまうのは、いい傾向だとは思わない。ただ、ここまでの騒動になっているのが、逆説的に池江選手の影響力の大きさを証明している。彼女が「参加しない」といえば、相当な影響力があるだろう。だんまりを決め込んでいる他の選手も何かしらの態度表明をし出す可能性もある。

 たとえば、今度のオリンピック(出場予定)選手で、名前を5人あげろ、といわれたら、多くの人が彼女名前を挙げるだろう。有名税というと言葉が悪いが、各種スポンサーバックアップも得ており、「優秀な選手でありながら、難病を乗り越え五輪を目指すけなげな女の子」と矮小化するのは返って彼女への侮蔑である

選挙で「自分の一票なんて意味がない」と投票さえしないのと同様に、「一選手に言っても仕方がない」というのは、おおよそ民主主義的な態度ではない。一選手の一票が、世論を大きく動かす可能性がある。

また五輪自体、国の金も掛かっているのも頭の片隅には置いておきたい。

医療従事者にも満足にワクチン接種が進んでいないにも関わらず、それを押しのけて「アスリートファースト」でワクチン接種ができ、いざコロナに掛かっても入院できる。特権しか言いようがない。

医療リソースワクチン、金、その他諸々、日本は十全な態勢とはとてもではないがいえない。五輪リソースをかけるより、コロナ対策リソースを割くべきではないかリソース無限に出てくるわけではなく、限られている。直接は見えないだろうが、五輪が開催されれば、その期間中一般市民コロナになっても、五輪選手関係者が優先され、前者は見殺しにされる。一般市民を後回しにしてまで、五輪に参加するのであれば、せめてもっと人殺しの顔をしろ。「暖かく見守っていてほしい」は、「一般市民は見殺しにされても黙ってろ」と変わらない。近代五輪の「参加することに意義がある」という精神が、痛烈な皮肉になっている。

2021-04-19

マスクの人思考

何人か反マスクワクチンの人見てるけどだいたい似たような事言ってるのでまとめる。

 

コロナはただの風邪インフルエンザだって死者いっぱいいる。

マスク政治マスコミ一般人コントロールできたかどうかを可視化しているもの

マスク使用し続けると免疫力が下がり健康被害が起こる。

マスクをしてたらやばい、そんなこと考えればわかる。

・(疫学についての)情報はピンとこない、ピンとこないものは疑って自分の心に従うべき。

エビデンスとか言ってないで自分の感に従え。

マスクをしてない人達は「目覚めた人々」。

健康の為ワクチンは打ってはならない。周りの人が大切だから打たないよう説得する。

・がん患者にも「標準治療はやめるべき」とアドバイス

カルトは秒で信じちゃう。心が気持ちいいと感じる方向へ。

 

みんな凄く偉そうにトンデモを語ってる。

2021-04-18

コロナ疲れだけではなく、コロナ元気もある

オフィスに出勤できず、仲間と会いづらく、顔を合わせづらい現状。

最高の社会が来たなと思っている。

 

もちろん観光飲食エンターテイメントなどに多大なダメージがあり、経済的にも疫学的にもメチャクチャやばいので、速いところ収束してほしいのは間違いない。

「最高の社会」というのも、コロナでみんなが苦しんでいる社会が最高!と言うことではなく、「出勤しなくていい」「飲み会に行かなくていい」「社会人の雑談をしなくていい」「会議も余計な話題が出ない」「完全成果主義

これらの点があまりにも性に合っていて、前よりも生き生きと仕事ができているという事だ。

要するに生きやすいのである

 

まあ社会不適合者とか、コミュニケーションに難ありということではあるのだが、「今のほうが楽だ」という声が取り上げられることは少ない。

業種的にもむしろ儲かっているような業種だし、「みんながみんな辛いんです!」というような論調を見ると「なんだかなあ」という気持ちになる。

 

新型コロナ流行経済的にと言うよりは精神的につらい人がほとんどだと思うが、今感じている苦しみを以前のようなの社会の時に我々は感じていたということをなんとなく感じてもらえれば良いなと思う。

謝罪を求めるとかマウントを取るとかそういう話ではなく、価値観の違う他者理解する一助としたいというところである

2021-04-16

大阪府コロナ資料ダメ出し&感染爆発を防げなかった理由 その1

★★★注意★★★

本稿はかなり長いため、 まとめ・結論 https://anond.hatelabo.jp/20210417004340 から読む事をお勧めします。

■■■本文■■■

現在大阪では重症病床数を上回る重症患者が出ており、医療崩壊を疑う余地が全くない。重症患者を溢れさせないというのはどうしても死守するべきラインで、これまで日本でこんな規模では起きてなかったはずだ。(起きてたらごめんなさい)

どうしてここまでの事態に至ってしまったのか、その理由大阪府の専門家会議資料に求めてみた。前提条件として、変異株の特性と発表資料、そして大阪府が毎日発表しているcovid-19陽性者数、検査数などの資料についてのダメ出しをしてから専門家会議資料考察うつりたいと思う。分からなければ戻って確認するのであれば、そこ(その3)まで読み飛ばしてもいいかもしれない。

なお、筆者は理系大出ではあるものの、医療系ではないし、統計もいくつかの分野で実際に使用はしていたが専門的に学んだわけではない。というわけで、高校レベル知識があれば分かる事しか書けない。明らかな誤りや誤認などがあれば、ぜひ指摘していただきたい。可能な限り修正はする予定だ。

変異株について

変異株の特性
2/7 新型コロナ変異株と再感染リスクワクチン効果との関係 現時点で分かっていること

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210207-00221408/

従来株と比べた感染性の強さ 56~75%増加、重症リスク 高くなる?(詳細不明

4/5 日本国内で報告された新規変異症例疫学分析(第1報)

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10279-covid19-40.html

VOC-202012/01(注: イギリス変異株)の実効再生産数は従来株に比べて一貫して高く、平均で1.32倍であった

4/8 尾身会長指摘 大阪感染拡大「変異型でなく行動」

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000212350.html

4/9 アメリカも“イギリス変異ウイルス”が主流に 30~40代重症化ケース増 専門家既存ワクチン有効 広く接種を」

https://news.yahoo.co.jp/articles/01cf9b723a7ef4dcaed50dfaa53f2c6c2ef541e1

国外からの報告でで25~40%程度、感染伝播の力が強いと報告されている。イギリスでは10万人を超えるデータを解析した結果、従来のウイルスと比べて60歳未満の方たちで致死率が60%程度上昇する可能性というのが示唆されている。

以上のように、イギリス変異株では従来型と比べて高い感染性が報告されており、日本でのデータでもそれは裏付けられている。また、重症化や死亡リスクの高さも懸念されてる。

変異株についてのデータ

神戸市

https://www.city.kobe.lg.jp/a97852/552275383937.html

神戸市では、PC検査の精度管理クラスター事例の事後検証などのため、市内医療機関の協力を得て、陽性検体を神戸市健康科学研究所収集、保管し、自らゲノム解析しています。直近では全陽性検体の約7割を神戸市健康科学研究所に集約しています

変異割合が期間ごとに、7割という調査率により比較的高い精度で出ていると思われる

大阪

http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/happyo.html

報道発表資料として、変異スクリーニング検査の結果を公表しているが、その内容が陽性が判明した件数と、その年代性別発症日別などの集計だけ。検査数が分からないので、これだけ見ても類推出来る事はほぼない。専門家会議資料検査総数等含めた集計が見られるのだが、そちらにもそちらで問題が。

4/7大阪専門家会議資料より

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00391753/1-2_henikabu0407.pdf

大阪でも神戸市と同様に週ごとの変異割合が算出されてるかのように見えるが、右表の累計の更に下にある左記以外欄と、変異PCR検査陽性率の但し書き(※3)に驚く。

下記以外の人を集計

変異株陽性者の濃厚接触者や接触可能性がある人

変異株が確認されている国・地域への渡航歴がある人

※3 変異株陽性者の濃厚接触者や接触可能性がある人は、検体が残存している場合は、

全件を検査対象としているため、陽性率は高くなる傾向

ランダム変異検査をしているわけではなく、変異株陽性が判明している人の濃厚接触者や、変異株が確認されている国から帰国者など、事前確率が高い検査が一部混じっているのである

まり、この表における変異PCR検査陽性率は、その週の変異割合を正しくは示していない。本来、各週における真の変異割合に近い数字を出すために、この表とは別にもう一枚、この全期間まとめて「左記以外」となっているものを、週別に集計しなおした表を作るべきなのだ

現状だと実際より高く出るので、変異割合を低く見せようとしているなどと言ったごまかしの要素は無いのだろうが、余りにずさんである


しかし、本当に驚くのはここからだ。この形式の表は、3/18,26,31と4/7に開催された会議資料掲載されているが、「感染状況と医療提供体制の状況について」というまとめ的な項で触れられている数字は、この表における累計(全期間合計)の変異PCR検査陽性率、「左記以外」の陽性率と、検査割合で割り戻さないと全く意味をなさない、「変異PCR陽性判明率」(一番右の欄)だけなのだ。(4/7資料では変異株への言及が何故か無い。専門家から意見では触れられている)

本来的に、まとめ的項目で触れられるべきは一番新しい期間の数字であるはずで、4/7の資料においては、直近3/284/3変異PCR検査陽性率が73.7%、累計では47.6%と26%以上の開きがある。

捕捉的に念のために言っておくと、3/18の資料では直近の数字が過大に出ており、直近73.0%、累計29.0%となっている。その後検査が増え、4/7会議資料の、4/3時点での同じ期間の陽性率は41.7%となっている。しかし、3/26,31資料数字は大体妥当な所が出ていると思われる。


これらの問題放置してる専門家にも疑問符が付く。資料数字に直接触れているのは3/26の会議で、それも1人だけではあるが、全期間合計の割合数字28.7%にしか言及せず、直近の週の数字45.2%には触れていない。この数字は傾向としては過大に出るものであるが、それにしてもこの表へのツッコミがどの専門家からも入らない状況には疑問符が付く。この時点では国立感染症研究所の報告は出ていないが、英国変異株の感染力の強さについての警鐘一般向けの記事でも散々鳴らされていた以上、脇が甘かったのではないか個人的には思う。


なお、神戸市データと、過大に出る大阪府のデータを直接比較しても、神戸市の方が変異割合の高さが先行している感がある事を付け加えておく。

その2に続く

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